竜に選ばれし赤龍帝   作:榛猫(筆休め中)

86 / 105
前回までのあらすじじゃ……。

チビをトト達に返すため、サーカス小屋からチビを拐い出した悟飯と裏悟誠。

途中、警察とビーデルに捕まり、困り果てているところにトト達夫婦も現れて大変なことになってしまうのだった……。


参加者続々!天下一武道会再開!

side悟飯

 

 

「なんでわざわざそんなおかしな格好してるのよ」

 

ビーデルさんが不思議そうに問い掛けてくる。

 

 

「い…いえ…その……。仲間の皆が普通に暮らしたいなら強いってことバレちゃいけないって……だから……」

 

 

「ふうん……」

 

興味無さそうにそう呟くビーデルさん。

 

僕は何を聞かれるか気が気じゃありません……。

 

 

「ねえ、金色の戦士もあなたなんでしょ?」

 

 

「い、いえ!!あ、あれは違いますよ!」

 

 

「……ほんとかしら……」

 

 

「ほっ…ほんとですよ…!」

 

そのことだけは絶対にバレちゃいけない……!!

 

 

「ふーん……まあいいけど…あっそういえば!」

 

そこでふと思い出したようにビーデルさんが話す。

 

 

「あの赤龍帝って何者なの?あなたの知り合い?」

 

えっ…!?!?こ、ここで兄さんの話が…?

 

と、とにかく上手く誤魔化すしかないよな……。

 

 

「い、いや、僕もよく知らなくて…サタンシティの用心棒ってことくらいしか……」

 

 

「そのくらい私も知ってるわよ、神出鬼没で何処に現れるか分からないって事もね」

 

そ、そんなふうに言われてるのか、兄さん……。

 

 

「前にあなたと話してたから知り合いなのかと思ったんだけど…そこんとこどうなの?」

 

な、なんとかバレないようにしなくちゃ……。

 

 

「い…いや、あの時は目的が一緒だったから協力してただけだから僕もよく分からないんです……」

 

 

「……あっそ、それよりさ、一ヶ月後の天下一武道会。あんたも出るんでしょ?」

 

 

「えっ!?……天下一武道会……!!」

 

そんなの初耳だよ!?

 

 

「知らないの?格闘技のチャンピオンを決める大会で久し振りに復活するのよ」

 

「私のパパが前大会チャンピオンで、その前が、顔は知らないけど孫悟空っていう謎の男……」

 

と、父さんが…!?そういえば母さんが言っていたような……。

 

 

「へ…へえ~…」

 

 

「あなたと同じ名字よね?今時珍しいわ、名字と名前と別れてるのは……。私、その孫悟空っていう男は多分、あんたのパパだと思うの…どう?」

 

 

「いっ…!?そ……その……」

 

い、色々と鋭いなぁ~この子……。

 

 

「やっぱりね……」

 

そんなことよりとばかりにビーデルさんは口を開く。

 

 

「…で、どうするの?もちろん出るんでしょ!?天下一武道会」

 

「前チャンピオンの子供とその前のチャンピオンの子供が戦うことになったら絶対に面白いと思うけど」

 

天下一武道会かぁ…個人的には遠慮しておきたいし……。

 

 

「い、いや…僕は遠慮しておくよ!!そういうの余り興味ないし…!!」

 

 

「出なきゃバラすわよ?みんなに。孫悟飯くんが悟菜帝の正体だって!」

 

 

「ええっ!!そっそんなの……!!」

 

その脅しは卑怯じゃないか……!?

