超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth1 Origins Alternative   作:シモツキ

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第四十七話 戦いの裏側にあったもの

「犯罪神とギョウカイ墓場が関係してるってどういう事だよ…!?」

 

愕然とした表情を浮かべながら質問を投げかけるブラン。…いや、彼女だけではない。この場にいる者は皆似た様な表情を浮かべ、衝撃の事実を語った相手…イストワールさんを食い入る様に見つめている。

……私とネプテューヌを除いて。

 

「…犯罪神?ギョウカイ墓場?」

「どっちも明らかにダークな感じだよね…今までにそんな言葉聞いた事あったっけ…?」

「えと…ちょっと待って、プロローグから第四十六話までさらっと見直すから」

「いやそんな回りくどく且つメタい事はしなくていいから…」

 

緊迫した雰囲気をぶち壊す様な発言をするのは正直忍びなかったけど、言わないと犯罪神とギョウカイ墓場について分からないまま説明が続きそうだったので口を挟む私とネプテューヌ。…記憶喪失なんだもん、仕方ないじゃん…。

 

「…まずはその二つの説明からしましょうか。お二人は勿論ですが、コンパさん達一般人やMAGES.さん達別次元の方は女神の皆さんより限られた事しか知らないでしょうし(ー ー;)」

「そう言ってくれると助かります…犯罪『神』っていう辺り、女神と関係あるんですか?」

「女神同様シェア…犯罪神の場合はユニミテス同様負のシェアですが…を力にしているという点では同じですが、生まれや目的は全く別ですよ(・ω・)」

 

イストワールさんが気を使ってそれぞれの説明をし始めてくれる。そして彼女の言う通り説明を聞く中で「へぇー」って顔をするコンパ達。…女神しかしっかり知らないって事はマイナーな存在なのかな?

 

「女神は人々を守護し、文明の繁栄を願う存在だとすれば犯罪神は人々を堕落させ、文明の衰退を願う存在。まぁ、有り体に言ってしまえば女神の対極という事ですね

( ̄▽ ̄)」

「名前からして悪そうだもんね。じゃあギョウカイ墓場ってのは何?お墓なの?」

「お墓…確かに尽き果てたものの行き着く先、という意味では近いかもしれませんね。ですがギョウカイ墓場の成り立ちや本質は説明しようとするとキリがないので取り敢えずはモンスターと負のシェアが蔓延る忌むべき場所だと覚えておいて下さい

( ̄^ ̄)ゞ」

「ゲームやアニメでいう魔界とか地獄みたいな感じらしいわ、人から聞いた話だけど」

 

アイエフの補足で何となく外見を想像出来た私。確かに今聞いた事が全て正しいのなら皆が穏やかならぬ表情を浮かべるのも分かる。けど、私はその説明を聞く中で一つの疑問を感じる。

 

「…ギョウカイ墓場って今も実在するの?」

「えぇ、ギョウカイ墓場は四大陸から見ておおよそ同じ距離…つまり、ゲイムギョウ界の中心部分にあるわ」

「そっか…じゃあ何でそこを放置してるの?聞く限りじゃ物凄く物騒だよね?」

「それは私がこれから説明する話の中で分かる事ですよ、イリゼさん( ̄▽ ̄)」

「という事は、ここからが守護女神戦争(ハード戦争)勃発とマジェコンヌ誕生…でいいんでして?…の原因の話なんですのね」

 

ベールの言葉に頷くイストワールさん。数分前と違って話を聞く上で必要不可欠な知識を得た私は今度こそ万全の体制で彼女の話に挑む。

 

「…先代の四女神が統治する時代の末期、モンスターはギョウカイ墓場から四大陸へと侵攻する様になりました。侵攻と言っても組織立ったものではありませんでしたけどね(。-_-。)」

「そうなの…じゃあ、それを不審に思った先代達がギョウカイ墓場に調査に行ったら犯罪神がいた…とかかしら?」

「先代方が最初に行った段階ではまだ復活『しかけ』でしたが…まぁ、そういう事です( ̄^ ̄)」

 

