竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

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前回までの龍に選ばれし赤龍帝……。

拐われたチビを助けるべくサーカス小屋へと乗り込んだ悟誠と悟飯。

見張りを難なく気絶させるとチビを背負って飛び立つのだった。


因縁の再開!ビーデルVS龍兄弟!

side悟飯

 

 

チビを助け出した僕達は巣へと送り返してやるために町の空を飛んでいた……のだが。

 

 

「クエェ…クエェェッ!!」

 

突然、僕が背負っていたチビが暴れだしてしまったんです。

 

 

「うわっ…!うわわぁ…!」

 

落とさない用にバランスをとるが、チビが背中で暴れていて上手く飛べない。

 

 

「おい…何やってんだ、早くそのチビ連れてくぞ」

 

いつ頃からか裏返っていた兄さんがそれを見て呆れたように催促してくる。

 

 

「そ、それが…どうも飛ぶのが恐いらしくて…」

 

 

「はぁ?ソイツは翼龍の子供だろ、なんで怖がってんだよ」

 

 

「分かりません…けど、これじゃあ危なくてまともに移動なんてできませんよ」

 

 

「チッ…めんどくせぇな…ソイツぶん殴って気絶させてきゃぁいいだろうが」

 

なにやら物騒な事を言い出した裏の兄さん。

 

 

「だ、ダメですよ!そんなことしたら人間嫌いになっちゃいますよ!」

 

 

「チッ…ジョーダンだっての。めんどくせぇが、走って行くしかねえか」

 

どうしてこう、裏の兄さんは物騒な考え方に走りたがるんだろう……。

 

あまり話したことなかったから忘れかけてたけど、兄さんの中にはもう一人の人格?があるらしい。

 

それが時折あぁして表に現れるんだとか……。

 

前に話したのは人造人間と戦ってた時だったっけ。

 

表はスケベで裏は物騒だなんて、同じく兄さんの中で中で相手をしてるドライグさんも大変だ……。

 

 

『分かってくれるのはお前だけだ孫悟飯!!うおぉぉぉん!』

 

 

「うるせぇな…()と会話できるからっていちいち泣いてんじゃねえよドライグ!」

 

 

『お前達には分からんのだ!この俺の気持ちと苦労が!!』

 

ドライグさん、強く生きてください……。

 

そうして僕達が地上に降りた直後、後方からパトカーが数台追いかけてきた。

 

どうやらサーカスの支配人に通報されたらしい。

 

 

『いくら悟菜帝といえど、誘拐は許されん!その怪獣を渡しなさい!』

 

スピーカー越しに警告してくる警察に裏の兄さんが鬱陶しそうに眉をしかめる。

 

 

「めんどくせぇな、もう蹴散らしちまうか?」

 

その言葉に僕は慌てて止めに入る。

 

 

「駄目ですよ!そんなことしたらこの街にいられなくなりますって!」

 

 

「チッ…何からなにまでめんどくせぇな…おい、逃げんぞ!」

 

 

「…!はい!」

 

返事をして、僕達は勢いよく駆け出した。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

しばらく警察との逃走劇を繰り広げていると、不意に見覚えのある飛行機が僕達の横を通りすぎ、立ち塞がるように着陸した。

 

 

「その子供を返しなさい、悟菜帝に赤龍帝」

 

そこから降りてきたのはいつものごとくビーデルさんだ。

 

 

「どういうつもりか知らないけど、正義の味方が聞いて呆れるわね…」

 

ビーデルさんが何かを喋っている最中だというのに、裏の兄さんは無視して僕に問いかけてくる。

 

 

「おい、なんだあのガキは?」

 

 

『ビーデルさんですよ、僕のクラスメイトでミスターサタンの娘さんなんです。結構強いらしいですよ』

 

僕は兄さんにだけ聞こえるように小声で話す。

 

 

「は?あんな雑魚がか?」

 

しかし裏の兄さんは気にした風もなく普通にそう話す。

 

あぁ…言っちゃった……。

 

 

「……誰が雑魚ですって?」

 

しっかりビーデルさんにも聞こえていたようで顔をしかめている。

 

あぁ、あれは完全に怒ってるよ……。

 

 

「お前以外に誰がいるってんだよ雑魚娘」

 

裏の兄さん…頼むからそれ以上怒らせないで!