 

 

「いいじゃないの、悟菜帝で出場すれば分かんないんだし」

 

 

「だ…だけど…」

 

 

「バラされたいの?」

 

うっ…それを出されると強く言えない……。

 

 

「わ……わかりました…出場しますよ…」

 

困ったことになったなぁ……。

 

 

「やったあ、きまりね!!みんな弱そうだから張り合いのある相手が欲しかったのよ!!」

 

 

「は、はぁ…」

 

参ったなぁ…おかしなことになっちゃった……。

 

そう頭を悩ませながらも僕は学校へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

学校が終わり、僕はカプセルコーポレーションでブルマさんにその事を相談しに向かったんです。

 

 

「へえ~~!!出場するんだ!!今度の天下一武道会、なんで?」

 

『悟飯くん戦うの好きじゃなかったんじゃなかったっけ?』とブルマさんが不思議そうに話す。

 

 

「いやあ…クラスメイトにあのミスター・サタンの娘さんがいまして…」

 

それを聞いたブルマさんが驚いたように話します。

 

 

「ミスター・サタン!?えっミスター・サタンってセルと戦ったときチョロチョロジャマしてたヤツでしょ?格闘技の世界チャンピオンの…その娘がクラスメイトなんだー!!」

 

ジャマしてたって…まあ、そう言われればそうかもしれないけど……。

 

 

「ええ、でも結構良い子なんですよ。僕と一緒で、悪いヤツは放っておけないタイプで…。でもその子に僕の変身がバレちゃったんです…声とかで…で、天下一武道会に出場しないと正体をバラすって言われちゃって…」

 

 

「ドジね~~…しっかりしてるように見えてもそういうとこはお父さんの血を受け継いでんのね…」

 

それで?とブルマさんはタバコを咥えると続ける。

 

 

「…で、声も変えられるようにヘルメットを改造して欲しいわけ?」

 

 

「いえ、そうじゃなくて…。天下一武道会ではヘルメットとかプロテクターなどの装備をつけてちゃダメらしいんですよ…だからこのヘルメットの代わりになるものが何かないかなと思いまして…」

 

ふんふんと、ブルマさんが首肯く。

 

 

「ようするに、ダメージをうんと減らしちゃうようなものを着けてちゃダメってことね…。どってことないじゃない!悟飯くんだってバレなきゃいいんでしょ?」

 

少し待ってなさいと言って、ブルマさんが奥の部屋に消えると、少しして、タオルとサングラスを持って帰ってきました。

 

それを僕の頭に巻き付けてサングラスを着けてくれます。

 

 

「おおっ!なるほど!!!こんな簡単なことで良かったんだ!!!」

 

隣で呆然と見ているトランクスくんに聞いてみる。

 

 

「どお!?トランクスくん!カッコいいだろ――!」

 

 

「ノーコメント……」

 

あれ?なんだか思ってた反応と違うな……

 

 

「でもさあ、どんなに手を抜いてもぶっちぎりで優勝するのが分かってちゃつまんないわよね…」

 

 

「ソイツはどうかな?」

 

ブルマさんの言葉に別の人の声が聞こえてきました。

 

そちらを見るとそこにはタンクトップ姿のベジータさんが……。

 

 

「…そのなんとかって大会、貴様が出るなら俺も出る」

 

 

「え!?」

 

べ、ベジータさんが天下一武道会に…?

 

 

「あの時は大きな力の差があったが、今はどうかな?貴様が平和にうかれている間も、俺はトレーニングを続けていた」

 

 

「………」

 

働かなくて良いのかな…この人……。

 

 

「そう!ぜんっぜん働かないのよ!このひと、あんたのお父さんと一緒!サイヤ人って働かないのかしら」

 

 

『悟誠くんはちゃんと働いてんのにその親どもときたら…』と、ブルマさんの愚痴にもベジータさんはフンと鼻をならすだけでなにも言いません……。

 

 

「すごいや!!お父さんと悟飯さんが戦うの!?」

 

トランクスくんの興奮した声とは別に、すごく懐かしい人の声が聞こえてきました。

 

 

《オラも出るぞ!!》

 

この声っ…もしかして…!!!

