竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

81 / 105
前回までの竜に選ばれし赤龍帝……。

悟菜帝としてヒーロー活動をしていた孫悟飯……。

同じくヒーロー活動をしていたビーデルの危機を救うべく、仕事で様子を見ていた『赤龍帝』悟誠の援護のもと、ビーデルを見事救出するのであった。


守り抜けるか!悟菜帝の秘密!

side悟飯

 

 

 

「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ!悪を倒せと僕を呼ぶ!」

 

 

「古い!決め台詞を決める時はビシッと決めろ!」

 

ビシビシっとポーズを決める兄さん。

 

 

『悪を許さぬ正義の戦士!悟菜帝!!見ッ参!!!』

 

赤い鎧の格好で台詞と共に見事にポーズを決める兄さん。

 

 

「凄い...そうすればカッコよく決まりますね!」

 

 

「あぁ、お前の奴はどうもカッコが付かないからな、決める時は決める!ビシッとな」

 

 

「はい!じゃあ...」

 

どんなものにしよう...そうだ!

 

 

「悪が蔓延る世の中に!正義の光をもたらさん正義の皇帝!!!悟菜帝!!!」

 

台詞を考え、兄さんの見様見真似でポーズをとる。

 

 

「これならどうですか?兄さん?」

 

今まで黙ってみていた兄さんが口を開いた。

 

 

「...台詞はいいがポーズが甘い!もう一度!!」

 

 

「えぇぇぇぇぇええええっっ!」

 

そうして、しばらくの間、僕は兄さんとの特訓に付き合わされたのでした......。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

別の日......。

 

 

「行ってきまーす!」

 

僕は学校に向かう為、いつものように家を出ます。

 

外に出てすぐ飛び上がり、正体がバレないよう悟菜帝へと変身します。

 

 

「さて、出発だ!」

 

僕が速度を上げようとした時、声を掛けてくる物がいました。

 

 

「にいちゃーん!!」

 

振り返ってみると、そこにいたのは筋斗雲に乗った悟天でした。

 

 

「おにいちゃんいってらっしゃーい!」

 

 

「悟天、上手く筋斗雲に乗れるようになったなぁ!」

 

 

「ははっおにいちゃんもかっこいいよ!」

 

そうか、悟天も分かるか、このカッコよさが......。

 

 

「へへっじゃあ行ってきまーす!」

 

 

「ばいばーい」

 

悟天に見送られて、僕はスピードを上げたのでした。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

サタンシティの近くまで差し掛かった頃......。

 

 

「そういえば、兄さんの内はこの辺りだったっけ、何処だったかな...」

 

そうしてきょろきょろと見回す。すると......。

 

 

「頑張って来いよー!!」

 

兄さんが手を振っていました。

 

兄さん...はい!頑張ってきます!

 

心の中で返事をし、僕は手を振り返して学校の方へと飛んでいくのでした。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

学校の近くに差し掛かった時でした。

 

 

「助かるなあ、この変身装置のおかげで遅刻の心配しなくていいし...。ん?あれは...」

 

ふと見ると近くを飛んでいく飛行機が目に留まりました。

 

操縦席を見てみると、そこに乗っていたのは、ビーデルさんでした。

 

 

「ビーデルさんだ、このまま学校に行くのは不味いぞ。仕方ないや...」

 

正体がバレるわけにもいかないので、僕は一旦ビーデルさんを撒くことにしました。

 

学校を通過し、そのまま飛び続けます。

 

こうすればビーデルさんは学校に降りてくれるだろうと信じて......。

 

 

 

しかし......。

 

 

「どういうつもりだビーデルさん。人を悪者みたいに追っかけて」

 

どういう訳か、ビーデルさんは僕を追いかけてきたのです。

 

雲の上に上がろうと、街の中に逃げ込もうと、何処までも追いかけてきます。

 

 

「しつこいな、仕方ない...」

 

僕は逃げるのを止め、その場で立ち止まります。

 

急に止まった僕を見て驚いたのか、飛行機が急ブレーキをかけます。

 

 

【キキキキキキキィィッ】

 

僕の目の前でギリギリ止まる飛行機。

 

 

「ちょっとアンタ!どういうつもりよ!危ないじゃない!」

 

飛行機から降りてきてご機嫌斜めのビーデルさん。

 

下手に喋るわけにはいかないし、仕方ない、兄さん、少し真似させてもらいます。

 

 

「お前こそどういうつもりだ!オレの後を着けまわして、何か用か?」

 

 

「え?いや、別に用って訳じゃ...」

 

 

「オレはこれでも忙しいんだ、用がないなら構わないでくれ」

 

 

「ごめんなさい、気を付けるわ...」

 

 

「分かってくれりゃいい、じゃ!」

 

それだけ残して、僕は再び飛びあがり、学校へと向かったのでした。

 

 

 

 

「......あれが、悟菜帝なのねって!?いけない!学校!」




オッス!オラ悟空!

街にまた悪りい奴らが出てきやがった!

悟飯!おめえの出番だ!い...?おめえが行くんか?悟誠...。


次回!竜に選ばれし赤龍帝!

復活の戦士!用心棒赤龍帝!

ぜってえ見てくれよな!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。