英雄になりたいけどなれない少年の物語   作:木戸 真人

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か、花粉症が……鼻水が…
第十一話です。ズビッ




正体

 カウントがゼロになり、トキアとフードの男のデュエルが開始する。

 男の武器はアスナが着ていたような服で覆われていて見えない。

 相手の武器が見えない以上はこちらから攻撃するわけにはいかない。キリトとのデュエルが見られていたのだとしたらなおさらだ。

 と思うのが普通の人の発想。

 だが,トキアは違った。

 英雄になるであろうあのキリトとわたりあうためには相手の情報がわからないからといって、後出しじゃんけんをずっとしていくわけにはいかない。

 トキアは相手の一挙一動を見逃さないようにしてフードの男に近づく。

 その時、男の服の中から銀色の閃光が―

「っ!」

 トキアはすぐさま反応し、曲刀ではじく。

 決してスイングスピードが極端に速いわけでもない。なのに、反応が遅れる。

 これは何かカラクリがあるはずと思い、トキアは相手と距離をとる。

「まだまだ、いくよ!」

 トキアは相手の攻撃に備え、神経を集中させる。

 一回目は右から、次は左上。それぞれ剣ではじいていく。

 そのあとも剣での防御を繰り返す。

 一回一回反応が遅れる。まるで何もないところから攻撃がきているみたいな…

 まさか!トキアは直感で反応した攻撃をはじきながら、一つの結論に達する。

 死角から攻撃しているのか?

 そもそも攻撃というのは相手の死角をつきながら行うものなのだが、それが難しい。

 自分の体勢などもあるし、必ずと言っていいほど狙えるわけではないのだ。

 だが、この男はどうだ?

 素早くかつ、正確に俺の死角を狙ってくるではないか。

 だから、こうも反応が遅れるのか…!

 しかし、カラクリがわかればいくらでも対応はできる。

 いくつもある死角を一か所にまとめる。

 そして、相手が正確についてくるであろう死角を守り、攻撃をはじく。

 これは、相手の技が正確であるがゆえのできる技だ。

「へぇ、死角を隠すなんてすごいね。僕の特技も見破ったし」

「いやいや、死角を正確につく奴もそういないって」

「「でも―」」

「「勝つのは、僕(俺)だ」」

 

 

 

 

 二人は距離をとりつつ、剣の攻防を繰り返す。

「時間も時間だし、そろそろ終わりにしようか」

「あぁ、同感だぜ」

 すると、フードの男は剣を右肩の位置にもっていき、剣が光る。

(ソードスキル?)

 戦いの中で分かったが、奴の武器は短剣。

 おそらく、突進系のソードスキルだと思うが俺と奴との距離は五メートルほど。

 届くとはおもえないが……

「君にいいこと教えてあげるよ」

「?」

「ソードスキル…必殺技てのはね、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 その時、奴の武器が消えた。いや、飛んできた!

(投剣スキルか!)

 俺はとっさに守ろうとするが剣がはじかれてしまう。

 だが、相手の剣も今は俺の剣と一緒に空中だ。攻撃手段はない…!

 フードの男はこちらに走ってきながらメニュー画面らしきものを操作する。

(武器を取り出すには5ステップくらいはさまないといけないはず)

 しかし、トキアの予想とは裏腹にフードの男はすぐさま剣を取り出す。

(速い!)

 練習すればこれくらい速くなるのかと思いながら拳を固め構える。

「これで、終わりだよ!」

 フードの男は疑いもしなかった。

 武器なしでできるソードスキルがあることを―

「俺もお前にいいこと教えてやるよ」

 トキアは右手に力を入れ

「言葉はなぁ、()()()()()()()()()()()()()!」

 <体術>スキル、単発突き<閃打>。

 トキアの右拳が相手の腹に突き刺さり、相手のHPバーがイエローゾーンへ突入しデュエルが終わる。

「俺の勝ちだな」

 トキアは自分の初勝利をかみしめるように小さくガッツポーズをした。

 

 

 

 

 

 

「さて、正体を見せてもらおうか」

 トキアはフードの男に近づき、声をかける。

 フードの男はふふっと声をもらす。

「さすがだねぇ、トキア君は。いや、() ()()()()は」

 こいつ、俺のリアルネームを知ってる!?

「誰だ、お前は」

 声には聞き覚えはない。

 すると、フードの男はフードをとり、フードの男じゃなくなる。

 じゃなくて、顔があらわになる。

 その顔は金髪で、目は青く、美少年といった感じの顔。

 見覚えは―ない。

「ほんと、誰?」

 

 

 

 

 

 




 次回、フードの男の正体が…!
 ほんと、誰?
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