超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth1 Origins Alternative   作:シモツキ

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第五十二話 別れていても心は一つ

『第四回、今後のねぷねぷ一行の活動方針を考えようの会inこんぱの家』

 

イリゼちゃん家出事件…まぁつまり私が騒動起こした日の翌日。これまでにも何度か見た例の看板がコンパのアパートのリビングに貼ってあった。…流石にもう、突っ込まない。

 

「わぁ、遂にわたしの家が会場に選ばれたです!」

「そうだよこんぱ!今まで看板に書かれた人は皆女神…つまり今のこんぱは女神と同格なんだよ!」

「そ、そんな…わたし何かが同格なんて恐れ多いですぅ」

「…朝から元気だね、二人は……」

 

きゃっきゃとはしゃいでいるのはネプテューヌとコンパ。普段ネプテューヌはノワールと仲良いと言われがち(ノワールは否定してるけどね)だけど、普通にコンパとも仲良いよね。…私もたまにはネプテューヌとはしゃいでみたいなぁ……。

 

「あ、イリゼちゃんおはようございますです。お怪我の方は大丈夫ですか?」

「うん、ご覧の通り大丈夫」

「ご覧の通りって…身体の色んな所に包帯とか絆創膏とか貼ってあるイリゼのどこが大丈夫なのさ…」

「あはは…でもほんとに大丈夫だよ?コンパの手当ても上手だったしね」

 

昨日、寝る前に私は偽ネプテューヌとの戦闘の怪我をコンパに手当てしてもらっていた。最初は傷を悪化させているんじゃないかと疑う位はちゃめちゃな手当てをしていたコンパも、我がパーティー唯一の医療系担当という事で何度も手当ての経験をしたおかげか技術が格段に向上していた。旅は人を成長させるって言うけどまさにその通りだね。ちょっと違う様な気もするけど。

 

「…で、またこの会やるの?」

「うん、プラネテューヌじゃまだやってなかったからね」

「そんな問題…?」

「良いじゃん別に。まぁほんとはわたしの家…てか、教会?…でやりたかったんだけどね」

「動機はともかく活動方針を決めておくのは良いと思いますよ( ̄▽ ̄)」

 

と、ネプテューヌの意見に賛成を示したのはイストワールさん。因みにイストワールさんは別の部屋からこの部屋へ移動してきた訳だけど…一体どうやってその身体で人間サイズの扉を開けたんだろう…。

 

「おー!まさかいーすんがわたしに賛成してくれるとは意外だったよ」

「状況が状況ですからね(u_u)」

「あ、それじゃわたしは皆を呼んでくるです」

 

状況が状況、と言うのは恐らく対ユニミテスの為に各女神がシェアを今以上に獲得する必要がある事、そして偽ネプテューヌが現れたという事だと思う。それに、パーティーメンバーが多くなっている点でも全体での会議は必要なのかもしれない。

 

「…わたしの家、と言えば…ネプテューヌは一度教会に戻った方が良いんじゃない?悠長にしてたら偽ネプテューヌに乗っ取られるかもよ?」

「いえ、女神化出来ない上に記憶喪失なネプテューヌさんが今戻っても信じて貰えるか微妙では?(ー ー;)」

「あ…それもそうですね…」

「えーと…じゃあわたしはどうしたら良いの?」

「取り敢えず保留…てか、女神の力を何とかするべきなんじゃない?」

 

本物あっても周りにそれを納得して貰えなければ偽物になるし、偽物でも周りを納得させられれば本物になる。それをこれまでの出来事でよく理解していた私はイストワールさんの言葉を聞いてすぐに引き下がった。…まぁ、実際問題あの全く喋らない偽ネプテューヌも本物とは思われない可能性あるもんね。

と、思っていた所で皆がやってきて会議が始まる。

 

「会議って言ったってそこまで話す事ある?今まで通り女神としての活動しつつ偽ネプテューヌが現れたら叩きのめせば良いだけでしょ?」

「そうね。前者はわたし達女神にとっては普通の事だし偽者も本物より弱いなら叩きのめす事も十分可能な筈よ」

「あのー…偽者とはいえわたしなんだからもうちょっと優しい言い方して欲しいんだけど…」

「はい、その通りです。ですが今回は全員で各大陸を…という訳にはいきませんよ?( ̄^ ̄)」

 

イストワールさんの言葉に首を傾げる私達。イストワールさんはその反応も予想していたのかすぐに理由を説明してくれる。

 

