東城優の転生記録~主役になりたくない少年の運命 作:ソラたん
「ん……朝か」
昨日はカーテンを閉めずに寝てしまったため、朝の日差しが直に入り、目が覚める。
俺は時間を確認する。
「七時前か」
現在の時刻は六時五十六分を指していた。
あと、四分くらいで目覚ましが鳴るだろう。
「あれ? そういえばアイツは?」
俺の言うあいつとは、もちろん東凛の事である。
東がいないと、俺はどこの学校に行けばいいのか分からないし。何より、今日から東は俺の師匠になるのだ。
「ん?」
俺は左側に違和感を感じて、布団を捲ってみる。
すると、そこには、東凛がいた――俺の腕に抱きつきながら……。
「何でこいつは俺にくっついて寝てるんだ? ……はぁ、全く仕方のない奴だな」
俺はゆっくりと腕を抜き、布団を掛け直してあげる。そして、時計のアラームも消す。
もう少し寝かせても問題ないだろう。
「さて、朝食でも作るか」
米は昨日寝る前に炊いたからあるし。材料も冷蔵庫に大量に入っていた。
「朝はそんなに多くは食べないよな?」
まぁ、ここは王道で目玉焼きやウインナーとかでいいか。
俺はさっそくフライパンに火を通す。
☆
「ん……」
「起きたか?」
「あれ? 優?」
「あぁ、優だ。飯ができたが食べれるか?」
東は目をこすりながら、首を縦に振った。
というか、こいつ今、優って呼び捨てにしなかったか?
「これ、全部、優さんが?」
「俺以外に作る奴がいるのか?」
「そうだね」
それから、しばらく無言で食事をしていて、俺は今日から転校する学校の事が気になり聞いてみる。
「そういえば、今日行く学校は、ここからどれだけ時間かかるんだ?」
「んー、そうっすね~、大体、二十分三十分くらいっすね」
「意外と近いんだな?」
予想していたより近かった。これなら、少しくらい、ゆっくりしても問題ないかもしれないな。
「そういえば、お前は俺がどのクラスになるとかは知ってるのか?」
「いいえ? そういうのは聞かされていないっすよ? 何ですか? 気になるんですか?」
ニヤニヤしながら言ってくる。
「それは、ちょっとな」
「ふーんそうですか……。安心してください、最初は確実に私と同じクラスになるとは聞いていますから」
それは安心していいのか? なんだか、かなり疲れそうなんだが。
「私といると疲れるとか思ってません?」
「そ、そんなことないよ!?」
東のやつ昨日から気になっていたど、本当に考えを読む能力持ってないのか? なんか勘が良すぎる気がするんだが……。
「まぁ、それよりも、です」
「ん、なんだ?」
「今日は覚悟していてくださいね? ちょと厳しめにいきますから」
「あぁ、修行の事か……」
まぁ、ちょっと厳しめの方がこっちとしてもやりがいがあるし、良いのだが。
何だろう……嫌な予感がするんだよな。
こう……虫の知らせみたいな? まぁ気のせいだよな。
「それは良いんだが、どういった修行をするんだ?」
「ふっふっふ。それは学校が終わってからのお楽しみということで」
いや――これは気のせいじゃないな。この顔、Sの顔だ。
あなたを苛めたくて仕方のない顔だ!!
