アスモディ・ストーリー (Asmody Story) 作:メレク
二つの種族が暮らす町
「好意...いや、それ以上だ」
「......」
目の前には、変な仮面を付けた奴が騒いでいた。
「この気持ち...まさしく愛だ!」
「......」
仮面の男も俺も剣を構え、剣先はそれぞれ相手に向けている。
「行くぞ!」
「......」
共に今か今かとその時を待つ。そして、
「二回戦第三試合、開始!」
「切り捨て、ごめぇぇぇぇぇぇ「うっさい!」ん!?」
勝負は一瞬でついた。剣の持ち手を腹に入れる。それだけで相手は倒れた。
「勝者、カムイ選手ー!」
歓声の響くなか、俺はあることを思い出していた。
全く、なんでこんなことに____
時は二日前に遡る。
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「ご飯出来たよ!」
「はーい」「わかった」
『エルビス』から出て15日。ご飯の準備はノクスさんにやってもらうことになったおかげで、私とアハト君が特訓する時間が増えました。
「うまそうだな」
「ノクスさんのはいつも美味しいでしょ?」
「確かに」
「あ、認めてくれるんだ?」
「ホントに上手いしな。いっそ『遺産』の資金を露天販売で稼いだらどうだ?」
「なるほど!『アースラ』に着いたらやってみよっかな~」
実際ノクスさんの料理はお金を払っても食べたいレベルで、私も少し教わったりしてます。
「今日中には『アースラ』に着くだろうし、ちゃっちゃと食べて行くか」
「そうだね!」
「意義なし」
ご飯を食べ終わって移動しようとした時、 アハト君のコートのポケットからエクスシアをスケッチしてるメモが落ちてしまった。
「アハト、なんか落としてるよ?」
「ん?あぁ悪い」
「なにこれ?」
「ノクスは知らないのか。俺の武器のスケッチ用メモ帳」
「エクスシア?」
「そう、そう」
「ふーん...」
その場でパラパラとめくってみるノクスさん。
「...なんも描いてないじゃん」
「え?」
私が声を出してしまった。だってアハト君毎日描いていて、三代目まであるはず。まさかメモ帳四代目突入?
「これは、まだ使って無いだけだ」
「へー」
「そんなに見たけりゃ二代目やるよ」
ノクスさんが持ってたメモ帳を受け取り、代わりにベルトポーチから少し古そうな物を出して渡した。
「ど、どうも...」
ノクスさんは、「別に貰っても...」なんて顔をしていた。
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「着いたー!」
「結構歩いたな...」
「まさか森で迷うなんて...私一回通った道なんだけどな......」
あれから予想外に時間が掛かってしまって、着いたのは真昼でした。
それにしても_________
「「なんでこんなに人いるの?(んだ?)」」
アハト君とハモってしまうのも無理はない。
見渡す限りの人、人、人。皆大通りっぽい道に屋台みたいなのを建ててたり、中には既に露天を初めてる人もいた。
なにより、旧魔だけでなく、多くの新魔までいる。
アハト君から戦争が始まるかもしれないって聞いて旅して来たから、こうして共存している町を見てどこかホッとした。
「ノクスが居たときもこんなだったのか?」
「い、いや...もともと新魔もいる大きな町だったけど......」
「なるほど」
二人曰く、大きな町では色んな種族が混ざって生活してるところもあるらしい。
「ようこそ『アースラ』へ!」
アハト君とノクスさんの会話に、チョビヒゲのおじさんが割り込んでくる。
「もしかして、これからここで何するか知らないで来たのかい?」
「はい。何かやるんですか?」
「それはね、年に一度の武道大会をやるからなんだよ!」
「そうなんですか...」
「腕に自信があるなら出てみな!エントリーは明後日ギリギリまでやってるから!じゃあね!」
颯爽と去っていくおじさん。
「楽しそうだね」
「出ないけどな。俺らは目的があるし」
「え、聞いてないよ」
「あれ?ノクスに言ってなかったっけ?俺達はここで...名前誰だっけ?」
「メイルさん」
「そう、ユーノのお父さんの友達のメイルさんに、『クロスベル』まで送ってもらうんだよ」
「『クロスベル』って...ここから新魔王都まで?」
「転移魔法が使えるらしいからな」
「ここの『遺産』取り扱ってる人、めちゃくちゃバカだから安く買えるのに...時間ないのかぁ......」
目に見えて落ち込むノクスさんを見て、アハト君は手を顎に当てて、
「...どうせメイルさんとやらを探すのに町の探索はいるしな。聞き込みしてこい」
「いいの!?」
「俺たちも自由行動にしよう。メイルさんの家がどこなのか聞き込みしながら...日が沈む前にここに戻ってくればいい。いいな?」
「ありがとう!行ってきます!」
即座に走り出すノクスさんを二人で見つめる。
「案外かわいい所もあるな」
「え?」
アハト君の言葉が少し以外でした。
(ノクスさん普段から可愛らしいと思うんだけど...)
「さ、ユーノはどこか行きたいところはあるか?」
「私?...あ、」
「なんかあった?」
「う、うん。私も一人で行ってきます!ここに戻ってくればいいんだよね!?」
「お、おう...」
「じゃあ行ってきます!」
「いってらっしゃい」
「俺も一人かよ...」とアハト君のぼやく声は、私の耳には届かなかった。
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カランコロンと、少し古ぼけた音がする。
「いらっしゃい」
なかには少し老化が進んでいるおじさん。無愛想なのは前来たときと一緒だった。
「お、ラッキー」
ちょうど一番目立つ所に『新作!』と張られた棚をみて、思わずガッツポーズを取りたくなる。
元々そんなに取れるものではない『遺産』が、隣町を往復するだけで手に入ってるなんて運がいい。
「どんなのがとれたのかなぁ」
うきうきと棚に近寄って見てみると。
「これは...」
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私は洋服屋さんに来ていました。
目的は___アハト君のコートをかってあげるため。竜との戦いで傷だらけの物はこの町で直す予定になっているけど、あんなにボロボロだと直すのも難しいだろう。
内緒じゃなくてもよかったんだけど、サプライズの方ご喜ばれるかな~と思い、本人を置いてきてしまった。
ただ、あのコートは気に入ってるみたいだからあれに似たやつがいいかな。そう思って黒のコートを探してみると、
「お客様、今日はどんなお洋服をお探しで?」
「あ、えーと、黒のコートなんですけど...」
「左様ですか...でしたら丁度良いものが入荷していますよ。少々お待ちください」
礼儀正しそうなお姉さんが持ってきてくれたのは。
「これは...」
メレクです。今回から第三章に入ります。
最初の人物は、最早有名なはず...分からない人はガンダム00を見てね!(この作品とその作品とは、一切関係ありません笑)