-IS- 夢動かす機械   作:かきな

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前回のあらすじ

虫憑きにされてしまった少年、渡宮稀零
目覚めた先で女性にしか動かせない不思議な機械ISを起動させる




第一話 クラスメイトは大体女 前編

「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」

 

 そんな間の抜けた声でにっこりと微笑んでいるのは、俺のクラスの副担任らしい山田真耶という女性だ。

 

 いや、女性という表現はちと厳しいか? 何か小さいし。服のサイズが体に対して少し大きめで、それが相まってより小さく見える。とは言ってもあそこだけはやけにでかいから同年代には見えんな。女子大生くらいなら通るんじゃねぇの?

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

 

「おう。よろしく」

 

「……………」

 

 あれ、俺なんか浮いてる? いや、前の世界でもあまりクラスに馴染んでいた覚えはないけどさ、今のは普通返事を返すところだよな。

 

 しかし、他の生徒からは反応がない。先生もなんかおろおろしてんじゃん。大丈夫かよ。フォローとか入れた方がいいのか? つうか担任がやれよ、何してんだろな。寝坊で遅刻か?

 

「じゃ、じゃあ自己紹介お願いします。えっと、出席番号順で」

 

 ふむ。何かかわいそうになってきたな。いや、先生は悪くないと思うぜ。

 

 悪いのは…。

 

 このクラスの男子が二人しかいないってことだな。

 

 まったく。高校の入学初日だぜ。テンションが上がってしかるべき日にこの重苦しい空気はなんだ?

 

 ほんと、周りの女子の視線が死ぬほど突き刺さる。何だろうな。好奇心? そんなものを含んだべた付く視線だ。あからさまに見てくるからな、遠慮も何もあったもんじゃねぇぞ。

 

 席の配置も悪い。なぜ俺が真ん中&前から二番目の席なんだ? もう一人の男が目の前に居るのだが、姿勢を低くして耐えてる様子。がんばれ。超頑張れ。

 

 着々と自己紹介が進んでいく。とは言っても名前を覚える気はねぇから聞き流すけどな。

 

「織斑一夏くんっ」

 

「は、はいっ!?」

 

 裏返った声が前方から聞こえる。周りからはくすくすと笑い声。

 

 ……なんだ、重い空気もだんだん軽くなってきたのか? 

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 さて、期待を孕んだ視線が織斑に集まっている。ちなみにその一つに俺のも入っている。

 

「……以上です」

 

 がたたっ。ずっこける。俺だけかと思ったが、後ろからも聞こえる。なんだか仲良くやっていけそうだ。まあ、少し昭和の雰囲気もするがノリがいいのは確かだしな。

 

 座りなおして前を見ると、先生が増えていた。

 

「おわっ! 織斑! 後ろだ、阿修羅が居るぞ!」

 

「誰が阿修羅か、馬鹿者」

 

 パアンッ!

 

「いっ――」

 

 うわ、あれは痛そうだな。もう音が出席簿で殴った時のそれじゃねぇよ。

ていうか、俺へのツッコミが織斑に当てられてかわいそうな気もするが気のせいだな。

 

「あ、織斑先生、もう会議は終わられたんですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」

 

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと…」

 

「おい先生、自己紹介って次俺なのか? なんか、「ア」から「オ」までの生徒で教室の中央の席まで来るのもおかしいと思うんだが、織斑の後ろに渡宮が来るのもおかしくね?」

 

「お前らはイレギュラーなのだ。目の届くところに置くのは当然だ」

 

 それもそうだが、言い方ひでぇな。

 

「んじゃ、俺の自己紹介を…」

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達を一年で使い物になる操縦者にしてやる。私の言う事は聞け。そして理解しろ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け」

 

「お、俺の自己紹介…」

 

「キャ――――――! 千冬様、本物の千冬様よ!」

 

「ずっとファンでした!」

 

 ……俺の声は騒ぐ女子の声でかき消される。

 

 何なんだこの騒々しさは。てか、一介の教師のファンってどういうことだ?

