竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

82 / 105
前回までの龍に選ばれし赤龍帝......。

ビーデルと追いかけっこを繰り広げた悟菜帝こと孫悟飯。

はたして悟飯は無事に正体を隠し通すことが出来るのか!


復活の戦士!用心棒赤龍帝!

side悟誠

 

 

悟飯がオレンジスターハイスクールに通い出してから数日......。

 

いつも通り俺は悟飯の様子を伺っていた。

 

 

『......なぁ、相棒、まだ続けるのか?』

 

ドライグが不意に語りかけてくる。

 

恐らく、こうして見守り続けていることに関してだろう...。

 

 

「何言ってんだよドライグ、悟飯だけじゃ心配だろ?いくらアイツがしっかりしていると言ってもアイツは普通の生活なんてのは送ったことがないんだ。本当なら近くまで言って手助けしてやりたいくらいなんだからな?」

 

 

『うおおおぉぉぉぉぉん!!誰かこのブラコンをどうにかしてくれえ!!』

 

誰がブラコンだ!俺は悟飯や悟天が可愛くて仕方がないだけだ!

 

 

《それを世間じゃブラコンッつぅんだよ...生まれ変わり、後、龍帝サマを泣かすんじゃねえ》

 

ッ!この声は!ジッじゃなくて、バーダックさん!

 

 

 

《おい、お前今またじいさんって呼びかけただろ?ぶちのめすぞ?》

 

そんな訳ないじゃないっすか!気のせいですよ!気のせい!

 

 

《フン、どうだかな...ったく、オラ、泣くなよ赤龍帝さんよ》

 

 

『うおおおぉぉぉぉぉん!!うおおおぉぉぉぉぉん!!』

 

尚も泣き続けるドライグ、悪かったって!

 

 

《こりゃ駄目だ...しばらく離れるぞ》

 

え?あ、はい......。

 

 

そう言ってドライグとバーダックさんの声が遠くなっていく。

 

恐らくドライグを宥めるために連れて行ってくれたのだろう......。

 

じ、バーダックさん、申し訳ないです......。

 

内心で今頃は渋りながらもドライグを慰めているだろうバーダックさんに申し訳なさを感じながら俺は悟飯の様子見に戻るのだった。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

しばらく見守っていると、今日の授業も終わったのか、悟飯が校舎から出てきた。

 

今日もなんとか無事に終えたみたいだな。

 

途中、かなり危なっかしかったけど...と、その時の事を思い出して苦笑していると......。

 

 

【ファンファンファンファンファンッ!!】

 

不意にサイレンの音が聞こえ、振り返ってみると、暴走車をパトカーが追いかけまわしていた。

 

必死に並走するパトカーだったが、暴走車の体当たりを喰らい、大きくバランスを崩し、道路から外れて建物の方へと突っ込んでいく。

 

 

「あぶねえ!!」

 

俺は慌てて飛び出すと、パトカーの前に立つと、手を伸ばして、真正面から止めに入る。

 

 

【ギギギギギギギギギィッッ!】

 

そんな轟音がして、車体が大きく傾きながらも止まる。

 

ふぅ、なんとか激突だけは避けられたか......。

 

乗り合わせていた警官たちは気絶しているようで、降りてこない。

 

このままにしておいてもいけねえし、出しといてやるか。

 

助太刀するってことで、今回は警察に報酬を出してもらうとすっか!

 

 

依頼書と報酬金を書いた紙をパトカーに張り付けておく。

 

さて、んじゃそろそろ...「おじさん達、乱暴な運転はいけないよ」

 

ん?この声は......。

 

見ると、そこには暴走車に乗っていたであろう男達に物申す悟飯の姿があった。

 

その声に反応した二人は悟飯に絡んでいく。

 

 

辞めときゃいいのに...と思いながら俺はため息を吐く。

 

男達の態度に一歩も引かない悟飯。その態度がイラついたのか、男の一人が悟飯に殴り掛かった。

 

しかし、そこは悟飯、男のパンチを難なく躱しサッと距離を取る。

 

これ以上は俺の仕事が無くなっちまうな......。

 

そう思い、俺はその場に出ていくのだった。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

side悟飯

 

 

車を暴走させていたおじさん達を注意したところ、いきなり殴りかかってきた一人の男の人。

 

このくらいのパンチなら遅すぎて簡単に避けられる。

 

とりあえず、懲らしめてやろうと一旦距離を取る。

 

 

「しょうがないな...」

 

さっさと終わらせようと構えた時、不意に割って入ってくる者がいた。

 

 

「おいおい、いい大人が二人して高校生相手に何やってんだよ」

 

そうして声の主は僕の前に立った。

 

誰かと思ってみてみると、それは悟誠兄さんその人であった。

 

 

「に、兄さん!?」

 

 

「おぉ、悟飯危ない所だったな、後は兄ちゃんに任せとけ」

 

 

「へ?あ、はい!」

 

サッと下がる悟飯。

 

それを確認し、俺は男達に向き直る。

 

 

「いい度胸じゃねえか兄ちゃん、弟の前でカッコつけるつもりか?」

 

 

「いや、元々これは仕事だからな、ほら、腕に自信があるんだろ?どっからでもかかってこいよ」

 

そこまで言って、ふと視線を感じた。

 

チラと見てみると、そこにはおさげの女子がこちらを見ていた。

 

アイツって確か、今朝、悟飯を追いかけまわしてたじゃじゃ馬だよな?

 

なんでここにいるんだ?

 

そんなことを思考していると、迫ってくる腕を捉えた。

 

俺は瞬時に飛びあがり、空中に避難する。

 

パンチを易ともあっさり躱された男は身体をよろめかせていた。

 

 

「ッ!ど、何処に消えやがった!」

 

男からすりゃ、相手がいきなり消えたように見えてることだろう。

 

 

「こっちだデカブツ!オラッ」

 

背後に降り立ち、鋭い月をお見舞いする。

 

 

「なっ...!?ぐはぁっ...!」

 

殴り飛ばされ倒れる男。

 

 

「あ、アニキ...ッ!!」

 

慌てたように男に駆け寄るもう一人の男。

 

 

「文句があるなら俺の所にこい!いつでも相手してやるよ」

 

 

「ぐっ...!お、覚えてやがれ!!」

 

男はアニキとよばれた男を運びながら乗っていた車に乗り込見逃げていった。

 

ふぅ、何とか終わったな。さてと、帰るか......。

 

そうして帰ろうとした時......。

 

 

「待ちなさい!」

 

あのじゃじゃ馬が声を掛けてきた。

 

 

「あ?なんか用か?」

 

 

「アンタ、いったい何者?」

 

何者、ねぇ...まあ、適当でいいか。

 

 

「別に、ただのしがない用心棒だよ」

 

それだけ言って俺はその場を後にするのだった。




オッスオラ悟空!

悟誠がぶっ飛ばした奴ら、また悪さしに来やがったぞ!

しかも悟誠を指名してきやがった。

サタンの娘も苦戦してるみてえだ!

こうなりゃ悟誠!悟飯!おめえ達でこいつらをぶっ飛ばして懲らしめてやるんだ!


次回!龍に選ばれし赤龍帝!

復讐のレッドシャーク!二人を救え孫兄弟!

ぜってえ見てくれよな!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。