超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth1 Origins Alternative   作:シモツキ

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第二十八話 例え今までの敵だとしても

あれから数時間後。雪原を動き回り戦闘も行った私達は流石に徹夜をする余力など無かった為部屋を借りて一眠りする事にした。…まあ、ベールだけは余裕のある様子だったけど。

そして翌日……

 

「おー!これが噂のブランまんじゅうなの?」

「ブラン様の顔が描かれてるです」

「うちの特産品に好印象を持ってくれるのはありがたいけど…それが目的で集まったの…?」

「うちの二人がすいません…」

 

話の本題よりもお茶菓子に興味を示していたネプテューヌとコンパにブランは怪訝な顔をする。ちょっと…どころかかなりクセの強い私達パーティーと出会ったばかりの人が軒並みやる反応を、ブランもあやまたずしていた。

 

「あ、そうそう今からちょっと『第三回、今後のねぷねぷ一行の活動方針を考えよう会inブランん家』をやろうと思って…」

「もう!?まだルウィーでの問題解決出来てないのにもう次行くの!?」

「うーん、やっぱイリゼの余裕の無さそうな突っ込みは良いね!…まあそれは冗談でほんとはこれについてだよ」

 

そう言ってネプテューヌが取り出したのは鍵の欠片。それを見た瞬間私達はネプテューヌの意図を理解する。

 

「それは…?」

「鍵の欠片だよ。これどっかで見なかった?」

「鍵の欠片…残念だけど見た事無いわ、そもそも名前も今初めて知ったもの」

「そっかぁ…やっぱり探し回らないと駄目かなぁ」

 

と言いつつもネプテューヌの顔はそこまで残念そうじゃ無かった。って事はネプテューヌはここで見つかればラッキー、位の気持ちで言ってたのかな?

 

「それは何に使う物なの?」

「どこかに封印されているイストワールって方を解放させる為だよ」

「それが貴女達の目的?」

「そだよ、でもってわたしとイリゼについて色々教えてもらうんだ」

「そう言えば二人は記憶喪失だったわね…」

 

思い出したかの様に口にするブラン。まあ、私はともかくネプテューヌの方はおおよそ記憶喪失らしくない言動をしてるから仕方ないよね…。

そして都合良く記憶喪失の話となったので私はブランに例の質問を投げかける。

 

「じゃあ私については何か知らない?ここの国民とか何かの関係者とか…」

「貴女について?…知らないと思うわ、少なくともわたしやネプテューヌ、ベールの様に女神化出来る人間の話は聞いた事無いわね」

「そう…ルウィーでも情報無しか……」

 

イストワールさんが私の記憶をなんとかしてくれると言ってくれたとはいえ、出来るものならば早めに知りたいし、私の知り合いがいるのなら会ってみたい。そう思って訊いてみたものの、やはり空振りだった。じゃあ、私の知り合いがいるとすれば調べてないプラネテューヌかな…。

 

「ブラン、今度はわたくしから話をしてもよろしくて?」

「何かしら?」

「昨夜話した通りわたくしもコンベルサシオン…いえ、マジェコンヌに力を奪われ、あいちゃん達とわたくしの国の教会職員は嵌められましたわ…貴女と同じ様に」

「ほんとに忌々しい奴ね…」

「同感ですわ。ブラン、貴女ならここまで言えば分かるのではなくて?」

「…これはもう女神同士で争っている場合じゃない、って事でしょう?…わたしもそう思うわ」

 

ブランの返答は私達へ協力的なものだった。同じ女神…争っていた相手であり同じ敵に貶められた相手でもあるベールだからこそ出来た説得は昨夜の共闘もあったおかげかブランから良い返答を受けられていた。

 

「そう言ってくれてありがたいですわ。そもそもわたくし達はお互いを知らな過ぎですわ、これもあいちゃん達と過ごす中で分かった事なのですけどね」

「確かにそうね…昨日まで貴女もネプテューヌも単なる敵としか認識していなかったもの」

「えぇ、だからこそわたくし達は一度四人で話すべきではないのかしら?」

「…それは、わたし達に出来るのかしら……」

 

ブランは暗に言っていた。今更、わたし達が和解出来る筈が無いと。守護女神戦争(ハード戦争)の事を詳しく知らない私でもずっと争っていた…殺し合っていた相手と和解するのが容易ではないと分かる。

