超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth1 Origins Alternative   作:シモツキ

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第七十五話 戦いに抱く気持ち

『第五回、今後のねぷねぷ一行の活動方針を考えよう会inねぷねぷの家』

 

私がお菓子作り担当以外のメンバーと談笑…と言う名のボケ突っ込み合戦(ほんとに私一人が突っ込みだった。声が枯れるかと思った)を何とか乗り切って、ふと壁の一角を見たら例の看板が用意されていた。……いつの間に!?

 

「え、あの、えと…あれは……?」

「あー、やっぱ気になる?…やっぱりわたし視点の文章だしパロも含めて『あたしンち』の方が良かったかなぁ…」

「いやそこはどうでも良いんだけど…まぁ、突っ込むのも野暮か…」

 

正直私が納得出来る様なまともな返答が返ってくるとは思えないし、そもそもネプテューヌの方もちゃんと説明出来ない可能性がある。そう考えるとわざわざ聞いておかなきゃいけない事でもないし、ボケな以上追求をするのはほんとに『野暮』だと思う私だった。

と、私がお約束ネタに対して妙に落ち着いた感想を抱いた所で、廊下から鼻腔をくすぐる良い匂いが漂ってくる。

 

「……この匂いはもしや…」

「お待たせしましたです〜」

「女神謹製のお菓子、とくと味わって頂戴」

『おぉー!』

 

多種多様なお菓子を運んでくる、コンパを筆頭とする料理担当組とそのお菓子に色めき立つ私達。コンパの料理の腕は周知の上だし、それと関係なしにも匂いと見た目からお菓子が美味しいであろう事は十分に予想出来た。

 

「ふぅ、作ると言うのも時には良いものね…」

「では、料理担当に感謝しつつ頂くとしようか」

「女神様が作ってくれたお菓子…あたし的にはちょっと恐れ多いかも…」

「ならブロッコリーがファルコムの分も貰うにゅ」

「そ、そうは言ってないよ!?」

「ふふっ、調子に乗って作り過ぎてしまいましたし慌てずとも大丈夫ですわよ」

 

わいわいと賑やかに早速食べ始める私達。面子が面子なだけあって賑やかに話す内容は大分アレだったけど、お菓子の減る勢いは世間一般の女の子集団に引けを取らないレベルだった。…揃いも揃って頭もスペックも色々非常識な私達だけど、お菓子を前にしたら普通の女の子に成らざるを得ないんだよ。お菓子には魔力があるんだもん。

 

「しかしイリゼ、貴女復活したばかりの所にぱくぱくとお菓子食べて大丈夫なの?」

「うん、何ともないし空腹感があったからむしろ助かってるよ。…というかアイエフ、お菓子云々より突っ込みさせられ続ける方が身体に悪いと思わない…?」

「あー…天然のコンパはともかく、ねぷ子達は確信犯だものね…倒れたら四人に看病してもらったら?」

「それは嫌かな、四人に看病されたら体調悪化する事間違いなしだし」

『何気ない会話の中でdisられた!?』

 

何だかネプテューヌ達がえらく心外そうな顔をしていたけどこれは仕方ない。一人だけならともかく、守護女神四人が揃ったらまともな看病が出来る訳がないもん。私含めて女神はおふざけと騒動の呪縛から逃れられない…というか自ら絡まりに行ってるし。

 

「ところでネプちゃん、活動方針云々って書いてあるけどこれイリゼちゃんの復活お祝いじゃなかったの?」

「あ、うん。お祝い兼考えよう会だよ」

「えぇー…私の復活祝い単体じゃないんだ…良いけどさ」

「えっと…活動方針ってそのままの意味?それとも何かの比喩だったりするのかな…?」

 

おずおずと手を上げて質問をしてくる鉄拳ちゃん。あ、そう言えば…と思って見回すと彼女の他にマベちゃん、ファルコム、ブロッコリー、サイバーコネクトツーも少し疑問の残る様な表情を浮かべている。

そう、MAGES.以外の別次元組にとってこの会は初めてであり、いきなりどん、と出されても困るのは当然の話だった。…初回から参加してるメンバーですら若干困るんだから初参加のメンバーがすぐ順応出来る訳ないよね。

という訳で簡単に説明をした後、お菓子を摘みつつ考えよう会が開始される。

 

「まぁ…当面の目標はユニミテス討伐よね。弱体化はしてるでしょうけど捨て置ける相手でもないし」

「ユニミテスか…イリゼよ、魔王と戦う中で何か感じる事はあったか?」

「感じる事…うーん、感じる事って言われても、正面からの殴り合いじゃ確実にこっちが先にバテるって事位しかないかな。冷静に分析出来る程余裕があった訳でもないし」

 

