東城優の転生記録~主役になりたくない少年の運命   作:ソラたん

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「優さん」

 

「なんだ?」

 

「いつになったら私を超えるんですか?」

 

「知らん」

 

 

 そんな会話を交わす俺は地面に寝転がっている。

一応言っておくが、寝転がりたくて寝転がっているわけではないからな?

「全くあれから何年たっていると思っているんですか?」

 

「いやいや。確かに毎日修行してるけど、そんなすぐに強くなるわけでもないだろう。それに、そんなに年月経ってないし。つか、東お前が強すぎるだけだと思うんだが?」

 

「まぁ私は先輩転生者ですから、強くて当たり前です」

 

 

 胸を張って、そういった。

俺が初めて転生してから、約二年がたった。

その二年はとても早かった。何故かって? それは。毎日が修行修行のだったからさ。

俺だって小学生に戻ったんだ、皆と一緒に遊びたいとも思ったさ、だけど、その思いは修行によって潰された。

別にいいんだよ? 今更、小学生とうまくやっていけるかと言われると、あんまり自信がないし。

だけど、お休みくれたっていいじゃん!! なんで二年間もお休み無いんだよ!! しかもかなりハードな修行だし!! ブラック企業も真っ青なほどな。

まぁ、勉強はまだ小学生だから、全然平気なんだけど……。

「一体いつになったら、主役たちを相手できるほどになるんだ……」

 

「え? そんなの転生して一ヶ月したらできてましたよ?」

 

「はぁ!!」

 

 なんだよそれ!! それじゃあ俺の今までの頑張りは何のためにやってたんだよ!!

 

「じゃあなんでこんなハードな特訓をまだ続けているんだよ!!」

 

「いやー、折角だらかこのまま私を超えて貰おうかと……これでも転生者の中でも上位の強さですから。私」

 

 ……

 

「何ですか? その、ホントかよ。みたいな顔は……」

 

「みたいじゃなくて、実際そうなんだが」

 

「失礼な人ですね。実際、優さんは私に勝てないじゃないですか?」

 

 

 それは、俺が弱いだけでは? それにここにはもう一人転生者がいるわけだし……。あぁ!! 忘れてたッ! そうだよ、ここはもう一人転生者いるじゃないか――

「おい! 東もう一人の転生者はどうするんだ!」

 

「あぁ、あの雑魚ですか……」

 

 

雑魚って酷いなこいつ……。

「大丈夫ですよ。ちゃんとチェックはしてますし。何より、今の優さんと比べても、断然優さんの方が強いですから。おそらく、ろくに修行もしてないんでしょう。まぁ、それでもこの世界で十分活躍できますが」

 

 

 そうだったのか、こいつはこいつでちゃんとしていたんだな。

あれ? いつそんな事調べていたんだ? 基本的には俺と一緒にいたはずなんだが……?

そんな素振りみたいなのはなかったはずだ。

まぁ確かに四六時中一緒にいるわけではないが。何かしら、気づくはずなんだがな。

「ふふん。私がいつ転生者の事調べたか気になりますか?」

 

「まぁ……な」

 

「秘密です!!」

 

 

 じゃあ言うなよ!! 

期待させるような言い方するなよ!!

「そうそう。優さんもう少しであのイベントが始まりますよ!」

 

「イベント?」

 

「もうっ! 分からないですか? ここは何の世界ですか?」

 

 

 あぁ、主人公高町なのはが魔法少女として人生を歩んでいく初めのお話か……。

 

「お。その顔は理解したみたいですね」

 

「まぁな。で、俺は何をしたらいいんだ?」

 

「優さんはどっちが好きですか?」

 

「は? 何が?」

 

「ですから、女の子はどっちが好きかって聞いているんですよっ!」

 

 

 あぁ、フェイトとなのはどっちが好きってことか。

んー正直どっちも好きなキャラではあるんだがな。

 