イストワールさんは犯罪神の復活とモンスターの侵攻についてどう関係してるのかは言ってくれなかったのでここで一つ推理をする私。

ええ、と…犯罪神は負のシェアを力にする人に仇なす存在で、モンスターは…よく分かんないけどやっぱり人に仇なす存在。そして人に仇なすって事はそれによって負のシェアが生まれる事が普通にある。と、いう事は…

 

「…互いに影響を与える存在、って事かな?」

『……はい?』

「あ……な、何でもないです、はい…」

 

つい結論だけを口に出してしまったせいで皆から変な目で見られる私。…あぅぅ、前にもこれで恥かいたのにまたやっちゃった…私の馬鹿ぁ……。

 

「イリゼはたまに抜けてるっていうか天然入るわよね、女神様達に対抗してるの?」

「ち、違うよ!?カルテット漫才出来そうな皆と一緒にしないでよね!」

『カルテット漫才!?』

「テンパると微妙に酷い事言うのも相変わらずね…」

「あのー…続きいいでしょうか…

(−_−;)」

 

私の天然発言(天然には言葉返せなかったよ…)とおかしな反論のせいで大いに脱線する説明会。普段の雑談ならともかく、今回は100%私が悪かったので私のごめんなさいを経て説明が再開される。

 

「こほん…幸運というか早めに動いた事が幸いして完全復活前に発見する事の出来た先代方は、復活前に対処しようとしました。そこで使われたのが…( ̄▽ ̄)」

「わたし達が今日行ったダンジョンだった、という事ですね?」

「ふむ、早期発見は大切なんだね」

「うんうん、ビートさんの医学番組でも言ってるもんね」

 

イストワールさんの言葉を引き継ぐ形でマベちゃんが私達の知る情報と説明とを繋げる(若干名ズレた感想を抱いていたけど安定のスルー)。繋がったから何かが変わる、とかいう訳ではなかったけど、それでも知る情報と繋がる事でぐっと説明が実感のあるものとなった。

 

「そして、ギョウカイ墓場のモンスターでも難なく返り討ちにし、想定される犯罪神の戦闘能力にも十分対応出来ると思われるだけの力を得た先代方ですが…ここで一つ問題がありました(´・_・`)」

「問題、とな?」

「その段階で用意していた再封印手段を実行する為には犯罪神の力を正確に把握する必要があったんです(・ω・)」

 

いざ再封印に!…と意気込んでいた所でその問題に気付いた先代さん達は自分達の事ながらえらく拍子抜けしたらしい。…因みにその事についてネプテューヌ達四女神が「抜けてるなぁ」とか「緊張感に欠けるわね…」とか色々言ってたけど…先代さん達もネプテューヌ達には言われたくないんじゃないかなぁ…。

 

「当然先代方…というか教会を始めとした協力者達は困り果てました。ただ見るだけで正確に把握出来る訳はありませんし、それが出来る様な観測装置は開発に時間がかかり過ぎるという半ば積んだ状態だったのです(>_<)」

「でも今は封印された状態にある。という事はつまり解決策があったんでしょう?」

「はい。何とかする方法を探す中でその噂を聞いたある人物が教会を訪ねてきたのです。…その方は、他者の力をコピーする事の出来る能力を有していました(。-_-。)」

 

『他者の力をコピーする事の出来る人物』。その一言を聞いた瞬間、その場にいる全員が同じ人を思い浮かべた。そんな力を有している人なんて私達は一人しか想像付かないし、その人であればイストワールさんが最初に言った言葉とも合致する。そう、その人物とは…

 

『……マジェコンヌ…?』

「そういう事です。先代方に守られながら復活前の犯罪神の元へと行ったマジェコンヌはその力をコピーし、力の全貌を先代方に伝えました。そして、その情報を元に再封印を施した結果、無事犯罪神の復活は阻止出来たという訳ですo(^▽^)o」

「ちょ、ちょっと待ってよいーすん。マジェコンヌが犯罪神の再封印に協力するなんて…そんなのゴクオー君でも言わないよ?」

「…あり得ない、と皆さんは思うでしょうが…昔のマジェコンヌは良識的な善人だったんですよ?f^_^;)」

 

あのマジェコンヌが昔は良識的な善人だった?いやいやそんな馬鹿な…え、なにその顔…まさかほんとなの!?

