アスモディ・ストーリー (Asmody Story)   作:メレク

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内容なサブタイ通りです。記念と、8月も終わりということで。

ちなみに、今回は本編と一切関係ありません。本編は秋から冬な向かってるので水着なんて入らせられないし...

なにはともあれ、楽しんでいってください。


短編 1000ua記念水着回

「白い砂浜!青い湖!そして青い空!」

「青二つだぞ」

「灰色の空よりましだよ」

 

太陽が照りつける砂浜に、三人の少女が立ち並ぶ。

 

「水着で楽しむ私達!完璧!」

「なんで水着なんだよ...」

「むしろ何でアハトはそんな乗り気じゃないの!?湖だよ!」

「お前いつもそれと面積の変わらない服着て、雨の中でも動くじゃねぇか」

「アハト君がそんなに言うなんて...どうしたの?」

 

ユーノの質問に、俺は黒髪をかきながらぼそりと答えた。

 

 

 

 

 

「...泳げないんだよ」

 

 

 

 

 

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「傘立てあります~?」

「...ここに」

「ありがとうございます~メイルさん」

「...いえ、気にしないでください」

 

大胆なピンクのビキニ姿に着替えたフィルフィと、水色のスポーツタイプの上にいつも通り白衣を着ているメイルが、並んでビーチパラソルの中に入る。

 

「娘のぉぉぉ!水着ぃぃぃ!!!」

 

その近くで天高く叫ぶのは、上半身裸のアイオス。その姿は、魔法を唱える時より真剣な顔をしていた。

 

「...昔は、あんなやつじゃなかった」

「昔のあの人のこと、色々聞かせて下さらない?」

「...始末してから」

「分かったわ~」

 

妻と同僚、その会話に気づくことなく、アイオスは叫ぶことを止めない。

 

「この目であますことなく見つめなければ...そう!これは使命!これは「死ね」」

 

いつもよりはっきりした言葉で砂と共に巻き上げられたアイオスは、誰にも見送られることなく空と同化した。

 

「...じゃあ、何から話す?」

「そうねぇ~...馴れ初めから?」

「...分かった」

 

 

 

 

 

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「にしてもアハトが泳げないなんてねぇ...ふふっ」

「笑ってるとぶちのめすぞ」

「ほらアハト君、バタ足止めないで」

「あ、あぁ...」

 

手を引っ張ってもらっているユーノちゃんの指示で、アハトはバタ足を再開した。

 

「ただでさえアハトが白い服着てるってだけで驚いたのにな~」

 

私には一人ごち、アハトの体______水でぴったり貼り付いた白の水着をまじまじと見つめる。肌はとても綺麗な肌色をしており、慎ましい胸を水着が前と後ろを肩を通して繋がっている。

 

腕は普段剣を振るっているとは思えないほど細く、腰もすらりとしている。

 

下も、下着同然の面積から伸びるふとももはみずみずしく、柔らかそうだった。

 

普段黒い服ばかり好んでいるのに、今回は白を選んだというギャップに意外という感想以外浮かばない。

 

「...ぷはっ......はぁ」

「そうそう、その調子だよアハト君。飲み込みいいし水が苦手な訳じゃないからこれならすぐ泳げるよ」

 

声を聞いて、私はアハトと手を握りながら泳ぎ方を教えているユーノちゃんに目を向けた。

 

フリルのついたワンピースタイプの水着は、薄い水色をして肌と水に一体化している。透けた先の肌には、アハトと同じような白い水着が見えていた。決定的に違う所はあったが。

 

「ノクスさんは泳がないんですか?」

「んー...アハトと勝負するから体力温存しとく」

 

薄紫の長髪をなびかせながら話しかけてくるのに対し、ふりふりと手を振った。

 

「でも、せっかく来たんだし...砂の城でも作ってるかな」

 

対岸が見えない湖を見ながら、砂浜に上がり、水で茶色になった砂を山のように積み上げ始めた。

 