 

 その喧騒の中、俺は目の前の俺以外の唯一の男に近付く。

 

「あの先生は何もんなんだ?」

 

「俺の姉だよ」

 

 織斑…織斑…。ああ、ほんとだ。同じ名前じゃん。

 

「なんか大変そうな姉だな」

 

「まあ、千冬姉は昔からあんなんだから…」

 

 スパンッ!

 

「織斑先生と呼べ」

 

 ラーメンズが言ってた。小学生男子の夢は「エロい姉の存在」だって。

 

「……はい、織斑先生」

 

「なんていうか、こんな姉なら欲しくはねえな」

 

 スパンッ!

 

「席に付け、馬鹿者。SHRは終わりだ」

 

 ……身内じゃなくても容赦ねぇのか。

 

「これから諸君には半月でISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後は実習だ、それまでに動作を叩きこんでおけ。分かったな」

 

 自己紹介の機会を失った俺は、ひりひりする頭をさすりながら静かに席に座った。

 

 

 

 一時間目。

 

 ISの基礎理論授業の中。その時の記憶がない。訳の分からない単語を並べられても、俺にはさっぱり分からない。

 

「まあ、なんてったって俺は実戦派だからな!」

 

「それでいいのか?」

 

「良いも何も、事実だから仕方ねえだろ?」

 

「まあ、俺も理解できなかったわけだけどな」

 

 現在、俺は席も近いし唯一の男と言う事で入学早々一緒にいる。同性の方が安心できるからな。

 

「それにしても廊下の方が騒がしいな。何が楽しくて俺らなんかを見に来るんだ?」

 

「珍しいからだろ。男がISを動かしたわけだし」

 

「ふーん」

 

 廊下を見ると、同級生だけでなく他の学年のやつも来ている。この学園に初めて男が入ってきたから、馴染みがなくて遠目で見ることしかできないのだろう。

 

 でも、外に出れば男なんて結構いるだろ? そんなにじろじろと見るものなのか?

 

「あんなとこにいねぇで話しかけてくればいいのにな」

 

「それは無理だろ」

 

 一夏は苦笑いだ。織斑の事は先生と区別するために下の名前で呼んでいる。

 

 さっき聞いた話だが、織斑姉はなにやらISの世界大会とやらで優勝した猛者らしい。だから、SHRの時間にあんだけクラスの女子が騒いでたんだとよ。

 

「ちょっといいか」

 

「え?」

 

 一夏の隣の席の子だ。自己紹介が一夏のところで終わったので窓際の方の女子の名前は分からない。いや、廊下側の女子の名前も憶えてはないんだけどな。

 

「……箒?」

 

「…………」

 

 無言の女子は不機嫌そうな顔をしている。後ろで括ったポニーテールがなびいている。

 

「一夏、知りあいか?」

 

「あ、ああ。幼馴染だ」

 

 なんだって、幼馴染だと? 異性の幼馴染なんて都市伝説だと思っていたんだが…実際にいたのか。

 

「廊下でいいか?」

 

「駄目だ! 一夏は渡さん!」

 

「何言ってんだ、稀零!?」

 

 なんてな。この状況に一人でほっとかれるのは嫌だが、幼馴染の誘いを断らせてまで引き止める気にはならん。

 

「冗談だぜ。行ってこいよ」

 

「悪いな」

 

 箒と呼ばれていた女子は先に廊下に向かっている。それを追いかける一夏を目で追って、扉の向こうに消えた瞬間、クラスの女子が動き出した。

 

 扉の隙間から顔を出して廊下の様子を探るように見ている。なんてアクティブなストーカーだよ。

 

 そこまで興味はないが俺も少し気になることは気になる。何って、最近の女の子の発育とかね。本当に同い年なのか、あれは?