…とまあ、イストワールさんの(ある意味での)爆弾発言を聞いた皆の反応はこんな感じだった。もし、もしもイストワールさんの言う事が真実で、元々のマジェコンヌがそんな性格の人だったなら……

 

『いくら何でも変わり過ぎ(でしょう、です、ですわ)!」

「あ、あはは…で、でもこれはマジェコンヌ自身の問題ではないんですよ?犯罪神という負の感情の塊の様な存在の力をコピーし身に宿した結果、精神を汚染されてしまった訳ですから…(¬_¬)」

「それなら一応納得はいくかな…」

「というかよく考えたら元からアレだけ歪んでるなんてそっちの方があり得ない気が…」

 

唸りながらも納得を示すネプテューヌと頬をかきながら言葉を返す私。マジェコンヌの話はこれまでの話とはかなり別の意味で私達に考えさせるものがあった。…もうちょっとまともな性格だったら素直に飲み込めたのに……。

 

「…犯罪神とギョウカイ墓場、それにマジェコンヌに関するエピソードは分かりましたわ。では、守護女神戦争(ハード戦争)勃発原因は何ですの?今までの説明の中には無かった様に思えますが…」

守護女神戦争(ハード戦争)勃発原因は今からお話します。先程復活は阻止出来たと言いましたが、永遠に封印が機能し続けるとは断定出来ず、またギョウカイ墓場自体が放っておくには危険な土地。その点を考慮した先代方はギョウカイ墓場も統治下に置こうと考える様になりました( ´▽`)」

「災いの芽は早いうちに摘む、って奴だね。流石は先代の女神様達!」

「確かにその判断は悪くないわね。でも……」

『誰がギョウカイ墓場を統治下におく(の、んですの)?』

 

ノワール、ベール、ブランの女神三人と、偶然か否か私が同時に声を上げる。誰がギョウカイ墓場…つまり土地を管理するか、それは私…そして恐らく三人にとっても素朴な疑問ではなく、重要な案件の様に感じられた。

 

「誰って…そりゃ先代の四人の内の誰かじゃないの?」

「それは分かってるわよ…ギョウカイ墓場何ていう厄介極まりない場所でも土地は土地、仮に今私が統治したらラステイションの、ネプテューヌが統治したらプラネテューヌの勢力が拡大するって事よ」

「それが何か問題なの?」

「それが何か問題なの?…って…ネプテューヌは記憶関係無しに女神に向いてないんじゃないかしら…」

「よくそれでここまで国を栄えさせられましたわね…」

 

ネプテューヌの質問…普通の人間ならばともかく、国の指導者が抱くにはあまりに初歩的な疑問に呆れ果てる女神三人。…とはいえ記憶喪失のせいという可能性もゼロじゃない…気がする…のでフォローを入れる。

 

「土地が増えるって事はそれだけで影響力…国力とも言えるかな?…が増すんだよ。で、国の重役はそれを無視しちゃいけない立場にあるんだよ」

「おまけに土地の性質上、手に入れた所で領地としての利益はなく、更に四分割も難しいというとにかく問題山積みだったんです;^_^A」

「…という事は、先代の四女神様達は国としての利益不利益、世界全体としての利益不利益、そして国と国の関係の面での問題まで念頭に入れて考えなければいけなかった…って訳ね」

「最初は四ヶ国の負担を平等にしようとしていましたが、それはどうしても上手くいかず、その内に少しずつ先代方の関係も険悪となり…最終的には『四ヶ国に分かれているから解決しない。誰かが四ヶ国全てを統治すれば全て解決だろう』という、今までの体制を根本から覆す結論に辿り着いてしまったんです(-_-)」

 

全てを語り終えたイストワールさんはふぅ、と息をつく。対する私達は閉口し、それぞれ思った事、考えるべきと感じた事を頭の中で巡らせていた。

…悲しいよ、こんなのは。善意で協力していたマジェコンヌが精神を黒く染められて、国民と世界の為に問題を解決しようとした先代の人達が争い合う事になるなんて…。

--------私は、ただそれが切なかった。

 