「シェア獲得と言っても今回の場合皆さんがシェア率を上げる事で相対的に『ユニミテスの信仰者を減らす』事が目的ですからね。全員で各大陸を回ってしまっては非効率な上に女神同士でのシェア争いになってしまう可能性があります(-_-)」

「言われてみれば確かにそうですわね…他国でシェアを上げようとなど普段はしませんから気が付きませんでしたわ」

「ねー、わたしはどうしたら良いかな?わたし女神化出来ないし女神として信仰してもらえるか自信ないんだけど…」

「別に女神として信仰される必要はないんじゃないかな?」

「その通りだ。女神が、ではなく魔王以外が信仰されれば良いのだからな」

 

今回は今までよりも余裕のない状況だからかしっかりと会議が進んでいく。…実際は会議というか確認会なんだけどね。

 

「じゃあ、わたし達はどうするです?」

「そうね…数人ずつ女神様に着いてく?ねぷ子も女神様側に含めると各大陸1〜2人になるけど」

「うん、さっきから皆ちょっと酷くない?わたしならエグいイジりしてもOK的な風潮作ろうとしてるんだったら流石に泣くからね?」

「ネプテューヌ、皆わざと言ってる訳じゃないよ、多分…きっと…恐らく…maybe…」

「どんだけ自信ないのさ!?そう言われると逆にわざとなんじゃないかって思えちゃうからね!?」

 

ネプテューヌをフォローしようとした筈が追撃する形になってしまった。…いや、だってネプテューヌだもん。皆が悪意を持って言ってる訳じゃないって事は自信を持って言えるけどわざとではないかと言われると…ちょっと、ね。

 

「じゃ、誰がどの大陸行くかもこの場ですぐ決めちゃいましょ。私は別に一人でも大丈夫だけどね」

「あはは、ノワールその発言はぼっちに慣れてるって捉えても良いのかな?」

「…プラネテューヌのシェアも根こそぎ奪ってあげようかしら…」

「わぁぁごめん!冗談だから冗談だからっ!」

「わたくしは勿論あいちゃんに着いてきてほしいですわ。……あいちゃん?」

「…え?あ…すいませんベール様、ちょっと考え事をしていまして…」

 

ノワールをネプテューヌがイジり、ベールがアイエフに絡むといういつも通りの光景は、アイエフの反応が遅れる事で崩れる。ベールとは相思相愛のアイエフがベールの声を聞き逃しかけるなんて珍しい事が起きたという事はつまり…

 

「…何か、懸念事項があるんですの?」

「懸念事項というか…何故、偽女神『だけ』が活動してるのでしょうか?」

「……?偽女神…てか偽ネプテューヌが活動してるのは恐らく女神側のシェアを落とす為、ってのが有力だったよね?だけ、って言うのはどういう事?」

「私がマジェコンヌなら偽女神を使うと同時にユニミテスで偽女神を倒してユニミテスの信仰者を増やそうとするわ。…マジェコンヌがそれを思い付かないと思う?」

 

アイエフの言葉に全員がハッとした様な顔をする。確かにアイエフの言う通り、マジェコンヌが何もせずにいるとは思えない。色々アレな人ではあったけど、少なくとも彼女は頭の回らない脳筋ではない。

 

「でも…今のところわたしの偽者しか出てきてないしマジェりんの情報も無いよね?…もしかして全部考え過ぎで、偽物のわたしもメタモンが変身してただけなんじゃ…」

「いや私の見た偽者は目が点になってはいなかったんだけど…」

「それにイリゼが偽者を見たのは昨日の夜、まだ貴女以外の女神が発見されてないだけの可能性が高いわ」

「どっちにしろマジェコンヌの動きを探る必要があるみたいだね…」

「ですがユニミテスを従えたマジェコンヌに普通の人間が接近するのは危険極まりませんわ。それこそわたくし達女神でないと…」

 

新たな問題に各々の思考を巡らせる私達。全員でいけば何とかなるかもしれないけど、今はシェア獲得も急がなければならないし、対偽女神も考えなくてはいけない。

はてはてどうしたものか…と、最善策を探ろうとした時…チャイムらしき音が響いた。

 

「…客人か?」

「はいはい、いますよー」

 

居留守を使う理由も必要もなかった為、家主であるコンパが玄関へと向かう。そして、コンパが部屋から出てから十数秒後、扉の開く音が聞こえ……

 

