妖精世界の竜神   作:妖精さん

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第6話

 

 

 

 

 アイスを食べながら、試合を観戦していく。セイバートゥースはこちらを睨んできているけれど、無視する。さて、ここで大きな事が起こった。なんと、レイヴンテイルの反則によりチームが七つとなると運営が困るので二チームあるフェアリーテイルが統合される事となった。更に点数は低い方になる。現在の点数がこちら。

 

 フェアリーテイルA:52

 フェアリーテイルB:38

 レイブンテイル:失格

 セイバートゥース:30

 マーメイドヒール:26

 ブルーペガサス:21

 クワトロパピィ:14

 ラミアスケイル:28

 

 つまり、一位と二位を独占していたのに下げられてしまった。もっとも、一位である事に変わりはないのだけれど。さて、もう一つの問題。それは、やりすぎた事だ。

 

「……我、参加不可……?」

「うむ。運営から出場停止命令が出た。やりすぎたのぉ」

「何故ですか! オーフィスが出れば優勝間違いなしなのですよ!」

「いや、初代。流石に聖天大魔道士を軽く超える魔力量を持つ者があのような事をすれば仕方ないかと」

「売られた喧嘩を買っただけじゃねえか」

「それがのう、ユキノをギルドに入れた事も問題とされておるようでの。ぶっちゃけ、引き抜かれたから喧嘩状態になったんじゃ、という事じゃ」

「ああ?」

「……いいがかり……」

「うむ。まあ、かぼちゃがぶっちゃけた事を言ったらエンタテインメントにならないそうじゃ」

「エンタテインメント? 賭けの間違いでしょう?」

「初代、みもふたもないですぞ」

「……むぅ……戦いたりない……」

「応援を頑張りましょ」

「……ん、了解……」

 

 こうして、残念ながら俺の大会参加が終わった。まあ、ここは先輩達を立てるとしようよ。

 

 

 

 

 観覧席でメイビスと一緒に、ユキノに抱っこしてもらいながら観戦していく。当然、おやつを食べながら。

 二戦目はブルーペガサスの一夜&ウサギvsクワトロパピィのバッカスとロッカーによるタッグバトル。勝者は驚いた事に変態が一人で二人を倒した。もう一方の変態は役立たずだった。一夜&ウサギが勝利。

 三戦目はラミアスケイルのリオン&ユウカvsマーメイドヒールのカグラ&ミリアーナ。こちらは時間切れの引き分けでどちらも本気を出していなかった。しかし、カグラの重力魔法が美味しかったとだけ言っておこう。

 そして、四戦目。フェアリーテイルのナツ&ガジルvsセイバートゥースのローグ&スティング。ドラゴンスレイヤー四人の戦い。攻防が立ち替わり立ち替わりでとても面白い。特にドラゴンドライブは面白い。ドラゴンフォースは滅竜魔法の最終形態と言われるらしい。滅竜魔導士の体内に眠る竜の力を解放する。その魔力は実際の竜にも匹敵するといわれているらしいけれど、なんだろう。普通に出来そう。

 ドラゴンフォースを発動してから、タッグバトルなのに一対二を宣言されて、好き放題攻撃された。スティングの一撃で闘技場の地面が崩壊して地下での戦いとなった。このままだとナツ達の負け。でも、このままじゃ終わらない感じがする。

 

「舐められたら、やっぱやり返さないとな」

 

 カジルをトロッコに乗せて地下へと送り出した後、ナツが二人に手を向けてかかってこいみたいにくいっ、くいっと行う。

 

「さっさと二人で掛かって来い。仲間を大切にしないギルドの奴らなんかに負けるつもりはねぇからよ。ギルドとしての格の違いって奴を教えてやる」

「このっ!!」

「おいおい、ナツさん。それは俺達の台詞だぜ。七年前の最強ギルドが現最強ギルドの俺達に勝てるはずねえだろっ!」

 

 二人が互いに連携して攻撃を仕掛けてくる。ナツが二人の癖や行動を読んで避けながらスティングを殴り飛ばし、ナツの背後から迫っていたローグを避けながら蹴り飛ばす。ナツはとても楽しそうに笑っている。そんなナツにスティングとローグが左右から同時に攻撃する。ナツはそれをしゃがんで回避しながら、二人の腕を掴んで互いに衝突させる。

 

「火竜の鉄拳!」

「「がっ!?」」

 

 炎を纏った拳で殴った瞬間、爆発させて二人を吹き飛ばす。

 

「火竜の翼撃」

 

 両サイドに視界を覆い尽すような膨大な炎を放って二人を燃やしていく。

 

「くそっ、ドラゴンフォースを発動させた訳じゃねえのに、なんでこんな強いんだよ!」

「おのれ……スティング、あれをやるぞ」

「おうよ!」

 

 二人はそれぞれで白い聖なる光の力と黒い影の力で作り出した魔力を融合させる。

 

「「聖影竜閃牙」」

 

 拳を突き出すと同時にを合わせた巨大なエネルギーを撃ち出す。

 

「ナツっ!?」

 

 それに対して、ナツは全く動かずに片手を前に突き出して、そのエネルギーを受け止める。そして、そのエネルギーを圧縮するかのように握りしめていく。ナツの腕からは血が噴き出すが、たったのそれだけで二人が作り出したエネルギーはナツの掌に収まった。

 

『これは凄いっ!』

『いや~驚いたね。まさか、ここまでだとは……二人も決して弱い訳じゃないんだけどね』

 

 その結晶を口に入れてバリバリと貪っていく。

 

「いけるかと思ったが、オーフィスの方がうめえな」

「「なっ」」

「おい、どうした? まさかこれで終わりか?」

「ばっ、化け物め……」

「終わりみたいだな。んじゃ、喰ったら力も沸いて来たし、いっちょやったるか!」

「「っ!?」」

「遅えよ。滅竜奥義・紅蓮爆炎刃!」

 

 瞬時に接近して炎を纏った両腕を振るい、爆炎を伴った螺旋状の強烈な一撃を放って二人を吹き飛ばす。二人はそのまま動かなくなった。

 

『だっ、ダウン! 七年前の最強ギルドから栄光の座を奪い返せない!』

 

 さて、こうしてフェアリーテイルが勝ったのだけど、不思議な感じがあの下からする。何か呼ばれている感じがするし、行くか。

 

 

 

 

 

 

 魔闘演武が終わり、一人で地下に入っていく。地下には驚く事に白骨化したドラゴン達の死体が沢山あった。そこはドラゴンの墓場。俺はふらふらと身体が進んでいくのに身を任せる。どんどん呼ばれている感じが強くなってくる。そして、奥深くに移動するとドラゴンの死体から光がどんどん湧き上がってくる。

 

「……我、知ってる……?」

 

 微かな光達から伝わって来るのが、裏切った人間に対する恨み。それらがどんどん身体の中に入って来る。

 

『許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ、許さぬ』

『殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ、殺せっ』

「……うるさい……」

『……』

 

 ピタッと声が止まる。しかし、身体の中に入ってくるのは止まらない。そして、遥か昔に行われたドラゴンと人間の戦いを体験していく。失われた記憶。失われた過去。果たしてこれが、()のものかはわからない。どちらにしろ、一部は戻った。

 

「……面白い……来い……誰が、竜の王か……楽しみ……」

 

 笑いながら力を解放する。すると、白骨化した骨が崩れて融合していく。我が求めるは……ドラゴン。ドラゴンを喰らえばわかる。

 

 

 

 

 

 

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