竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじ……

18号の乳をつつき禁手へと至った悟誠。

しかし、ベジータの手により解き放たれたセルの攻撃で18号は吸収されてしまう……。

悟誠達はいったいどうなってしまうのか!!


遂に降臨!完全体龍帝セル爆誕!

sideセル

 

 

私は完全体となった喜びにうち震えていた。

 

パワー、スピード、技、頭脳、精神力。全てにおいて完全な存在となったのだから……。

 

これが完全体か。これが全てにおいてパーフェクトなボディか…。すばらしい!遂に手に入れた……。

 

しかし、一つ気になることもある。

 

それは、わたしの左腕に装着されている赤い籠手だ……。

 

第二形態にまではこんな物はなかったはずだ。

 

少し腕を動かしてみる。…動かす分には問題無さそうだ……。

 

そこでわたしは昔、コンピューターに言われたことを思い出した。

 

 

[17号と18号…二体の人造人間を吸収し、完全体になり、尚且つ兵藤一誠の力を使いこなすことができればお前は完全体を超越した究極生命体へと進化するだろう]と……。

 

 

「こんの野郎ッ!よくも18号を!うおおぉぉォォォッ!!」

 

 

【ガッガガガガガガガガガガガガガガッ!】

 

……ということは、これは完全体になって初めて使うことが出来る兵藤一誠の力というわけか……。

 

フフフ…面白い、折角ここまで来たのだ。その究極生命体とやらになってみようじゃないか。その前に……。

 

 

「斬気龍!!」

 

 

【ドッゴォォォンッ!!】

 

邪魔な羽虫を排除するとしよう……。

 

わたしは、先程から周りを飛び回っていた羽虫(悟誠)の方を向く。

 

 

「ぁ……ぁぁ……!」

 

さて、完全体となったわたしのファーストアタックの生け贄となってもらおう……。

 

一瞬にして羽虫(悟誠)に近づき軽く蹴りを放つ。

 

 

「ぐぁッ!?!?」

 

吹っ飛んでいく羽虫。

 

 

「悟誠さん!」

 

 

【ズザザザザザ…ッ!!】

 

ほう、耐えたか、中々耐久力はあるらしいな……。

 

 

「くっ…!はぁ…はぁ…クソッ!」

 

 

「フッ……幸運な男だ。このパーフェクトなパワーを最初に味わえるなんて……」

 

わたしはジャブを素振りしながらそう話す。

 

その間にトランクスは羽虫(悟誠)の所へ行き、何かを食べさせていた。

 

それを見ているとベジータがわたしの近くに降りてきた。

 

 

「あんな弱い奴を痛ぶって楽しいか?」

 

わたしは無視して体の調子を確かめる。

 

 

「どうやら、思った通り。完全体になってもたいしたことはなさそうだな」

 

言ってくれるじゃないか……。

 

 

「こいつは失礼した。では、キミがわたしのウォーミングアップ(新たな力の実験台)を手伝ってくれるかな?」

 

 

「フッ…いいとも、ウォーミングアップでお終いにしてやる」

 

 

「よろしく……」

 

わたしはベジータの方を向き構えをとる。

 

 

「…………」(シュインシュインシュインッ!!)

 

 

「…………」『Boost!!』

 

ん?なんだ?今の音は……。

 

じりじりと間合いをとる。

 

しばしの膠着の後……。

 

 

「ハァッ!!」

 

掛け声と共にベジータが攻撃を仕掛けてきた。

 

しかし、わたしはそれを難なく防ぎきる。

 

直ぐ様距離をとったベジータは苛立ったように口を開く。

 

 

「チッ…完全体とやらのパワーアップも満更大ボラではなかったようだな」

 

何も言わずベジータへと振り向く。

 

 

「いえりゃああああぁぁぁぁァァァッッ!ダァァッッ!!」

 

わたしとの距離を詰め連撃を放ってくるベジータ。

 

だが、わたしはそのすべてを完璧に防ぎきる。

 

 

「デヤアアァァッッ!」

 

気弾を放ち。追撃をかけてくるが、わたしには一発も当たらない

 

空に逃げ。気弾上手く躱わしていく。

 

 

『Boost!!』

 

「またこの音声か……ん?」

 