「急いで避難して下さい!今すぐに!」

 

明らかに切羽詰まった様子の男性…もっと言えば何度か聞いた覚えのある人の声が聞こえてきた。

 

「ひ、避難?急にどうしたです?」

「何々ー?デストロイが実践運用され始めたとか?」

「パープルハート様がプラネテューヌに戻ってきたんだ!」

『……!?』

 

何事かと思いぞろぞろと玄関へ向かう私達。予想通り、声の主はプラネテューヌの教会の職員さんだったけど…彼の言った言葉は完全に予想外だった。

ネプテューヌがここにいる以上、パープルハートが戻ってきている筈がない。…という事はつまり、

 

「…戻ったのはねぷ子の偽物、ね……」

「偽物…?」

「何でもないわ。それよりそれと避難がどう関係あるの?」

「理由は分からない、だから結論を言おう。何故かパープルハート様が地下プラントを破壊しようとしているのだ」

 

職員さんの言葉に全員が一瞬黙り込む。女神が破壊行動と言うだけで大問題と捉えられるのに、その対象が地下プラントとなれば本当に洒落にならない。もうシェア獲得とかそういうレベルではなくなってしまう。

 

「教会での総力を決して阻止しようとしているが、正直止められるとは思えない。だからもしもの時の為に急いでシェルターに避難してくれ!」

「これはこれはご丁寧にありがとうございますです」

「これも教会で働く者の務めさ。…くっ、せめて教祖様がいればもう少しマシだったのに…」

「そう言えば…プラネテューヌの教祖さんには一度も会ってないね」

 

ケイさん、チカさん、ミナさんと各国に行く度教祖さんには会えていたけどプラネテューヌではまだ一度も会えていない。プラネテューヌの教会は私達に友好的だったから避けられてるって訳じゃないと思うけど…。

 

「そう言えばそうだね。ねぇ、プラネテューヌの教祖っていないの?」

「かなり前から行方不明らしいんだ。真面目な教祖様らしかったから職務放棄ではないと思うけど…」

「どんな方なんですか?」

「小さくて羽が生えていて語尾に絵文字のつく、いつも本に乗っている方さ」

『……え?』

 

職員さんの言葉を聞いた私達は全員声がハモる。小さくて羽が生えていて語尾に絵文字のつく、いつも本に乗っている方…そんな特徴的な人がいれば忘れる筈がない。……と、言うか…

 

「あのー…職員さん、教祖さんって…もしやこの方ですか?」

「あぁ、正にそんな感じの…って、教祖様!?」

「…お、お勤めご苦労様です……

( ;´Д`)」

『やっぱり!?』

 

 

 

 

「…と、言う訳でわたしはプラネテューヌの教祖も行っていました(¬_¬)」

 

衝撃の事実が発覚してから数分後、近隣への避難勧告がまだある職員さんには取り敢えずそちらを優先してもらい、私達はリビングへと戻っていた。

 

「…何故今まで黙っていたの?」

「それは…話すタイミングが無かったというか…話す余裕が出来た時にはもう今更言う?…的な状態になってしまっていたというか…~_~;」

「…つまり、何か深い事情があったという訳ではないと言うのか?」

「そういう事です…すいませんでした…

m(_ _)m」

 

申し訳無さそうに謝るイストワールさん。ただ、隠していた事で私達に不利益があった訳ではない為責める人はいなかった。

 

「しっかしいーすんがプラネテューヌの教祖だったなんてねー。…あれ、って事はいーすんも記憶喪失になる前のわたしと面識あったの?」

「ありましたよ、ネプテューヌさんが混乱してしまう事を避ける為言いませんでしたが(。-_-。)」

「ネプテューヌなら混乱するとは思えませんけど、ね」

「…さて、話が逸れてしまった原因であるわたしが言うのはどうなのかと思いますが…今重要なのは偽者への対応です

o(`ω´ )o」

 

どうなのか、という点も含めイストワールさんの言う事はその通りだった。はっきり言ってもう悠長に構えている場合ではない。

 

「これはすぐに対応しなきゃだね、女神の皆はどうするの?」

「流石にこれは行くしかないでしょ、地下プラント破壊されたらプラネテューヌは甚大な被害を受けるし…って、誰よこんな忙しい時に…」

「あら?わたくしの携帯にも電話が…」

「わたしも…。はい、もしもし」

「お、これは…定番のパターンかな?嫌な予感がビンビンするなー…ってあれ?何かデジャヴ?」

 

