笑っていただけると嬉しいです。
第九話です。
(終わったー)
キリトとの激闘が終わった俺はその場に倒れこんでいた。
「はい、お疲れ」
アスナからもらったポーションを一気に飲む。
キリトもアスナからもらったものを飲んでいる。
俺は力を振り絞り、倒れているキリトの元へ向かう。
「やっぱ、強いよお前」
「はは、ありがとう」
キリトに手を差し出し、立ち上がらせる。
「俺はもっと強くなる。強くなって、キリト。お前を超える」
「それは楽しみだな」
「勝手に死んだら、俺がお前を殺すからな」
「それはそれは、怖くて死ねねーや」
キリトと冗談をかわし、もうそこには勝負前の敵意はなかった。
「じゃ、行くわ。俺」
キリトは俺とアスナに背を向け立ち去っていく。
そして俺もアスナの方を軽く見て
「じゃあ、また」
「また」
挨拶を交わし、一歩、一歩と前に進んでいく。
俺は走っていた。
キリトと一緒に。
「おい!さっき、これで会うのはまた今度みたいなことしといてなんでお前は俺についてくるんだ!トキア!」
「しょうがないじゃん?たまたま会ってしまったんだからさ」
「何がたまたまだ!別れて、五分後に遭遇とかどんな確立だ!」
「この世には運命の黒い糸というものが……」
「気持ち悪いことを言うな!てか、言うなら黒じゃなくて赤だろ!」
「男同士だと黒なんだよ!」
「知らないよ!なんでキれてんだよ!」
「キれてねぇよ!」
俺たちは何をしているのかというと友達を助けようとしているのだ。
「いたぞ!アルゴだ!」
なぜかはわからないが、アルゴは二人のプレイヤーに追いかけられており、それを見たキリトが追い、それを見た俺がキリトを追っているという状況である。
ちなみにさっき追いつき、状況把握したところだ。
「―売らないんダ!」
アルゴの声、谷の奥から聞こえてくる。
誰と話しているのかと思うと<ござる>が語尾の二人組。
にんじゃ?
どうも話を聞く限り、あの二人組は<エキストラスキル>を求めてアルゴに詰め寄っているらしい。
そのスキルとは<体術>スキルだとか…
「なぁ、どうする?キリ……ってもういねぇ」
キリトは気づいた時にはアルゴの前に立っており忍者と話している。
やばい。完全に出るタイミング失った。
すると、近くのモンスターが忍者の二人組をターゲットに、そのまま走り去っていった。
彼らの無事を心の中で祈りながらキリトとアルゴの元へ向かう。
アルゴがキリトに抱きついたという事実は俺のひろーい心で許してやろう。
噂として流すがな。
「ここだヨ」
俺とキリトはアルゴに連れられ自力ではたどり着けそうにない場所までやってきた。
ここを自力で探すなんてすごいなアルゴ。
「ここで二人にお願いダ。何があってもオイラを恨まないでクレ」
「「あぁ」」
キリトと俺は頷き、奥に進んでいくとNPCが。
NPCから受けた短い問いに答えると視界にクエスト受理ログが現れた。
目の前に大きな岩が出現。
その時俺は全てを察する。
「この岩を汝の拳で砕け」
やっぱり!こんなことだろうと思ったよ!
いや、でも砕きやすいように設定されているかも……!
岩の硬さを確かめるキリトにアイコンタクトで聞く。
(ど、どう?)
(うん、無理)
無理らしい。
俺とキリトは辞退するべく言葉を発しようとするがNPCが取り出した筆によってキリトが餌食に。
アルゴの髭の理由をある程度理解し、俺はすぐさま敏捷力MAXで後方に逃げる。
しかし、硬い岩のようなもので阻まれた。
(この後ろに障害物はなかったはず!)
すぐさま後ろを振り返るとさっきとは別のNPCがいた。
それも歯は真っ白で、体はガチムチ筋肉のNPCが。
「えぇっ、誰!?」
「よくやった、弟子よ」
「弟子ぃ!?」
なに!?この爺さんの弟子になるとこうなるの!?
っていうかどっから出てきたの?この人!
そんなことを頭の中で叫んでいると近づいてくる老人のNPC。
「話し合いましょ!話せばわかっ……」
「問答無用!」
その瞬間山の中に叫び声が響きわたった。
「犯された気分だ」
俺は近くでうずくまり、めそめそと泣いていた。
「まぁ、元気出せよ。トキア」
キリトから励ましの声をもらうが、それでも元気は出ない。
なぜなら―
「だってよぉ、キリトはいいよなぁ、まだ
―顔がまるまる黒く塗られているのである。目をつぶったら目がどこかわからなくなるくらいに。
まさに―
「顔パックダナ!ニャハハハハ!」
この野郎!俺がこんなに苦しんでるのに笑いやがって!
「じゃあ、オイラはいくな!頑張れよ、キリえもん、顔面パック!ニャハハハハハ」
笑いながら立ち去っていくアルゴ。
俺がこの岩を割ることができたのはキリトより一日早い二日後のことだった。
感想よろしくお願いします。
次からオリジナル展開です。
頑張ります。