 

 

 

 

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「ノクスとの勝負負けられねぇ...急だけど」

「無理しなくていいんだよ?アハト君泳げるようになったばかりだし...」

 

心配そうに声をかけてくれるユーノに感謝しながら、俺は少し先にある水から飛び出した岩を指差す。

 

「あいつに吹っ掛けられて出来ないって言うのも嫌だからな。クロールも出来るようになったし...とりあえずあそこの岩までやってみる。ユーノありがとな」

「ううん、アハト君に教えられることって少ないし楽しかったよ!」

「じゃあ、教えてくれた師匠のためにもがんばらなきゃな...行ってきます!」

「行ってらっしゃい!」

 

見送るユーノに敬礼しながら、俺は覚えたばかりのクロールで泳ぎだした。

 

 

 

 

 

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「あれ、アハトは?」

「ノクスさんとの勝負の前に練習だって泳いでます。あそこ」

 

私は泳ぎ出すアハトを指差して、ノクスさんは「あぁ、あれ」と反応する。

 

「頑張るねぇ... 」

「ノクスさんはいいんですか?」

「練習?私も得意ではないけど、流石に今覚えたばかりの素人には負けないよ~」

 

髪と同じ赤色の水着に、無色のパーカーを羽織っているノクスさんは、喋りながらも砂の城を作り上げていた。

 

「どう?上手いでしょ?」

「...これ、一人で作れるものなんですね......」

 

そこには、昔話で出てくるような立派過ぎる城が、茶色一色で出来上がっていた。完成度はものすごいことになっていて、この短時間で作れたとはとても思えない。

 

「ふふーん...アハトにも見せてやら...なく、ちゃ...」

「ノクスさん?」

 

自慢気な顔が消え、若干青白くなる。目は一点だけを見ているようで、釣られて振り返ると、真っ青な湖が見えた。

 

「えーと...」

「...アハト、どこ?」

「えっ!?」

 

 

 

 

 

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「...目、覚めた?」

「......」

 

意識を覚醒させると、目の前には横向きにたノクスの顔が覗いた。

 

「......」

「アハト?」

「...胸ないとよく顔が見えて良いな」

「なっ!?」

 

状況を飲み込んだ俺は、ひとまず膝枕してくれているノクスに皮肉を言ってみる。すると案の定、頬が髪色と同じように赤く染った。

 

「アハトだって無胸じゃん!」

「うるさい絶壁」

「なにー!!」

「アハト君元気そうだね...」

 

怒るノクスの膝から脱出し、首を回すとユーノがあきれるように息をついた。

 

「足つって、溺れてる所を助けてもらったってもう分かってるからな」

「...心配したんだからね?」

「......ごめん」

 

泳いでる途中で助けを呼ぶ暇もなく溺れた俺は、気絶してそのままこの砂浜まで助けられたらしい。自分でも驚くほど冷静に判断して、生きていると分かった。

 

そのせいか、思ったより驚きが表に出ず、ユーノに叱責されてしまった。

 

「そうだよなにやってるのアハト!」

「いや、仕方ないというか事故と言うか...泳ぐ気にさせるため勝負仕掛けてきたお前が悪いんじゃね?」

「酷すぎるよそれは!私だって心配してたのに...」

「そうよ~アハトちゃん。人口呼吸までしてくれた命の恩人に失礼でしょ~?」

「...無事ならいい」

 

口論に参加してきたのは、フィルフィさんとメイルさんだった。方やニコニコ、方ややれやれといった顔になっている。

 

「...ん?人口呼吸?」

「し、してないからね!でたらめ言わないでください!」

 

ノクスがさっきよりさらに赤面しながらあわあわと答える。ここまで動揺するなんて______

 

「まさか、本当に...」

「してないって言ってるでしょーー!!!」

 

青空の下で、ノクスの叫び声が響き渡った。

 




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