ハイスクールD×D~龍神?真竜?悪魔王?神?んなの大昔に越えた~ 作:在り来たり
「~~~~。~~~~。~~~~~~。」
美しく、陽気で、しかし、何処か暗い鼻歌が響き渡る。
その鼻歌が響くのは、墓地。しかし、墓石は、一つしか存在せず、一つの墓石以外は、数千の華々が咲き誇っていた。
そして、鼻歌を歌うのは、一人の青年。いや、見方によっては、少年だった。
その青年(少年)の風貌は、高い美貌を誇り、大抵の女が、三十秒と立たず魅了されるだろう。
「やあ、元気かい―――ッッ。」
一人の青年(少年)しか存在しない空間に、突如として響く、幼児か少年か判別の着かない声。
普通なら特に疑問すら抱かないものだが、その声を聴いた青年(少年)は、普通では無かった。
その声を聴いた瞬間、青年(少年)の表情は、豹変し、まるで古来から東方で語り継がれてきた【鬼】の如き表情に成った。
「ハハッ。随分な挨拶だね。」
そう言い放つ少年の手には、黒蒼の
「貴様・・・どうやって此処を。」
「簡単な事さ。
啓示されたヒントは、僅かなキーワードだけだったが、この青年(少年)が、答えを導き出すのには、十分だった。
「異世界?僕?・・・チッ、ルバヂャガか。余計な事を。」
「剰り彼を攻めないでね。僕が、頼み込んだんだ。」
「・・・。貴様の要件は、何だ?」
「相変わらず、無愛想だねぇ。ま、良いよ。話すから、拳を退けてくれるかい?」
言われた通り、拳を退ける青年(少年)。
「ふぅ。また、力を上げたんじゃないかい?」
「要件を言え。」
「あぁあぁ。無愛想にも程があるよ。」
首を横に揺すりながら、呆れの感情を色濃く声に遷す。
「ああっ、待って、待って。話すから!」
何時までも喋ら無い少年に業を煮やした青年(少年)が、拳打の構えを執ると、少年は慌てて、先を語り始める。
「はぁ・・・今日来たのは、君に頼みたい事が在って来たのさ。」
「頼み・・・?」
「そう、頼み。」
そう言いながら、紙の束を青年(少年)に渡す少年。
「此れは・・・・。」
青年(少年)が、紙の束を読み込んで行くと、その顔が険しく成っていく。
「理解不能だ。このファイルの奴等が、どうしたと言うのだ。」
「どうしたって、想像付かない?だって、始めの子供、〝
「其れがどうした。今更、“
「まぁ、そうなんだけど。・・・まっ、兎に角、最後の紙の指示に従ってよ。報酬は、弾むからさ。あっ、其れと、此れは、ルクの頼みでも在るからね。」
「何、ルクだと?」
「じゃっ、宜しくね~。」
「おっ、おい!」
引き留めようとする青年(少年)の行動虚しく、少年は、突如として、消えた。
「チッ、ルクの頼みか・・・。チッ、彼奴には、借りが在るからなぁ。」
何とも言えない気だるさに包まれながら、青年(少年)は、目線を紙に落とした。
「〝駒王学園〟か・・・。これまた、厄介事だな・・・はぁ。」
「コラーッ!!マテッーッ!!」
「待てって言われて待つ奴がいるかっ!!」
「大体っ!ちょっと、下着見ただけだろうがっ!!」
「コロスッッ!!!」
「五月蝿い。飯位ゆっくり喰わせろ。」
女子群衆とバカトリオの騒動を遠目に見ながら、青年(少年)、
「アハハー、ホントだねー。ゼックンー。」
「
「んー?」
「何度言ったら解るんだ。その呼び方で、呼ぶな。」
「えー。良いじゃんー。」
「良いじゃん、じゃありません。屠鬼さんが、言っているんです。言う事を聴きなさい。」
「ぶぅーぶぅー。ゼックンー、私達付き合ってるんだよー?だから―――イテッ!」
だから良い、と許可を取ろうとした少女、瑠樹亜は、突如として、頭部を殴られる。
「瑠樹亜!あれ程言ってるだろう!屠鬼に迷惑掛けるなってっ!大体っ、屠鬼と瑠樹亜は付き合ってないだろうっっ!!」
瑠樹亜の頭部を殴った者は、半ば
「ふえぇ~んー。ゼックンー、
しかし、瑠樹亜は、その者の見幕等何のその。
其れ何処か、屠鬼に抱きつき、頭の愛撫を求める有り様である。
「喝ッッ!!」
憤怒の表情を見せる者や呆れる者等を、一喝する声が響いた。
「主ラッ!マダ解ランノカッ!!ソノ行動コソッ、旦那様ヲ、困ラセテ居ルノダゾッッ!」
「あ~。解った、解った。解ったから、ちょっと黙れ、お前等。」
「はーい。」
「はい、了解しました。」
「わ、解ったよ。」
「解リマシタ。」
「了解したぞッ。」
「はいな。」
「ふぁ~い。」
「・・・ハァ。一体何処で間違えたんだ・・・・・。」
『~~~!