と言いつつも私はギョウカイ墓場での戦闘を思い出し、分かる範囲でユニミテスの特徴を口にする。ユニミテスの強みは基礎スペックの高さと遠近問わない攻撃手段、そして巨体と回復能力によるタフさだった。特に三つ目が厄介(前二つだけならキラーマシンを始めとする大型無人機と同じ要領で戦える気がする)で、回復能力はそれ自体強力な上に、回復能力があるが故にダメージを与えても前二つが衰えない、という状況を生み出す要因となっていた。

 

「へぇ…よくそんな相手と、しかもマジェコンヌと同時に戦えたね…」

「原初の女神の複製体を舐めちゃいけないよ?…ってのはおいといて…まあ、皆がシェアクリスタルを私にくれたのが大きかったかな。あれのおかげでかなり無理が効いたし」

「貴女の苦労に比べれば安いものよ。しかしタフさ、ね……ふむ…」

「…ブランさん、もしかして張り合おうとしてるですか?」

「……た、対策を立てましょ、対策を」

 

図星の様だった。コンパに指摘され、ビクッと肩を揺らしつつ誤魔化すブランを半眼で見る私達。そりゃ確かにブランもタフさには定評があるけどさ…。

…なんて思いつつも、対策を立てる事は実際必要不可欠なので話を進める私達。

 

「んー…やっぱ魔王だし勇者御一行に任せたら良いんじゃない?ロトとかさ」

「いきなり他力本願な上に全然違う世界の人じゃん…ここはねぷねぷ御一行で倒そうよ…」

「ではこれまでに複数の魔王をキスで正気に戻させた五河さんにご協力を頼むのは…」

「確かに原作のイラストレーターは同じだけど他力本願な上に五河さんも別世界の人間でしょうが、てかアレにキスとかトラウマものよ…」

「ならば、お客様相談センターで働いている…」

『他力本願な上に別世界の住人だって言ってんでしょうが!?』

 

女神三人による三連パロディに対し同時に突っ込む私とノワール。…もう、どうして女神はこうなのかなぁ……いや、いちいち突っ込むのも責任の一端ではあるしそういう意味では私やノワールも三人と五十歩百歩だけどさ…。

しかもそれを追撃する様に、

 

「お笑い脳の女神メンバーはおいといてこっちで作戦立てるにゅ」

「ええと、回復能力はシェアエナジーが元になってるんだっけ…?」

「そうらしい。一応我々の行動でシェア率は低下しているようだが…」

「となるとガス欠を狙うのは厳しいね。こういう相手は回復が出来ない程の大ダメージを与えて倒すのが相場かな」

「でも簡単にダメージを与えられる様な相手じゃなかったと思うです」

 

非女神組はかなり真面目に会議を進めていた。流石にベストな作戦を思い付く段階にまでは至っていない様だったけどお笑い脳(ブロッコリー談)の私達とは大違い。私達の立つ瀬が無かった。

 

「…わたくし達も真面目に考えましょうか…」

「そうね…我ながらこれじゃ女神の名折れだわ…」

 

元々会議する気はあった私とノワールは勿論、ベールとブランも良心の呵責ならぬ女神の呵責に苛まれたのか反省した様な表情を浮かべる。そしてネプテューヌもボケを続け無かった辺り、多少なりともちゃんと会議しようと思ったんだと思う。

そうして私達はやっとこさ全員が真面目な気持ちになり、まともな会議を進める事となった。

 

 

 

 

「--------という訳で、ユニミテスは女神メンバーが足止めしてその間に全員でフルボッコにするという事に決定しましたー!」

 

どこから持ってきたのか分からない木槌で同じくどこから持ってきたのか分からない木の板を叩きつつ、ネプテューヌが会議の結論を述べる。

私達が真面目に会議を始めてからおよそ数十分、いまいち捻りのない感じではありながらも、取り敢えず私達は対ユニミテス作戦を立てられたのだった。

 

「フルボッコって…ねぷ子、なんかそれだと私達がユニミテスを虐めるみたいになるんだけど…」

「虐めるみたいって言うか実際ほぼ集団リンチじゃん。ユニミテス一体に対して十人以上で襲いかかる訳だし」

「気が引ける様な事言うんじゃないわよ…」

 

けろっとした態度で言うネプテューヌに私達はげんなりとする。…いや、まぁ敵が一体なのに対し主人公側は複数、ってパターンは古今東西色んな作品である構図だし気にしない限りは気にならない事だけどさ…指摘されると意識せざるを得ないよねぇこれ…。

 

