超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth1 Origins Alternative   作:シモツキ

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第十五話 再び新たな大陸へ

ラステイションでの一連の出来事が終わり、私達がプラネテューヌのコンパ宅に戻ってから数日。私達は…

 

「ふかふかのベットとクッション、たくさんのゲーム、そして冷蔵庫の中のこんぱお手製プリン!やっぱりこんぱの部屋は最高落ち着くよね」

「なーに初っ端からダラけきってるのよ」

 

例の如くまったりしていた。RPGの勇者一行ならあるまじきまったり具合だと思うけど…まぁうちはねぷねぷ一行だもんね。

 

「何言ってるのさあいちゃん、わたし達はラステイションで滅茶苦茶働いたんだから少し位ダラけたって良いと思うんだよね」

「帰って来た当初からずっとそれ言ってるじゃない、少しは女神としての自覚を持ったら?」

 

そう、ネプテューヌの正体は女神パープルハート。だから現状ネプテューヌは自身の守護する土地に居る訳だけど…まあご覧の通りである。

 

「分かってないなぁあいちゃんは。女神に戻ったらこんぱの手作りプリン片手にぐーたら出来ないんだよ?だったら、いつぐーたらするのさ?今でしょ!」

「…こんなのがプラネテューヌの女神で良いのかしら…」

「ま、まあ記憶喪失のまま職務に戻るのも無理がある話だしノワールの言ってた事もあるし、ね?」

「それはそうだけど…イリゼも甘いわね」

「甘いって言うか情報不足とは言え私も似た様な立場だからって言うか…」

「ねぷねぷー、牛乳プリン出来たですよー」

「待ってましたー!牛乳プリン♪牛乳プリンー♪」

 

アイエフのお小言はコンパが追加のプリンを持って来た事で中断となった。

まあ、でも…流石にこのままぐーたらし続けるのもどうかとは思うんだよね。ここ周辺はともかくゲイムギョウ界全体では平和とは言えないし…私の事もまだ分かってないし。

 

「…とは言え、貴女の言う通り教会に戻ったらどうなるか分からないのも事実よね…」

「前に話した職員さんみたいな人ばかりなら大丈夫そうだけどね。ネプテューヌの事を可愛いロリっ子とか言ってたし」

「人前でそれ言えるのもそれはそれでどうかと思うけどね…さて、私は…っと」

 

嘆息した後アイエフはどういう訳だか九つもある携帯のうちの一つを取り出して開く。九つもあったらお金かかりそうだなぁとかどんだけ用途毎に分けてるのそれとか突っ込みたいけど…良いタイミングが見つからないんだよね。

 

「あいちゃん何やってるの?一人リバーシ?」

「何よその痛々しいリバーシは…ただ女神様のブログをチェックしていただけよ」

「女神様ってブログやってんの?やっぱノワールも?」

「……!記憶を失う前の私がブログやってなかった!?」

「あー…残念だけど私が知る限りブログをやってるのはリーンボックスの女神、グリーンハート様だけよ」

「……そっか…」

「…ごめんね、力になれなくて」

「あ…い、いや私こそシュンとしちゃってごめん…」

 

自分の記憶や正体に関係しそうな事があるとすぐに飛びついちゃう事と、勝手に期待したくせに期待が外れると落ち込む事…両方私の悪い癖だ。前より状況は進展してるのに…。

 

「…って、反省してる側からまた落ち込んでるじゃん私!それが駄目なんだって!もう、私ってほんと馬鹿!」

『…い、イリゼ(ちゃん)……?』

「あ……ごめん、今のは忘れて…」

 

反省大失敗。皆から可哀想な目で見られてしまった。…うぅ、恥ずかしい……。

 

「イリゼちゃん、お手当必要ですか?」

「いやほんと今のは忘れて…で、何だっけ?グリーンハート様のブログ?」

「ええ、ブログって言うか情報掲示板って感じだけどね」

「何行も改行を挟んだ痛々しい短文ポエムとか一行だけのトゥウィッターでやれ的な内容だったりする?」

「守護女神様がそんな厨二を拗らせた様なブログをやってる訳ないでしょ…」

「へぇー。どれどれ…」

 

ネプテューヌはアイエフの言葉を疑…った訳じゃなくて単純な興味から携帯を覗き込む。そしてそれに続く私。

 