 

 別に俺はそういうところばっかりみているわけじゃねぇけど、前の世界と違ってこっちの方が発育がいい気がするのはなんでだろうな。

 

 大多数のクラスメイトがストーキングしたことで、がらんとした教室、一人だけこの騒ぎに加わっていない女子が居た。金髪で少しロールのかかった髪を持っている白人種の女子だった。

 

 一夏もいなくて暇だし話しかけてみるのも悪くはないかもしれない。

 

「お前はああいうのに興味はねぇのか?」

 

「あら、わたくしに声をかけるなんてお目が高いですわね」

 

 なんと偉そうな子だ。まあ、見るからに貴族っぽい感じではあるけどな。金髪だし。俺の偏見も酷いものだが、未知の領域だから致し方ない。

 

「あのような下衆のすることを、このわたくしがするはずありませんわ」

 

 どのわたくし? 他にもいるのか、わたくしが。

 

「まあ、つまりは興味がないんだな?」

 

「興味がないというのとは違いますわね。男がISを動かすという事には純粋に興味がありますわね。どうしてあなた方の様な無知な男が動かせるのか……。わたくしにはとうてい理解できませんわ」

 

 ん~要約すると……

 

「男が乗んじゃねぇよってことか?」

 

「そうは言っておりませんわ」

 

 こいつの話し方は分かりづらいな。

 

「今更だが、名前はなんていうんだ?」

 

 すると驚いて目を見開く。

 

「わたくしを知らない? このセシリア・オルコットを? イギリスのだい――」

 

「セシリアね。俺は渡宮稀零。よろしくな!」

 

 女尊男卑の世界。偉そうなのはどうかと思うが、それに付き合ってやるのが男の余裕ってな? どうよ、かっこいいだろ?

 

 それに今の俺はこの世界に来れた事で気分がいいのだ。少しのことなら全然気にしないぜ。

 

「ちょっとあなた、失礼ですわよ!」

 

「そうか? まあ、確かに俺も自己紹介を途中で遮られたのは気持ちよくなかったしな。悪かったぜ、セシリア」

 

「ふん。分かればよろしいですわ。では改めて、わたくしはイギリスの――」

 

 チャイムが鳴り響く。それとほぼ同時に一夏と箒が入ってくる。

 

「おお、授業が始まるぜ。悪いな、席に戻るわ」

 

「ちょっとぉお!」

 

 席に着くと織斑姉が入ってきた。

 

 危なかった。もう少し遅かったらまた叩かれていた所だぜ。

 

「この屈辱はいつか晴らしてやりますわ」

 

 なにやらセシリアが呟いていったが、よく聞こえなかった。

 

 

 

 

 二時間目。

 

 最初の十分くらいはしっかり聞いていたんだ。いや、聞いてもいなかったかも。右から左へ抜けてるわ。何も覚えていないし。

 

 正面の一夏がおろおろしているのを眺めて面白がっていたんだが…ぶっちゃけ飽きた。

 

「zzzz」

 

 ISは面白そうだと思うぜ。でも、座学は勘弁してくれ。

 

 後ろからくすくすと聞こえる笑い声も最早子守唄状態だ。

 

「貴様は何を寝ているんだ」

 

 スパンッ!

 

 頭に鈍痛が響き起き上る。

 

「……なんだ、まだ授業中か」

 

「寝直そうとするな」

 

 そして再度、鈍痛が走る。

 

「いいじゃないか、寝たって! 俺は実戦派なんだよ!」

 

「その実戦のための授業だろうが」

 

 くそっ、正しいのはあっちだから反論ができん。

 

「それにお前と織斑は特に何が起こるか分からんのだ。しっかり覚えろ」

 

 ……その後の授業を真面目に聞いた俺の頭に残った事。それは織斑姉の乳がでかいという事だけだった。……あれ? 俺胸しか見てなくねぇか?

