ハイスクールD×D~龍神?真竜?悪魔王?神?んなの大昔に越えた~   作:在り来たり

1 / 1
依頼と再会、そして―――

「~~~~。~~~~。~~~~~~。」

 

 美しく、陽気で、しかし、何処か暗い鼻歌が響き渡る。

 その鼻歌が響くのは、墓地。しかし、墓石は、一つしか存在せず、一つの墓石以外は、数千の華々が咲き誇っていた。

 

 そして、鼻歌を歌うのは、一人の青年。いや、見方によっては、少年だった。

 その青年(少年)の風貌は、高い美貌を誇り、大抵の女が、三十秒と立たず魅了されるだろう。

 

「やあ、元気かい―――ッッ。」

 

 一人の青年(少年)しか存在しない空間に、突如として響く、幼児か少年か判別の着かない声。

 普通なら特に疑問すら抱かないものだが、その声を聴いた青年(少年)は、普通では無かった。

 その声を聴いた瞬間、青年(少年)の表情は、豹変し、まるで古来から東方で語り継がれてきた【鬼】の如き表情に成った。

 

「ハハッ。随分な挨拶だね。」

 

 そう言い放つ少年の手には、黒蒼の三叉槍(トライデント)が握られており、その持ち手部分には、青年(少年)の黒輝り(・・・)する拳が叩き付けられていた

 

「貴様・・・どうやって此処を。」

 

「簡単な事さ。異世界の僕(・・・・・)に聴いただけの事さ。」

 

 啓示されたヒントは、僅かなキーワードだけだったが、この青年(少年)が、答えを導き出すのには、十分だった。

 

「異世界?僕?・・・チッ、ルバヂャガか。余計な事を。」

 

「剰り彼を攻めないでね。僕が、頼み込んだんだ。」

 

「・・・。貴様の要件は、何だ?」

 

「相変わらず、無愛想だねぇ。ま、良いよ。話すから、拳を退けてくれるかい?」

 

 言われた通り、拳を退ける青年(少年)。

 

「ふぅ。また、力を上げたんじゃないかい?」

 

「要件を言え。」

 

「あぁあぁ。無愛想にも程があるよ。」

 

 首を横に揺すりながら、呆れの感情を色濃く声に遷す。

 

「ああっ、待って、待って。話すから!」

 

 何時までも喋ら無い少年に業を煮やした青年(少年)が、拳打の構えを執ると、少年は慌てて、先を語り始める。

 

「はぁ・・・今日来たのは、君に頼みたい事が在って来たのさ。」

 

「頼み・・・?」

 

「そう、頼み。」

 

 そう言いながら、紙の束を青年(少年)に渡す少年。

 

「此れは・・・・。」

 

 青年(少年)が、紙の束を読み込んで行くと、その顔が険しく成っていく。

 

「理解不能だ。このファイルの奴等が、どうしたと言うのだ。」

 

「どうしたって、想像付かない?だって、始めの子供、〝赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)〟の当代所有者だよ。」

 

「其れがどうした。今更、“神滅具(ロンギヌス)”程度で、どうこうするタマじゃ無いだろう。」

 

「まぁ、そうなんだけど。・・・まっ、兎に角、最後の紙の指示に従ってよ。報酬は、弾むからさ。あっ、其れと、此れは、ルクの頼みでも在るからね。」

 

「何、ルクだと?」

 

「じゃっ、宜しくね~。」

 

「おっ、おい!」

 

 引き留めようとする青年(少年)の行動虚しく、少年は、突如として、消えた。

 

「チッ、ルクの頼みか・・・。チッ、彼奴には、借りが在るからなぁ。」

 

 何とも言えない気だるさに包まれながら、青年(少年)は、目線を紙に落とした。

 

「〝駒王学園〟か・・・。これまた、厄介事だな・・・はぁ。」

 

 

 

 

「コラーッ!!マテッーッ!!」

 

「待てって言われて待つ奴がいるかっ!!」

 