…でも、女神には瑣末な問題だった。

 

「出来るんじゃない?現にわたしとノワールやベールは仲良くなれたしさ」

「それは貴女が記憶喪失だから…」

「きっかけさえあれば何とかなるんではなくて?…わたくしもブランも、ネプテューヌもノワールも人の望んだ存在、女神ですのよ?そのわたくし達がその程度の事も出来ないで人を導ける訳ないですわ」

「そーそー、ベールの言う通りだよ。って言うか女神とか人を導くとかそんな大仰な事考えなくたって良いじゃん。…友達作るのはそんなに難しくないよ」

「……っ…皆……」

 

そうしてブランは二人に…私達皆に言った、『ルウィーを助けてほしい、自分はどうなっても良いから』と。張り詰めていた想いが解放されたかの様に助けを求めるブラン。そんなブランに二人は答える。

 

「ええ、助けを求められたのなら応えない訳にはいきませんわ」

「うん、ルウィーもゲイムギョウ界もまるっと全部皆で救おうよ、ね?」

 

 

「…やっぱり、ねぷねぷもベール様も女神様ですね」

「そうね、ベール様は勿論だけど…ねぷ子もああいう所は素直に尊敬出来るわ」

「私達も頑張らなきゃだね、皆の為に」

 

女神は自分達だけじゃなく周りの人達にも勇気を与え、奮い立たせてくれる。そんな事を実感した瞬間だった。

 

 

 

 

「皆集まったわね?…情報を掴んだわ」

 

ブランと完全に和解出来た翌日、パーティーメンバーを集めたアイエフはそう切り出した。勿論それを静かに聞いてる様な私達ではなく、ネプテューヌを皮切りに各々話し始める。

 

「何々?美味しいプリンのお店でも見つけたの?」

「ルウィーのプリンならわたしも食べてみたいですぅ」

「いや、プリンじゃなくて別のお菓子の可能性もあるんじゃない?」

「わたくしとしてはプリンよりもルウィーのゲーム事情が気になる所ですわね…」

「あのねぇ……」

 

私達四人の怒涛の呑気発言にアイエフは額を押さえていた。…いや、ほら…分かってたよ?真面目な話だって。でもこういう時ボケに乗らないのも私達らしくないし…ね?

 

「あ、わたしは豆乳プリンで」

「ブラン様もいい加減にして下さい!…何なのこのメンバー…」

「ごめんごめん…で、情報って?タイミング的にやっぱ教会関連?」

「察してたなら最初から言ってよ…えぇ、どうやら今日ルウィーの教会は大量の兵器を輸入するつもりらしいわ」

「兵器!?しかも今日だと!?」

 

急に声を荒げたブランに私達は揃ってビクッとする。ルウィーの事だしそういう反応するのは分かるけど…このキャラに慣れるのは大変そうだなぁ…。

 

「ま、まぁまぁ落ち着いてブラン。今日って事はまだ急げば間に合うんじゃない?」

「…そうね。急に声を上げてごめんなさい。…で、取引先と場所は?」

「大量の兵器って言ってたしアナハイム・エレクトロニクスじゃない?」

「ルウィーがAEと関係持つわけないでしょ…取引先はアヴニール、場所はラステイションのアヴニール第二格納庫らしいです」

『アヴニール!?』

「ラステイションだと!?」

「いや今日は大声出すのが流行ってるんですの!?」

 

アヴニールという単語に私とネプテューヌとコンパ、ラステイションという単語にブランがそれぞれ反応し、三分の二が声を上げた事にベールが反応する。ベールの言う通りこの場では大声が流行ってる様だった。

 

「ちょ、ちょっと全員落ち着いてもらえる…?」

「落ち着いていられるか!これ以上あんなもんルウィーに入れられてたまるかよ!」

「…間に合うかは分かりませんが…取引があると分かった以上妨害を仕掛けるべきですわね」

「妨害なら任せて!昔から誰かの邪魔するのって得意なんだー」

「流石ねぷねぷです。きっと通信簿には授業中はもう少し静かにしましょうって書かれるタイプだったですね」

「コンパ、それ褒めるどころか思いっきりネプテューヌ貶してるんじゃ…」

 

