アスモディ・ストーリー (Asmody Story)   作:メレク

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短編Ⅳ

旧魔王都『ストライク』に建てられている一軒の一室。

 

「これで...よーしっ!できたよ!」

「...ありがとう」

「いいのいいの!私とメイちゃんの仲でしょ?それに、この前みたいなことがあったら困るからね!」

「...ありがとう」

「だから、ありがとうは別にいらな「ありがとう」い...はい!わかりました!じゃあ、使いこなせるよう頑張ってね?明後日でしょ?」

「...必ず」

「うん!その意気だ!」

 

二人の女性の言葉が、飛び交っていた。

 

 

 

 

 

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この二人の最初の出会いは、ここ王都だった。

 

王都の中でもひときわ目立つ城。そこでの仕事を求めて来る人は毎年増え続けている。仕える相手は王女。そこに一番近い職場とあれば、待遇が良いと考えるのは当然だった。

 

しかしそれは、同時に難関な道でもある。毎年応募者の内、入れるのは両手で数えられる人数。

 

しかし彼女たちは、高い実力で入団試験に合格し、今この仕事____城での勤務を行っている。

 

試験が終わってから知り合った彼女たちは、お互いの性格が良かったわけではないものの少しずつ仲良くなり、今ではルームメイトにまでなっている。

一方は明るくお喋りな親友を見守る彼女。一方は普段寡黙な親友を理解している彼女。

 

この二人の名は後に、最強の王女の護衛(クイーン・ナイズ)の一人として呼ばれるメイル・セリカと、王家の鍛冶屋(ロイヤル・オーダー)と呼ばれるエルマ・メルエストだった。

 

 

 

 

 

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「正直、素材持ってくるなら怪我する前に持ってこいって話だけど...」

「...少ししくじっただけ」

「それが不安なんです!」

 

メイルには、軽くだが肩に包帯が巻かれている。前回の探索で魔物に襲われできた傷だった。

 

「にしても、こんな武器を頼んでくるなんてね...」

「...まさか、以前の古跡(ファーデン)探索で手に入った物が透明結晶(クリスタ)だったなんて...」

「私も実物を見たのは二回目だったから、直ぐには気がつかなかったよ。じゃなくて」

「?」

「私が言いたいのは、なんで注文が斧だったのってことよ。普段使ってるのは剣と槍の間みたいなやつでしょ?」

「...昔は、斧を使ってた。今違うのは、周りに合わせようとしたから...」

「へぇー...まぁ、大きな武器だと連携とりづらいしね」

 

そう言ってエルマが、先程まで自身の手で作っていた武器を一瞥する。

 

そこには、透明な線が所々に入った大きな斧があった。

 

メイルが仕事で行った『遺産』が多く手に入る場所、古跡(ファーデン)。城の仕事には、より国を豊かにする道具を探すためとして古跡の探索が入っている。エルマは戦闘員ではなく武器の調節などの作業班のため行けないのだが。

 

そこでメイルが私物として持って帰ってきた透明結晶を使い、エルマが作ったのがこの斧(ハルバート)だった。

 

「...でも、怪我してでも取ってきた価値はある。凄く軽い」

「ちょっ、部屋の中で振らないで!」

 

感触を確かめるためにメイルが斧を持ち上げるも、大きいため天井につきそうになる。慌ててエルマが止めると、メイルはしぶしぶ元の場所に置いた。見た目より軽い、と言うだけで普通では持ちずらい重さだが、メイルはそれを感じていないように見える。

 

「まぁ、頑張った甲斐あって最高の出来なことに変わりはないからさ」

「...流石」

「もっと褒めてくれてもいいんですよ?」

「...いい」

「んなぁ!」

 

漫才のようなやり取りの中でメイルが少し微笑んだのは、周りに人がいたとしても気づいたのはエルマだけだっただろう。

 

