東城優の転生記録~主役になりたくない少年の運命   作:ソラたん

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月村すずかとアリサ・バニングスの誘拐事件から、二週間くらいが過ぎた。

あの時、東が月村やバニングスの記憶を消してくれたが、あれは正しくは消すではなく記憶の封印らしい。

なので、もしかしたら何らかの拍子で俺たちの事を思い出してしまうかもしれないとの事。

まぁ、滅多なことでは解けないらしいが……。

そして、そんな事ばっか考えている俺は現在屋上に一人でいる。何で一人でいるかと言われると特に理由はない。ただ、一人で居たい気分だっただけだ。

「くそっ!」

 

 

 俺は仮面の少女の事を思い出す。

あの時、東が居なかったらもっと違う結末になっていたかもしれない。最悪な結末に――

俺は、今まで力が欲しいなどと思った事など無かった。だけど、今は違う……力が欲しい。

――優はやれば何でもできると思うよ?

 そんな事を言ってくれた人が居たっけ……。

「本当にそうなのかな?」

 

「優さん? 大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

 

 いつから居たのだろうか? 目の前には東が立っていた。

「東……なんでここに?」

 

「トイレに行くと言って、出て行ってから教室で帰りを待っていたんですが、一向に帰ってこないので、探していたんです」

 

 

 そうだったのか……それは悪いことをしてしまったな。

「先に帰ってくれても良かったんだぞ?」

 

「そんな事はできません。今の優さんは危なかっしいので」

 

「そうか……」

 

「あらら~かなり落ち込んでいますね」

 

 

 俺は手を東の顔まで近づた。そして、そして、そのまま凸ピンをする。

 

「いたっ!」

 

「お前に心配されるほど、俺はやわじゃないよ!」

 

 

 そうだ! 今更、力ないとこ考えても仕方ない。こっちに東もいる。

俺も、これから少しづつ強くなっていけばいいんだ!

「よし! 今日はお前の好きなもの作ってやる」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ。めっちゃくちゃ辛いカレーだったよな? 好きなもの」

 

「違いますよ! 私辛いの苦手だし、何よりカレーって昨日の夕飯じゃないですか!!」

 

 

 

 

「なぁ」

 

「何ですか?」

 

「たすけてってやつ、見に行かなくていいのか?」

 

「大丈夫ですよ。それに優さんだってわかってるでしょ? あれは高町なのはの仕事ですよ」

 

 

 まぁ、確かにあれは高町が助けないといけないイベントだと思うけど……たすけてって聞こえて来てワザと無視するのは心に刺さるものが……。

「優さんは名前の通り優しい方です。ですけど、その優しさは諸刃の剣だと思ってください。良いこともあれば辛いことも、沢山出てきますから」

 

『聞こえていますか? 僕の声が聞こえていますか?』

 

 

 また、昼と同じ声が聞こえてくる。最初はかなり辛そうだったが、今のは大分元気になったみたいだ。

「おや。もうそんな時間ですか……」

 

「これも無視するのか?」

 

「いえ、これはしません。これは大切なイベントですから。もしかしたら、あの仮面女が出てくるかもしれませんし」

 

「いや、女って背お前とそんなに変わらなかったろう」

 

「あれはこの世界に合わせてるだけです! 実際の姿はどんなものか分かったもんじゃないです」

 

 

 そうなのか? なんか、そんなに変わらない気がするんだけど……。

「とにかく、行けばいいだな?」

 

「そうです」

 

 

 俺らは軽く支度をして、ユーノの元へ向かった。

まぁ来たのはいいんだが……。ここから、何で俺たちは隠れているんだろうか?

「なぁ隠れる必要あるのか?」

 

「じゃあ優さんは物語にがっつり関わりたいんですか? あの、仙波とかいう転生者に睨まれながら第二の人生満喫しますか?」

 

「ごめんなさい。それは、ちょっと無理です」

 

 

 あ。高町なのはが来た。

おーすごいな。これで小学三年なんだろ? 普通は怖くて動く事も出来ないと思うんだけど……。

 

「わぁ~呪文を唱え始めた」

 

「そううだな」

 

「やっぱり、分かっていても、実際にあれを聞くと興奮しません?」

 

「興奮はしないけど……まぁ感動する部分はあるな」

 

 

 高町の奮闘を俺たち心の中で応援しながら見ていた。

ただし、周りにはしっかりと気を配っている。いつ、あの仮面の少女が出てくるか分からないからな。

俺はなんとなく東を見てみる。

「なのはちゃん頑張れ!」

 

 

 などと言っている。こいつ本当に周りに気を配っているのだろうか?

 しかし、そんな姿を見ていると、自然と微笑みが漏れる。

 

「え?」

 

「あ。悪い」

 

 俺はなぜか東の頭に、手を置いてしまっていた。

 

「いえ、大丈夫ですけど……どうしたんですか、急に?」

 

「いや、俺も分からない。自然とお前の頭に手を乗せていた」

 

「そうですか……」

 

 

 そういって東は高町の方に視線を戻した。

本当に俺はなんで手を乗せたんだ? 東のあの表情見てると自然と手が伸びた。そして、何故だか懐かし感じもした。

確かに、東は誰かに似ている気がする、しかし、それが誰なのか全く思い出せない。

はぁ、俺は記憶力こんな悪いつもりはなかったんだがな……。

「そういえば、仙波はいるのか?」

 

「ええ、一応はいますよ? あれで、ちゃんと隠れられてるつもりなのがお笑いですけど」

 

 

 ずっと思っていたんだが、こいつ仙波にたいして、容赦ないんだよな。仙波に何かされたんだろうか? でも、あいつは特に何かするような奴でもないけどな……。

まぁ、俺が知らない部分があるのかもしれないけど。

「さて、なのはちゃんの初の戦闘も終わったし帰りましょうか?」

 

 

 気が付けば、高町なのはがジュエルシードを封印していいた。

本当にすごいな。俺なんて、たぶん、あの土壇場で成功なんてできないんじゃないのかな?

「どうしたんですか?」

 

「いや、やっぱ物語の主人公は、すごいなと思ってな」

 

「優さんもすごい方だと思いますけどね……?」

 

「俺が? そんな事ないよ。俺は主人公の器でもないし、主人公に絶対になれない存在だ」

 

 

 俺がそういうと東は一瞬だが悲しい顔になった。

優しいな東は……。




見てくださってありがとうございました! また、次も見てくださるとうれしいですw

それでは、また次回もよろしくお願いします。
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