義父、孫悟空の死とセルの言葉無慈悲な言葉によって覇龍を発動させてしまった悟誠。
しかし、そこで目覚めた18号と悟飯の活躍によりなんとか元に戻ることに成功する。
これはその戦いから少し時間が飛んだ話……。
クリリンに春!?クリリンの花嫁は誰だ!
side悟誠
よっ!俺、孫悟誠!
セルとの戦いから一年、俺は今17歳だ。
俺は覚えてねえんだけど、あの時の話を他の皆さんから聞いた。
父さんと共に死んだはずのセルがより強力になって戻ってきたこと……。
セルの言葉で俺が神器を暴走させてしまったこと……。
暴走させ、発動させてしまった
18号と悟飯の活躍でなんとか元に戻れたこと……。
俺はそれを聞いたとき驚きで声がでなかったよ……。
だって父さんが死んでからの記憶が全く残ってねえんだから…。
次に気がついたのは神殿だったんだ。
そこでは皆さんが
セルに今まで殺された人達を蘇らせてほしいということ…。
もうひとつは、俺の願いで17号と18号の体内にある起爆装置を取り除いてもらうことだった…。
本当は父さんを蘇らせたり、18号達を人間に戻してもらいたかったんだけど、それは
途中、デンデの提案でポルンガに頼んで生き返らせてもらうという案も出たんだが、それはあの世から声をかけてきた父さんの拒否によって取り下げられた。
その後はピッコロさんとデンデ、そして他の皆さんと別れを告げ、トランクスが未来に帰るときに見送りにいく約束をして、俺達は自分の家へと帰っていった。
帰ってからは大変だった…。
母さんに、父さんが死んだ事を説明して泣き崩れた母さんを宥めるのがとにかく大変だった……。
その翌日には、カプセルコーポレーションに向かい、トランクスが未来に発つ見送りに出向いたりもしたな……。
アイツ、ちゃんと人造人間を倒せたのかな?
と、そんなことがなんだかんだあって一年後……。
俺はカメハウスへと遊びに来ていた。
悟飯は家で勉強中だ…。
「はぁ……」
そうため息を吐いているのはクリリンさんだ。
「なーに湿気た面してため息なんか吐いてんすか?そんなことしてたら幸せが逃げますよ?」
「はぁ…お前は良いよなぁ悟誠…あんな可愛い彼女がいてよ…それに比べて俺なんか…前の彼女には逃げられちまうし…はぁ…」
うわぁ…物凄い落ち込みようだ……。
「ここ最近ずっとこうなんじゃ、しばらくは気に掛けてはおったんじゃが、今日は一段と酷いのぉ」
そう話すのは亀仙人こと亀のじいさん。
そっか、クリリンさんって良く…『一度でいいから結婚してえ』って言ってたもんな……。
ってか俺はそれ以前にクリリンさんに元カノがいたことが驚きなんだけど!?
『それは流石に失礼じゃないかしら?あんなに逞しくて格好いいのだから彼女の一人や二人居てもおかしくはないと思うのだけど』
不意にエルシャさんが声をかけてくる。
(そうは言ってもですよ?エルシャさん。あのクリリンさんがですよ?あ……)
と、そこまで言って俺は察してしまった。
(エルシャさん、ひょっとしてクリリンさんに気があったりします?)
『……な、なんのことかしらね…』
明らかに上擦った声が返ってきた…。
これは黒だな、確定だ……。
だが、これならクリリンさんにも可能性があるかもしれない!