「...バルバトス」

「え?」

「...この子の名前」

「え、この斧の?」

「...うん」

「名前つけて貰えるのはうれしいけど...なんでバルバトス?」

「...本に載ってた悪魔のように、相手を倒したい」

「それはそれで怖いなぁ...ま、本人が気に入ってるなら良いか」

「...ありがとう。エルマ」

「...突然名前呼ぶのは反則......」

「?」

「なんでもない!ほら、さっさとイメトレでもする!明後日でしょ!?」

「...分かった」

「うん、頑張って!」

 

そうして、その日は更けていった。

 

 

 

 

 

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城で働く人の中でも、最高の仕事と呼ばれるものがある。

 

それは、王女アリスの護衛。クイーン・ナイズと呼ばれるボディーガードだった。

 

姫様が移動される場合は必ず側について暗殺などに警戒する。命懸けで王女を守ろうとする人々は、ほとんどの人の憧れの仕事だった。もっとも、そんな危険は滅多にないが。

 

しかし、その道は狭き門であり、合格した人は毎年おらず、ごくまれに一人、その道につける程度。

 

その合否を決める試験が、明後日行われるのだった。

 

そして。

 

 

 

 

 

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「ではこれより、審査を始める。一応おさらいするが、今回の希望者三人で総当たり戦を行ってもらい、我々が合否を判断する。問題ないな?」

 

こくっと三人が頷く。三人の内、一人はメイル。一人は現兵士ルサヘム・クゥウィッチ。そして、もう一人が__

 

「ではまず、クゥウィッチとアインツ。前へ」

「「はい」」

 

アイオス・アインツだった。

 

(...アイオス・アインツ)

 

メイルが思い出すのは、三ヶ月前、城に就けるかどうかを決める試験の時だった。

 

 

 

 

 

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『nephrite・enable』

王都の試験、特に戦闘面で受ける人はとても厳しい採点がされる。魔力のテスト、試験監督者との一騎討ち、集団戦闘まで。

 

メイルはその時、古跡調査時にそこを住みかとしている魔物と戦えるかをチェックするため遠征をしていた。参加者ほぼ全員が来ている。

『ガァァァ!』

 

見つけた魔物に固有魔物で後ろをとり、細剣(レイピア)を使って倒す。今のメイルの基本スタイル。

 

(今ので五体目...)

 

他の参加者たちは皆まだ三体程度だろう。少し休もうと座りこんだ瞬間、

 

『pgyy!!』

「っ!」

 

突然地面から現れた魔物に足を捕まれる。

 

(気を抜いたのが間違いだった!!)

 

魔物は剣を抜く前に爪をたて体に突き刺さる_____

 

 

 

 

 

「大丈夫か?」

 

ことはなかった。まるで何かに潰される様に、もぐらみたいな魔物がへこみ倒れた。

 

声がした方を振り返ると、アイオス・アインツがたっていた___

 

何をしたのかは分からなかったが、助けられたのだけは分かる。だからこそ、

 

「...なぜ助けたの?別に助けなんていらなかったのに」

「...気まぐれだ」

 

そのまますたすたと別の方に行くアイオスを、メイルは睨み付けるだけだった。

 

 

 

 

 

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個人的な逆恨み、と言われればそれまでだろう。だが、メイルはあのときの彼の態度に腹が立っていた。自分はお前に助けられる程弱くはない、と。

 

(見返してやる)

 

「じゃあ、始めろ」

『full・wind!』

『Akasha・fefnir』

 

審判の合図の直後、二人が固有魔法を唱える。クゥウィッチの魔法は風の刃を生成するものだと前から分かっている。

 

「一気に終わらせる!」

 

自身の周囲に風の刃を停滞させる。その数およそ30。独立した魔法をそれぞれ操るのは高度な技術で、流石にこの試験に出るだけあって実力はかなりのものらしい。

 

「いけ!」

 

それを一気に解放し、全てアインツの元へ飛んでいく。しかし、

 

「......」

 

当の本人は微動だにせず、目だけを動かして数を確認した。その瞬間。

 

「なっ!」

「!!」

 