殆ど同じタイミングでノワール、ベール、ブランの携帯端末が鳴る。…激しく関係無いけど、そういえば私携帯端末持ってなかったなぁ…。

と、私がどうでもいい事を考えていると…三人が同時に声を上げた。

 

『何ですって!?』

「…皆、何かあったの?」

「ラステイションにも私の偽者が現れたみたい」

「リーンボックスにもわたくしの偽者が現れましたわ」

「奇遇ね、性懲りもなくルウィーにも現れたわ」

「ほら、やっぱり!」

 

予想…というか嫌な予感が的中した事で何やら得意気なネプテューヌ。対する私達は冷や汗を額に浮かべる。一難去らずにまた一難、ただでさえ困った状況が更に悪化してしまっていた。

 

「…これは、全員で地下プラント防衛に向かう訳にはいきませんわね…」

「悪いけど地下プラントは任せるわ」

「勿論だよ、皆にだって大切な国や国民がいるもんね」

「…だが、マジェコンヌとユニミテスは良いのか?奴の仕業なら勿論、奴の仕業でなくともこれに乗じて動く可能性はあるだろう」

 

そう、その問題もまだ解決していなかった。もしこの状況で更にマジェコンヌとユニミテスに参戦されたら本当にどうしようもなくなる。…が、だからと言ってそちらに女神が向かってはシェア獲得と偽女神の対応が出来なくなり、女神でない面子が向かうのは自殺にも等しい。あっちを立てればこっちが立たず、こっちを立てればあっちが立たず…そんな詰みかけた状態。

…けど、詰みかけただけで完全に詰んだ訳ではない。女神に匹敵する力を有しながらも国を持たない存在がここにいる。

 

「……私が行く」

「……クイーン・フロンティアを止めに?」

「違うよ!?確かに状況的には似て…ないよ!?そこはかとなく似てるかなー、位だよね!?」

「…イリゼ、貴女一人で行くつもりなの?」

「うん、プラネテューヌにも人数割かなきゃいけない以上マジェコンヌとユニミテス相手に大人数で行く訳にはいかないでしょ?」

「ですが、イリゼ様…ヽ(´o`;」

 

皆が不安そうな顔で私を見ている。その気持ちは分かる。マジェコンヌもユニミテスも女神一人でやり合える程弱い相手ではない。実際に私はマジェコンヌに不意打ちをした結果軽く返り討ちに遭っているし、私が皆の立場ならきっと同じ顔をしていたと思う。…でも、だからといって止める訳にはいかない。

 

「分かってます。でも、誰かがやらなきゃ他の皆が頑張っても無駄になっちゃうし、この中じゃ私が最適でしょ?」

「で、でも一人じゃ危ないよ!無茶だって!」

「そうです、危険過ぎるです!」

「大丈夫だよ。私、皆が大好きだもん。皆と居られるここが本当に大事だもん。だからこの居場所を守りたいし、皆の役に立ちたい。…それに、死ぬ気もないよ?だって死んだらここには戻ってこられないからね」

『イリゼ……』

 

私はただ本心を言っただけだった。策がある訳でも作戦を立てた訳でもない。だからもし私達が利害関係で集まっただけの集団なら簡単に却下されていたと思う。…でも、私達は違う。

 

「…貴女は常識人に見えて時々無茶しようとする。困ったものよ」

「ですが、見方を変えれば心強くもありますわ」

「そう言うんなら、自分の言った事をきちんと全部果たすのよ?」

「…任せたよ、イリゼ」

 

少しだけ困り顔をしながらも、皆は私を信じてくれる。ならば、私がそんな皆に対してしてあげられる事は…してあげたい事はただ一つ。その信じる気持ちに応えて、絶対に死なない事。戻ってまた皆と笑い合う事。ただそれだけだ。

 

「…良いですよね、イストワールさん」

「……はい、それがイリゼ様の意思ならば、わたしはその意思を尊重します」

「なら、私達女神はそれぞれ一人で自国へ向かうって事で良いわね」

「構わないわ。偽者なんかに負けるつもりはない」

「では、プラネテューヌ以外は決定ですわね」

 

次々と担当が決まり、残りはプラネテューヌだけとなる。順当にいけばネプテューヌがプラネテューヌの担当になるけど…そのネプテューヌは力を奪われ、女神化が出来ないでいる。

 

