シリアスばっか…
感想よろしくお願いします。
第三話です。
「は?」
キリトの素っ頓狂な声があがる。
「そんなはずはない。よくみてみろよ」
「いや、こっちにもないぜ」
どうやらクラインの方にもログアウトボタンがないらしい。
「キリト。ほかにこのゲームから出る方法はないのか?」
俺がキリトに問いかける。
「いや、ない。自発的ログアウトをするにはログアウトボタンをおす以外にない」
「そんなことはねぇ!戻れ!ログアウト!脱出!!」
クラインが必死にログアウトしようとするが何も起こらない。
「キリト。今、
「あぁ、他人にナーヴギアを外してもらうことだな。それか電源を切るか」
俺の家族は俺のほかに一人しかいない。しかも、出張で明日まで帰ってこない。
こりゃ、今日中には無理だな。そんな風に俺が考えているとクラインがキリトの妹はいくつだなどとどうでもいいことを聞いていた。
しかし、バグか…サービス開始初日にこんなことがあっていいのかねぇ…
『ゴーン、ゴーン』
頭上に鳴り響く鐘の音。何事かと思ったとき気づいたらログインしてきた町の広場らしきところに立っていた。キリトやクラインもいる。周りにはプレイヤーらしき人達。
(一斉転送?)
周りでは不安の声や罵声があがり、オープニングセレモニーと言うひともいる。これから何が起こるか具体的にはわからないが、ただ一つわかるのはこれは夢じゃないということだ。
しばらくたつと、<始まりの町>と呼ばれるこの町だけでなくアインクラッド第一層の上空が赤く染まっていく。そこに書いてある文字を読むと[System Announcement]、今から運営アナウンスがあるらしい。ようやくこの状況が説明されるのかと胸をなでおろしたとき上空から赤い液体。
(あれは…血?)
その液体が集まり、形作っていく。その形は人型となり、俺たちSAOプレイヤーを見下ろす。顔はない。このあとの顔なし人型巨大アバターの言葉は全プレイヤーが困惑する内容だった。
『――――安全にログアウトされることを保証しよう』
人型巨人アバターの話が一通り終わる。
今の話をまとめてみると、あの人型巨人アバターは<茅場晶彦>が操っているらしい。なんでもこのゲームを作ったゲームマスターだとか。そして、第二にログアウトボタンがないのは仕様であり、このゲームでヒットポイントがゼロになればこの世から永久退場。クリア条件はアインクラッドを制覇すること。ナーヴギアを家族に外されたりした場合は当然ゲームオーバーだそうだ。
この鬼畜設定に周りのプレイヤーはほぼパニック状態。というより魂が抜けてる状態に近い。
しかし、俺は考える。
なぜなら、ヒットポイントがゼロとは、現実では心臓がとまるということ。それが死につながる。ほとんど同じだ。
ただ、死との距離が少し近づいただけ。
『―――――用意してある。確認してくれ給え』
考え事をしていたせいで茅場が何を言っているのか聞き取れなかった。周りはどうやらストレージを開いているらしい。アイテム欄を確認するとそこには<手鏡>と表示されていた。取り出してみる。
(俺の顔だ)
まぁ、自分の顔といってもアバターの顔なのだが。そんなことを考えていると体じゅうが青い光に包まれた。そして、光がなくなったと思った時、鏡には少しつり眼であり、黒目が小さく、上方にかたよっている。こういうのを三白眼というのだろうか。髪は黒で逆立っている。よく見慣れた顔があった。まぎれもない現実の顔である。
そして、キリトたちがいる方に目線を向けるとそこには黒髪の少年と野武士ヅラのおっさん。
「もしかして…キリト?」
黒髪の少年におそるおそる尋ねると
「そういうお前はトキアか?」
どうやらビンゴだったようだ。キリトの問に対して頷く。
「じゃあ、向こうのがクラインか」
「うん、そうみたいだな」
キリトはすでにあれがクラインだと認識済みらしい。というより、キリトのやつ現実より身長高く設定していたのか。違和感とかなかったのかな。
すると、茅場が今、どうしてこんなことをしたのか説明しだした。
そんなものを聞くより、この後どうするべきかを考えないと…などと考えていると
「トキア、クライン、ちょっと来い」
とキリトから声がかかった。
「どうしたキリト?」
俺たちがキリトに連れられてやってきたのは広場から離れた狭い路地。そこで、キリトは俺たちに語りかける。
「いいか、よく聞いてくれ。俺は生き残るためにすぐに次の町に向かう。お前らも一緒に来い」
キリトの言うにはMMORPGとは早いもの勝ちらしい。もともと規定された経験値があるんだとか。そのためにはいち早く次の町に行き、モンスターのキル・アンド・ランをしなくてはならない。そして、ベータテスターのキリトについていけば安全に攻略することができるらしいが
「すまねぇ、キリトよ。ほかのゲームで一緒だった奴らを置いていけねぇ」
「そうか…」
キリトはそう言い押し黙る。さすがに一人で五人以上サポートは不可能だろう。できたとしてもスピードダウンになりかねない。それじゃ本末転倒だ。
「気にしないでくれ、キリト。前のゲームじゃギルドの頭やってたんだ。これぐらい楽勝よ!」
「トキアはどうする?」
キリトからの問い。これからどうするのか。そんなの決まっている。
「俺はキリトについていくよ。何かと便利そうだし」
「便利ってお前、俺は道具じゃないぞ」
「まぁ、いいじゃんいいじゃん」
と無駄口をたたいていると、キリトの顔がスッと暗くなり
「じゃあ、行こうか。トキア。」
キリトはどうも自分を責める癖があるらしい。おそらくクラインを連れていけないのを考えているのだろう。本人の意思だから気にしなくていいのに。
キリトはクラインに向き直り
「じゃあなクライン」
とほんの少しの別れの言葉を告げ走り出す。
「また今度」
俺も軽くクラインに別れの挨拶。
するとクラインが
「キリト!おめぇ、案外カワイイ顔してやがんな!結構好みだぜ!トキア!目つき悪すぎて喧嘩すんじゃねーぞ!」
と変態かつ失礼極まりない発言をして手を振る。
「あぁ!お前の野武士ズラの方が十倍似合っているよ!」
「その顔で女に詰め寄るなよ!絶対振られるぞ!」
クラインに最後の言葉を残した俺たちは後ろ髪をひかれる思いをしながら<始まりの町>を出る。
「絶対生き残るぞ。トキア!」
「モチのロンよ!」
時間があったらNGシーンもあとがきに書く予定です。