クエストの話はあと二回ほどやります。
第十五話です。
俺たちはアルゴの依頼によりクエストを受けることとなった。
クエストの内容は指定されたダンジョンをクリアすること。
具体的にはダンジョンの最深部にあるアイテムを依頼主の元へ届けることである。
そして、俺たちはアルゴと一緒にクエストの依頼主のNPCの目の前に立っていた。
「アルゴ。協力者というのはまだなのか?」
「もう少しでくるはずダ」
俺たちとは別に協力者がいるらしい。それを俺たちは待っているのだが…
そもそも、助っ人がいるってことはそれほどのクエスト難易度なのか、それとも俺らが信用されていないのか。
自分が信用されていないかもしれないという不安の中、アルゴから声がかかる。
「あ、来たゾ。おーい、えーちゃーん」
えーちゃん?どんな奴なんだ?
アルゴの目線の先を見ると軽装に武器は曲刀を持った普通のプレイヤーがいた。
仮面をつけていなければ。
(なにあいつ…)
仮面は狐の顔をしており、どこかの暗殺者みたいだ。
髪の色は…赤?元々の髪の長さが長いのか髪を束ねている。
普通に見れば女なんだけど…
「鼠のアルゴ。協力者はこの少年たちか?」
声は低く、透き通っている。声的に男かな?
「うん。その通りダ。実力はえーちゃんに勝らずとも劣らずってところダナ」
「ほう、それは期待できるな」
なぬ、と思いアルゴの肩をつかむ。
「おい、アルゴ。俺たちがこの意味の分からない奴に負けるっていうのか?」
「トッキーがキー坊にも勝てないとなるとおそらく二人がかりでもえーちゃんに勝つことは無理ダナ」
なんだと。キリトにも勝てなかったら勝てない?そしたら、デュエルで勝負しようじゃないか、と言おうとしたら仮面の奴から特大級の燃料が投下される。
「ま、せいぜい足手まといにならないことだな。少年」
ブチッ。頭に血が上り、仮面の胸倉をつかもうとしたときソラに止められる。
「トキア、と、とりあえずクエストクリアしてから!それからどうするか決めよう!」
必死にソラに止められ、煮え切らない思いをしながら静かになる。だが、それを楽しむかのように仮面の奴の煽りが入る。
「よかったな、少年。お前を止めてくれる保護者がいて。やっぱり子供だな」
ここここ、このやろぉぉぉ。ば、馬鹿にしやがってぇぇぇぇぇぇ。
「とりあえず、パーティーを組んでくレ。オイラはここで待ってるからナ」
お前は高みの見物かよ!と内心突っ込みながら仮面の奴に怒りを抑え、話しかける。
「あんたからパーティー申請をしろ。異論は認めん」
「いいだろう」
仮面のせいで表情はわからないが俺の必死の反抗に笑っているように見える。
苛立ちを抑えながら仮面の奴から来たパーティー申請を確認する。
名前は<Arthur>と書いている。アーサーて読むのか?
(け、勇者気取りかよ)
心の中で毒突きながら許可を押す。
左上のアイコンに<Arthur>たる名前が追加され、俺、ソラ、アーサーの三人パーティーが完成した。
トキアたちはクエストを受注し、目的のダンジョンの入り口の前に立つ。
このダンジョンは特別性。このクエストを受けた時のみ発生するものである。
ちなみにクエストを受けたパーティーしか入ることができない。
「じゃあ、気を付けテ。<いのちだいじに>ナ」
「「おーけー、牧場」」
思ってもいないことにアーサーとトキアの言葉がハモってしまう。
普通では、わーハモったねー私たち仲良しーとなるところだがこの二人ではそうはいかない。
「おいおい、このネタを知っているなんてびっくりしたぞ。
「あんたこそ、これを知っているなんて見た目よりか相当老け込んでんだなぁ。子供だったら、ませてるで済むけど大人だと昔の人(笑)ととらえられるぞ。あ、ていうか仮面で隠すほどのひどい顔か、ご、め、ん、ね」
二人は火花をちらし、それをソラが止める。出会って間もないのに定番化しつつある光景である。
アルゴは二人の険悪な雰囲気を振り払うがごとくおほんと咳払いをする。
「早く行ってこイ」
アルゴの言葉で目が覚めたのかダンジョンに体を向ける。
「じゃ、とりあえずクエストクリアといこうか」
トキアの呼びかけで三人はダンジョンの中に入っていった。
トキア「で、あいつは結局男なのか?女なのか?」
ソラ「さぁ、本人に聞けばよかったじゃない」
トキア「いや、それどころじゃなかったし…」
ソラ「トキア必要以上に突っかかっていたからねー」
トキア「まぁ、いずれわかるだろ」
ソラ「じゃあ、いつものいっとく?」
トキア・ソラ「「お気に入り登録、感想、よろしくお願いします!」」