 

 

 

「はふぅ…飲み物を飲むのも久しぶりです( ̄▽ ̄)」

 

イストワールさんの説明が終わってから十数分後、各々の思考に一旦の区切りを付けた私達はコンパの淹れてくれたお茶で一息付いていた。ほんとコンパは気が効く子だよね(因みにイストワールさんはペットボトルの蓋をコップ代わりにして飲んでた。ちょっと可愛い)。

 

「いーすんさん、過去のお話はさっきので最後ですか?」

「そうですよ、細かい所が気になった人は後で質問に来て下さいね( ̄^ ̄)」

「了解よ。じゃあ…次はユニミテスを倒す方法を教えて頂戴」

 

アイエフの言葉で皆がまた真剣な様子になる。過去にあった出来事も重要な話ではあったけど、重要度に関しては過去の話よりも現在進行形で起こっている問題の方が明らかに上だった。

 

「方法は簡単です。ユニミテスもシェアを力の源としている以上、人々が『魔王なんていない』と思う様になれば存在の力が弱まります。そうなれば、ユニミテスは弱体化し消滅する筈です(*^^*)」

「確かにその方法なら倒せそうね」

 

物理的に倒すのではなく、力の源を無くして無力化してしまえ。イストワールさんが述べた手段は言い換えればそうであり、同じ要領で力の強さを左右されている女神が身近にいる事もあって、すんなりと理解する事が出来た。…だけど、それには問題もあった。

 

「でも、どうやって人々に『魔王はいない』って思わせるですか?」

「向こうはユニミテスの使いを使って長い時間をかけて偽りを広げた。それに、既にユニミテスが存在している以上、嘘を嘘だと言っても信じるかしら?」

「うーん…けどさ、それしか方法がないなら駄目でもやってみようよ!駄目だったら次を考えれば良いだけでしょ?」

 

取り敢えずやってみて、駄目なら次を考える。その言葉は手段について具体的な事を何か言っていた訳ではないし、ネプテューヌ自身も本当に何も考えずただ思った事を口にしただけだと思う。…でも、言葉は内容の有無だけじゃない。

 

「…そうね。こればっかりはネプテューヌの言う通りだわ」

「嘘を嘘だと見抜けなければネット掲示板は使うのが難しいと言いますし…こういうのは、日頃ネット掲示板を使っているわたくしの専門分野ですわ」

「わたしもやれるだけやってみるわ」

 

例えただの言葉でも、思いのこもった言葉なら人を動かす事が出来る。言った人も、言われた人も思いを力とする女神だから、とかではなく…互いに相手を友達だと思っていたからこそ、その言葉は成り立っていた。

 

「ふふっ、皆さんは先代方と同じ様に…いえ、それ以上に仲が良いですね(^∇^)」

「でしょー?これもわたしの努力の賜物だよね〜」

『それはない(わね、ですわ)』

「おおぅ…さ、流石女神同士なだけあって三人共息ぴったりだね…」

 

三人の鋭い突っ込みに気圧されるネプテューヌ。そんな彼女の姿に笑いが溢れる。

そしてもう夜も遅く、全員疲れているという事で今日の所はお開きとなる会議(だよね…?)。相変わらず状況は最悪で、様々な事実を知った事で少なからず重い雰囲気となっていた私達だったけど、皆となら何とかなるんじゃないかな…と思う私だった。




今回のパロディ解説

・ビートさんの医学番組
教養バラエティ番組、みんなの家庭の医学の事。放っておくと、大変な事になりますよ…という台詞は皆さんの中にも聞き覚えのある人が多いのではないでしょうか?

・ゴクオー君
ウソツキ!ゴクオーくんの主人公、初代閻魔大王の事。コロコロ連載作品には珍しい推理モノで嘘をよく吐く主人公ですが…本作の様な嘘は原作では(殆ど)吐いてませんね。

・「嘘を嘘だと見抜けなければネット掲示板は使うのが難しい〜〜」
2ちゃんねるの開発者、西村博之さんの台詞のパロディ。本作での使われ方は微妙にずれてる様な気もしますが…ベールのパロディとしてはかなりマッチしてるかと思います。
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