鴉軋……轆轤や船の櫓、門の扉などを開閉する時に出る音。ぎしぎし。
靄然……穏やかな様。和やかな様。
喔咿嚅唲……強いて諂い笑う。無理に笑顔を作る。又、其の様。
遏悪揚善……悪事を禁じて、善行を勧める事。悪事には刑罰を加えてその悪を禁じ、善事には報奨を与えて官職に挙げ用いる事。
医鬱排悶……憂さ晴らしをする事。
頤使……人を軽んじて使う事。
孰れ……二つ以上ある物・場所などから一つを選ぶ時に使う語。
一臠の肉を嘗めて一鑊の味を知る……一部分を以て全部を察知する譬え。一臠肉は、一切れの肉。一鑊は、一鍋。
伊優亜……言語の不明瞭な様。言おうとして声は出しているが未だ言葉を成さない様。あー・うーん。
陰謀詭計……人を欺く為の密かな悪巧み。
雲壌月鼈……二つのものの違いや隔たりが余りにも大きい事。
冤枉……無実の罪。冤罪。濡れ衣。
檐下……のきした。
懊悩呻吟……色々な事を考えて悩み苦しむ事。
回翔……鳥抔が円を描いて大空を飛ぶ事。
剴切……非常に適切な事。
禍譴……つみ。とがめ。
牙籤万軸……他人の蔵書の多い事を称する語。
褐寛博……粗い布で作っただぶだぶの服。転じて、賤者。無頼漢。
糅てて加えて……その上に。更に。悪い事が重なる場合に言う。
遐方絶域……遠い異国の地。
窾言……当てにならない言葉。出鱈目。空言。
干鼈煞……面白味の無い奴。人を罵る言葉。
矙亡罪を負う……他人に面会に行って留守である事を言う。
観摩……他人の長所を、模範にして真似る。
儀宇……態度。物腰。立ち居振る舞い。
聞道……聞く所によると。
蹻趹……わらぐつ。草履。
覬覦……分不相応の希望を抱く事。
裘茸……髪・毛・草抔がぼうぼうになっている様。
穹窿……天空。大空。
疆域……①土地の境。境界。②境内の地。領域。
鄴架……蔵書が多い事。
怯懦……臆病で意気地のない事。気が小さい事。
虚静……心に蟠りなく、静かに落ち着いている事。
縹緻……顔立ち。みめ。容姿。
薬九層倍……薬は売値が原価の九倍と異常に高い事から、暴利を貪る事の譬え。
謦欬を聞く……その人の咳払いの声を聞く。転じて、その人に接する事。
係累……身心を拘束する煩わしい物事。
欠伸……あくびと背伸び。
諠鬧……騒がしい事。熱鬧。喧噪。
甄別……はっきり見分ける。区別する。
佼黠……「狡猾」に同じ。
浩瀚……書籍の大部な事。又、書籍の多い事。
惶遽……おそれ慌てる事。
皓月千里……明るく輝く月が、遠くまで照り渡る様。
好個……丁度良い事。適当。うってつけ。
諕謼……呼ぶ事。
嗷嘈……がやがやと騒がしい。
槁木……枯れた木。かれき。
刻苦学儒……非常に苦労して学問に励む事。
蒟蒻問答……的外れで頓珍漢な問答や返事。
挫気……元気が挫ける事。
蹉口……口が滑る。失言。
讒構……無い事を作り上げて人をそしる事。
不死詮……死なないのがせめてもの幸せと思われる程の不幸。
廝役……こまごました雑役。又、雑用をする召使い。
四支僵勁……手足が強張って動かぬ事。
嘴頭硬……口先の達者な事。
嗜僻……ある事をかたよって好む癖。
揣摩……事情を推し量る事。当て推量。
啾譁……続け様に煩く喋る様。
糅然……纏まりなく入り雑じる様。入り乱れる様。雑然。
儵煜……きらきらと輝く様。又、鮮やかに輝く様。
倏歘……速やかな様。
瞬霎……一度またたきする程の短い時間。
聳懼……恐れ戦く事。びくびくする事。
浹洽……広く全体に行き渡る事。
霎時……暫くの間。暫時。
将錯就錯……誤りの上に誤りを重ねる事。
生得……生まれつき持っている事。うまれつき。
松柏……操を守って変えない事に譬えて言う語。
常鱗凡介……ごくありふれた人の譬え。凡人。
心悸亢進……心臓の鼓動が早く激しくなる事。
畛畦……隔てがある事。その隔て。
震顫……震える事。
誠愨……まこと。誠実。質実。
惺鬆……動揺して定まらぬ事。
跼る……体を前に屈めて、背を丸くする。屈む。
世間雀……世間を広く歩いて噂抔を言い立てる者。
絶巓……山の絶頂。いただき。
潺湲……水が流れる様。又、その音。
瞻仰……見上げる事。
顫動……震え動く事。
瞻望咨嗟……遠く望み見てその素晴らしさに溜息を吐く。高貴の人抔を敬慕し羨む事。