「クリリンさん、もしよければ俺がクリリンさんに相手を探してきますけど…どうすか?」
するとクリリンさんはガバッと顔をあげ、俺に飛びかかるように胸ぐらを掴んできた。
「ほ、ホホホ…ホントか!?」
ちょっ…首絞めながら聞いてこないでくれ…死ぬ……。
「ぐ、ぐりりんざん…じぬ…」
「あ…悪い」
そこで自分が何をしているか理解したのか、ようやく手を離してくれた。
「ゲホッ…ゲホッ…!あー苦しかったぁ…
さっきの質問の答えですけど、イエスです。実はちょっと心当たりがあるんですよ」
「そ、そうなのか?でも、それだと悟誠にもその人にも迷惑かかっちまうんじゃないか?」
「その辺りなら大丈夫ですよ、俺は暇でしたし、あの人も会うときは大体暇してる方なので、『それに、結構な美人ですよ?』」
「ッ!!」
最後の方をコソッと耳打ちしてやるとピクッと反応した。
「そ、そうか…じ、じゃあ頼んでもいいかな?」
乗ってきた、これで決まりだな!
「任せてください、あの人は結構遠くに住んでるので連れてくるまでに時間が掛かると思いますけど、ちゃんと連れてくるのでそれまで待っていてください」
「あ、あぁ…わかった…。頼んだぞ、悟誠」
「はい!」
「じゃあついでにワシにもピチピチギャルを連れてきてくれんかのぉ…」
「それはじいさんが自分で行ってナンパした方が良いんじゃねえかな?」
それだけ言って俺はカメハウスを後にした。
向かう先はカプセルコーポレーションだ……。
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「お、見えてきた!」
カプセルコーポレーションの建物が見えてきた。
俺は高度を落とし、その敷地内に降り立つと中に入っていく。
受付の人に用件を話し、ブルマさんのところまで案内してもらう。
「お久しぶりです。ブルマさん」
案内された部屋で俺はブルマさんに挨拶する。
「あら、悟誠くんじゃない!久しぶりね~…。元気にしてた?」
「だぁぶぅ…」
「あはは、はい、それなりには…。
お?トランクスも久しぶりだなぁ!元気だったか?」
「キャッキャッ!」
指を差し出すとその小さな手で握り返して嬉しそうに笑っていた。
「もうあれから一年になるのよね…それで、今日はどうしたの?」
「あ、えっとですね…ちょっとドラゴンレーダーを貸してもらいたくって」
「え?ドラゴンレーダー?ドラゴンボールを探すの?」
不思議そうな顔をして聞いてくるブルマさん。
「えぇ、ちょっと叶えたい願いがありまして……」
するとブルマさんの目がスッと細められる……。
「……まさかとは思うけど、世界中の若い女性にモテたい…だとか言うつもりじゃないでしょうね?」
・・・・・え?
「いやいやいや!!そんなアホなことじゃないっすよ!」
そもそもそんなことお願いしようものなら18号に半殺しにされちまうし……。
「ふーん…まあいいわ、ドラゴンレーダーならそこの引き出しに入ってるから持ってっていいわよ」
そう言ってあるタンスを指すブルマさん。
「ありがとうございます!じゃあちょっと借りてきますね」
俺はそのタンスからドラゴンレーダーを探し当てると、それを手にカプセルコーポレーションを後にするのだった。
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ドラゴンボール集めはすぐに終わった。
まあ、海の中にあったり野性動物満載の草原にあったりと回収はそれなりに難航はしたが…まあ比較的楽に済んだ。
そして俺は人が誰もいない無人島で一人、集めたドラゴンボールを広げていた。
【トクンットクンットクンットクンッ】
七つのドラゴンボールが脈打つように光を点滅させている。
そして俺はある呪文を口にした。
「出でよ
するとドラゴンボールがいっそう強く輝きを放ち、空が黒く覆われる。
そして七つの玉から眩い光が天に向けて放たれ、やがて一体の龍となった。
龍は俺を見て重苦しい口を開いた。
『さあ、願いを言え、どんな願いも二つだけ叶えてやろう……』
叶えてもらう願いはもう考えてある!
「俺の中に眠る先代の赤龍帝であるエルシャさんを甦らせてくれ!」
『……それは出来ない、何故ならその者の肉体は当の昔に滅びているからだ』
そんな……。っ!なら!
