アスモディ・ストーリー (Asmody Story)   作:メレク

5 / 61
出会いⅡ

「もう......ようやくかよ。ただ走るのも楽じゃないぜ......」

 

休める時間もあるにはあったが、ほぼずっと走ること半日以上。ようやく熊は追うのをやめてくれたのか、その姿は見えなくなっていた。倒してもよかったんだが、かわいそうだしな...

 

「疲れたー!」

 

服が汚れるのを構わず雪が積もった地面に寝転がり、疲れた体を休ませようとする。しかし。

 

「キャー!!」

「!?何事だよ今度は!」

 

聞こえた悲鳴に驚き飛び上がる。だが、辺り一面が木で覆われているためどこで何があったのか分からない。

 

「......確か、あっちだな」

 

悲鳴が聞こえた方に足を踏み出す。流石にほうっておいて何かあったら感じが悪い。

 

それに、

 

「まさか、つけられてた......?」

 

それで他の人に被害がでるなど、それこそ大問題だ。本隊が来る前に気絶させるしかない。大慌てで走り出す。

 

しかし、その不安は杞憂に終わった。

 

見つけた場所に居たのは、熊と対峙する少女達。

 

奥にいるのは茶髪の少女二人と金髪の少女が一人、そして一番手前にいる薄紫の髪をした少女が短剣で熊と戦っていた。

 

しかし、そんな状況を見てる間に少女の短剣が熊に弾かれてしまった。このままでは......彼女は間違いなく切り裂かれる。

 

(させるかよ!!)

 

瞬時に自身の相棒である剣を作りながら強化魔法を使用。全ての力を足に込め、突撃する!

 

開いていた熊との距離を詰め、剣を刺し込んだ。

 

しばらくして、少女の隣に倒れる熊。それを見て、俺は。

 

「魔物とはいえ俺だけなら逃げるけど、人に手を出すんなら容赦はしないぜ......お前ら、皆無事か?」

 

口を開け、水色の目を見開いて固まったままでいる薄紫色の髪をした女の子に話しかけた。

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

私は驚いて固まっていた。理由は、目の前に男の子がいたから。

 

それだけなら問題ないけれど、問題は旧魔の象徴である大きな角がないこと、そして、風で見えた小さな角は...

 

(新魔がなんでここに!?)

 

私たちの村は新魔の領地からも旧魔の王都からも離れた田舎に等しい場所。そんなところに新魔が一人だけでいるなんておかしすぎた。

 

だが、彼は間違いなく新魔だった。角が髪で見えなくなるくらい小さいのは、旧魔ではありえない。

 

そんな中、私が動けないでいる間にも状況は動き出す。具体的には、後ろの熊が私の魔力でできた獅子を振り払ってリーゼたちに向けて走っていた。

 

「あっ!」

 

あわてて短剣を拾いに行こうとする私。すると彼は、

 

「奥にもいたのか......随分とめんどうだな」

 

と言いながら、いつの間にか右手に握られていた黄金の剣は消え、何処から出したのか赤い槍を左手に持っていた。

 

(あの槍......どこから!?)

 

想定外過ぎる事態に頭が混乱する中で、彼が一言、

 

「危ないから頭下げて避けな」

 

突然言われて動揺するも、忠告に従って頭を地面につけるようにしゃがむ。

 

そして、彼の魔力が膨れ上がったと思ったら......

 

「いっけえ!!」

 

槍を熊に向けて投げ飛ばした。

 

......その時の揺れる黒髪と漆黒をした目は、かっこよかった。

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

「いっけえ!!」

 

俺が強化魔法で体を強化し、その力で投げ飛ばした槍は見事熊に突き刺さった。その勢いでふっ飛び倒れる熊。立ち上がることもないので一撃だったのだろう。

 

「ふぅ...これで終わりか」

 

改めて周りを見渡すと、助けた全員が口を開いたままだった。

 

(...流石に一撃で倒すの見たらびっくりするというか、怖がるもんだよな......)

 

何より周りが旧魔なのに、自分だけ新魔だから警戒されているのかもしれない。

 

何て思いながらもこのまま去るわけにもいかず、俺は仕方なく、

 

「おーい。助けたのに無言は流石に悲しいんですけど......」

 

少しふざけた感じで問いかけてみた。

 

あわてて立ち上がる三人。だが。

 

 

「動かないでください!!」

 

もう一人......金髪の女の子が尖った氷を俺に向けてきた。おそらく氷魔法で作った物だろう。浮いているのにも関わらず、切っ先はこちらに向いている。

 

(俺この子達を助けたんだよな。逃げたらもっとめんどくさくなりそうだし...助けたのになんでさ。全く......)

 

そう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

----------------

 

 

 

 

 

「動かないでください!!」

 

あわてて私が苦笑している彼にお礼をしようとした時、後ろにいたリーゼが得意の氷魔法を作り、男の子に向けていた。きっと魔力が少し回復したんだろう。でも、

 

「リーゼ!なにやってるの!?」

「ユーノ!こいつは新魔なのよ!なんでこんな所にいるのか聞く必要があります!」

「でも、助けてくれた人にいきなり魔法を向ける必要なんてないでしょ!」

 

私はリーゼと男の子の間に、男の子を守るように立つ。まぁ、あっちの方が身長高いから守りきれてないけど。

 

「確かに彼はなんでここにいるのか分からないけど、助けてもらった人にこんなことをするなんて間違ってる!」

 

反論する私に対してリーゼは、

 

「パパが言ってたわ!新魔には戦いたがる者と平和になろうと努力している者、両方いると!でも、あんな強い武器を突然出す魔法を使うなんて、戦いを好んでいるに決まってる!」

「リーゼ!そんなの思い込みでしょ!」

 

その時、カシャと彼の服が動く音がする。振り向いてその顔を覗くと、彼はむちゃくちゃだなぁ......みたいな顔をしながら、

 

「ここで平和のために努力している側だと言っても、聞いちゃくれないよな......君もそんなに俺を守らないでいいんだぞ?仲間割れはよくないからな」

 

急に話しに入ってくる。でも、助けてくれた人だし......あぁでも、いきなり出てくる槍向けられても怖いし......

 

「俺はこの近くで迷ってるだけだし、あんたらが住んでる所を見つけても入らないから。それでいいだろ?昨日から寝てなくて眠いんだよ......」

「あなたを一人にするのが問題なの!何を企んでるか言いなさい!」

「あんたらに対しては、何も企んでないって......」

「あわわ...」

「はわわ...」

 

ここを去ろうとする男の子と、それを止めるリーゼ。怖がるアキ、ユキの二人という、そんないたちごっこが続いていると、

 

 

「リーーーーーーーーーーーーーーーーゼーーーーーーー!!!!!」

 

 

バルトさんが思い空気を壊して突っ込んで、リーゼに抱きついた。

 

あぁ、なんだかさらに面倒になりそうな予感......




この前書き、後書きに何を書けばいいのかわからなくなります(笑)
他の方々の作品を見てる時は、話題くらい探せばいくらでもあるだろ!と思っていたのですが、いざ自分で書こうとすると...普段も、自分からはそこまで話題提供しない気が...

け、決して普段から話す相手がいないとか、そんなんじゃないんだからねっ!(誰得)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。