「ま、相手はそもそも普通の生命体じゃないんだし良いのよこれは。私的な決闘ならともかく、女神として出し惜しみなんてする訳にはいかないし」

「ユニミテス倒しても女神四人の力をコピーしたマジェコンヌがいるからね。私の体感じゃマジェコンヌの方もユニミテスに負けず劣らず強いよ?」

「そういえばイリゼちゃんはその状態のマジェコンヌと二回戦ったんだったね」

「二回共負けてるけどね、一回目は完敗だったし」

 

魔窟の奥で戦った時は不意打ちをしたにも関わらず軽くあしらわれ、ギョウカイ墓場で戦った時は善戦(自分で言うのもどうかと思うけど)するも敗北、という形だった私だからこそ、マジェコンヌの強さはここにいる誰よりも分かっている。だから、もし誰かがマジェコンヌの強さを見誤る様な事があればしっかりと訂正をしようと思っている。

 

「さて、そうなると次考えなくてはならない事は…」

「そのユニミテスといつどこで戦うか、だね」

 

作戦についてはもう話す必要はないと判断したのか、MAGES.とファルコムが話を次の段階へ進める。……が、問題提起に対して黙り込んでしまう私達。理由は簡単、

 

「いつどこで、って言われても…」

「いつどこでなら一番良いのかよく分からないですぅ…」

「というか決めた所で相手はそれに乗ってくるのかにゅ?」

 

提起された問題に具体的な意見を述べる以前の所に別の問題があったからだった。これが友達と遊ぶ約束だとか買い物に行く予定とかなら、それこそ空いてる時間だとか目的に一番適した所だとかの様に容易に決める事が出来る。けど、なまじ重要な案件なせいで逆に選択肢が広く(大概の予定よりは優先させるべきだし、まともに戦えるのならどこでも良いからね)なってしまい、決めるに決められない状態となっていた。

 

「出来るならば早めにカタをつけたい所だけど…」

「こちらも出来るだけ準備したいですもんね。かといって時間をかけ過ぎるとマジェコンヌが何するか分からないし…」

「んー…ならここは一つ、いーすんに相談してみる?」

「あ…そういえばまだイストワールさんには会ってないや…」

 

目が覚めて以降立て続けに色々あったせいですっかりイストワールさんの事を忘れていた私。特殊な間柄だけに多少過剰な位イストワールさんは私を心配していたんだし、早めに目が覚めた事を伝えないといけないよね…。

相談するにも私の復活を伝えるにも来てもらわなきゃ始まらない、という事でイストワールさんを呼びに行くネプテューヌ。その間に私は少し前から気になっていた事を口にする。

 

「…ところでどうしてコンパのアパートじゃなくて教会なの?人数的な問題?」

「それもあるにはあるけど、一番の理由は遂にねぷ子が教会職員に女神だって認識されたからよ」

「え、そうなの?」

「はいです。ねぷねぷの偽者を倒す中で教会職員さん達と一緒に戦ったんです」

「そうだったんだ…ルウィーでのガナッシュさんの件と言い、私の知らない間に色々進んだんだねぇ…」

 

私が世界の中心じゃない以上、私の知らない所で何かが起きるのは当然だし、逆に私しか知らない所で何かが進む事もある。でも、それは分かってても惜しいなぁと思ってしまうのが人の常。…衝撃的なイベントは人づてじゃなくて自分で見たいものだよね。

 

「お待たせー、いーすん連れてきたよ〜」

「イリゼさん、まだ寝ていなくて大丈夫ですか?(・ω・`)」

「大丈夫、この通りぴんぴんしてるよ」

「この通りと言っても身体の色んな箇所に包帯巻いてあるけどね」

「ノワール、その台詞は余計だよ…」

 

本にちょこんと座ったいつものスタイルで部屋に来たイストワールさんは、私の周りをふわふわと飛んで私を心配する。それに対して努めて安心させる様に言葉を返す私。…うーん、心配を解いてあげる筈が更に心配させちゃってるかな…。

 

「いーすんさん、イリゼちゃんはしっかり手当てしてもらってあるから大丈夫ですよ」

「それは助かります…それで、相談というのはユニミテスの件ですか?(・・?)」

「えぇ、上手く奴をおびき出す手とかあるかしら?」

「そう、ですね…三日待ってくれれば調べられますよ?( ̄∀ ̄)」

『三日……』

 

イストワールさんの提示した条件に考え込む私達。三日は決して短い時間ではない。けど、然程長い時間でもない。出来る限り急ぎたい所ではあるけど、三日ならまだ早い様な気もする。何とも言えない微妙な時間、三日。私達はしばし言葉に詰まってしまった。

 

「…う、うん…取り敢えずイストワールさんに頼もうよ!で、その間に私達も考える。もうそれでいいでしょ?」

「そう、ね…えぇ、よく考えたらイストワールに頼む間何も出来ない訳じゃないんだからそうすれば良いだけよね」

「では、出来る範囲で急いで調べる事としますね( ̄^ ̄)ゞ」

「うん、任せたよいーすん!」

 

一先ずはイストワールさんに任せ、その間にも考えると言う事で決着がつく二つ目の問題。……え、何も決まってないじゃないかって?…気付いてはいけない事に気付いてしまった様だね…スルーを推奨するよ!主に私達の為に!

