竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじ……。

ベジータを助けるべく一人果敢にセルに挑んだトランクス。

しかし神器を覚醒させたセルの前には超サイヤ人を越えた状態でも歯が立たなかった……。

一方でバーダックに交代した悟誠はベジータに追撃をかけていた。

トランクスの運命は!


十日後に備えろ!セルを越えろ!孫一家

sideバーダック

 

 

ベジータ王子と別れてから数分。

 

オレはセルのところへと戻っていた。

 

オレも根っからのサイヤ人だ。王子の考えることも分からねえでもねえ……。

 

だが、生まれ変わりの奴は違う、あいつは元々人間だった。

 

だからアイツの思っていることをオレが王子に話した。

 

アイツがあのままいけば覇龍を発動させかねなかったからな。

 

18号…いや、恩人を売られてアイツの精神状態はギリギリだった。

 

いつ神器を暴走させてもおかしくない状態だった。

 

なんとか理性があるうちに交代出来たから良かったものの、

もしあのまま生まれ変わりが神器を暴走させてたらセルはおろか、この星は宇宙の塵になっちまってただろうな……。

 

と、そんなことを考えてるうちに近づいてきたな。

 

 

『バーダックさん…変わってもらえますか?』

 

なんだ、生まれ変わり。もう平気なのか?

 

 

『はい、なんとか落ち着きました。ご迷惑をお掛けしてすみません……』

 

別に構わねえよ…。そんじゃ近くに降りてから変わるぞ。

 

 

『お願いします……』

 

オレは近くの陸地に降り立ち体をアイツに返すのだった。

 

 

sideout

 

 

side悟誠

 

 

バーダックさんに体を返してもらった俺はトランクスのところへと向かって飛んでいた。

 

トランクスの気が極端に小さくなってる…。

 

対してセルの気はデカイまま…無事だと良いんだが……。

 

 

 

しばらく飛んでいるとセルの気が遠ざかっていくのを感じた。

 

トランクスの気はまだ感じる…。急がねえと!

 

俺は急いで先ほどの場所に向かうのだった。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

目的地に辿り着くと、そこには地面に手をついているトランクスの姿があった。

 

 

「よかった、無事だったか…。」

 

俺はトランクスの近くに降りていった。

 

 

「……悟誠さん…ですか?」

 

 

「トランクス、無事でよかった……あぁ、俺だよ」

 

そう言っているとベジータが俺達の近くに降りてきた。

 

俺は気にせず続ける。

 

 

「いったいここで何があったんだよ?」

 

 

「…………」

 

悔しそうにするトランクスを見てベジータが業を煮やしたのか俺達に背を向けながら声をかける。

 

 

「セルはどうした?」

 

俺も気になってその返答に耳を傾ける。

 

 

「すみません…オレではどうすることもできなかった……」

 

 

「フンッ…当然だ…貴様ごときにあの完全体となったセルを倒せるわけないだろう!」

 

お前がさせたんだろうが……。

 

俺の中で黒い感情が沸き上がる。

 

しかしすんでのところでそれを押し込める。

 

すると、左手の宝玉が緑色に点滅しドライグの声が聞こえてきた。

 

『いや、ベジータ。それだけではないアイツは俺達の神器を使っていた』

 

 

「なんだって!?」

 

それに反応したのはトランクスだった。

 

ドライグは続ける。

 

 

『ただの完全体とやらならお前達があそこまで圧倒的にやられはしなかっただろう…だが、奴は確かに神器をしようしていた。あれは所有者の能力を十秒ごとに倍にしていくものだ…だからベジータ。お前のとっておきもあっさりと防がれた……』

 

 

「……認めたくないが、もしそれを使っていなかったとしてもオレは負けていただろうぜ…ソイツもな」

 

 

「…ッ!!」

 

それほどまでの相手なのか…?セルは……。

 

どうすればいい、アイツはどうやったら倒せるんだ……。

 

 

「……アイツは武道大会を開くと言っていました。」

 

 

「ぶ、武道大会!?そんなこと言ってたのか!」

 