「…だぶりゅーだぶりゅーだぶりゅーどっと…」

「そこ読んでどうするのよ…」

「あはは…私機械とかネットにはあんまり詳しくなくてさ…」

「『最近リーンボックスでもモンスターの出没率が高くなっております。国民の皆様もくれぐれも注意を…』」

 

質素過ぎず華美過ぎない装飾のブログには事務的な…良く言えば真っ当な文が載っていた。確かに国の指導者らしい文面だね。

 

「ほらね?グリーンハート様はねぷ子みたいなちゃらんぽらんとは違うのよ」

「うーん…あ、ちょっと待って!ここに何か隠しリンクがあるよ」

「何馬鹿な事言ってるのよ。そんなものある訳……あった」

「…コンパ、隠しリンクって皆設定するの?」

「わたしもあんまり詳しく無いですけど、設定する人はそんなに多くないと思うです」

 

と、いう事はつまりグリーンハート様は何かしらの意図があって通常のページとは別のページを作った…って訳だよね。…ちょっと雲行きが怪しくなってきたなぁ。

そして、こういう時のネプテューヌはとにかく行動が早い。

 

「早速入ってみようよ!えいっ♪」

「あ、ちょっとねぷ子!?」

 

ネプテューヌはアイエフの制止も聞かず…というかアイエフが止める前にリンクを押して隠しページを開いてしまう。そこには……

 

「『わたくしの隠しページにようこそ。ここはわたくしのプライベートな日記を書いていくページですわ』だって」

「ぐ、グリーンハート様のプライベート日記ですって…!?だ、駄目よねぷ子!女神様のプライベートを覗き見るなんていけないわ!」

「覗きも何もネットに上げてる時点でオープンな気が…っていうかアイエフ…?」

 

普段クールで私達パーティーの頼れるお姉さんポジションであるアイエフにはあるまじき動揺に私達は違和感を感じる。どうしたのかな…?

 

「そう言いつつもあいちゃん自分一人で見る気なんじゃないの?」

「わ、私がグリーンハート様のプライベートを独り占めする様な真似するとでも思ってるの!?」

「…ネプテューヌ、この露骨な反応どう思う…?」

「どう見ても怪しいよね…」

「そ、そそそんな訳無いわよ!」

『…………』

 

ここまで動揺されると逆に反応に困る。かと言って何も無かった事にするのも無理っぽいから私がどうしたものかと考えているとネプテューヌは読み上げ始めてしまった。

 

「『今週は新作のゲームを6本買いましたわ。あぁ、どんどん積みゲーが増えていきますわ…』」

「…え?」

「『待ちに待った【歴女に送る鬼畜眼鏡ツンデレセット】の配送日ですわ、早く届かないかしら…』」

「れ、歴女に送る鬼畜眼鏡ツンデレセット…?」

「これって確か乙メイトっていう乙女ゲーブランドから発売されている超高いセットだよね?」

 

その後もネプテューヌが読み上げていくけど、待てど暮らせど出てくるのはゲームやラノベと言ったサブカルチャー系のネタばかり。もう既に雲行きが怪しいどころか土砂降りレベルだった。

 

「わ、私の中のグリーンハート様の…イメージが……」

「…あいちゃんもしかして、理想と現実のギャップにやられちゃった…?」

「…そ、そうよ。これはきっと庶民アピールの為に教会の人が作ったページよ」

「それは無理があるんじゃ…そもそもこれ庶民てか重度のインドア派って感じだし…」

「くっ…わ、私のグリーンハート様がこんなにゲーマーな訳がないわ!」

 

あくまでアピール用ページだと豪語するアイエフと、止せばいいのに対抗してゲーマー認定するネプテューヌ。二人共引かないもんだから会話はヒートアップして…

 

「なら実際に行って確かめてみようよ!」

「望むところよ!さぁ早速行きましょ!」

「何だか凄い理由でリーンボックスに行く事になっちゃったですぅ…」

 

コンパの言う通り、ほんとに凄い理由で私達はリーンボックスに行く事となった…。

 

 

 

生い茂る草木とどこか気品の様なものを感じさせる建造物。風景と雰囲気を一度に表すとすれば正しく『雄大なる緑』。

そんな大陸、リーンボックスに足を踏み入れ教会へと着いた私達は…

 

「えーー!?会えないの!?」

 