 

「しかし…対ユニミテスの件を詰めてくると段々緊張感が出てくるわね…」

「わたし、ちょっぴり怖いです…」

「そうですね。今のマジェコンヌもユニミテスも強大な敵。皆さんは覚悟を…今までとは違う覚悟を決めなくてはならないと思います」

 

絵文字が消える位真剣な様子で言うイストワールさん。今までとは違う覚悟、それはつまり戦う覚悟、傷付く覚悟だけでなく--------命も懸ける覚悟という事。そしてその意味が分からない私達ではない。

暗くなる…とまでは言わないにしても、温かだった空気が何となく沈んでしまったかの様な雰囲気が私達を包み始める。……けど、これまでの様に、いつもの様にそんな空気を壊してくれる存在が、ここにはいた。

 

「もー、皆何重苦しい雰囲気にしようとしてるのさ。だいじょーぶ!だってわたし達だよ?わたし達何だよ?だったらもう、負ける可能性なんてゼロに決まってるじゃん」

 

具体性も何もない、あっけらかんとしたネプテューヌの言葉。だけど、いや…だからこそ、その言葉は私達の光となってくれる。

 

「相変わらずねぷ子はねぷ子だにゅ。でも、そういうのも嫌いじゃないにゅ」

「ふっ、ここまで懐かしい顔が揃ったのだ。確かに心配は不要だな」

「うん!世界の平和も、命懸けで取りに行くんだから!」

「何だか今回も巻き込まれちゃったけど…こういう冒険も良いよね」

「だねぇ〜、わたしワクワクしてきたよ」

「ネプテューヌさんにそこまで言われるとちょっと照れるね」

 

ネプテューヌの言葉にそれぞれの反応を示す別次元組の皆。皆にとってここは故郷ではなくあくまで旅先。だから命を懸けてまで戦う必要はないのに、この次元の為に全力を尽くそうとしてくれている。…だったら、私達も負けていられないよね。

 

「こうなったらもう、女神の強さと誇りをユニミテスにぶつけるしかないわね」

「そうですわね。守るべき国と、大切な国民の為に」

「戦って、戦い抜いて勝つ。選択肢はそれ一択のみね」

「わたしも、わたしも頑張るです!」

「ここで退いたらゲイムギョウ界に咲く一陣の風の名折れ、死力を尽くす必要があるわね」

「この戦いに女神も人も次元も関係ない。…皆、やるよ!」

 

強い意志を秘めた瞳を交わし合い、頷き合う私達。この時私は思った。--------絶対に、負けたりなんかしないって。

 

「よーしっ!それじゃあ皆頑張るよーっ!」

『おーーっ!』

 

ネプテューヌの音頭に合わせる私達。その後、全員がほぼ同時に『…って、まだ戦いになるのはもう少し先じゃん』と気付いて笑いを零す私達。自分達の事ながらしょうもな過ぎて逆に笑えてしまう。

 

 

--------そんな時だった。凄まじい衝撃が走り、一瞬にしてプラネテューヌの教会が半壊したのは。




今回のパロディ解説

・あたしンち
有名日常系作品、あたしンちの事。別にネプテューヌは立花家の人間でも一人称が『あたし』でもないですが、まぁあくまでパロディネタというだけですから、はい。

・ロト
ドラゴンクエストシリーズにおいて、主にⅠ〜Ⅲのテーマの一つであった一族の事。いくら魔の者と戦いまくるロトの一族でも別次元は流石に管轄外でしょうね。

・五河さん
デート・ア・ライブの主人公、五河士道の事。ユニミテスが攻略対象ならさしずめ『ユニミテスラグナロク』とかでしょうか?…アレにキスさせるのは本当に酷過ぎですね。

・「〜〜お客様相談センターで働いている〜〜」
はたらく魔王さまのヒロインの一人、遊佐恵美ことエミリア・ユスティーナの事。彼女は一度次元移動してるのでこんな展開にも慣れている…かもしれませんね。
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