気がつくと上からも気弾が迫ってきていた。

 

 

「逃げられんぞ!」

 

 

【ドドドドドドドッゴーンッッ!】

 

わたしを気の爆発が包み込む……。

 

かに見えた……。

 

 

「フフフ…流石はベジータ。今の攻撃はなかなか良かった」

 

 

「……ふざけやがってェェッッ!喰らえェェッ!」

 

怒りに身を任せ気弾を放ってくる。

 

哀れだな…。そんなものがわたしに通じると思っているとは……。

 

 

爆煙が晴れ。わたしが無傷なのを確認するとベジータはさいど突っ込んでくる。

 

 

「……クッソオォォッ!!イエリャッ!!ダリャッ!!」

 

乱撃を繰り出してくるがわたしには当たらない。

 

急所を狙った蹴りを受け止め放してやる。

 

『Boost!!』

 

 

「ッ!!クッソオォォッ!!」

 

自身のオーラを爆発させ爆煙を振り払ったか……。

 

わたしはそこにはもういないがな……。

 

 

「フッフッフ……それにしても」

 

『Boost!!』

 

これはいったいなんだ?先程より力が沸き上がるようだ……。

 

っと、考え事をしてい場合ではなかったな。

 

ベジータがこちらに気がついたようだ……。

 

 

「デヤアアアァァ……ッ!!」

 

攻撃を防ぎ両腕を掴む。

 

 

「チッ…!な、舐めるなァァァッ!!」

 

ほう、掴まれたことを逆に利用してサマーソルトをしてきたか。

 

空に跳んで躱わすとしよう。

 

 

【シュタッ】

 

ふぅ、危ない危ない……。

 

おっと、また来るな。

 

 

「イエリャァァァッ!!ダーラララララッ!!」

 

当たらんよ、そんな攻撃程度ではな……。

 

攻撃を防ぎ、また距離を置く。

 

『Boost!!』

 

ほう、また力が沸き上がってくる。どうやら、この籠手は装着者の力を一定時間ごとに上げていってくれるようだな

 

便利な力だ……。

 

 

「……ッ!クソッタレめェッ!貴様!本気でやってないな!!」

 

何を言っているんだろうな……。

 

 

「だぁからウォーミングアップ(新たな力の実験台)だと言ったではないか……」

 

『Boost!!』

 

また上がったか…。そろそろ止まってほしいのだがな……。

 

『explosion‼』

 

おや?止まったようだな。さて……。

 

 

「本気でやりやがれ!オレにさんざんやられて頭にきてんだろう?セル!貴様は完全体になっても少しも変わってはいない!あのやられっぱなしの時と全く同じだ!悔しかったらこのオレに!完全体とやらのパワーを見せてみろ!」

 

ふむ…。言ってくれるじゃないか……。

 

 

「じゃあ、すこぉしだけ……」

 

一瞬でベジータの背後に回り込んでみたがどうかね?

 

 

「チッ…超ベジータとなったこのオレを舐めるなァァッ!」

 

ベジータの急所を狙った蹴りがわたしの急所に直撃する。

 

 

「……なっ!なにっ!?」

 

まあ、ベジータなどこんなものか……。

 

 

「……ばぁ」

 

すかさず距離をとるベジータ。

 

フフフ…流石に驚いているようだな……。

 

 

「フフフ…超ベジータか……」

 

 

「ぁ……ぁぁ……ぁ…」

 

この程度で動けなくなってしまうとは、哀れだな……。

 

 

「どぉしたのだ?さっきまでの勢いは……アァン?」

 

 

「……お、俺の渾身の力を込めた蹴りを…何故だ……」

 

聞こえてないのか?仕方のない奴だ……。

 

 

「どぉした?笑えよベジータ」

 

 

「ぁ……ぁぁ……」

 

 

【バキィッ‼】

 

 

「うがあァァァッ!!」

 

 

【ヒューーーンッ!!ドゴォーンッ!!】

 

凄いぞ、先程よりも数十倍もパゥワーが上がっている。

 

フフフ…これは良いものを手に入れた……。

 

吹っ飛んでいき海に落ちるベジータ。

 

こんなもので死にはしないはずだがな……。

 

見ていると、ベジータはなんとか上がってきた。

 

 

「おやおや、差が大きすぎて戦いがつまらないとお前が言った言葉をお返ししなければいかんかなぁ?」

 

確かにここまで差が大きいとつまらんなぁ……。

 

 

「フッ…クズが…ベジータ。残念だがウォーミングアップはお終いのようだ……」

 

わたしもそろそろ飽きてきたのでね。

 

 

「……クソッタレめェェ……!」

 

 

「別れる前に…礼を言わなきゃぁな…。

わたしが完全体になるのを手伝ってくれた。

お前の馬鹿さ加減にな……」

 

ベジータがもう少し賢ければわたしは死んでいたかもしれんからな……。ん?

