竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

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前回までの龍に選ばれし赤龍帝……。

自身の正体を隠して生活したい孫悟飯は良い方法はないかとカプセルコーポレーションを訪ねる。

「あるわよ、あたし天才だもん」

「じゃあ、デザインは兄さんの鎧みたいにしてください!」

天才、ブルマの提案と悟飯の要望で、変身スーツを作ってもらうことになった悟飯。

出来上がったスーツは悟誠が良く着けている赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)の色違いのものであった。

その出来に満足した悟飯は足早に家へと帰っていくのであった……。


初実践!?頑張れ悟菜帝!

side悟飯

 

 

こんにちは、孫悟飯です。

 

ブルマさんに変身スーツを作ってもらった僕は、金斗雲に乗って帰路に着いている最中です。

 

 

「頼むよ金斗雲、遅くなっちゃったから全速力でな!」

 

その言葉を聞いた金斗雲は速度をあげてくれます。

 

けど、しばらく飛んでいて、僕は良いことを閃いたんです。

 

 

「ん?そうか、変身した格好で学校まで行けば、僕だとバレずにもっと早く行けるんだ…」

 

そうと決まれば早速やってみよう!

 

僕は金斗雲から立ち上がり話しかけます。

 

 

「そうと決まったら競争してみようか金斗雲!」

 

そうして僕は腕時計の赤いボタンを押します。

 

 

【ブウゥゥンッ】

 

たちまち全身が緑色のスーツに包まれます。

 

そのまま武空術を使い、金斗雲と並走するように飛び始めます。

 

 

「行くぞ!よーい!どん!」

 

僕の掛け声を合図に金斗雲との競争が始まりました。

 

最初は金斗雲に合わせるように横を並んで僕は飛んでいきます。

 

よーし、そろそろ少しだけ本気を出してみるか…。

 

そう考え、僕は速度を少し上げます。

 

みるみる間に金斗雲との距離が空いていきます。

 

 

「ほらほら金斗雲!もっともっとスピード上げるぞ!」

 

そのまま僕は更に速度を上げ金斗雲との距離を空けていきます。

 

そうしてしばらく飛んで町の上空まで差し掛かったところで金斗雲を見てみると、かなりの距離が空いていました。

 

 

「へへっ…もうこんなに差がついちゃったぞ」

 

もう僕の方が金斗雲より早いんだなぁ…へへっ誰も僕だと気がつかないんだろうな……。

 

と、少しだけ優越感に浸りながら街の上を飛んでいると、ある光景が目についたんです。

 

それは、街中を一台の暴走車が他の車を追い越しながら凄いスピードで走り回っているというものでした。

 

危ないな…止めに入らないと!

 

 

「暴走車発見!」

 

僕はそのまま暴走車目掛けて急降下していくのでした。

 

 

 

 

___________________

 

 

 

 

スピードを落とすことなく走り続ける暴走車に僕は近づきながら降りていきます。

 

 

「(もう変身してるけど…)へんしーん!たあっ!」

 

そうして僕は暴走車の前に降り立ちます。

 

 

【キキキキキーッ!!】

 

慌てて急ブレーキを踏み込む暴走車。

 

そのまま僕の目の前まで来たところでなんとか止まりました。

 

暴走車に乗っていた運転手と同乗者が怒鳴ります。

 

 

「こ、このクソッたれ野郎!死にてえのか!」

 

 

「コイツどこから来たんだ!?」

 

この人達、自分が何をしてるか分かってないな…?

 

 

「そんな無茶な運転をするんじゃない!人を引き殺すとこだったぞ!」

 

そう言って僕は運転手を指差しながら更に言います。

 

 

「これからは街の中では安全運転をすると私に誓え!」

 

これで納得してくれるといいんだけど……

 

そう思ってる僕の考えを他所に運転手と同乗者は車からおりてきます。

 

 

「なんだとぉ?ちょっとカッコいい格好しやがって!なに抜かしやがるこの変人野郎!」

 

 

「何者だてめえは!」

 

 

「え?な、何者…?そうだなぁ…えっと…」

 

そういえば変身後の名前を考えてなかったな……。

 

何がいいんだろう…どうせなら悟誠兄さんやあの赤いドラゴンから取りたいし…よし!兄さん!あのポーズ、お借りします!

 

 

「そうだ!私は!正義を愛し悪を許さぬ者!またの名を悟菜帝!」

 

兄さんが変身した時ののようなポーズを取りながら僕は高らかに宣言します。

 

その言葉に、今まで怒鳴っていた運転手達が呆けた顔をしていました。

 

 

「ご…ごさい…」

 

「てい…?」

 

二人して顔を見合わせる運転手達……。

 

そのまま勢いよく大笑いを始めたんです。

 

 

「ダーハッハッハッ!ダッセェ!カッコはちょっと良いのに名前がダセェぜ!ダハハハハッアーハッハッハッ!」

 

 

「こ、こいつやっぱり変だぜ!やっちゃえやっちゃえ!アハハハハッ!!」

 

だ…ダサいだとぉ…!コイツらは!僕や兄さんを……ッ!

 

 

「…ッ!!バカにするなぁ!!」

 

 

【ドゴンッッ】

 

ま、まだ、僕だけなら許せた…けど、兄さん達のことをバカにするのは許せない!

 

みるみる亀裂が入っていく道路を見て笑いが止まる運転手達……。

 

もう一度僕は地面を思いきり蹴りつける。

 

 

【ビキビキビキィッッ】

 

やがて亀裂は暴走車の方まで延びていき、前輪のタイヤを落としました。

 

 

「一生懸命考えた名前だぞ!」

 

憧れの人をバカにされたも同然なんだ!いくら僕だって許さないぞ!

 

 

「……ごご…ごめんなさい…良く考えたら、とても良いお名前でした…」

 

 

「こ、これからは、安全運転しますぅ…」

 

よかった、分かってくれたみたいだ。

 

それを聞いて機嫌が良くなった僕は、落輪した車を引っ張りだし走れるように綺麗なところに置いてあげます。

 

 

「さ、さようなら…悟菜帝さん…」

 

そう言うと運転手達はそそくさと安全運転で走り去って行くのでした。

 

分かってくれたか、前途ある若者達よ……。

 

それを届けてから、僕は今度こそ家に帰るのでした。

 

あ、因みに競争は金斗雲の勝ちでした……。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

side悟誠

 

 

「なにやってんだ?悟飯のやつ……」

 

なにやら街中が騒がしいと思って来てみたら、禁手(バランス・ブレイカー)時の俺みたいなスーツを身につけた男が男二人と揉めていた。

 

しかも、何故か俺が変身時に良く使うポーズをしているじゃないか、何者だと思って気を探ってみると、義弟の悟飯だということがわかった。

 

何故か知らないけど『悟菜帝』だなんて名乗ってるし、終いには笑われて道路にヒビ入れて怒ってるし……。

 

そんなんでいいのか正義のヒーロー……。

 

とりあえず悟飯、相手がビビってそそくさと帰っていったのをドヤ顔で眺めてるのはやめような?

 

『悟菜帝』が何処かへと飛び去るのを見届けた俺は、後日悟飯を注意しようと決心しながら18号の待つ家へと帰っていくのだった。

 




オッス!オラ悟空!

頑張ってんなぁ悟飯のやつ、勉強しながら正義のみかた?ってのもやってっぞ!

悟誠!兄ちゃんとして悟飯を助けてやってくれよ!


次回!龍に選ばれし赤龍帝!

ビーデル達を救え!赤龍帝と悟菜帝!

ぜってえ見てくれよな!

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