風の刃はアインツに届く前に全てなくなってしまった。まるで壁に当たったかのようにぶつかる音がしたが、その正体がなんなのかわからない。審判を含め全員が驚愕した。

 

「...終わりだ」

 

そして彼は、指先から氷の槍を作り、彼の喉元にピタリと当てた。一歩も動いてないことから、その長さは15メートル。クゥウィッチの方は、動かない_______いや、動けないように見えた。これも魔法の一種なのだろうか、それともただの恐怖からなのか。

 

「...すごい」

 

思わず呟いてしまった一言は、メイルがかなり驚いているのを表すには十分だった。

 

「...この勝負、アインツの勝ちだ」

「あっけないな。本当に」

 

 

 

 

 

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「続いてセリカとクゥウィッチ」

「...はい」

「はい...」

 

すぐに二回戦が始まる。落ち込んでいる者の相手をするのはスッキリしないが仕方がない。自分は勝たなければならないのだから。

 

「流石に次は勝たないとな...」

「...潰す」

 

まるで余裕だ。ともとれる一人言に腹が立ち、力を込めて両手に握ったバルバトスを構え、呼吸を整える。負ける気はしなかった。

 

「試合開始」

『full・wind!!』

「...バルバトス」

 

クゥウィッチはさっきと同じように風の刃を生成する。数はさっきより多いかもしれない。それに対しメイルは、固有魔法を唱えずに両手を高く上げた。

 

(...数で攻めてくるなら、それを覆す強力な一撃があればいい)

 

バルバトスに使われている透明結晶に、魔力を注ぎ込む。魔力を得た部分が透明からわずかに白く輝き出す。

 

「今度こそ!!」

 

合図と共に放たれた風。一つ一つが体を引き裂く威力のそれを、

 

「...!!」

 

全力で降り下ろしたバルバトスによってできたエネルギー波で全て破壊してみせた。地面に亀裂が入り、突風が起こる一撃。

 

「...これが、バルバトスの力」

 

感嘆しながらもひるむ相手に近づいてバルバトスを頭に降りおろす直前で止める。相手の涙混じりの顔を、メイルはしばらく忘れないだろう。

 

「セリカの勝ちだ。最後にアインツとセリカ」

「はい」

 

クゥウィッチと入れ替わりでアインツが目の前に立つ。休憩の時間はなかったが、早く戦いたいという思いの方が圧倒的に高かった。

 

(この武器の力...もっと試したい)

 

「準備はいいな」

「はい」

「...すぅー、はぁー。大丈夫です」

 

深呼吸をして落ち着いてから、相手の灰色の瞳を睨み付ける。その奥は炎が出ているように見えた。

 

(...負けない)

 

「では、始めろ」

『nephrite・enable』

『Akasha・fefnir』

 

合図と同時に固有魔法を唱え、アインツの後ろに瞬間移動で回り込む。相手がどんな魔法を使っているのか分からない以上、短期決戦に持ち込むのが得策だ。

 

バルバトスを振るうも、気づく様子は全くない。

 

(...貰った)

 

「そこっ!」

 

振るった斧は、なにもない空間にガギンッ、と何かとぶつかる音と、手に強い振動が伝わるだけだった。

 

「...弾かれた?」

「シッ!」

「!!」

 

感触を確かめる暇もなく襲いかかってくる炎を避ける。次の布石にもなるように、今度は今いる反対側、最初の正面へ。

 

「!?」

「...今度こそ」

 

アインツが驚くのも無理はない。普通、固有魔法は詠唱しなければならず、一度移動したら詠唱し直さなければならないと考えるだろう。だが、『nephrite・enable』は一定時間なら何回でも移動でき、詠唱し直さなくてすむ。

だから、完璧ではないとはいえまた不意をついた一撃 。未知の魔法を使う相手でも、一撃入れられたら勝てる。

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

 

「...」

「...な」

 

体に当たる直前、なにかに当たって火花が散る。そのまま力を込めるが、アインツには届かない。その手前が歪んでいるように見える。

 

「終わりだ」

「...まだ」

 

力の跳ね返りが強くなり、一度距離を取る。

 

(...なにか操っている...でも、なにを?)