 

 

「……良い度胸じゃない、雑魚かどうか確かめるといいわ!」

 

そう言ってビーデルさんは何故か僕の方を狙ってきた。

 

なんで!?僕何も言ってないじゃないか!

 

しかし、そんなことを言っている場合じゃない!

 

 

「赤龍帝!この子を頼む!」

 

咄嗟に裏の兄さんにチビを投げ渡す。

 

 

「おっと、チッ…仕方ねえな…」

 

裏の兄さんはそう言ってとてつもなく面倒臭そうにチビを抱き止めると、そのまま駆け出した。

 

 

「あっ!待ちなさい!」

 

ビーデルさんも咄嗟に攻撃を止めて兄さんを追って駆け出した。

 

ふぅ…。とりあえず良かった……。

 

一つため息をつくと、僕も後を追って走り出した。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

一息で兄さん達に追い付くと、並ぶように走る。

 

 

「待ちなさい!!逃がさないわよ!」

 

後ろからビーデルさんの声や警察官の叫びが聞こえてくるがそれは気にしてる余裕はない。

 

だが、兄さんは余裕のようで敢えてビーデルさん達が追い付けるように走っている。

 

 

「こんのっ!!」

 

ビーデルさんの手が兄さんに届こうとした時だった。

 

 

「ほらよ、パスだ悟菜帝」

 

不意にチビを投げ渡してきた。

 

 

「おわっとっとっとっ……」

 

慌ててチビを抱き止めると、直ぐ様駆け出す。

 

 

「あっまた!待ちなさい!」

 

今度は僕を追いかけて走り出したビーデルさん。

 

裏の兄さん…これはビーデルさん達で遊んでるな?

 

なんでそんなことをするんだ。それどころじゃないのに……

 

そんなことを考えながら走っていた時だった。

 

 

「クエエェェェェ……ッ!!クエエェェェェ……ッ!!」

 

何度も投げ飛ばされた所為か、チビが大声で鳴き始めてしまった。

 

 

するとその直後、黒い大きな影が二つ僕達の上を通りすぎた。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

「しまった…」

 

恐れていた事が起きてしまった……

 

トト達夫婦がチビの鳴き声を聞き付けて待ちまでやって来てしまったのだ。

 

 

「おいおい…親まで来ちまったぞ…どうすんだコレ…」

 

裏の兄さんが呟く。

 

 

「とにかく今は二匹を落ち着かせるしかないですよ」

 

 

「……アレがそう簡単に落ち着くと思うか?」

 

兄さんがトト達を見て言う。

 

僕も二匹を見てみる。

 

 

「グルオォォォォッッ!!」

 

 

「グルアァァァァッッ!!」

 

駄目だ、怒り狂っている。

 

子供を拐われたんだから当然と言えば当然だけど、ここは不味い!

 

 

「グルオォォォォッッ!!」

 

 

「グルアァァァァッッ!!」

 

とにかくチビを二匹に返さなくちゃ!

 

 

「兄さん、カカの足止めをお願いできませんか?」

 

 

「あ?構わねえが、何をするつもりだ?」

 

 

「トトにチビを返してきます。そうすれば二匹も大人しくなるはずです」

 

その前にビーデルさんを説得しなくちゃ……。

 

 

「……分かった、あまり気は乗らねえがやってやる」

 

 

「!…ありがとうございます」

 

 

「チッ…早くしろよ?」

 

そういうと裏の兄さんはカカを足止めするために飛び上がった。

 

 

「ビーデルさん、分かってください!あの二匹は子供を取り返しに来ただけなんだ!チビを返せば二匹も大人しくなるはずだ、だから邪魔をしないでほしい、頼む!」

 

 

「え、えぇ…」

 

良かった、なんとかわかってくれたみたいだ。

 

 

「一先ず、チビをお願いします」

 

そう言ってビーデルさんにチビを渡すと、僕もトトを落ち着かせるために飛び上がった。

 

 

「え…ちょっと!」

 

下でビーデルさんが何か言っているがそんなことを気にしてる余裕はない。

 

トトの前に飛び上がると叫ぶ。

 

 

「落ち着くんだトト!さあ、チビは返すぞ!」

 

 

「グルオォォォォッッ!!」

 

駄目だ…怒り狂っていて僕の声が届いてない。

 

 

「アンタ達、あの怪獣と知り合いなの?」

 

 

