サイコボーイ・サイコガール   作:不皿雨鮮

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エロくないけど、危ないでございます。


カニバリズム

 僕らが通う医大から、少し離れた喫茶店。そこで僕らは大学の講義を全て終えた後、レポートなり何なりをやっていたりする。大体いつも同じメンバーで、たまに僕を含めた誰か他のメンバーの彼氏彼女がいたり。別に何か目的がある訳ではない。

 ただ、みんな同じ共通点を持っていたから、たったそれだけの理由で僕らは大の仲良しになっていた。

 高校で親友は決まる、などとよく言われるらしいが、それでも僕らは大学で出会い、親友となった。お互いにお互いの秘密を共有する、そんな面白い仲に。

「――でね、これが今の僕の彼女」

 そう言って僕、大泊爽はスマートフォンで何枚かの画像を見せる。みんなそれぞれ、おぉ、とか、へぇ、とか、ほほぅ、とか、そんな感じの反応を見せている。

 あぁ、そうだ、忘れていた。僕らは、僕を含めて四人。僕こと大泊爽、早走彰、御影硝子、南囃子莱香。前半二人が男子、後半二人が女子のメンバーで、よくこうやって彼氏彼女の自慢をし合っているのだ。

「本当に綺麗なんだ。もう、お人形さんみたいでさ」

「分かるー。私の彼氏も、お人形みたいだよ。とっても綺麗で、可愛いんだ」

 莱香が僕のそれに反応して、同じように写真を見せる。

「お人形さん、ですか。まぁ、私も、そういうべきなのでしょうね。彼はとてもお人形さんみたいです。ああ、でも、犬みたいでもありますけど」

 ふむ、と果たして人形という表現が正しいのか、と悩む硝子さん。彼女はとても思慮深い、聡明な人で、僕達のまとめ役のようなものをかって出ている人だ。人のあれこれを処理するのが上手く、そこまで考えのいかない僕らの後処理もしてくれている。何回か浪人生をしているらしく、またこの中では恋人関係を一番長続きしている人でもある。

 ちなみに他の僕達三人はてんで長続きがしない。つい、我慢出来なくて、手を出してしまうのだ。ちなみに僕の最長記録は付き合って一ヶ月最短は付き合ったその翌日だった。彰はもっと短くて最長が一週間最短がなんと付き合って数時間だった。莱香はもう少し長く最長三ヶ月最短一週間。

「じゃあ、犬のお人形ってところ?」

「まぁ、そんな可愛いものでもないですけどね」

「辛辣だねぇ、硝子さんは。さて、それじゃあ最後は彰だね。彰はどんな感じ?」

「ん、まぁ、もう諦めてくれた感じだぜ。もう何も言ってこないし」

「えー、でも、それはそれで何か企んでそうで怖いなぁ。女子のみんなはどうする、彼氏がこんな人だったら」

「まぁ、距離を取るなり何なりしますかね。怖いですし、彰は」

「いやー、私もちょっと無理かな。よくもまぁ、そんなころっと騙されるよねぇ。馬鹿しかいないの、この街」

「あはは、辛辣ぅー」

「まぁ、話は戻して、爽、そっちはどうなんだ? アレから何かあったか?」

「んー、何かって言われると、いつも通り、だけど。あ、そうそう、最近彼女のお腹が出てきてさ、なんとかしてあげないと、って思うんだけど、どうしたらいいか分かんないんだよね。あーあー、早く、そういう授業とかしないかなぁ。僕ってか僕らは、その為に医大に進んだのにさぁ、まだ全然してくれないよね、そういう授業」

「まぁ、もう少しの辛抱ですよ。――っと、あぁ、彼氏がお腹を空かして待ってます。お腹が空き過ぎで死んじゃうかもしれません」

「っと、それは危険だ。じゃあ、そろそろお開きにしよっか」

「そうだね」

「すいません、私の管理不足です」

「ははっ、まぁ、お互い様だろ。俺達のあれこれもやってくれてる訳だし、本当にすまないな」

「いえいえ。こちらにも都合がありますので、丁度いいです」

 

 みんなと解散してしばらく。少し街から外れた家。田舎といえば田舎な街だから、少し離れるといい感じの家が結構あるのだ。まぁ、これは彼女の家なのだけど。

「さて、ただいまー、っと。まぁ、返事がないのは分かってんだけどね」

 部屋の電気を点けて、調理に為に汚れてもいい服に着替える。

 彼女を冷凍庫から取り出し、必要な肉の部分だけを削ぎとって、適当に調理をして食べる。

 これまでに、頭、首、肩、胸と食べて行き、次はお腹である。ああ、丁度よかった。どういう訳か、胃の部分が溢れだしてしまっていたから、これで今日食べてしまえば、万事解決じゃないか。ラッキーラッキー。

 熱消毒をして、殺菌作用のある調味料をふんだんに使ったあれこれと調理をして、さてさて頂きます。

「んぅー、美味い。やっぱり、愛情は最大のスパイスって言うだけあるねぇ」

 一口一口。一噛み一噛み。味わうように食べて、だけど好きなことをしている時間というのは、あっさりと過ぎ去ってしまうのだ。

「ふぅ、ごちそうさまでした」

 手を合わせて、後片付け。べっとりと着いた彼女の血なり何なりは、まぁ、ゴミ箱に捨てて、硝子さんに連絡。しばらくすると返事が返ってきて「またいつものところに捨てておいて」とのことだった。

「はぁ、もうそろそろ、なくなっちゃうなぁ……。んー、まぁ、いいか」

 適当にテレビを点けて、くつろぐ。誰もいない、彼女の部屋で。

 

「カニバリズム。まぁ、他の人よりもマシだと思うんだけどな。だって僕は、相互同意のこれだもん」




ある意味、カニバリズムもエロいっすよねぇ。だって同化するんですもんね。まぁ、半分クリアはクソになるんですけども。まぁ、クソったれな世界に乾杯ってことで。
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