「ネプテューヌさんは全力が出せない訳ですし、その分他の方より戦い辛くなると思います。なので今回ネプテューヌさんは残った方が良いかもしれません(ー ー;)」

「えーっ!?まさかのここで戦力外通告!?主人公にあるまじき扱いだよ!?」

「ならば、プラネテューヌは私達に任せてもらおうか」

「そうだね。今までネプちゃん達が頑張ってきた分、今度はわたし達が頑張る番だよね!」

 

顔を見合わせ頷くMAGES.とマベちゃん。二人も当然人間な訳だけど…彼女等は普通の人間でもない。二人が連携し、尚且つ得意分野を活かせるならば劣化版である偽ネプテューヌ相手にやり合えると私は確信していた。

 

「あの、わたしとあいちゃんも地下プラントに行った方が良いですか?」

「うーん、来てくれれば心強いけど…女神の皆に着いて行ってくれても良いよ」

「ネプテューヌを見張っている、と言うのも手だな」

「そういう事だから私達は先に行ってるわ。じゃあね」

 

そう言って単独の決まった皆は荷物をまとめ、十数分後にはアパートを去る。今までずっと共に旅をしてきたメンバーが離れてしまうのはちょっと寂しかったけど…切羽詰まった状況な以上致し方無いし、別に今生の別れという訳でもない。…それに、私も単独行動をする訳だしね。

 

「イリゼももうすぐ行くの?」

「そうしたい所だけど…少ししておきたい事があるし、行くのはもうちょっと後かな」

「うぅ…なんか置いていかれた気分だよー!でもって物凄い疎外感!」

「…じゃ、どうするの?皆が帰ってくるまで待ってるつもり?」

「まさか、女神化出来ないからって燻ってる様なわたしじゃないって事はよく知ってるでしょ?」

 

と、やる気満々の様子を見せるネプテューヌ。ネプテューヌが動くのを止めていたイストワールさんは、そんな姿を苦笑しながらも止めずにいた。きっと、こう言うんだろうと最初から予測していたんだと思う。

 

「ふふっ、それでこそねぷ子よ」

「ならねぷねぷの偽者も、他の女神さんの偽者も、みーんな倒しちゃうです!」

「…あ、あの…こんぱ?無駄にハードル上がってない?それともわたしの聞き違いかな?」

「ふぁいとです!ねぷねぷ!」

「諦めなさい、ねぷ子」

 

そう二人に言われて渋々…でも、少し笑みを浮かべて頷くネプテューヌ。その目はいつもの様に元気さと強い意志がこもっていた。

 

「じゃ、そういう訳だからいーすんお留守番お願いね」

「だと思っていましたよ。けど、くれぐれも気を付けて下さい( ̄^ ̄)ゞ」

「はーい。…それじゃ、わたし達は先に行くけど、お互い頑張ろうねイリゼ!」

「うん!三人共頑張って!」

 

そうして三人も荷物をまとめ、それぞれの手助けをする為にこの場を後にする。

今まで全員で行動し、全員で問題を解決してきた私達がバラバラに戦う事に全く不安を感じない訳じゃない。けど、私達はお互いを信じる事が出来る。心の繋がりは物理的に何かを起こす事じゃ無いけど、心の支えにはなるし、心の繋がりが明日を見せてくれる事もある。だからこそそれを知っている私は…私達は互いを信じ、自分の出来る事に全身全霊を尽くす。…だって、それが友達だもんね。

 

 

「さーて、イリゼとわたしが別行動で且つわたしは色んな所へ向かうって事は、暫くはわたしの主人公属性を如何なく発揮出来るという事!燃えてきたよー!」

 

…良い感じに終われそうだったのに聞こえてしまったネプテューヌの声。私はそれを……聞かなかった事にするのだった…。




今回のパロディ解説

・メタモン
ポケットモンスターシリーズに登場するポケモンの一種。作中で言った通りメタモンが変身した場合目が点になる(=目だけは元のまま)なので、意外とバレそうですよね。

・デストロイ
機動戦士ガンダムSEED destinyに登場する大型MSの事。デストロイに強襲されてはどこの国でも被害甚大でしょうね。…因みに、デストロイは大型『MS』だったりします。

・クイーン・フロンティア
劇場版 マクロスF 恋離飛翔〜サヨナラノツバサ〜に出るバジュラクイーンとバトルフロンティアの融合体の事。女神ならあの弾幕突破出来るでしょうか?…微妙ですね。

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