「あぁ、小さい頃から良く遊んでたんだ。変身していても僕だとわかるはずだ」

 

その直後、トトが僕の横を通りすぎてチビを抱えているビーデルさんめがけて急降下していった。

 

 

「危ない!ビーデルさん!」

 

瞬時にビーデルさん達の前に移動し、その場に伏せさせることでトトの攻撃を回避する。

 

運悪くトトの爪が僕の頬を掠めて傷を作っていく。

 

 

「トト!止めるんだ!僕だよ僕は悟h…ぁ…」

 

不味い、この場にはビーデルさんもいたんだった……。

 

 

「あ…い、いや…」

 

ビーデルさんはその言葉を聞き逃すことなく訪ねてくる。

 

 

「ひょっとしてあなた、今悟飯って、言おうとしたんじゃ…」

 

僕の肩に手を置き、逃がすまいと力をいれるビーデルさん。

 

 

「ビ…ビーデルさん!退くんだ!」

 

抵抗してみるも、ビーデルさんは手を離してくれない!

 

 

「いやよ、やっぱりあなた孫悟飯くんなんでしょ?どうなのよ!ハッキリするまで離れないわ!」

 

クソッこんなときに…!

 

 

「グルオォォォォッッ!!」

 

不味い!トトの追撃がくる!どうしたら……!

 

どうしようもなくなりかけた、その時…!

 

 

「グ…グルオォォォ…」

 

 

「グルアァァァ…」

 

 

「クエェ…」

 

三匹が突然空を見つめて怯えだした。

 

そこには赤く燃える炎のような龍がいた。

 

 

『雑魚共…こんなところで何をしている?』

 

その龍…いいや、ドライグさんは僕達の言葉を話しているのにトト達も何を言っているのか分かったようだ。

 

怯えたようにドライグさんを見ている。

 

 

『用が済んだのならさっさと去れ。ここはお前達が居ていい場所じゃない。おい、悟菜帝とやら、そのガキを返してやれ』

 

 

「は、はい!ビーデルさん」

 

 

「う、うん…」

 

ドライグさんが上手く話を合わせてくれているのは正直助かるな……。

 

ビーデルさんからチビを預かり怯えるトト達のところまで連れていく。

 

 

「さあ、トト、カカ、もう大丈夫だ。僕も着いていくから一緒に帰ろう」

 

 

「クルオォォ…」

 

「クルアァァ…」

 

「クエェ…」

 

トト達も納得したらしい。

 

 

「ビーデルさん、僕はこの子達を送っていきますから、後の事は頼みます」

 

 

「え、えぇ…」

 

ドライグさんはいつの間にか居なくなっていた。

 

きっと兄さん共々何処かへ移動したのだろう。

 

そんなことを考えながら未だ怯える三匹に寄り添いながら僕は巣へと送って行くのだった。

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、僕が寝坊して急いで学校に向かっていた……。

 

 

「ヤバイヤバイ遅刻だ…!」

 

慌てて僕が走っていると、不意に声をかけられる。

 

 

「おはよう、孫悟飯くん」

 

その声に振り向けばそこにはビーデルさんが待ち構えていた。

 

 

「あ、おはようございますビーデルさん」

 

こんな時間なのにここにいてもいいのかな……。

 

そんなことを考えていると、ビーデルさんは空いていたロッカーを閉めてこう言った。

 

 

「昨日はありがとう」

 

ニコリと笑みを乗せて言われたその言葉に僕はなんの疑いもなく答えてしまった。

 

 

「いや、ビーデルさんも無事で良かっt…ぁ」

 

そこまで言って僕は自分の過ちに気が付いた。

 

気がついてしまった……。

 

不意に延びてくるビーデルさんの手が頬の絆創膏を剥がしとった。

 

 

「やっぱりアンタが悟菜帝だったのね、孫悟飯くん」

 

 

「し、しまった…せっかくあんな完璧に変装してたのに…」

 

僕は結局自分で自分の秘密をバラしてしまい、絶句するのだった……。




オッス!オラ悟空!

あちゃぁ…悟飯のやつバレちまったぞ……。

と思ったら今度天下一武道会が開かれるって!?

こりゃオラも参加しねえとな!

界王さま!オラ地上に行くぞ!

次回!龍に選ばれし赤龍帝!

参加者続々!天下一武道会再開!

ぜってえ見てくれよな!
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