「大体っ!ちょっと、下着見ただけだろうがっ!!」

 

「コロスッッ!!!」

 

「五月蝿い。飯位ゆっくり喰わせろ。」

 

 女子群衆とバカトリオの騒動を遠目に見ながら、青年(少年)、屠鬼(とき)は、聴こえもしない愚痴を洩らした。

 

「アハハー、ホントだねー。ゼックンー。」

 

瑠樹亜(るきあ)。」

 

「んー?」

 

「何度言ったら解るんだ。その呼び方で、呼ぶな。」

 

「えー。良いじゃんー。」

 

「良いじゃん、じゃありません。屠鬼さんが、言っているんです。言う事を聴きなさい。」

 

「ぶぅーぶぅー。ゼックンー、私達付き合ってるんだよー?だから―――イテッ!」

 

 だから良い、と許可を取ろうとした少女、瑠樹亜は、突如として、頭部を殴られる。

 

「瑠樹亜!あれ程言ってるだろう!屠鬼に迷惑掛けるなってっ!大体っ、屠鬼と瑠樹亜は付き合ってないだろうっっ!!」

 

 瑠樹亜の頭部を殴った者は、半ば発作的興奮状態(ヒステリック)に成りながら、瑠樹亜を叱る。

 

「ふえぇ~んー。ゼックンー、霸柘(はつ)にぃ、殴られたよぉー。」

 

 しかし、瑠樹亜は、その者の見幕等何のその。

 其れ何処か、屠鬼に抱きつき、頭の愛撫を求める有り様である。

 

「喝ッッ!!」

 

 憤怒の表情を見せる者や呆れる者等を、一喝する声が響いた。

 

「主ラッ!マダ解ランノカッ!!ソノ行動コソッ、旦那様ヲ、困ラセテ居ルノダゾッッ!」

 

「あ~。解った、解った。解ったから、ちょっと黙れ、お前等。」

 

「はーい。」

 

「はい、了解しました。」

 

「わ、解ったよ。」

 

「解リマシタ。」

 

「了解したぞッ。」

 

「はいな。」

 

「ふぁ~い。」

 

「・・・ハァ。一体何処で間違えたんだ・・・・・。」

 

『~~~!微睡(まどろ)みの淵で目蓋に揺蕩(たゆた)う 夢想の神は優雅に微笑み死を降し 時空を総べる因果の鎖は絡み出す 神の与えし空想 program~~』

 

「んー?電話ー?」

 

「ああ。ちょっと、黙ってろよ。・・ああ、俺だ。・・・ああ・・・ああ・・何?・・・・そうか。解った。報酬は、そうだな、明日の二十二時に家で。ああ、切るぞ。」

 

「旦那様、誰カラデスカ?」

 

優琉梨(ゆるり)からだ。」

 

「ムッ、優琉梨殿デスカ・・・。ムゥ・・・・。」

 

「そう顔をしかめるな。」

 

「シカシ、拙者ハ、アノ優琉梨殿ヲ好キニナレマセヌ。」

 

「まぁ、解らんでも無いが。だが、一応仲間なんだ。表面に出すなよ。」

 

 

 

 

 

「お願いがあるの。」

 

「なっ、何っ?俺にできる事ならなんでもするよ!」

 

 青年、兵藤一誠は、緊張と期待を隠すことなく、その声に乗せた。

 

 通常ならこのような下策、とるべきではないのだが、始めての彼女・始めてのデート・夜の公園(しかも、人気の無い。)、そして、彼女の言う願い。

 エロバカトリオと謳われるこの青年が、この条件下で、理性を保てる訳もなく、このような下策をとってしまった。

 

「―――欲しいの。」

 

「え―――ガブッッ。」

 

「死んでほしいのよ。」

 

「え、な、んだ、こ、れ?」

 

 大量の血を吹き出しながら、疑問を口にし、血を吹き出した原因に目を向けると―――

 

「え?や、り?ひ、かり?」

 

 其処には、光で構築された槍に貫かれた自分の腹部が在った。

 