 

 

 

 

「意味が分からない言葉ばっかりだぜ!」

 

「それには俺も同意だな。だいたい教科書の厚さがおかしい」

 

 一夏も授業は良く分かっていない様子だ。前の世界で聞かなかったことばかりで、まるで外国語の勉強をしてるかのようだぜ。教科書が分厚いのは絶対編纂者が悪い。もっと要領よくまとめたらこれの半分も絶対いらないだろ。まさか、武装ごとの解説とかやってるんじゃねぇだろうな? そんなもの必要なのかよ…。

 

 二人で項垂れていると、そこにさっき休み時間の子が来た。

 

「おお、セシリアちゃんじゃん」

 

「その呼び方はムカつきますわね」

 

 何か不服そうだ。確かに、俺自身もこの呼び方はきもいと思っているから変えるけどな。

 

「知り合いなのか?」

 

「さっきの休み時間で名前を聞いたぜ」

 

「って、あなたもわたくしを知りませんの? イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」

 

 ここまで堂々とされるとこっちが悪いのかと錯覚してしまう。

 

「一夏、こいつは有名人かないかなのか?」

 

「いや、違うと思うけど…」

 

 だよな。なんなんだ、この異常なまでの自信は。どこからくるんだ?

 

「あ、質問いいか」

 

 ん、何を聞くんだろうか。その自信はどこからくるんですか、とかか。

 

「代表候補生って、何?」

 

「あっ、それは俺も思ってたぜ」

 

「……」

 

 なんか呆れかえっているんだが…。

 

「あなたたちは本気でおっしゃってますの!?」

 

「そう怒んなって。さっきの授業で分かってんだろ?」

 

 俺が寝ている間に一夏もなんか怒られてたらしい。俺だけじゃなくて安心。

 

「俺らは無知なんだぜ? なあ、一夏」

 

「ISに関してはそうだな。で、代表候補生って?」

 

「国家代表のIS操縦者の、その候補者として選出されるエリートですわ。単語から想像したらわかるでしょう」

 

「そういわれれば、そのまんまだな」

 

 納得するしかないな。

 

「で、セシリアがエリートってことでいいんだな?」

 

「そう! エリートなのですわ! 何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

 唯一を強調すんな。自慢したい気持ちは分かったから。

 

「入試ってあれか? IS動かして戦うってやつ?」

 

「それ以外にありませんわ」

 

「あれ? 俺も倒したぞ、教官」

 

「は……?」

 

「へえ、一夏強えな」

 

 俺はその試験受けてないんだよな。研究所の根回しかなんかのせいだろうけど…。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

「酷いオチだ」

 

 ケラケラ笑うがセシリアは笑っていない。すげえ驚いてる。

 

「つ、つまりわたくしだけではないと!」

 

「うん。まあ、たぶん」

 

「たぶん!? たぶんってどういう…」

 

 チャイムが鳴り響く。

 

「いいじゃねえか。一人か二人かなんて、さして違わねぇだろ?」

 

「だいぶ違いますわ!」

 

 良いんだよナンバーワンじゃなくて、俺たちは皆特別なオンリーワ――

 

「席に着け、お前ら」

 

 教壇には織斑姉が立っていた。この時間は山田先生じゃねえのか。

 

「この時間は実戦で使用する装備の特性について話す。が、その前に決める事がある」

 

 この時間は装備の特性なのか。ていうか、本当に武器ごとに説明するのかよ。

 

「再来週行われるクラス対抗戦にでる代表者を決める。自薦他薦は問わん」

 

 教室が色めき立つ。

 

 対抗戦ってやつには出たいとは思うが、でも代表者だろ? なんかいろいろやることありそうで面倒くさそうだぜ。

 

「はい。織斑くんを推薦します!」

 

 おお、一夏流石だな。いきなり推薦貰ってやがる。

 

「あ、私は渡宮くんを推薦します!」

 

 おお、俺もかよ。まあ、戦えるんならやってみるのも面白そうではあるか。

 

 あれ。一夏反応ないな。どうしたんだ?