「そ、そうか……」
それから朝食を終えて。学校へ行く準備を整える。
「準備はこんなもんか?」
「そうっすね。それじゃ行きましょうか」
「了解」
☆
「ふう」
「なんですか? 緊張してるんですか?」
「まぁ、な」
「まぁ、そんなもんっすよ。あ、先生に呼ばれましたね、入りましょうか?」
「あぁ」
俺たちは先生に呼ばれ、中に入る。
すると、クラス全員の注目を浴びる。
「それでは、今日からみんなの新しいお友達になる、東城優君と東凛ちゃんよみんな仲良くしてあげてね」
先生のその言葉に、クラスの子供たちは一斉に「はーい」と言った。
『優さん』
突然、東から念話が入る。
念話とは口を動かさず直接頭に語り掛ける技らしい。
学校に行く前に軽くやり方を教わった。正直、最初はびっくりしたよ。
『なんだ?』
『右側の席見てください。主人公である高町なのはさんがいますよ』
俺は言われた通り右側を見てみると、確かに、まだ、少し幼い感じがするが、高町なのはがそこにいた。
『いるな』
『反応薄いですね?』
『そんなに、びっくりするような事じゃないだろう?』
『ふーん。そうですか……じゃあこれは流石にびっくりするんじゃないかな?』
なんだ? 一体。
『高町なのはの後ろの席にいる子。何か感じませんか?』
『ん? あぁ、なんか他の子たちより、雰囲気が落ち着いてるよな』
そう、東が言っている席の男の子は俺たちが入った時、他の子達と同じような、反応はしていたのだが。なんか、演技っぽい感じがした。
『流石っすね。その通り、彼は私たちと同じ転生者っすよ』
『はぁ!?』
『驚きましたね』
いや――それは驚くだろう。今まで、転生者は俺と東だけだと思っていたからな。
『まぁ、その辺の話は気になると思いますけど、今は我慢して下さい』
『分かった後でしっかり教えてくれよ?』
『了解です』
「それじゃあ。後ろのあの席は優君ねそして、あっちの席は凛ちゃんで」
担任の先生は指を指しながら、俺らの席を教えてくれた。
「はい! 分かりました」
「はーいッ!!」
俺と東は元気よく返事をする。
これは、東と歩いている時に、できるだけ、見た目相応の対応をって言われたからだ。
☆
「終わったー!」
俺は大きく伸びをする。
小学校の授業とはいえ、六限まであると疲れるな。
『お疲れさまっすね』
『そっちもな』
「お疲れさまなの」
「ん? えっと確か名前は……」
俺に話しかけてきたのは、この、世界の主人公高町なのはだ。
本来なら、名前は知っているが、一応、知らない振りをする。
なぜなら、まだ、自己紹介もされていいないからだ。それで、名前を知っていたら不自然すぎる。
「なのは。私、高町なのはっていうの」
「なのはちゃんだね。僕は朝も自己紹介したけど、東城優だよ」
『優さん私は先に屋上に行っているので、あとで来てください』
『了解』
俺が高町なのはと会話をしている最中に東から念話が入り、俺はそれに返事をする。
というか、他の人と会話しながら念話って案外簡単なんだな。
もう少し難しいのかと思った。
「よろしく! ところで、優君はどこに住んでるの?」
「僕? 僕は向こうの大きなマンションに住んでるだよ」
「へーッ! あの大きな家に住んでるの!?」
家? あぁ、しまったな。俺も「家」というべきだった。
「じゃあじゃあ――」
「なのは」
高町なのはは他にも聞きたいことがあったみたいだが、それは一人の人物によって遮られた。
その人物とは、朝、東が言っていたもう一人の転生者の少年だ。
「え?」
「帰るぞ」
「でも、私まだ優君に色々聞きたい事が――」
「そんなこと、明日でもできるだろう? それに、今日は早く帰りなさいって言われてなかったか?」
「むー、分かったよ。じゃあね優君」
「うん! バイバイ」
高町なのは達は教室を出ようとする、しかし転生者の少年が足を止めて、こちらをちらっと見る。
その瞬間、俺の肌に何かピリっとした感じがした。
その感覚に顔を歪みそうになったが、東から今は転生者だと、悟られないようにしろと言われていたので、なんとか笑顔のまま堪えた。
☆
俺は屋上へ到着すると同時に先ほどの感覚について東に質問してみた。
「あぁ、それは殺気っすね」
殺気? あれが?
「しかし、優さんナイス判断です。よくその殺気に耐えました」
「どういうことだ?」
「おそらく、優さんが転生者かどうか確認したのでしょう」
なるほどな。
「ところで、ここで何をするんだ?」
「言ったじゃないですか。特訓ですよ」
「悪い言葉が足らなかった。どういった特訓をするんだ?」
「優さん。強くなるには実践あるのみですよっ!」
東は満面の笑みを俺に向けてくる。
まて――実践あるのみって、まさか!?
「ま、まて!!」
「待ちません。優さんが入ってきた時点で結界は発動しているのでご安心ください――さぁ、始めましょうか」
どうでしたでしょうか? 楽しんでいただけましたか?
たくさんのお気に入りありがとうございます。こんな作品ですが読んでいただいて、とてもうれしいです。
本来なら毎日のように投稿したいのですが、なにぶんお仕事がありまして、執筆時間が限られてしまうのです。
なので何日も期間が空く可能性がありますので、ご了承ください。
あ、それとコメントがログインしていないとできない状態になっていたので変更しておきました。それではまた次回も楽しんでいただけると嬉しいです。