赤龍帝の力により、超サイヤ人2を更に越えた変身を遂げた悟飯。
その力は完全体セル(神器ver)を凌駕していた!
しかし油断をしたことによりセルを自爆にまで追い込んでしまい、悟空が界王と共に犠牲になってしまう……。
悟空が死に、哀しみに暮れるなか、セルは前よりもパワーアップして戻ってきた……。
しかし、悟空を失った悲しみにより神器を暴走させ、覇龍を発動させてしまった悟誠によって、セルは跡形もなく消し飛ばされるのであった……。
side悟飯
「おおおおおおおおおんっ!」
更地となった荒野で赤い龍が吠える……。
赤き龍となった悟誠兄ちゃんが空を見上げて哀しそうに叫ぶ……。
倒すべき敵はもういない、セルは悟誠兄ちゃんが跡形もなく消し飛ばしてしまったから……。
だけど、それだけでお父さんを失った哀しみが消える訳じゃない……
その相手がいなくなったところでお父さんはもう戻ってこないのだから……
(おーい!聞こえっか?悟飯!オラの声届いてっか?)
不意に頭の中に声が聞こえてくる。
それは紛れもなく死んだお父さんのものだった。
「お、お父さん!?どこ!」
(あの世さ、界王さまに手伝ってもらって喋ってんだ!そうだ、それよりよ、界王さまから聞いたんだけんど、今悟誠の奴すげえんだって?)
そっか、界王さまがあの戦いを見てたんだ……。
「う、うん、悟誠兄ちゃんじゃないみたいになってるよ……」
(元には戻らねえんか?)
「それが…戻る気配がないんだ…セルは倒したのに……」
(そうか……悟飯、良く聞けよ?悟誠が今なってんのは覇龍っちゅう神器の暴走かもしれねえんだ、あの状態を放って置いたらアイツはいづれ死んじまう)
「え!?そ、そんな…僕はどうしたら……」
悟誠兄ちゃんが死ぬ?お父さんだけじゃなくて悟誠兄ちゃんまで……?
(それはオラにもわかんねえ、けど悟飯、アイツを戻せんのはおめえしかいねえとオラ思う)
「え?ぼ、僕が…?」
(あぁ、ホントはオラが止めに行ってやりてえとこなんだが、オラもう死んじまってるからな……。
だから悟飯!おめえがやるんだ!おめえの大好きな兄ちゃんを元に戻してやれ!)
「わ、分かりました!どうやるかわからないけど、やってみます!」
(それでいい、頼んだぞ、悟飯!)
そうして声は聞こえなくなっていった。
「はい!見ていてください、お父さん!僕が必ず悟誠兄ちゃんを戻してみせるから」
僕は赤龍帝となった悟誠兄ちゃんを見る。
「おおおおおおおおおんっ!」
悟誠兄ちゃんは相変わらず空に向けて咆哮を続けていた。
まずはどうしたら戻せるかだ、悟誠兄ちゃんはお父さんが死んだことによって
ということは、その哀しみを塗りつぶすほどの大きな衝撃を与えれば、もしかしたら……
「けど、感情の上塗りなんてどうしたら……」
悟誠兄ちゃんの好きなものはなんだったかな…?
僕がそんな風に考えていると不意に後ろから声が掛けられる。
「困っているみたいじゃないか、孫悟飯…。手を貸そうか?」
その言葉に振り替えると、そこに立っていたのはセルから吐き出され、気を失っていた人造人間18号だった。
「じ、18号…どうして……」
僕が驚きを隠せないまま問うと、彼女は小さく苦笑して話す。
「私もアイツにはちょっと思うところがあってね、あのまま放って置いたらアイツ、死ぬんだろ?」
「っ!?な…なんでそれを……」
どうして知ってるんだ?これは僕とお父さんしか知らないはずなのに……。
「なんでって、あの様子を見てりゃなんとなく察しはつくからね…。それはこっちとしても後味が悪いからね、今回だけ協力してやるよ」
そう言って顔を背ける18号、良く見ると、顔が貸すかに赤くなっていた……。
悟誠兄ちゃん、いったいあの後何してたんだろ?
と、余計な思考は一旦捨て置き、僕は意識を悟誠兄ちゃんの方に向ける。
悟誠兄ちゃんの好きなもの…確か…む、胸…だったよね?
良くブルマさんの胸を変な顔して眺めてたし……。
よくよく思い出してみれば18号との初戦闘時も胸をガン見してたし……。
それを考えると悟誠兄ちゃんにお…おっぱいを見せるか、触れさせれば戻せるかもしれない!