「ガファッヅヅ・・・。」

 

「ご免なさいね。でも、恨むんなら、貴方に『神器(セイクリッド・ギア)』何てものを埋め込んだ“聖書の神”を恨んでね。」

 

 『セイクリッド・ギア?聖書の神?何だそれ?』と言う疑問を持ちながら、半ば麻痺した痛覚をガンガンと刺激する痛みに耐えながら、天野夕麻を見る。

 

「な――――」

 

 其の先に居たのは‘天使’。ただし、其の象徴たる純白の翼は、漆黒に染まった‘堕天使’。

 一誠は、其の姿に驚愕し、言葉を発しようと口を開く。

 

 だが、腹部を貫かれ、大量の血を出血した人間が其処まで出来る筈もなく、血の池に倒れ込む。

 

「うん♪おっわり。」

 

 夕麻、いや、レイナーレは、一誠が倒れ込むのを確認すると、機嫌を良くし、漆黒の翼を使い飛び去っていく。

 

「っ・・・っ。」

 

 『オッパイ揉まないで死にたくない。童貞のまま死にたくない。』そんな欲望に忠実な考えを思考しながら、一誠は死んでいった。

 

 

 静寂。静寂と暗闇が支配し、単なる一人間の死体しか存在しない公園は、其のまま陽光が辺りを照らすまで、何事も起こらない筈で在った。

 

 しかし、暗闇は、破られた。

 其れは、紅い魔方陣。一誠がレイナーレとの偽りのデートの前に入手したチラシが発現元だった。

 そして、其の魔方陣が象るのは、〝情愛を司る悪魔種(グレモリー)〟の紋章だった。

 

 キィュュュュ―――

 

 紅色魔方陣から僅かな音が響き、周囲の浮遊魔力を吸収していく。

 

「チッ。ったく、死んだ確認位しろよな、雑魚が。」

 

 後数秒で紅色魔方陣が完全に完成、発動するかと言う処で、魔方陣に集まった浮遊魔力が霧散する。

 

 そして、飛び去ったレイナーレに悪態を付きながら、屠鬼は、一誠の死体に寄り、脚を振り上げる。

 

 グキッ、ボグッ、ボギッ!

 

「此れで良いか。後は・・。」

 

 まだ原型を留めていた一誠の死体を、グシャグシャに踏み潰した屠鬼は、懐から一枚の紙を取り出す。 

 

「確か、何らかの原動力(エネルギー)を入れるって言ってたな。・・そうだな、元は‘堕天使’の技術らしいから、魔光力を加えるか。」

 

 “魔光力”元々‘天使’が持つ“光力”が堕天化の影響により魔の力を得た力。“魔光力”は、『光』と『魔』、通常なら決して交わらない力が交わっている為、〝力〟としては、非常に有能だった。

 

「・・・よし、捕獲完了だ。」

 

 そう語る屠鬼の手には、赤色の籠手、〝赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)〟が在った。

 

「ちょっと!貴方!何やってるの!?」

 

「――ッッ!」

 

 突如として響く、可憐なる美声。其の声は、何処までも澄んでいて、何処までも響いた。

 

(馬鹿なッ!此処まで接近を赦しただとッッ!!)

 

「聴いているのッ!」

 

 屠鬼は、半ば確信しながら、振り返った。

 

 其処には――――

 

(リアス・グレモリー。・・チッ、嵌められた。)

 

 グレモリー家次代当主〝リアス・グレモリー〟が居た。

 

「―――ッッ!?・・・ッッッ!?」

 

 何か驚愕しているリアスを置いて屠鬼は、思考を進める。

 

(殺すか?記憶を消すか?脅して契約するか?)

 

「あっ!あのっ!」

 

(・・・やはり、此れが最善か。)

 

 汎ゆる未来と結果を予知し、最善を導きだした屠鬼は、覚悟を決める。

 

「貴方は、も、もっ、もしかして、と、屠鬼お兄ちゃんですか!?」

 

「はあ?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。