「んー?電話ー?」
「ああ。ちょっと、黙ってろよ。・・ああ、俺だ。・・・ああ・・・ああ・・何?・・・・そうか。解った。報酬は、そうだな、明日の二十二時に家で。ああ、切るぞ。」
「旦那様、誰カラデスカ?」
「
「ムッ、優琉梨殿デスカ・・・。ムゥ・・・・。」
「そう顔をしかめるな。」
「シカシ、拙者ハ、アノ優琉梨殿ヲ好キニナレマセヌ。」
「まぁ、解らんでも無いが。だが、一応仲間なんだ。表面に出すなよ。」
「お願いがあるの。」
「なっ、何っ?俺にできる事ならなんでもするよ!」
青年、兵藤一誠は、緊張と期待を隠すことなく、その声に乗せた。
通常ならこのような下策、とるべきではないのだが、始めての彼女・始めてのデート・夜の公園(しかも、人気の無い。)、そして、彼女の言う願い。
エロバカトリオと謳われるこの青年が、この条件下で、理性を保てる訳もなく、このような下策をとってしまった。
「―――欲しいの。」
「え―――ガブッッ。」
「死んでほしいのよ。」
「え、な、んだ、こ、れ?」
大量の血を吹き出しながら、疑問を口にし、血を吹き出した原因に目を向けると―――
「え?や、り?ひ、かり?」
其処には、光で構築された槍に貫かれた自分の腹部が在った。
「ガファッヅヅ・・・。」
「ご免なさいね。でも、恨むんなら、貴方に『
『セイクリッド・ギア?聖書の神?何だそれ?』と言う疑問を持ちながら、半ば麻痺した痛覚をガンガンと刺激する痛みに耐えながら、天野夕麻を見る。
「な――――」
其の先に居たのは‘天使’。ただし、其の象徴たる純白の翼は、漆黒に染まった‘堕天使’。
一誠は、其の姿に驚愕し、言葉を発しようと口を開く。
だが、腹部を貫かれ、大量の血を出血した人間が其処まで出来る筈もなく、血の池に倒れ込む。
「うん♪おっわり。」
夕麻、いや、レイナーレは、一誠が倒れ込むのを確認すると、機嫌を良くし、漆黒の翼を使い飛び去っていく。
「っ・・・っ。」
『オッパイ揉まないで死にたくない。童貞のまま死にたくない。』そんな欲望に忠実な考えを思考しながら、一誠は死んでいった。
静寂。静寂と暗闇が支配し、単なる一人間の死体しか存在しない公園は、其のまま陽光が辺りを照らすまで、何事も起こらない筈で在った。
しかし、暗闇は、破られた。
其れは、紅い魔方陣。一誠がレイナーレとの偽りのデートの前に入手したチラシが発現元だった。
そして、其の魔方陣が象るのは、〝
キィュュュュ―――
紅色魔方陣から僅かな音が響き、周囲の浮遊魔力を吸収していく。
「チッ。ったく、死んだ確認位しろよな、雑魚が。」
後数秒で紅色魔方陣が完全に完成、発動するかと言う処で、魔方陣に集まった浮遊魔力が霧散する。
そして、飛び去ったレイナーレに悪態を付きながら、屠鬼は、一誠の死体に寄り、脚を振り上げる。
グキッ、ボグッ、ボギッ!
「此れで良いか。後は・・。」
まだ原型を留めていた一誠の死体を、グシャグシャに踏み潰した屠鬼は、懐から一枚の紙を取り出す。
「確か、何らかの
“魔光力”元々‘天使’が持つ“光力”が堕天化の影響により魔の力を得た力。“魔光力”は、『光』と『魔』、通常なら決して交わらない力が交わっている為、〝力〟としては、非常に有能だった。
「・・・よし、捕獲完了だ。」
そう語る屠鬼の手には、赤色の籠手、〝
「ちょっと!貴方!何やってるの!?」
「――ッッ!」
突如として響く、可憐なる美声。其の声は、何処までも澄んでいて、何処までも響いた。
(馬鹿なッ!此処まで接近を赦しただとッッ!!)
「聴いているのッ!」
屠鬼は、半ば確信しながら、振り返った。
其処には――――
(リアス・グレモリー。・・チッ、嵌められた。)
グレモリー家次代当主〝リアス・グレモリー〟が居た。
「―――ッッ!?・・・ッッッ!?」
何か驚愕しているリアスを置いて屠鬼は、思考を進める。
(殺すか?記憶を消すか?脅して契約するか?)
「あっ!あのっ!」
(・・・やはり、此れが最善か。)
汎ゆる未来と結果を予知し、最善を導きだした屠鬼は、覚悟を決める。
「貴方は、も、もっ、もしかして、と、屠鬼お兄ちゃんですか!?」
「はあ?」