 

 

「……結果が分かっているくせに無駄な努力は止すんだ。16号」

 

 

「ッ!?」

 

 

「お前はもうどうしようもないただのガラクタにすぎんのだ」

 

ガラクタなど壊しても面白くないのでな……。

 

ん?どうやらベジータの奴が何かをするらしいな……。

 

ベジータの輝きを増し、スパークが放たれ始める。

 

 

「いくら貴様が完全体になったといってもコイツをまともに受け止める勇気があるか!」

 

ほう、なかなか凄いエネルギーだ……。

 

 

「無理だろうな!お前はただの臆病者だ!」

 

 

「フッ……」

 

安い挑発だな…わたしを避けさせないためか、面白い、その挑発、受けてやろうではないか!

 

 

「止めてくださーいッッ!地球が!地球そのものがあぁッ!」

 

 

「ファイナル!フラァァァァァッシュッッ!」

 

極太のエネルギーの奔流がわたしに向け放ってくる。

 

 

「し、しまっ…なんちゃって」

 

【パァァァァンッ!】

 

片腕だけでわたしはエネルギーを宇宙の遥か彼方へと弾き飛ばす。

 

なかなかのパゥワーだ…。元のままなら半身が吹き飛んでいたかもしれんな……。

 

まあ、吹き飛ばされても痛くも痒くもないのだが……。

 

 

「な、なにッ!?ば、バカなッ!」

 

 

「さてと、そろそろ殺してしまうか……」

 

ベジータに歩み寄る。

 

 

「クッソオォォ!ハァァァッ!!」

 

奴が気弾を放ってくるがそんなもの痛くも痒くもない。

 

 

「デリャリャリャリャリャリャッッ!!」

 

次々に飛んでくる気弾に爆煙と土煙があがるがわたしは気にせずベジータへと近づき殴り飛ばす。

 

 

【バキィッ‼】

 

 

「うわあぁぁぁぁ……!!」

 

吹っ飛んでいくベジータ。更に追いかけ空高く蹴りあげる。

 

 

「うぐあぁぁぁぁぁ……!!」

 

すかさず空中でベジータの背後に回り込み、背中に思いっきり肘打ちを打ち込む。

 

 

「うごあぁぁ……!!」

 

 

【ドゴオォンッ!!】

 

奴は地面に叩きつけられ意識を失ったようだ。

 

その証拠に金髪が黒髪に戻っている。

 

 

「ハハハ!しぶとい奴だ。すぐ楽にしてやるぞベジータ」

 

ベジータに止めの一撃を放とうとした時。ふと、大きな気を感じわたしはそちらを見る。

 

すると、そこには気を大きくあげたトランクスの姿があった。

 

その姿に雲の流れが早くなる。

 

変化したトランクスがわたしのもとに降りてくる。

 

 

「お前を殺すぞ…。セル」

 

殺すか…。大きく出たな……。

 

 

「フッ…強気な台詞だな。トランクス」

 

ベジータへの止めを止め、わたしはトランクスと向かい合う。

 

 

その間に気を失ったベジータは孫悟誠に運ばれていくのだった。

 

アイツ、まだ生きていたのか……。

 

まあいい、今はコイツのほうが興味がある……。

 

わたしはトランクスの底力に胸を高鳴らせるのだった。




オッス!オラ悟空!

セルの奴強え!パワーアップしたトランクスでも歯がたってねえなんてよ……。

こりゃ、相当鍛えねえとやべえかもしんねえぞ!


次回!龍に選ばれし赤龍帝!

龍帝セルの本気!猛攻に耐えろトランクス!

ぜってえみてくれよな!

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