春二SIDE
「ううっ、さっぱり分からない」
今日一日、授業を受けてみたけど全然分からない。……やっぱり、誰かに教わった方がいいかな。でも、誰に教わる? やっぱり一兄かな?
「あっ、織斑春二君。まだ、いたんですね。よかった~」
すると、山田先生が教室に入ってきた。どうしたんだ?
「山田先生、どうしたんですか?」
「はい、織斑春二君の寮の部屋が決まりました」
「あれ? しばらくの間は自宅から通うって聞きましたけど」
「事情が事情なので無理矢理ねじ込みました」
成る程ね……下手したら、誘拐されそうだからね。
「でも、荷物とかあるんでいったん家に……」
「それなら私が手配した」
いつの間にか千冬姉が入り口に立っていた。
「着替えと携帯電話の充電器があればそれで充分だろ」
「は、はあ……」
ってことは家には千冬姉だけか……大丈夫かな。あの人、自分の下着さえ洗わないから……。
バシィィン!
「貴様、失礼なことを考えてなかったか?」
「……申し訳ありません」
IS学園寮、1026号室前。
「ええと、ここか」
僕は鍵を開け、部屋に入った。寮の部屋は立派なモノだった。そこらのビジネスホテルより立派だ。
「あれ? 一兄は?」
てっきり一兄と一緒の部屋かと思ったけど、違うのかな? 一兄の方が早く教室を出たはず……。
『ハガアッ!』
『一夏!? どうした!?』
…………隣の部屋から一兄の悲鳴が聞こえたんですけど、あと、箒ちゃんの声?
「もしかして、一兄と同室なのって箒ちゃん? ってことは、この部屋は僕専用か」
やっぱり、千冬姉の仕業かな。まあ、後で電話してみよう。
一夏SIDE
「ここか……」
俺は千冬姉に言われた部屋の前に立っている。ここが、俺の使う寮室か。ま、どうせ春二と同室だろ。
……箒はどこに行ったんだ? 会おうとしたけど、どこにもいなかったな。
「まあ、また明日会えるだろうし」
俺は鍵を開けて部屋に入ろうとしたが、すでに鍵が開いていた。可笑しいな……。
部屋の中はきれいで、ビジネスホテルより設備がよさそうだった。
「ほう、いい部屋じゃないか」
荷物を置いて、俺はベットに腰をかけた。
「うん? 誰かいるのか?」
すると、どこかで聞いたことのある声が聞こえた。ま、まさか……。
俺はまさかの出来事に身動きが出来なかった。
「ああ、同室になった者か。一年間よろしく頼む」
どんどん近づいてくる足音。や、やばい。
「こんな格好ですまない。私は篠ノ之は……」
「箒……」
そう、バスルームから出てきたのは、今日再開した幼なじみの箒だった。
箒は慌てて出てきたせいで、体をバスタオルで隠していた。バスタオルで隠していても、その胸の大きさは変わることなく……とてもエロかった。
「い、一夏!?」
「お、おう……」
「っ! 見るな!」
「わ、悪い……っ!」
箒は自分の体を守るように抱きしめるが、それは胸の谷間を強調するだけだった。
「はがあっ!」
「一夏!? どうした!?」
俺は鼻血を吹き出してぶっ倒れてしまった。
「……あれ? 俺はどうしたんだ?」
「一夏! 目が覚めたのか!」
「箒? 俺は確か……」
俺の目の前には制服に着替えた箒がいた。確か俺は箒の裸を見て……ぐふっ!
「ぐはっ!」
また、鼻血が吹き出しそうになった。
「い、一夏大丈夫か?」
「ああ、何とかな」
「しかし、何故一夏と私が同じ部屋なのだ……。だ、男子と女子は七歳して同衾せずだろ!」
「まあ、そうだけどな……」
……相変わらず考えが古いな。
「……たぶん、これをやった人、俺知ってる」
「本当か?」
「ああ……」
そう言って俺はある人の携帯に電話をかけた。
「……もしもし」
『うん? 一夏かどうした?』
俺は俺の姉である千冬姉に電話をかけた。
「……俺と箒を同じ部屋にしたのは千冬姉か」
『そうだが、それがどうした?』
「何で、俺と箒を同じ部屋にしたんだ? てっきり春二と同じ部屋かと思ったんだが」
そう、俺は春二と同じ部屋と思っていたんだ。それが箒と同じ部屋ということになっていた。
『ああ、それか。他の職員どもはお前と春二を同じ部屋にした方がいいと言ってたんだが、私が独断で決めた』
「独断かよ……」
この人はいったい何をやっているんだ……。
『まあ、そう言うな。お前だって内心うれしいんだろ? 再開した幼なじみと同室なんて』
「うっ! それはそうだけど……」
『なら、問題ないだろ。ただし、不純な行為はするなよ』
「ふ、不純!? ち、千冬姉! 何言ってるんだ!」
本当に何言ってるんだよこの人! 一応、教師だろ!?
『では、そろそろ、電話を切るぞ。会議があるんでね。そうそう、トイレは職員用トイレを、風呂はしばらくの間、シャワーで我慢してくれ』
そう言い残して電話は切れた。……まったく、あの人は……。
「どうしたんだ一夏。顔が赤いぞ」
「いや、何でもないよ箒」
「そうか……なあ、一夏。お前は春二と一緒がよかったのか?」
「えっ?」
確かに、そんなことを言ったけど、何で箒がそんなことを気にする?
「どうせ、私なんかつまらない女だ。剣道しか取り柄のない女なのだから……」
「そんなことない! 俺は箒を一緒の部屋ですごくうれしい!」
「えっ?」
「六年間離ればなれだったんだ! それが今日、やっと会えたんだ。しかも、同じ部屋で暮らせる。こんなうれしいことはない! ……はっ!」
気がついたら俺はとんでもないことを言っていた。箒は目を大きく見開いていた。
ううっ、気まずいな。
「「あ、あの……」」
「い、一夏……その、昼間の続きをしないか……?」
「なっ!?」
俺は箒の発言に目を丸くした。だけど、箒は真剣な顔で顔を赤くして唇を近づけてきた。
……ここは男として受け入れよう。
俺は目を閉じて箒に顔を近づけた。すると、
「一兄、さっき悲鳴が聞こえたけど……ってげえっ!?」
「「っ!」」
春二が部屋に入ってきた。それから、表情を凍らせた。
「お、お邪魔しました……」
ゆっくりと、春二は部屋から出て行った……。
「春二ぃぃぃぃぃ! 斬るぅぅぅぅぅぅぅ!」
「ま、待って箒ちゃん! 話せばわかる! ギャアアアアアアスッ!」
春二が部屋を出て行くと同時に、箒がものすごい速さで追いかけて、春二のものすごい悲鳴が聞こえた。……よし、寝るか。
はい、久しぶりに更新できました。
さて、春二は生きてるんでしょうか……。
話は変わりますが、ISの二期が楽しみです。