 

「どっちも好きだけど……」

 

「えーっ! まさかの二股する気ですか!?」

 

「一体お前は何の話をしているんだ!?」

 

「え? どっちを彼女にしたいかの話じゃないんですか?」

 

「そんな話は誰もしていないし。するつもりもない!!」

 

 

 忘れていたよこいつはこういうやつだってことを……。

「まぁ、実際はどっちか好きなら、そっちにつけばいいじゃないですかって言いたかったんですけど」

 

 

 なら、初めからそう言えよ。

「優さんは主役にはなりたくないみたいですからね」

 

「まぁな」

 

「なんでなんですか?」

 

「何となく」

 

「えー!! 隠さないで教えてくださいよっ!」

 

 

 別に隠してないんかいないんだけどな……。

本当に、ただ、そういう中心になりたくないだけなんだ。

「何も何も隠してなんかいないぞ」

 

「そうですか? まぁそういうなら、信じますが……」

 

 

 その割には、すごく不満そうな顔をしているな。

「しかし、どんな始まり方してたっけな?」

 

「それは直ぐに分かりますよ。だから、その時になってからのお楽しみということで」

 

「そううだな」

 

 

 

「あ。こんなところにいたんだ、優君」

 

「ん?」

 

 

 屋上のドアの開く音と共に俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。

振り返ると、そこには高町なのはの友達の月村すずかが立っていた。

「あ! すずかちゃんどうしたの?」

 

 

 俺はすぐさま小学生モードに変える。そして、月村に返事をした。

『ぷっ。すずかちゃんですか』

 

『うるさい黙ってろ……』

 

 

 俺は月村にばれないように、東を睨む。

それを見た東は「こわいこわい」などと小さい声で言っていた。

「? どうしたの?」

 

「あぁ! 何でもないよっ! それでどうしたの? 僕に何か用事でもあった?」

 

「ううん。そういう訳じゃないの。ただ、一緒に帰ろうと思って」

 

「え!?」

 

『良かったじゃないですか。さぁ、このまま部屋に連れ込んで一線――』

 

 

「……」

 

 

俺は月村に見えないように、ポケットに入っていたコインを取り出し、弾いて東にあてた。

「いたっ!」

 

「どうしたの? 凛ちゃん」

 

「ううん。何でもないよ」

 

「そう?」

 

「うん。それで優君、すずかちゃんと一緒に帰ったらどお?」

 

「な……!?」

 

「何かな? もしかして、すずかちゃん達の事嫌いなの?」

 

「そうなの!?」

 

 

 こいつ! 何てこと言いやがるっ!

見ろ! めっちゃ泣きそうな顔になってるじゃないかっ!!

 あれか、さっきの復讐のつもりか……。だが、それは俺には……。

「……」

 

「……」

 

 

 めちゃめちゃ効果ありです。こんなの耐えられるわけないだろう。

見ろ! なんだ、この、悲しそうな目を! こんなの見せられたら、嫌なんて言えるわけないだろう。むしろ、罪悪感で押しつぶされるだろうが!

「そうだね。一緒に帰ろうか、今日は用事もないし」

 

「本当!」

 

「うん」

 

 

『東。覚えておけよ』

 

『優さんが私に何かできるんですか?』

 

 

 どうやら、東は忘れている様だな。まぁその方好都合なんだが……。

俺が東に対してできる最大の復讐を帰ったら見せてやる。

「それじゃ行こうか?」

 

「うん」

 

「二人ともばいばい~」

 

「え? 凛ちゃんも一緒に帰らないの? 方角一緒なんだし」

 

「あー 私は、ちょっと用事があるから、また次の機会にするよ」

 

「そうなんだ。じゃあまた明日!」

 

「うん。また明日。バイバイー」

 

「バイバイー」

 




最近、風邪をひいてしまった者ですw

どうでした? 楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではまた次回も気長に待っていてください。
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