 

「おい、一夏。推薦貰ってんぞ? 喜べよ」

 

「……は? お、俺!?」

 

 こいつ気づいてなかったのか。

 

「ちょっと待った! 俺はそんなのやらな――」

 

「私は自薦他薦は問わないと言った。推薦されたのなら、覚悟を決めて期待に答えろ」

 

「い、いやでも――」

 

 面白そうなのにな。一夏も面倒くさいのは嫌いなのか。

 

「待って下さい! 納得がいきませんわ!」

 

 おっとここでセシリア乱入。なんだなんだ、どうした?

 

「そのような選出は認められませんわ! 男がクラスの代表だなんていい恥さらしですわ! 物珍しいからという理由で極東の猿を代表にされては困ります!」

 

 おうっ、ひどいひどい。なかなか言うぜ。

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らすこと自体、わたくしにとっては耐えがたい苦痛で…」

 

 おい、これは一夏個人だけじゃなくて日本人すべて敵に回してんだろ。そういえばこのクラスは多国籍だな。日本人比率低いんじゃねえか?

 

 個人的見解でいえば、日本の文化は世界トップだと思うぜ。音楽に関してはどうにも同じステージで競っているような気はしないけどな。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

「なっ……!?」

 

「お前も結構毒舌だなぁ」

 

 言う時は言うやつだったのか。この世界の男の立ち位置からして、もっと弱々しいかと思ったぜ。

 

「わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

「お前も侮辱してたぜー」

 

 小声で指摘するも、血が上っているセシリアには届かない様子。それに俺も推薦されているんだから一夏だけに矛先向けるのはどうなんだ? あれか、気付いてないのか。俺はそんなに影が薄いのか。

 

「決闘ですわ!」

 

「いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい」

 

「面白展開きたぜ!」

 

 代表選だけじゃなくて、もう一戦おまけがついてきた。これは嬉しいぜ。

 

「ハンデはどのくらいつける?」

 

「あら、早速お願いかしら?」

 

「いや、俺がどのくらいつけるかだけど?」

 

 クラスに爆笑が巻き起こる。なんだ? どうしたんだ? 毒キノコでも食ったのか?

 

「お、織斑くん。それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったのは大昔の話だよ?」

 

 笑いを含んだ言葉が飛び交う。

 

 そうか、みんな普通の女の子に見えるけど、常識がこのセシリアの思考なのか。

 

「……じゃあ、ハンデはいい」

 

「それでこそ男だぜ、一夏!」

 

 いやあ、この時代でも男は男だな。感動するぜ。

 

「じゃあ、ハンデの代わりに渡宮くんが仲間に付くっていうのは?」

 

 俺の隣の女子が提案したことを思案する。

 

「……それじゃあ、面白くねえぜ」

 

「えっ?」

 

 隣の子が不思議そうにこっちを見る。ふふふ。決闘そのものはいいと思うぜ。俺も参加してぇ。だが、それは一夏の味方としてではない。

 

「俺も混ぜて、三人で乱闘にしよーぜ!」

 

『はあっ!』

 

 クラスが皆疑問の声を上げる。そりゃそうだ。ハンデの話をぶった切ってやったんだからな。

 

「わたくしはいいですわ。一人でも二人でもかわりませんもの。それにそちらの方はちょうどいい機会ですので、さっきの屈辱を晴らさせてもらいますわ」

 

 さっきっていつだっけ。

 

「乱闘では正確な判断ができないだろ。総当たりで決めろ。同率首位ならその二人で決戦だ。勝負は来週の月曜日。放課後、第三アリーナで行う。各人は準備をしておけ」

 

 織斑姉の一声で議論は終了し、授業がはじまった。

 

 しかし、俺はそれが楽しみで興奮して授業を聞いていなかった。

 

 




閲覧ありがとうございます
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私が飛び跳ねて喜びます

一年前に上げた物とは少し変えましたが、そこまでの大幅な修正はございませんし、
腕も上がっておりません;;

追記
前後編に分けました
 

次回、稀零くんの望み通り戦闘が入ります
うまくかけるよう頑張りますよ~
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