譾劣……浅くて劣る。浅薄で拙劣。
蒼惶……慌ただしい様。慌てふためく様。急ぐ様。
操觚者……文筆に従事する人。著述家・編纂社・新聞や雑誌の記者抔。
操觚者流……操觚者の連中。
淙淙……水が淀みなくさらさらと流れる様。又、その音。
踪跡……人などが通った足跡。あとかた。転じて、ゆくえ。
側杖……そばにいたために、直接関係ないのに災いや迷惑を受ける事。巻き添え。とばっちり。
梳攏……髪を梳く。頭髪を梳る。
対牀風雪……夜通し隣同士の寝床の中で語り合う事。
殪す……人や動物を一撃で殺す。一矢・一発で仕留める。
慥か……恐らく。たぶん。間違いなく。
談讌……集まって楽しく話し合う。
絺纊……葛布と綿。転じて、夏と冬を言う。
諈諉……煩わしい事を他人に押し付け任せる事。
蟄す……閉じ籠もる。潜む。隠退する。
綢繆未雨……前以て準備して災いを防ぐ事。
嘲訐……揶揄う。馬鹿にして揶揄う。
長大息……長く大きくつく息。長い溜め息。
跳梁跋扈……悪者抔が蔓延り、勝手気儘に振る舞う事。
沈魚落雁……華やかな美人の形容。
追躡……後から追い掛ける事。
剃髪染衣……髪を剃り墨染の法衣を着る事。仏門に入って僧・尼となる事。
滌盪……汚れを洗い去る。汚れを洗い落とす。
纏繞……纏い付く事。巻き付く事。
輾転反側……心配したり思い悩んだりして眠れず何度も寝返りを打つ事。
恬謐……静かで安らか。静謐。
蕩佚……締まりがなく、勝手気儘な事。
蹈瑕……他人の過失に付け入る。
偸嫩……若作り。装って若く見せる。
胴欲……非常に欲深い事。惨い事。非道な事。
凍梨……霜で凍った梨。しみの出た老人の膚に譬えて言う。
諵諛……陰口。こっそり罵る。私かに詈る。
日返塢……日没時の反照。照り返し。夕焼け。
入殮……死体を棺に納める。納棺する。殮葬する。
俄長者は俄乞食……急に金持ちになった者は、大損して貧乏になるのも早いという事。
年侵……年寄る。老年となる。年が経つ。
曩昔……昔。嘗て。以前。
憊竭……疲れ尽きる。衰え尽きる。
排遣……おしやる。おしのける。
擺撥……払い除け、振り捨てる。又、放っておいて相手にしない。
憊懣……疲れて気が晴れ晴れしない。
璞玉……磨かない玉。人工を加えていない宝石。
馬歯徒増……無駄に齢を取る事。
百怪魑魅……多くの怪物の事。
頻数……しばしば。たびたび。しきりに。
品騭……品定めをする事。品評。
擯斥……斥ける事。除け者にする事。排斥。
牝牡驪黄……物事は外見に囚われず、その本質を見抜く事が大切であるという事。
附会……無理に繫ぎ合わせる事。こじつける事。
誣説……無い事をあるように偽って言い触らす。
副急涙……偽りの涙。そら涙。
不便……気の毒な事。可哀相な事。「不憫・不愍」は後の当て字。
閉月羞花……美しい女性の事。
碧落一洗……大空がからりと晴れ渡る事。
汨羅之鬼……水死した人の事。
旄倪……老人と小児。
方寸……こころ。心中。胸中。
抛擲……放り出す事。擲つ事。投げ捨てる事。打ち捨てる事。
撲朔謎離……男か女か分からない事。又、物事が複雑で、見分けや区別が付き難い事の譬え。「撲朔」は雄の兎が足をバタバタさせる事。「謎離」は雌の兎の目がぼんやりしてはっきりしない様。兎の雌雄は見分け難く耳を摑み吊るすと雄は足をバタバタし、雌は目がぼんやりして初めて見分けられるという。
麻姑搔痒……物事が思いの儘になる事。又、行き届く事。
無慙無愧……全く恥じる事無く悪い事を平気で行う事。
夜深人静……非常に静かな事。深夜に辺りがひっそりする事。
藪井竹庵……藪医者を人名に擬して言う語。
病膏肓に入る……悪癖や弊害などが手の付けられない程になる。又、物事に熱中してどうしようもない程の状態になる。
遊冶郎……酒色に耽り身持ちの悪い男。放蕩者。
妖孼……わざわいの兆し。又、わざわい。
腰纏万金……多量の金銭を所持している事。財布の中身がぎっしり詰まっている事。
離闊……遠く間をあけて離れている。長い間便りも無く離れている事。
俚諺……民間で広く言い習わされてきた諺。通俗な諺。
流汗淋漓……汗が体中からだらだらと滴り落ちる様。
霊台方寸……心の事。心の内を言う。
話欛……話のたね。談話の資料。