これってあれだよな?たしかドラグ・ソボールにもあった……。

 

 

「けど、誰が参加するんだよ!俺達でもなんともなんなかった相手によ」

 

しばし、沈黙が俺達を包む……。

 

最初に口火を切ったのはトランクスだった。

 

 

「……オレ、オレ…悟空さん達が出てきたらもう一度精神と時の部屋に入るつもりです」

 

 

「……え?」

 

しかしそれを否定する声があったベジータだ。

 

 

「貴様もカカロットも小僧も必要ない!」

 

 

「「え…?」」

 

 

「このオレが後一日あの部屋を使えば…それで済むことだ」

 

コイツ…まだそんなこと言ってんのか?あれだけコテンパンにやられておいて……。

 

すると、もう一人声をかけてくる者がいた。

 

 

「お、オレも……オレも大会に出る」

 

 

「!!」

 

 

「16号…けど……」

 

そんなボロボロじゃ……。

 

 

「頼む…オレをカプセルコーポーレーションまで連れていってくれ…くっ……」

 

そうか!ブルマさんのところなら!

 

 

「母さんの所へだって!」

 

 

「トランクス落ち着け、分かった。俺が連れてってやるよ」

 

 

「悟誠さん!」

 

トランクスが信じられないといった声をあげる。

 

 

「大丈夫だ、トランクス。コイツはそんな悪い奴じゃないから俺はコイツのターゲットの一人だけどこんな状態なら俺が圧倒的に上だ」

 

それを聞いてトランクスは黙り混んでしまった。

 

 

「感謝する…孫悟誠」

 

 

「いいさ、じゃあさっさと行こう」

 

 

「……すまない」

 

こうして俺は16号を抱えてカプセルコーポーレーションに飛んでいくのだった。

 

オマケ二人を連れて……。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

カプセルコーポーレーションに着くとブルマさんの母さんが庭に出ていた。

 

ブルマさんの母さんはベジータが降りてきたことに気づくと声をかけていた。

 

俺はブルマさんがいるか訪ねようと口を開いた。

 

 

「あの、すみません…ブルマさんいますか?」

 

 

「はい?」

 

はい?って呑気な人だな……。

 

 

「あ、あの…ブルマさ「よぉ、悟誠!」ん?」

 

声のした方を見るとブルマさんのお父さん…ブリーフ博士がこっちに来ていた。

 

 

「ブルマならさっき連絡が入ってな?今こっちに向かっておるそうだよ」

 

 

「そうっすか…まだ帰ってきてないんすか」

 

落胆しているところに聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

『おーい!!』

 

この声は!亀のじいさん!

 

見上げると小型の飛行機が俺達の近くに降りてきていた。

 

飛行機が着陸すると亀のじいさん達が降りてきた。母さんやクリリンさんも一緒だ。

 

 

「亀のじいさん!」

 

俺はじいさんのもとに駆け寄る。

 

 

「亀仙人か武天老師様と呼ばんか…まあよい、ブルマからみんながカプセルコーポーレーションに戻ると言う連絡が入ってのう」

 

 

「亀ハウスにいても状況がさっぱりわからなくてな……」

 

そう話すのはヤムチャさん。

 

 

「いてもたってもいられなかったから俺達も来たんだ」

 

そう説明してくれるのはクリリンさん。

 

 

「悟誠!悟飯ちゃんはどこだ!」

 

顰めっ面でそう聞いてくる母さん。

 

そんな心配しなくても……。

 

 

 

「悟飯と父さんだったらまだ天界です。俺だけ先に出てきましたから」

 

 

「はぁ……まだかぁ」

 

落ち込み方が半端じゃないな……。

 

俺は母さんを必死に慰めながらカプセルコーポーレーションの中に入っていくのだった。




オッス!オラ悟空!

オラ達の修行が終わったぞ!

後は武道大会まで特訓だ!

次回!龍に選ばれし赤龍帝!

修行終了!大会まであと九日

ぜってえ見てくれよな!

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