東城優の転生記録~主役になりたくない少年の運命   作:ソラたん

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おそくなりました。




「――さあ、始めましょうか」

 

 

 そういった、東の周りが揺らぐ。

「あ、そうだ。私が封印した魔力を開放しますね」

 

 

 いつの間にか、俺の近くに来ていた東が俺の胸に手を置く。

 

 

「いつの間に……」

 

「はい。開放しましたよ」

 

 

 少しだけ、力が奥底からあふれてくる。

「それじゃあ。改めて始めましょうか」

 

「東。俺の魔力を封印したのって。やっぱ、転生者とバレないためか?」

 

「そうですよ」

 

 

 なるほど。

 

「それじゃ今度こそ始めましょうか」

 

「いやいや。さっき、いつの間にか近づかれたなんだが? もう、その時点で俺はお前に勝てないだが」

 

「気にしない気にしない」

 

「いや! 気にするよ!!」

 

「はぁ。仕方ないですね~五分だけ、攻撃しないであげる」

 

 

 随分と余裕で腹が立つが、実力差が明らかにあるからな。このチャンスを逃さない手はない。

「どうぞ? どこからでも攻撃していいですよ?」

 

「じゃあ、まずは真正面から、攻撃だ!」

 

 俺は拳を前に出し攻撃する。

しかし、何故か当たった感触しない。

 

 

「何で……!?」

 

「どうしたんですか? ほら、私はここにいますよ?」

 

 

 こいつ、完全に俺をなめてるだろう?

だけど、今の感じだと、今、目の前にいる東を攻撃したところで、ダメージは与えられないだろうな。

「おい。流石にそれは卑怯じゃないのか?」

 

「そんなことはないですよ? だって、私はちゃんと攻撃してないじゃないですか」

 

 

 あぁ、確かに攻撃をしていないな。

というか、今の会話だけで、二分経ってしまった。

「ほらほら、二分経っちゃいましたよ?」

 

「そんな事は分かっている」

 

 

 しかし、どうしたらいいんだろう? このままだと、東にダメージを与えられない。

「こうなれば、やけだ!!」

 

 俺は地面に置いたランドセルの所へ走る。

俺の動きに東は警戒しながら、目で追ってくる。

「何しようとしてるのかな?」

 

「さぁな。自分で考えてみな」

 

 

 そして、ランドセルの中に入っている教科書を取り出すと、見えている東に向かって投げる。

 

「ふーん。なるほど」

 

 

 そう、東に攻撃が当たらないなら、手あたり次第、周りを攻撃するしかないのだ。

 

 

「魔力の使い方を理解していれば見つける事できると思うけど、教えてないもんね」

 

「だったら教えろよ」

 

「いやだよ」

 

 

 即答かよ……。

「これが終わったらちゃんと教えてあげますから。安心してください」

 

 

 そんな会話をしながら俺は周りに教科書を投げていたが、ランドセルの中にあるのは、残り一冊となった。

さて、これをどうしようか?

さっきと同じように、投げても良い。だけど、それだと結局同じだ。

しかも、もう東が攻撃しない時間が一分を切っている。

どうすればいいんだ。

もし、時間が経てば、一瞬で俺はやられるだろうな。

「万事休すか……」

 

 あきらめかけた俺は目の前の東に違和感を覚える。

 

 

「ん?」

 

 

 なんだろう? この違和感は?

 俺は東をじっくりと見てみる。

「そんなに見つめないでくださいよ。優さんは視姦が趣味だったんですか……流石に引きます」

 

「いや、ちげーよ!!」

 

 

こいつは俺を相当な変態にしたいらしいな。

まぁ今はこいつの言葉を無視して、見てみる。

「あ」

 

 

 俺は違和感に気が付いた。

それは――東の影だ。

目の前の東の影が明らかにずれている。

 

「そこだっ!」

 

 

 俺は今見えている東の上に最後の教科書を投げた。

するとその教科書は途中で止まる。

「お見事」

 

 

先ほどまで誰もいなかったはずの空中でもう一人の東が現れる。

いや――あれが本物の東だな。

「いやー流石っすね。魔力の使い方知らないだろうから、良心で影だけ残しておいたんですけど、五分で気づかれると思いませんでしたよ」

 

 

 そういいながら、笑う。

ノリはいつも通りだが、その顔は関心をしている顔だった。

「ん? いま、東は五分と言わなかったか?」

 

「はい。言いました」

 

「ということは……」

 

「はいっ! 時間切れです」

 

 

 そういうと、手を叩く。

すると、急に俺の体が重くなる。

「な、なんだこれ?」

 

「安心してください、ただの重力の魔法ですから」

 

 

 ただのって。それって相当すごいことなのでは?

「さて、これで優さんは身動きが取れなくなった」

 

「俺の負けだな」

 

「そうですね」

 

 

 体が軽くなる。

「すごいな。重力を使えるなんて」

 

「いえ、私は重力の魔法はあまり得意ではないので、今の状態では戦闘には向きません」

 

 

 そうなのか……。バリバリ俺に効いたんだがな。

まぁ俺は魔力の使い方を知らないし、他の奴は使い方を知っているから何とかできるんだろうな。

「優さん。ポイント入ってませんか?」

 

「ポイント?」

 

 

 もしかして、このカードの事か?

そう思い俺はカードを見てみる。するとポイントが入っている。

「入ってるな……」

 

「何ポイントですか?」

 

「百」

 

「意外と多いですね。なら、今日はそのポイントを一万にしましょう」

 

 

 一万!? そんなになるまでやるのか!

「一つ確認なんだが。もしかして……お前とまた戦うのか?」

 

「もちろん」

 

「マジかよ」

 

 

 

 

 

「はぁはぁ」

 

「一万溜まった?」

 

「あぁ。それで、この溜まったポイントはどうしたらいいんだ?」

 

「それは、帰ってからのお楽しみってことで。それより、私に何か聞きたい事、あるんじゃないっすか?」

 

「はぁはぁ――あぁ、それで。なんで俺たちの他に転生者がいるんだ?」

 

「それはですね」

 

 

 東は人差し指を立てて話し始める。

「それはですね。どうやら、一つの世界に転生者は四人まで入れる事が許されているみたいっす」

 

 

 なるほどな。だから、俺たちの他に転生者がいても不思議じゃないのか……。

「じゃあ、あいつにも俺みたいにサポーターがいるのか?」

 

「おそらくいないと思いますよ?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 サポーターがいない? 俺はてっきり二人一組でやっていくものだと思っていたんだが。

 

「じゃあ。なんで俺にはお前がサポーターとしてついてるんだ?」

 

「それはですねぇ優さんが弱いからです!!」

 

「なッ!?」

 

 そうだったのか……。俺ってそんなに弱かったのか。

俺はがっくしとうなだれる。

「まぁまぁ。そう落ち込まないでください」

 

 

 お前が落ち込ましたんだろうが……。

「それで、優さん他は何かないっすか?」

 

「あぁ、まだ少しあるけど、今は聞く気になれない。もう帰ろうか」

 

「そうっすか。わかりました」

 

 

俺たちはそのまま家に帰った――という訳ではなく。帰りにコンビニに寄ってお菓子等を買って帰った。

 




さて、次は時間を少し飛ばしますよ。
何故かって? そろそろ本編に入らないと。


さて沢山のお気に入り登録ありがとうございます。それと感想も!!
感想の方はこの後返事を書かせてもらいますね!!


それでは、次も楽しんでいただけたらうれしいです。
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