人造人間18号に戦いを挑む悟誠。
悟誠は新技の乳語翻訳を使い18号の攻撃をすべて躱していく。
決着がつかないことを感じ取った人造人間たちは、悟誠との戦いを諦め。どこかへと飛んで行くのだった。
sideイッセー
「ほら、二人とも仙豆です。」
俺は倒れた二人に仙豆を食べさせる。
「......フンッ」
「ありがとうございます...」
途端に元気に立ちあがった二人を見て、俺はホッと息を吐く。
「それにしても悟誠、お前、先程の戦い、手を抜いていたな。何故超サイヤ人にしかならなかった!お前が本気を出せば、アイツら等簡単に消し飛ばせたはずだ!」
不意にピッコロさんがそう話しかけてくる。
「確かにあの超龍形態...超サイヤ人龍ならそれなりに戦うことはできたかもしれません...でも今俺はあの姿になれないんです。」
俺がそう言った瞬間皆が一斉に此方を向く。
「それはいったいどういうことだ!」
「簡単なことですよ、あの姿は超サイヤ人の時より身体にかかる負担が大きい。
それに通常ではありえない倍化によって中にいるドラゴンにも相当負担が掛かってしまうんです。なので、一度この形態になったらその後、約一カ月は神器がえないんです。」
「とんでもないパワーアップをする代わりにかかる代償も高いという事ですね?」
トランクスの言葉に俺はコクリと頷く。
「結局、俺達の事は気にするに値しないという事か...相手にもされないとは...」
天津飯さんが不意にそう呟く。それにピッコロさんが応じる。
「当然だ、奴らはとてつもなく強い...強すぎる!まさかあれほどまでとは...」
それをきいたていたベジータさんはいきなり何処かへと飛んで行ってしまった。
慌てて後を追おうとするトランクスをピッコロさんが止める。
「放っておけ、アイツは超サイヤ人となり、絶対の自信とプライドを手に入れた。だが人造人間とはいえ女にコテンパンにやられたんだ。奴のショックは大きいだろう...」
沈黙が辺り一帯を包む。
「それにしても、悟誠ですら躱すのが精いっぱいだった奴らに俺達が敵うのか?」
『おそらく無理だろうな、相棒があの姿になったとしても戦えはするだろうが勝つのは厳しいだろう...』
沈黙を破った天津飯の問いにドライグが話し出す。
「その声は悟誠の中にいるドラゴンか、どういうことだ?」
『簡単なことだ...奴らのパワーが相棒を上回っていた。ただそれだけの事』
「そんな...」
圧倒的な絶望...。どうすることもできない未来。
「とにかく、お先真っ暗だな。どうする?これから」
「お前たちは、孫悟空の家にいって、奴を別の場所に移すんだ。あれこれ考えるのはどっちにしろ孫悟空の病気が治ってからだ...」
「そうだな!で、ピッコロ、お前はどうするつもりなんだ?」
クリリンさんの言葉にそっぽを向きながらピッコロさんは答える。
「さあな...」
ピッコロさんがとった態度に違和感を感じたのか、クリリンさんは更に問いただそうとする。
しかし、いきなりキレたピッコロさんは俺達に気弾を放つとどこかに飛んで行ってしまったのだった。
ピッコロさんを見送った俺達は、すぐに父さんのもとに向かうのだった。
sideout
sideピッコロ
オレは今神の神殿に来ている。
目的は俺の半身である神だ。
神殿に着くと神の奴はまるで分っていたかの世に待ち構えていやがった。
「オレが何のためにここに来たか、分かっているだろう」
「あぁ、分かっておる...元々私とお前、いや正確にはお前の親とは一人の存在だった。考えていることぐらい分かっているつもりだ...」
「フン、ならば話は早い」
だが、と神は続ける。
「今下界はとんでもない化け物が暴れまわっている。奴を止めねば地球は取り返しのつかないことになるだろう...」
「どういう意味だ、詳しく話せ!」
「いや、わざわざ話す必要はない...私とお前が融合して一人になればそれで見たことが分かる。」
その言葉にオレは一瞬驚く。
「フッやっとその気になりやがったか。」
「急ごう...これ以上犠牲者を増やしてはならん...」
「よーし!」
オレと神は向かい合う。
「基本ベースはこのオレのままだ!いいな!」
「それでいい、お前はまだ若いし、パワーも今や私よりはるかに上だ。
私はパワーアップのきっかけにすぎん、後は広い知識を与えるだけだ...。」
フンッ!よく分かってるようで安心安心したぜ。
「では、基本となるお前が私に触れるのだ・・・」
「よし、分かった。」
俺は神の身体に手を置く。
「あ、あぁ...神様...」
「よいのだ、ミスターポポ、今の地球に必要なのは神ではない。
この星を危機から守れる...強者だ。」
「色々と世話になったな...ミスターポポ、お別れだ...
ウオァァァァァァァァァァァァ!!!!」
刹那、神の身体から光が発され辺り一面を白く照らした。
光が収まるころには神の姿はなく、オレとミスターポポがいるだけだった。
「............」
オレは自身の調子を確かめてみる。
問題はないみたいだ...。
オレは下界へと歩き出す。
「さ、サヨナラ神さま...死なないで...」
ミスターポポか、コイツともこれでお別れだな。
「もう神でもピッコロでもない。本当の名すらも忘れてしまったナメック星人だ...」
神殿の端に立ち振り返るとオレはポポに告げる。
「じゃあ、行ってくる。」
こうしてオレは下界へと降りて行ったのだった。