英雄になりたいけどなれない少年の物語   作:木戸 真人

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 お、終わらなかった…
 次で終わるはずです。
 第十七話です。




やっべ、わっかんねぇ

「おい、アンタ」

 ボス部屋らしい大広間には雑魚は寄ってこず、幸運なことにまだボスも出現していない。

 それをチャンスとしてかトキアはアーサーに話しかける。

「どうやってさっきの弓矢の攻撃防いだんだ?暗闇で見えなかっただろう?」

  アーサーはトキアの言葉に不満だったのかため息をつく。

「少年。あんたとは失礼だな。頼み事をするなら頼み方ってものがあるだろう」

 そういうあんただって俺のことは少年って呼ぶじゃないかと言い返そうとしたが、アーサーの言うことは正論だとトキアは思い必死に抑える。

 トキアの本音ではアーサーには敬語を使いたくはなかった。しかし、アーサーはあの時なぜ避けることができたのか見当もつかない。

 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥、と言い聞かせながらあくまでも仕方なく敬語を使う。

「さ、さっきの攻撃をかわすことの出来たカラクリをお、教えてください」

 ほんとに丁寧な口調で頼んできたトキアに対し、アーサーは驚いたように目を開かせる。しかし、急変したトキアの態度が面白いのか焦らすようにもったいぶらせる。

「どうしたものかな。少年がもっと前から私に好意的だったらすぐに教えたが」

 内心、じゃあどうすりゃいいんだよ!と、もっと前って今日会ったばっかだろ!を同時に叫びながらアーサーの言葉を待つ。

「まぁ、少年がどうしてもって言うのなら教えてやってもいいぞ」

 あんたはいちいちそう言わないとだめなのか。トキアは怒りが漏れないように返事をする。

「さっさと早…お願いします」

 若干漏れているような気がしなくもない。

「キーワードとしては殺気だ」

 殺気?トキアは頭の上に疑問符を浮かべる。

「殺気とはな…」

「いや、殺気の意味が分からないわけじゃない。わかるのか?ゲームの中で」

「当たり前じゃないか」

 アーサーは当然とばかりの顔でトキアを見る。

「いや、だってプログラムだぞ!?プレイヤー相手ならまだしもモンスターだぞ!?意思がない!モ!ン!ス!タ!-!」

 興奮して大きくなったトキアの声に思わず、耳に栓をするアーサー。トキアの問いにもめんどくさそうに対応する。

「できるのだからしょうがないだろう」

「で、できるって…どんな感覚?」

 トキアはありえないと思いつつも恐る恐るアーサーに尋ねる。

「そうだなぁ、冷たくなった皮膚に暖かい空気が当たる感じか…」

「は?」

 トキアの顔に意味が分からないと書かれていたらしくアーサーはすぐさま訂正する。

「水面をイメージしろ。全く揺れていない水面だ」

 トキアは目を閉じ、想像する。

「水面ていうのは少し物体が触れるだけで揺れる。その物体が殺気だ」

 つまり、水面をイメージして、それが揺れたときその元凶となったものが殺気―

「…………」

 やっべ、わっかんねぇ。

「トキア、声に出てる出てる」

「あとは自分で何とかしろ」

 説明が下手なのかすべてを投げ出したアーサーはトキアにそっけない態度をとる。

 頑張って敬語使ったのに最終的には自分で考えろと言われる。そんなのあんまりだとトキアは思いながらアーサーが言ったことを考える。

 うーん、さっぱりわからん。もしかしたら、考えない方がいつかわかるかもしれないと思い、次にやるべきことを確認する。

 中央に設置されている物体。台座があり、その上に置いてあるのは赤い球体。

 おそらく赤い球体を手にしたときボスが出現するだろうと思い、トキアだけ台座に近づき残りの二人はある一定の距離をとる。どこからボスが出てもいいように対応するためだ。

 トキアは赤い球体に触れ、自分のストレージの中に入れる。すると、大広間に白い霧が立ち込める。気づいたときには入ってきた扉も閉まっていた。

 あとはボスが出るのを待つだけ。なのだが―

(どこにいる?)

 出てこない。どこに隠れているか感覚を研ぎ澄まし、戦闘態勢をとる。

 ボスが出現する刹那、アーサーの水面が揺れた。

「下だ!」

 ボスはトキアの下から出現した。それをトキアも感じ取ったのか間一髪跳んでかわす。

 ボスの姿は予想通り<鬼>だった。しかし、武器は二刀の包丁という奇妙な組み合わせだったが。

 

 

 

 

 

 

 ボスが出現した地面は最初こそは穴が空いていたものの気づいたときには塞がっていた。

 全長三メートルほど、HPバーは四本という大サービスだ。

 肌は青く、下半身のみ服を着ているといった感じだった。模様はもちろんトラ柄である。

「おい、少年」

 狐の仮面をかぶったプレイヤー。アーサーがトキアに話しかける。ここでは性格的に―というわけではなく本当の狐の仮面を被っているのだが。

「私たちは三人だ。しかも、一人も盾役がいないときた。だったら、やることは一つだ」

 トキアはニヤリと片側の唇をつりあげ、アーサーの言葉をつなぐ。

「一発も攻撃を受けず、連携して攻撃だろ?」

「ラストアタックボーナスはとったもん勝ちということだよね」

 三人の意思は一つになったのか<ターン・ジ・オーガ>と表示された鬼に体を向ける。

 アーサーはふぅと息を吐き、気合を入れる。

「さぁ、イッツ・ショウタイムといこうか」

 

 

 

 

 




アーサー「む、ここはなんだ?」
ソラ「なんか、本編以外で好きに使っていいらしいよ」
アーサー「そんなのがあったのか…」
ソラ「ところでアーサーはなんで仮面なんかつけてるの?」
トキア「可哀想なことにお顔が残念なんだろ?ソラ、そこらへんは気を遣おうぜ?」
アーサー「そういうわけではない。ただ、仮面をつけていると強キャラ感が出るだろ?」
ソラ「まさか…それだけ?」
アーサー「何か問題でも?」
ソラ「いや、もういい…」
トキア「とりあえず、いつものやろうぜ」
三人「「「感想・お気に入り登録よろしくお願いします!!!」」」

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