残念ながらグリーンハート様に面会出来ずにいた。…言い争いといいこの流れといい、ラステイションでの出来事のデジャヴだなぁ…。

 

「申し訳ないの、お嬢さん。既に本日の面会時間は終わってしまったのだ」

「でもいるんでしょ?ここにいるあいちゃんが女神様が居るかどうかブログの投稿時間で調べてたんだもん!」

「ちょ、ねぷ子!?何もこんな所で言わなくてもいいでしょ!?い、いいから今日は諦めましょ!」

「そちらのお嬢さんはそこまで調べて下さっていたのか。グリーンハート様に仕える身としては嬉しい限りですな」

 

教会に入った私達を迎えてくれたのは職員のまとめ役(っぽく見える。私談)のイヴォワールさん。全く取り合ってくれなかったラステイションの職員さんよりよっぽど優しいけど、だからと言って会える訳じゃないっぽい。

 

「今日中は無理なんですか?少し位なら待ちますけど…」

「規則は規則なのです。それに既にグリーンハート様は次の仕事が入っていてな…」

「なら仕方ないですね」

「ほらね、急ぐ事じゃないし今日は観光でもして過ごしましょ」

「だね。ここは結構観光名所もあるみたいだし」

 

プラネテューヌやラステイションはそれぞれの方向性で『人工物>自然』って感じだったけど、リーンボックスは人工物と自然が上手い具合に共存していて、見て回るのも楽しそうなんだよね。

と、そこでネプテューヌがある質問を投げかける。

 

「あ、そうだイボ痔さん」

「い、イボ痔!?誰がイボ痔じゃ!」

「鍵の欠片ってアイテム知らない?こんな形をしてるんだけど…」

「ワシは切痔ではあってもイボ痔ではないわ!」

「切痔なんですか!?まさかのカミングアウト!」

「何か知っていればイボ爺さんも教えて欲しいです」

「話を聞けぃ!ていうか今度はイボ爺さん!?」

 

ネプテューヌとコンパというマイペースさん二人に翻弄され、謎のカミングアウトまでしてしまうイヴォワールさん。嗚呼、不憫だ…。

 

「この二人にいちいち突っ込んでいたらキリなんてないわよ…」

「そ、その様じゃな…」

「で、イボ何とかさんは鍵の欠片知ってるの?」

「イヴォワールさんね、失礼だから覚えるかあだ名付けるかしようね」

「いや、生まれてこの方七十年。その様な物は知らぬな…じゃが、グリーンハート様なら知っておるかもしれん。何せ何百年も生きていらっしゃるからな」

「何百年も!?って事はグリーンハート様ってBBむーむー…」

「おっとねぷ子そこまでよ。それ以上は駄目」

 

ネプテューヌの言葉を間一髪で止めるアイエフ。女の子(会ってないから子なのかどうかは謎)の年齢を言ったりご高齢扱いするのは異性は勿論同性でも禁句だよね。

 

「あいちゃん、イリゼちゃん、ねぷねぷが変な事言う前にさっさと帰った方が良いかもしれないです」

「その通りだね。ネプテューヌはデリカシーとか無いし…」

「それでは、また明日来るです」

「あぁ、待っておるよ」

 

ネプテューヌを半ば連行する形で出口へ向かう私達。とんとん拍子に…とはいかないものの、どうしようもなかったラステイションよりは大分マシな流れだね。

と思いきや、最後の最後でアイエフが知らない人にぶつかる。

 

「あ、ごめんなさい。怪我はありませんでしたか?」

「いえ、こちらこそ不注意を…」

「アイエフもそちらの方も大丈夫?」

「えぇ、私は大丈夫よ」

「こちらも大丈夫です、では…」

「皆ー!早く観光行こー!」

 

フードを被った見知らぬ女性は幸いにも怪我もしていなかった様ですぐに去ってしまう。そして、私達は先程の会話通り観光に行くのだった。

 

 

 

 

「…あれは…」

「おや、来客の方ですかな?今日は何様なご用件で?」

「はい。私はルウィーの宣教師、コンペルサシオンと申します」

「ほぅ…。それで、ルウィーの宣教師が教会に何用かな?」

 

アイエフとぶつかった女性、コンペルサシオンは職員イヴォワールを話を始める。そこに明るい雰囲気は無い。

 