 

「こないのか?」

「...」

 

静かに自分の強化魔法を最大まで高める。ドウッ、と音がして地面が震える。

 

アインツを守っているなにかごと、砕く。その決意を持って、メイルは足を再び踏み出した。

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

 

あれから何分たったのか分からない。もしかしたら数秒かもしれない。メイルはバルバトスを振り続け、アインツが自分の体に当たる前に防ぎ続ける。自分が辛い顔をしていると自覚していた。だが、それだけの収穫はあったと思いたい。

 

まず、このバルバトスの強さ。強者と当たって初めて分かった。

 

(...魔力を込めれば込めるほど固くなっているのが分かる。今までのは本気で使うとすぐダメになるけど、これは凄い)

 

本当にエルマは良いものを作ってくれたと、自然に微笑んだ。

 

「なにを笑っている?」

「...この武器の強さを分からせてくれたこと?」

「疑問系で返すな」

 

話してる間も高速でバルバトスを振るうが、全て弾かれる。だが、その正体ももう気づいていた。

 

「...空気の応用」

「......戦闘中に気づかれたのは初めてだ」

 

正確には空気の圧縮だろうか。自分の周りの空気を魔力で押して固め、一瞬だけ剣や斧を弾けるだけの固さを持つ。圧倒的な空間認識能力と、周り全てを覆えるだけの魔力量がなければ出来ない高度な技術。

 

「...凄いと思う」

「誉められて悪い気はしない。だが、ここまで予測出来たかな?」

「...!」

 

転移して振りおろそうとしたバルバトスが動かなくなる。そして、自分の体も。

 

(...これは...私の周りにある空気を固めて、動けないようにした!?)

 

型にはめられたように、ピタリと動かなくなる。これでは転移もできない。それを見て初めてアインツが笑った。

 

「さぁ、詰みだ」

 

そして、炎魔法を向けられ____

 

(...やられたくない)

 

放たれる。

 

(...まだ)

 

それは、そのまま吸い込まれるようにメイルに、

 

 

 

 

 

(...まだ!!)

 

魔力全てをバルバトスに込める。白く輝く光が溢れ、ピキリと刃先の周りから音がする。

 

「...貫け」

 

閉じられたままの口から発音することは出来なかったが、バルバトスの刃先から、全てが砕け散る。枷がなくなった自身の武器は炎を切り、その衝撃波が相手の間近の地面を抉りとる。

 

「な、なんだとっ!?」

 

こんなことは想定外だったのだろう。口が開きっぱなしのアインツの顔は驚愕の色をしていた。その顔を見て逆にこちらの口角が上がる。

 

「...これで、」

 

 

 

 

 

終わりだ。

 

 

 

 

 

転移して相手の目の前に立ち、自身の最大まで魔力を込め、降り下ろした。

 

 

 

 

 

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「...ここは」

 

寝ぼけていた意識を覚醒させると、なぜか城の医務室にいた。

 

「...試合は、アインツは......」

「いきなりなにやってるんだ。お前は」

「...」

 

起き上がるのを止められ、声のした方を見ると、アインツがあきれた顔をしていた。

 

(でも、どうして...)

 

「...なんで」

「はぁ...お前は倒れたんだよ、原因は魔力の著しい欠損。不思議な武器だったが、自分の武器にどれだけ魔力をとられているのか分からなかったのか?」

 

器用にお茶を飲みながら肩をすくめるアインツ。

 

「...心配してくれた?」

「ぶふっ!!」

 

お茶吹いた。

 

でも、医務室にアインツしかいないこと、自身の容体をわかっていたこと、そして_____メイルの頭に濡れたタオルがかけられていること。これで察せない方がおかしいくらいだった。

 

(...初めて会った時もそうだったけど、こいつは、悪いやつじゃない)