自慢にならない自慢をするネプテューヌとそれを微妙な褒め方をするコンパのやり取りは最早パーティーのお約束となっていた。そんな二人のやり取りに辟易としつつも苦笑する私達。

 

「ま、まあとにかくベール様の言う通り妨害の為に急いでラステイションに行く必要がありますね」

「そうね、でもここを留守にする訳には…」

「あぁ、それなら任せて下さいまし。コンパさん、協力をお願いしてもよろしくて?」

「わたしです?」

 

ベールに呼ばれて何やら話し始める二人。その会話が終わった後二人は部屋を出て行く。何だろう…と思いながら私達が待つ事数分。二人が帰ってきた時、ベールの意図はすぐ分かった。

 

「ここの守護は我々兄弟にお任せあれ!愛しきベール様の為、たとえこの身が朽ち果てようとも死守しよう!」

「我が天使コンパさんの為なら僕は何だって出来る!兄弟の威厳にかけて帰るべき場所を守る事を約束するよ!」

『あー……』

「物凄く釈然としない留守番ね…」

「気が合いますね、ブラン様…私もです…」

 

留守番人は色仕掛け(コンパはそんなつもりないと思うけど)に引っかかった巨乳好き二人だった。確かにあの二人なら冗談抜きに死守しそうだし何でも出来そうだけど…ここに至るまでに出会った男の人が軒並み変態だったり悪人だったり人として極端だったりするのは何でかな……。

 

 

 

 

パーティーメンバーの過半数が何とも言えない気持ちを抱きながら移動する事数時間。私達は暫くぶりに産業国家、ラステイションへと足を踏み入れた。

 

「これがラステイション…噂には聞いていたけどここまで工場が多いとはね…」

「一目でリーンボックスやルウィーとは全く違う形で発展を遂げたと分かりますわね」

 

ラステイションに来た事が無いらしい女神二人は少なからず衝撃を受けていた。私も各国に行く度似た様な感覚を味わってるから二人の気持ちはよく分かる。

 

「ベールもブランもラステイション来た事無いの?」

「えぇ、わたくしは皆さんに同行するまではプラネテューヌしか行った事ありませんでしたわ」

「奇遇ね、わたしもプラネテューヌだけは行った事があったわ」

「え、プラネテューヌだけ?…別にプラネテューヌがゲイムギョウ界の中心とかじゃないよね?」

「それは年に二回の祭典の…いえ、何でもないわ」

 

ブランが何やら言いかけて口をつぐむ。祭典…ってつまりお祭りだよね?お祭りって隠す様なものだったっけ…?

 

「年に二回?夏祭りの他にあるです?」

「貴女達には無縁の祭典だろうから気にしなくていいわ」

「…ブラン、まさか貴女こちら側の……」

「…そう言うという事はベールも……」

 

どういう訳だかベールには通じたらしく、何やらこちら側だの何だの言っている。…本当に一体何の祭典なんだろう…。

 

「むー、気になるなー…あ、って言うかラステイションだしここはノワールに協力してもらわない?」

「そうね、国全体はともかく教会は取り戻せてた訳だしそれが良いと思うわ」

「うんうん、ノワールはぼっちだしきっと寂しがってると思うんだよね」

「あら、ノワールには友達がいないんですの?」

「あぁ、それはねぷ子が勝手に言ってるだけで…」

「いいや、わたしの勘はぼっちだって告げてるよ!」

 

何故か自信満々でノワールをぼっち扱いするネプテューヌ。私達を除いたとしてもシアンとはそれなりに仲良くしてた気がするんだけど…。

 

「その勘に根拠はあるの?」

「うん、だって教会をアヴニールに乗っ取られたりそれを一人で解決しようとする辺り友達どころか仲の良い人もいないって」

「…ふっ、確かにノワールの性格ならあり得るわね」

「真面目な性格ですから公私混同は避けて、その結果としてぼっちになってしまった可能性は十分にありますわね」

「ノワールさん、いない所で酷い言われようですぅ…」

 

ほんとにコンパの言う通り酷い言われようだった。女神三人組も流石に飽きたのか、或いは可哀想になってきたのか会話の内容はベールのかけている伊達眼鏡へとシフトする。

 