「そう警戒なさらないで下さい。この度この教会に立ち寄らせて頂いたのはホワイトハート様の布教の為ではありません」

「では、宣教師が布教以外で何用かな?」

「この度はホワイトハート様の命により、ある情報をお持ち致しました」

「…他国の女神が情報だと?」

「はい、魔王崇拝についてです」

「…魔王崇拝、だと?」

 

魔王崇拝。それについて語り出すコンペルサシオンとそれを疑りながらも聞くイヴォワール。

…この二人の会話が、後の私達に大きな障害となる事をまだ誰も知らなかった…。

 

 

 

 

「…イリゼ、どこ見てんの?」

「あ、ごめんちょっと別サイドの地の文の最後に私の役目があったからそっちに…」

「そ、そう…イリゼはたまにわたしよりメタい発言するよね…」

「それより道調べよ。誰か知ってるかしら…」

 

私達は観光の為に隣町へ…行こうとしたところまではよかったけど、モンスターの影響で馬車が出せず、出てる馬車ももう時間切れらしかった。だからダンジョン経由で行く為に道を教えてくれる人を探してる真っ最中なんだよね。

 

「まあここはわたしに任せてよ。ねぇねぇ、ちょっと良いかな?」

「わたし?」

「うん。わたし達隣町に行きたいんだけど、行き方を教えてくれないかな?」

 

ネプテューヌには基本躊躇いってものがない。それが悪い方に機能する事も多いけど…こんな時はむしろ頼りになる。

 

「それなら…あ、この地図わたしには必要ないからあげるよ」

「良いの?わーい!ありがとー!」

「…………」

「…どうしま…どうかしたの?」

「じー……」

「そんなまじまじと見て…まさかわたしの顔に何か付いてる?」

「…もしかして、ネプテューヌさん?」

 

灰色の髪で妙に服がボロボロの少女はネプテューヌの顔を暫く見つめた後、ネプテューヌの名前を口にする。…つまり、知り合い?

 

「そうだけど…」

「やっぱり!うわぁ、会えて嬉しいよ!」

「あれ…?もしかしてわたしを知ってる人!?」

「うん、って言ってもわたしが知ってるのは別次元のネプテューヌさんなんだけどね」

「別次元…あ、MAGES.が言ってたのと同じ次元かな?」

「うん。あ、そう言えばまだ名前言ってなかったね。わたしは鉄拳、宜しくね」

「鉄拳…あ、私はイリゼです、こちらこそ宜しく」

「わたしも宜しくね」

 

鉄拳は奇抜な服装とは裏腹にほんわかした感じの人だった。人は見かけによらないとはよく言ったものだよ。

 

「…あ、ネプテューヌ、あんま話してるとコンパとアイエフ待たせる事にならない?」

「そうだった…じゃあわたし達そろそろ行くね、地図ありがと鉄拳ちゃん!」

「急に来て急に去ってごめんね」

「大丈夫だよ。またねネプテューヌさん、イリゼさん」

 

そうして二人の元へ急ぐ私とネプテューヌ。別次元、と言うのは相変わらず謎だけど…良い人で良かったな。

 

「……あ!」

「ど、どうしたのネプテューヌ?」

「これなんか終わり方が第九話と同じパターンっぽいよ!?もしかしてマンネリ化の前兆!?」

「そういう事気にしなくて良いから!大丈夫だから!…多分」

 

…メタ発言するのは私だけでもネプテューヌだけでも無く、私達両方でした……。




今回のパロディ解説

・「〜〜いつぐーたらするのさ?今でしょ!」
今や有名塾講師となった林修先生の代名詞と言える台詞。使い方としては合ってますが…内容的には林修先生が使った時とは全く逆のパターンですね。

・私ってほんと馬鹿
魔法少女まどか☆マギカの登場人物、美樹さやかの代名詞の一つ(本来は『あたしって、ほんとバカ』)。安心して下さい、イリゼは魔女化などしませんよ。

・トゥウィッター
大手SNSの一つ、Twitterの事。そもそもパロディと呼べるかは微妙ですし、これを読んでいる方々にこの解説は不要である可能性が高いですね。

・安心して下さい、イリゼは魔女化などしませんよ
芸能人、とにかく明るい安村さんのギャグの一つ。…えー、はい。まさか本編ではなく後書きでパロディやって更に解説するなんて私自身でも軽くびっくりです。
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