 

 

「お…お父さん……お父さんの声だ……!!」

 

聞き間違える筈のないその声は間違いなく僕の父親、孫悟空のものでした。

 

 

「お父さん!!!そうでしょ!?」

 

 

「なにっ!!カカロット…!?」

 

 

《そうだ!久しぶりだな、みんな》

 

生きていた頃と変わらない元気そうな話し声に安堵しつつも僕は喜びを隠せません。

 

 

「お元気でしたか!?お父さんっ」

 

 

「……??」

 

隣では何がなんだか分からないトランクスくんが疑問符を頭に浮かべてキョトンとしています。

 

 

《うん…まあ元気といや元気だったかな…死んでっけど……》

 

困惑したような声が返ってきます。

 

 

「ほんとに…ほんとに天下一武道会に来られるんですか!?」

 

 

《ああ!占いババに頼んで、たった一日だけ戻れる日はその日にする!悟飯もベジータも、多分だけど悟誠も出るんだろ!!オラも出るさ!!》

 

 

「やったあ!!!バンザーーーーイ!!!」

 

 

「……だれ?」

 

トランクスくんは小さかったから覚えてないよなぁ……。

 

 

「楽しみにしているぞ…。覚悟しておけ、俺は随分と腕をあげた…」

 

 

《オラもだベジータ……じゃあなみんな!天下一武道会で会おうぜ!》

 

そういうとお父さんの声は聞こえなくなりました。

 

 

「良かったわね悟飯くん!!早くお母さんや悟天くん達に伝えてあげなきゃ、あ、悟誠くんはどうするの?」

 

 

「はいっ!!あ、兄さんには帰りに寄って伝えていきます。」

 

あっそうだ!

 

 

「ベジータさんも正体がバレないようにこういうコスチュームを着なければ」

 

 

「だっ誰が着るか!!!俺は別にバレても構わん!!!」

 

面倒なことになる気がするんだけどな……

 

 

「じゃあ僕、皆さんに教えてきます!」

 

 

「バイバーイ!!」

 

トランクスくん達に見送られながら僕はカプセルコーポレーションを後にしました。

 

さて、まずはどこから行こうか……。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

結局最初に向かったのは一番近かった兄さんの家でした。

 

 

「へえ~天下一武道会ねぇ」

 

そういやそんなのもあったけっなぁ…と一人呟く兄さん。

 

 

「はい、その日には父さんも一日だけ帰ってくるらしいんです。僕やベジータさんも参加するんですけど、兄さんも参加しませんか!?」

 

 

「えっ…?父さんが…!!悟飯それ本当か!?!?」

 

今まで興味なさそうに聞いていた兄さんが父さんの話を聞いた途端目の色を変えてきました。

 

 

「え、えぇ…たしかにそう言ってました」

 

 

「そ、そっか…けど、一ヶ月後…空いてっかなぁ…」

 

あ…。そうか、兄さんは仕事もあるんだった……。

 

 

「出場するべきですよ!5位まで賞金がもらえるらしいですよ!」

 

しかしその問いに反応したのは兄さんではなく、奥さんの18号さんでした。

 

 

「どれぐらいの賞金が出るんだ?」

 

 

「え…と……優勝が1000万ゼニーで、2位が500万…3位300万…4位200万…5位で100万ゼニーかな」

 

それを聞いて今度は18号さんの目の色が変わりました。

 

 

「出場しろ悟誠!!私も出る!!」

 

 

「お、おぉ…わ、分かった、なんとか空けてみる…」

 

18号さんの勢いに押し負けてたようで兄さんが頷きます。

 

よし!後はピッコロさん達だな!