 

冷静になって考え、感情が急激に冷えていく。

 

(それなのに私は、逆恨みがなんだというのだ)

 

「...はぁ」

「......悩みごとか?」

「...ここにいるってことは試験落ちたなぁって」

 

なんとなく悟られるのが嫌で、試合に負けたことが悔しいのだと思わせる。

 

「それなら問題ないぞ。俺達二人とも試験には合格してるから。落ちたのはクゥウィッチだけだ」

「...え?」

 

しかし、そんなメイルの想像は完全に裏切られた。

 

「試験監督様は俺達が必要だと感じたらしい。あの試合だって、本来は能力を見るものであって勝ち負けは関係ないからな」

「...あ」

 

言われてみれば、確かにその通りだった。

 

「...聞いてもいい?」

「なんだ?」

「...初めて会った時、私が弱いから助けたの?」

「はぁ?なんの話だ?」

「...いいから」

「えーと...あ、あの時か。いや、あの時も言ったが、ただの気まぐれだ」

「...本当に?」

「なんで疑うんだ?」

 

これ以上口論しても無駄みたいだった。自分の考えてたことが恥ずかしく感じる。

 

(......顔赤くなってないかな)

 

普段異性と話すことのないメイルは思っているより気分が浮かれているようだった。とっさに自分を戒める。

 

「...俺からも聞いていいか?」

「...なに?」

「どうして、この試験を受けようと思ったんだ?」

「...私は別に、王女様に忠誠を誓うとか、そんな気持ちはない」

「だろうな。そんな感じする」

「...でも、この国に必要な人だっていうのは分かるから。私は、この国を平和にしたい」

「随分大きく出たな」

「...この国が好きだから」

「なるほどなー」

 

友人がいて、なんとなく平和に暮らせるこの場所が。

 

「...むしろ、貴方は何故?」

 

クスクスと笑っている彼に同じ質問を問いかける。正直、王女のために、などとは微塵も思っていなさそうだった。

 

「俺か?俺は...今自分が幸せなのか分からなくてな。確かめるためにもっと世界をみたい。そのために今一番偉い人の近くで働こうと思ったんだ」

 

そうすれば、きっと何か見えるはずだから。

 

そう言って柔らかな笑みを浮かべるアインツ・アイオスに、私は素直に好感を抱いた。

 

「ま、何はともあれこれから同じ職場だしな。よろしく頼む。同期として」

 

 

 

 

 

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「_____ん。メイ___!」

「......」

「メイちゃん!!」

「はぁい!?」

 

突然の大声で目が覚める。どうやら寝てしまっていたらしい。

 

「あ、夢かぁ...」

「夢かぁじゃないよ!何回も起こそうとしたのに!」

 

ずれていた眼鏡をかけ直すと、隣にいる彼女_______エルマが怒ったように話しかけてくる。全然怒ってないけど。

 

突然訪れたてきたユーノやアハト、ノクスから別れてから七日目。メイルは旧魔王都『ストライク』に来ていた。目的はバルバトスの調整を親友に頼むことと、

 

「ごめんごめん」

「全く...これから王女様と会うんでしょ?少しは緊張とかしないの?」

「あの子でしょ?するわけないじゃんエルマはするの?」

「いや全然」

「知ってた。それ」

「昔からの仲だしね...そう昔でもないけど」

「...んじゃ、行ってきます」

「聞けし...行ってらっしゃい」

「バルバトスよろしく」

「はーい」

 

ドアを開け、手を振ってから閉める。夢のせいか気分が良かった。

 

「...世界を見た結果、妻を見つける......か。今度からかってやろ」

 

 

 

 

 

だから早くここまで来い。そしてまた一緒に。

 

「よし!」

 

メイルは首を少し振ってから、以前自分が働いていた城に向けて歩きだした。

 

 




気づけばもうクリスマス間近!投稿遅れてしまって申し訳ないです。

これも全部ジージェネってやつの仕業なんだ...

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