古道具屋が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮に入ります。   作:えぬろくよん

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投稿遅くなりました。
データが消えた時はどうしようかと思いました(小並感)

今回は艦娘サイドです。
とは言えタイトル通り幕間なのでそこまで長くないです。


2話 出撃開始!〈幕間〉

────霖之助が妖精と『建造』に取り掛かる少し前……。

 

 

「それじゃあ、これから私たちの初ライブだけど、レッスン通り、しっかりやってこー!

霖ちゃんが許してくれたライブだから、楽しんでこー!! おー!」

 

 

会敵か予想される地点の手前で、今回の指揮艦―出撃中の旗艦―の那珂さんからよくわからない指示? 激励? みたいなのが発せられる。

 

 

「あー、弥生ちゃん? 今のはほんの喩えだから、ね? 不機嫌になっちゃダメだよ?」

 

 

わたし──弥生は、どうにも感情が表情に出にくいらしくて、いつも不機嫌そう、なんて言われてた。

別に不機嫌なわけじゃない。ただ、これが私なんだ。……それでも勘違いはなくなるわけじゃないけど。

 

でも、司令官は初めてあった時に、

 

 

「確かに感情が表に出ないからと言って、感情がないわけじゃあない。とは言え僕としては騒がしすぎるよりかはよほど好感が持てるね。その方が落ち着けるというものだ。」なんて言ってきた。

 

司令官は何を思ってそんなことを言ったのかはわからない。けど、わたしには『そのままでもいい』って言ってもらったような気がした。

 

 

そんなことを考えていると、那珂さんの話も終わっていて、会敵に備えて準備をしていた。危ない危ない。わたしも早く艤装の点検をしなくちゃ。

 

そうして艤装を点検していると、わたしの元に初雪さんが近づいてきた。

 

 

「……弥生ちゃん? 上の空みたいだったけど、大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫です。

すみません。心配かけさせてしまって。」

「……ううん。大丈夫なら、いいの。」

 

 

……心配、かけちゃったな。しっかりしなくちゃ。

それにしても、初雪さんってこんなにおっとりというか、常に力が抜けているような状態なのに、なんでうちの鎮守府で練度が高いほうなんだろう。木曾さんよりも上みたいだし。

最古参、とは聞いてるけど、『演習』に入ったのもわたしたちと同じ時期って聞いてるし……。うん、深く考えるのはやめよう。

 

 

「さて、準備も済んだ所でこの後の会敵後の話に移るぞ。」と、那珂さんのあとを継ぐように木曾さんが続ける。

 

 

「至近での相手の陣形は、駆逐艦が1隻。通称『ロ級』だな。その先がどうなるかは案内をしてくれる妖精さん次第だな。

最初くらいはテンポ良く行きたいもんだな。」

「はーい! 那珂ちゃんは派手に行きたいと思いまーっす! ね、ね、良いよね!?」

「良いわけないだろ。負けはないだろうがここは戦場なんだ。余計な戦いはしないに越したことはないんだよ。

派手に動いて海域のボスに気づかれてみろ。斥候出してとんずらされんのがオチだ。あいつから無益な愚痴と薀蓄を延々と聞かされたいなら止めないがな。」

 

 

「それはいやだなー……」と那珂さんがこぼす。

わたしは司令官の話は聞いてて面白いから好きなんだけどなぁ。

 

 

「さて、そろそろ敵に近づくぞ。相手に補足されて存在を知られる前に一気に叩く。」

 

 

今回のわたし達の作戦はいたってシンプル。『少数を多数で囲んで叩く』、これに尽きる。外道かもしれないけれども、こっちも手段はえらんでられないから。

 

 

「さーって、それじゃあ、行ってみよーっ!」

 

 

那珂さんのそんな合図で、私たちの初陣は始まった────。

 

 

 

 

────結論から言って、わたし達の完全勝利だった。いやまあ、あれだけ数の有利で挑んだわけだし、負けたらそれこそ問題だし。

 

「なーんかあっさり終わっちゃいましたねぇ。期待はずれと言いますか、なんと言いますか。」とは青葉さんの弁。何事もなく終わったのに何を望んでるんだろう。

 

閑話休題。

 

航路自体も問題なく海域のボスに辿りつけた。とは言え、事前の情報の中でも最も面倒な陣形で揺蕩うのを見た時はみんな顔がひきつったものだったけど。

軽巡洋艦ホ級、駆逐艦ハ級、それにロ級が2隻なんていくら何でも運が悪すぎる。

 

……と思ってたけど、やっぱり数の利は強かった。おかげでみんな傷一つ負わずに勝利できた。

 

 

「さってと、無事海域も開放したし、次に向けて訓練しなくちゃな。っと、あいつにも報告とかしなくちゃな。

那珂、そういう訳だから先戻って報告しといてくれ。」

「えー!? なんで那珂ちゃんがそんなこと……」

「今回の旗艦なんだから当然だろうが。

こいつらは私が責任もって連れて帰るからさっさと行って来い。」

 

 

むー、と、唸り声を上げながら先に帰投する那珂さん。なんか可愛い。

 

 

「さって、それじゃあ私達も帰るか。」

「хорошо(了解)。」

 

 

そしてわたし達も木曾さんに続いて帰投する。もちもん周囲の警戒はおろそかにしない。何があるかわからないから。

 

 

「何も無いなんてつまんないですよー。今回の出撃じゃあ青葉のカメラもあまり役に立ちましんでしたしぃ。」

「……次は役に立つよ。ね?」

「うぅ……、初雪さーん、ありがとうございますぅぅ。」

 

 

……なんか向こうで青葉さんと初雪さんが仲良くなってる。と言うか出来の悪い姉を慰める妹みたいになってる……。

 

 

「Приветствия для хорошей работы(お疲れ)弥生、なかなかいい動きだったよ。」

「響も、演習や訓練と変わらないくらいの動きができてたね。」

「спасибо(ありがとう)。とは言え油断していると足元を掬われるからね。気を引き締めないとね。」

「そうだね。まだまだ先は長いんだ。油断はできないね。」

「うん、そうだね。

Пребывание резким(気を抜くな)。この国ではたしか、『勝って兜の緒を締めよ』、だったかな。」

 

 

響はたまにロシア語で何かを話す癖があるみたい。……詳しくないから何言ってるかわからないけど。

 

 

「さって、そろそろ急いで戻るぞ。あんまり遅くなるとあいつから小言喰らうハメになっちまうからな。」

 

 

そろそろ鎮守府も近いかな。司令官からどんな評価をもらえるか考えながらわたし達は鎮守府に戻って行った────。




そんな訳で艦娘サイドの話。戦闘描写?なにそれ美味しいの?

ぶっちゃけユーザーならわかるよね、という投げっぱなしジャーマンです。

さて、次回はまた霖ちゃんサイドです。と言うか霖ちゃんサイドがメインなので。
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