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

所かわって亀ハウスにきました。

 

 

「悟空も!?ほんとかよっ!!!」

 

こうして驚いているふさふさ頭の人、それはですね……。

 

 

「闘わなくなって坊主頭もやめてしまったクリリンさんです」

 

 

「悟空とは久しぶりじゃのぉ~」

 

そう話すのは亀仙人さん。七年経っても変わらず元気にしています。

 

 

「お…俺も出ようかな……で…でも悟空や悟飯に悟誠、それにベジータが出るんじゃ絶対優勝出来ないしな~……」

 

 

「出場しましょうよ!5位まで賞金がもらえるらしいですよ!」

 

未だに悩んでいるクリリンさんを他所に、エルシャさんが聞いてきました。

 

 

「その賞金っていくらくらい出るの?」

 

 

「え…と……優勝が1000万ゼニーで、2位が500万…3位300万…4位200万…5位で100万ゼニーですね」

 

「クリリン、出場しましょう、それだけ出るのなら私も出るから」

 

 

「エッエルシャさんが…!?わ、わかったよ…」

 

エルシャさんの静かだが勢いのある言葉にクリリンさんも頷くしかなかったようです。

 

隣では亀仙人さんが『わ、ワシはどうしようかな…』と悩んでいました。

 

 

「おい、ピッコロには教えるなよ?(たぶん無理だろうけど)俺が5位まで入る可能が少なくなるから」

 

 

「いや…そういうわけにはいきませんよ……」

 

それに、ピッコロさんなら、もう知ってるかもしれませんし……

 

 

「にしたっておまえ、どっかで見覚えのある格好してると思ったら…悟誠の真似か?」

 

アイツの鎧って貸し出し出来るもんだったっけ…?と首を捻るクリリンさん。

 

 

「格好いいでしょう?ブルマさんに頼んで作ってもらったんです!」

 

そう言って僕はサングラスをかけ直します。

 

 

「それじゃ!」

 

そうして僕はピッコロさん達のいる神殿へと向かうのでした。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

「そうか…それはたしかに面白そうだな…よし、出てみるか」

 

神殿にてピッコロさんに話をしたところ出てくれることが決まりました!

 

そういえば……。

 

 

「デンデはどうする?」

 

 

「いや、出ませんよ。ボクは戦闘タイプのナメック星人じゃありませんから」

 

あ、そうか…てっきり出るものとばかり思ってて忘れてた……。

 

 

「ところで悟飯、そのおかしな格好はいったいなんだ?」

 

 

「え?これかっこいいと思いませんか?ねぇ、デンデ?」

 

 

「……ノーコメントで」

 

なんでだ?兄さんのみたいで格好いいじゃないか……。

 

そんな話をしつつ、僕は神殿を後にしました。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

「天津飯さん達は何処にいるのかわからないからなあ……ヤムチャさんにはブルマさんから連絡いくと思うし…」

 

神殿を後にした僕は帰路に着いています。

 

 

「でも、お父さんが一日だけでも帰ってきたらお母さん喜ぶだろうな―――――悟天は初めてお父さんを見ることになるのか―――!」

 

けど、一つ引っ掛かることがある……。

 

 

 

「……しかしお母さん…僕の出場許してくれるかな…」

 

昔から僕に戦うことを避けさせようとしてきたお母さんのことだ…また反対されるかもしれないし……。

 

 

「でも、どうせ出るなら僕だって優勝狙いたいし…」

 

「そのためにカラダなまっちゃってるから学校休んでみっちり修行しないも危ないだろうし…」

 

待てよ?鍛え直してもらうなら打ってつけの人がいるじゃないか!

 

 

「そうだ!大会までの間、兄さんに修行をつけてもらおう!」

 

そうと決まれば善は急げだ!

 

僕はスピードを上げて家へと帰って行くのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、余談ですが、お母さんには優勝賞金の話をしたところあっさりと出場を許してくれました

 

 

 

 

おしまい




オッス!オラ悟空!

一ヶ月後に迫った天下一武道会!オラワクワクしてきたぞ!

ん?なんだ悟誠、おめえ悟飯のクラスメイトの修行も見んのか?

次回!龍に選ばれし赤龍帝!

修行開始だ!赤龍帝のスパルタ特訓!

ぜってえみてくれよな!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。