「18号、僕に協力してください!確実かは分からないけど、悟誠兄ちゃんを戻せるかもしれない作戦があるんです」
「へぇ、なんだい?その作戦ってのは」
「それはですね……」
僕は作戦の内容を18号に説明する。
「な、なんだって!私がアイツに胸を触らせる!?なんだってそんなことをしなくちゃいけないのさ!冗談じゃないよ!」
「お願いします!これしか方法がないんです!」
僕は精一杯頭を下げる。
この作戦には18号の協力が必要不可欠だ、他の人でもいいかもしれないけど、今この場にいるのは18号しかいない……。
「っ!……分かった、けど、もし戻らなかったらアンタをハッ倒すからね!」
「ッ!ありがとうございます!」
作戦は決まった、後は実行に移すのみ!
必ず助けるからね!悟誠兄ちゃん!
sideout
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side18号
作戦を聞いた私達は空に向けて吠える赤い龍の近くへとやって来ていた。
「じゃあ、作戦通りにお願いします!」
「あぁ、アンタもヘマすんじゃないよ」
「はい!」
そう言うと孫悟飯は赤い龍に近付いていった。
作戦の内容はこうだ……。
まず、孫悟飯がアイツの気を引いて暴れないように弱らせる。
アイツが動けなくなったところで、私が近づいて胸を触らせる。
といった単純なものだ……。
正直そんな作戦で大丈夫なのかって不安な気持ちで仕方ないんだけど、あの時の事もあって全否定は出来なかった……。
そう、アイツが赤い鎧に包まれた時も……。
『18号、お前のおっぱいをつつかせて欲しい』
セルから逃げていた私達の前に現れて言った第一声がそれだったんだからね……。
あの時は驚いたよ、私を壊しに来たのかと思ったらそんなことを言い出したんだから……。
けど、それで思ったんだ、コイツに人生預けてみるのも悪くないかもしれない…ってね……。
だから孫悟誠、勝手に死ぬんじゃないよ?
私の胸を触った責任はアンタの一生を掛けて償ってもらうんだから……。
そうしている間にも状況は変わっていってるね。
どうやら赤い龍は孫悟飯相手には本気が出せないらしい……
孫悟飯に多少の傷は見えるけど、致命傷になるほどの傷はひとつも付いていないのが何よりの証拠だね。
そうこうしている間に、孫悟飯がアイツの体力を削っていき、やがてアイツが膝を着き動かなくなった。
そろそろかもね……。
私は赤い龍の前に飛んでいき、目の前に降り立つ。
「……ッ!」
へぇ、驚いてるみたいだね、これは少しは理性が戻ってきているってことか?
なら、後一押しだね!
私はペロンと胸元をはだけさせ胸を露わにさせる。
「ほら、アンタの好きなものだ、好きなだけ触るといい」
「……う、うぅ…お…おっぱい…」
反応があったね、まさか本当にこれでイケてしまうんじゃ……。
「ほらほら、どうした?触らないのかい?」
試しに煽ってみる。
「うぅ…おっぱい…じ…じゅうはちごう……」
ッ!私の名前が出てきた、後少しか?
「触りたいんだろ?そら♪」
「う…うぅ…おっぱい…ずむすむ…いやーん…」
なんだいそれは…何かの呪文か?
そんな言葉と共に伸びてきた龍の腕が私の胸をつつく……。
【ムニュッ】
「んっ…」
声が出そうになるのを辛うじて抑える。すると……
【パアアァァッ】
赤い光が光が輝いた瞬間、奴の鎧が光の粒となって消え去り、アイツが出てきた。
「悟誠兄ちゃん!」
それを見て慌てて駆け寄る孫悟飯、私も衣服を正して近付く。
「スゥ…スゥ…おっぱい…」
なんだい…その寝言は……。
「これでいいんだね?」
「はい、本当にありがとうございました18号さん」
おや?さっきまで呼び捨てだったのに、コイツが元に戻った途端にこれだなんて、現金な奴……。
まあいいか、コイツも元に戻ったんだ。今はその喜びに浸ろうじゃないか……。
オッス!オラ悟空!
クリリン、おめえ結婚してえっていってたのに相手いねえんか?
ん?悟誠おめえなにしてんだ?
いぃっ!?クリリンの花嫁を甦らせるぅ!?
次回!龍に選ばれし赤龍帝!
クリリンに春!?クリリンの花嫁は誰だ!
ぜってえ見てくれよな!