「じゃあそのエルシャさんの肉体を創ることはできますか?」
『それならば可能だ』
良かった、これならなんとかなりそうだ……。
「じゃあ一つ目の願いです!エルシャさんの肉体を構築してあげてください!」
『承知した……(キュイーンッ)』
すると、俺の目の前に横たわる女性が現れた。
エルシャさんの肉体だ。
『衣服はサービスだ…。願いは叶えてやった、さあ、次の願いを言え……』
「じゃあ二つ目です。俺の中に眠るエルシャさんの魂をこの身体に蘇らせてください!」
『容易いことだ……(キュイーンッ)』
再度、
「…………」
ムクリと起き上がり不思議そうに自信の身体を見つめる女性……。
『願いは叶えてやった……さらばだ!』
そして空模様は元の青いものに戻る。
俺はそれを見届け、目の前の女性に顔を向ける。
「どうですか?エルシャさん、久方ぶりに甦った感想は?」
「悟誠くん、なんだか不思議な感じ…。またこの身体で大地を歩けるだなんて思っても見なかったから……」
立ち上がり軽く延びをするエルシャさん。
「でも、どうして私を急に甦らせようだなんて思ったの?」
「それはすぐにわかりますよ、とりあえず俺に掴まってください」
「え、えぇ……」
訝しげにしながらも背中に乗ってくるエルシャさん。
背中に当たる柔らかい感触とちょっと固い感触が当たる。
物凄く気持ちがいいが、後で18号にボコボコにされるんだろうな……。
と、少し憂鬱な気持ちになりながら俺はカメハウスまで飛んでいくのだった。
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「ご、ごごごご悟誠…だだだ…誰だこの綺麗な女性は……!!」
「うっひょーっ!ピッチピチギャルじゃあ~!」
カメハウスに到着すると、顔を真っ赤にして慌てふためくクリリンさんと同じく顔は赤いが、別の意味で鼻息を荒くしている亀のじいさんがいた。
「悟誠くん、まさか私を蘇らせてくれた理由って……」
エルシャさんが何かに気付いたように聞いてくるが俺は無視してクリリンさんに話しかける。
「クリリンさん、紹介しますね、こちらが俺の知り合いのエルシャさんです。クリリンさんに紹介したかった人ですよ」
「そ、そそそそうなのか?」
「はい!ほらほら、慌ててないで挨拶してあげてください」
トンッと軽くその背を押してやる。
クリリンさんはそれに押されるようにして数歩歩き、エルシャさんの前に立つ。
「え、えーっと…初めまして…ですよね?
オレ、クリリンって言います…よろしく」
しどろもどろになりながらもなんとか自己紹介をするクリリンさん。
対するエルシャさんもあまり変わらない様子で……。
「は、はい……初めまして…私はエルシャと…も、申します……えっと…よろしくね」
「ウヒョー!初々しいのぉ!!」
「はいはい、亀のじいさんは少し俺とこっちに来ような~」
蒸気機関車のようにヒュポーッヒュポーッ!と、鼻息を荒くしている亀のじいさんを俺は屋根裏部屋まで引き摺っていく。
「ま、待て!待つんじゃ悟誠!もう少しあと少しだけぇ!!」
「駄目だぜ?じいさん、俺達は向こうで熱い語り合いでもしようじゃないか」
亀のじいさんを連行しながらそっと二人の様子をうかがう。
お互いに顔を真っ赤にして俯いてしまってはいるが、きっとあの二人なら大丈夫だろうと、心のどこかで納得してしている俺がいた。
(頑張れよ、クリリンさん!もう春はすぐそ目の前なんだから!)
そう心の中で応援して、俺は亀のじいさんと共に屋根裏部へと入っていくのだった。
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数日後、カメハウスに様子を見に行くと、なんとも仲睦まじい様子の二人がいて俺は深く安心するのだった
オッス!オラ悟空!
悟誠の奴、18号に振り回されてんなぁ……。
あっちに連れてかれちゃあこっちに連れてかれ、おまけに17号の相手もさせられてっぞ…。
悟誠、大変だろうけど頑張れよ!
次回!龍に選ばれし赤龍帝!
頑張れ悟誠!18号とのハチャメチャデート!
ぜってえ見てくれよな!