「…ところで、何故貴女は眼鏡をかけているの?」

「変装ですわ、変装。まだ対外的には守護女神戦争(ハード戦争)の最中だと思われている以上他国の女神とバレたら一大事ですもの」

「確かに、貴女の言う事は一理あるわね…少し待ってて」

 

そう言ってどこかへ行ってしまうブラン。…と、思いきやどこかの眼鏡屋で買ったと思われる眼鏡を持って戻ってくる。

 

「変装完了。…うん、これで完璧」

「だから眼鏡一つじゃ変装にならないって…どうして皆それだけで隠せてると思うのかなぁ…」

 

どうも伊達眼鏡に関しては一般的な感性を持っているらしいネプテューヌ。そんなネプテューヌが突っ込みを入れたところで私達はラステイションの教会に到着したのだった。

 

 

 

 

「颯爽登場!銀河美少女、ネプテューヌ!」

「のわあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

物凄い勢いで執務室の扉を開けるネプテューヌ。驚いて書類やペンを落っことすノワール。私達とノワールとの再会はとてもぶっ飛んだ形となった。

 

「な、何!?何事!?…え、ネプテューヌ!?」

「あれ?ノワール今のは気に入らなかった?じゃあ…待たせたなっ!」

「いや別に気に入らなかった訳じゃなくて…あ、何よ皆もいたのね…って人増えてない!?」

 

いきなりネプテューヌが驚かせたせいかノワールはかなりテンパっていた。取り敢えず話を進める為私が説明しようとした時…悪ノリ大好き女神三人組が動いた。

 

「うん、増えたよ?…って言うか分からないの?」

「ふふっ、分からないとは貴女も随分と平和ボケしたようですわね」

「今なら楽に落とせそうね」

「な……っ!まさか!?」

 

妙に格好良いポーズで伊達眼鏡を取るベールとブラン。対するノワールは二人の口振りと顔を見て正体に気付いたのか愕然とした表情を浮かべる。

 

「そうだよノワール!わたし三人は…えーっと…紫緑白同盟を組んだのさ!」

「ネーミングセンス悪っ!なんかのカードゲームのデッキ内容みたいだね!?」

「そ、そんな…どうして、どうしてよネプテューヌ!」

「わたし達は相容れない存在なんだよノワール…」

 

私の場にそぐわない突っ込みもなんのその、バトルものみたいな会話を続ける二人。女神独特の雰囲気に気圧されているのかコンパとアイエフも口を挟めないでいた。

 

「さあどうしますのノワール」

「争うよりも降伏した方が身の為よ」

「そんな…ネプテューヌ……信じてたのに……」

「…良い塩梅っぽいしそろそろネタばらしする?」

『そう(ですわね・ね)」

「よーし…ノワール驚いた?実は今のは全部冗だ--------」

「…良いわ…やってやろうじゃない……私を裏切った事後悔させてあげるんだから!アクセス!」

『えぇぇぇぇえぇぇっ!?』

 

女神化し大剣を振り上げるノワール。想定外の事態に先程のノワール並みにテンパる女神三人組。そしてこの茶番劇は自己防衛の為三人も女神化した事で逆に事態は悪化し、ケイさんをはじめとしたラステイションの教会職員さん達が何事かと駆けつけて来るまで続いたのだった……。

 




今回のパロディ解説

・アナハイム・エレクトロニクス(AE)
ガンダムシリーズの中の宇宙世紀シリーズで登場する軍需企業の名前。敵対しあっている陣営の両方へ兵器を売ってる辺り、アヴニールよりもタチの悪い企業かもですね。

・颯爽登場!銀河美少女、ネプテューヌ!
STARDRIVER 輝きのタクトの主人公、ツナシ・タクトの掛け声のパロディ。勿論ネプテューヌはあの場で変身した訳でもサイバディに乗った訳でもありません。

・待たせたなっ!
メタルギアシリーズの主人公の一人、ソリッド・スネークの台詞の一つ。正直これはスネークだからこそ格好が付く台詞な気がするのは私だけでしょうか?

・紫緑白同盟、どっかのカードゲームのデッキ
所謂TCG呼ばれるカードの大分けの一つの事。色で言い分けるTCGはいくつかありますが、私の知ってる中で紫緑白が出来るのは恐らくバトルスピリッツだけだと思います。
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