古道具屋が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮に入ります。 作:えぬろくよん
……最後の投稿から4か月かかるとは思っても見ませんでした。これがスランプか……
しかも何度も書き直した割にはあれな内容かも知れません。
そう感じたら「あっ…(察し)」って感じで感想かなんかにだばぁしていってください。真摯に受け止めます。
それではどうぞ。
────幻想郷・博麗神社────
「おい霊夢、いい加減認めろよ! これは明らかに異変だぜ!」
今日も朝から掃除と修行(ながれさぎょう)を終わらせて縁側でお茶を飲みながらぼうっとしていると、魔理沙がいつもの様に箒で私の前まで飛んできたと思ったら突然こんなことをのたまってきた。
因みに彼女の服装は今は夏に差し掛かっているのにいつもの黒の魔女服である。夏用に仕立てているのだろうがどのみち暑苦しいことこの上ない。
「あー? どこが異変だって言うのよ。そんなだいそれたものじゃないでしょう。」
「いーや、これは異変と言ってもいい事態だぜ。むしろなんでお前はそんなに落ち着いてるんだよ!」
何故、と聞かれても、私──博麗霊夢はそういうものなのだとしか言えない。
彼女──霧雨魔理沙もそのあたりはわかっていると思ったのだけれど、それだけ有り得ないということなのだろうか。『 今起こっていること』が。
「あのねぇ、異変って言っても、『霖之助さんがしばらく帰ってこない』ってだけでしょう?」
「だけ、って……十分異変じゃないか! あ『あの』香霖がもう半月近く店を空けるなんて明らかにおかしいぜ!」
……まあつまり、そういうことである。簡単に言えば、『霖之助さんが伝言もなしに半月も店を空けている』というだけのことである。
「無縁塚まで『仕入れ』しに行くくらいなんだから、それだけ時間をかける価値があるものでもあったんじゃないの?」
「あの引きこもりの香霖がそんなことをしてる時点で異常だぜ。突飛な行動をとるあいつにしても今回は流石に悪目立ちしすぎだ。」
どれだけ霖之助さんは引きこもりだと思われているのだろうか。あれで結構アクティブな方だと思うのだけれど。
「それで? 結局あんたはそれでどうしたいわけ?」
「あー? 決まってるぜ。香霖のやつを探し出す。」
「あ、そう。好きにしたら?」
頑張ってねー、と送り出そうとしたら、ありえないものでも見るような目で見られた。いやなんでよ。
「いや、お前も来いよ。なんで何事も無かったかのように流そうとしてるんだ。」
「だって、ねぇ……?」
正直すごく面倒くさい。別に霖之助さんが死んだとかそういうわけでもないし、あの人は子供でもないのだ。私たちが心配しなければならない人ではない。……半分は人じゃないけど。
さて、目下最大の問題は、この騒がしい白黒魔法使いをどうやって黙らせるか、ということくらいかしらね。面倒くさい。
「おい霊夢、お前の勘で香霖がどこにいるかわからないか?」
「はぁ? あんた、私の勘をなんだと思って……」
「よく当たる予言書みたいなもんだぜ。」
「おい。」
「そんなことより早く探そうぜ! 手遅れになったら大変じゃないか!」
いくら何でも失礼じゃなかろうか。友人を予言書だなんて。
……友人、よね? そう言えばそういったことは聞いたことないから、魔理沙がどう思ってるか全くわからない。
オイこれどうすればいいのわたしが一方的にともだちだとおもってただけだとしたらすごいいたいやつじゃないのこれうふふふふアラヤダヘンナワライガデチャウワアハハハハ
「……おーい、れいむー? 戻ってこーい。」
……はっ。私としたことが、ついつい余計なことを考えてしまったわ。魔理沙がどう思ってるかなんてどうでもいいわ。重要なことじゃないもの。
さて、魔理沙が先程からしつこく訴えてくる事について考えてみる。
私の予想では、霖之助さんは無縁塚──無縁仏や外の世界で忘れ去られたものが集まる場所のことであり、幻想郷で一二を争う危険なスポットでもあったりする。──でいつものように仕入れをしている最中に気を惹かれるものを見つけて時間も忘れてかかりきりになっているか、思いのほか量が多く、持ち帰るのに骨を折っているか、だと思っている。どちらにせよあの人らしい。まともな理由じゃないあたりが。
そして、魔理沙の予想が『異変』に巻き込まれて消息不明になっているのではないか、という事らしい。
とはいえ、私の勘がその方向で働いてくれない。と、言うことはやはり異変に巻き込まれたりしている訳では無いのではないか、と思う。
根拠はない。だって勘だし。
「……やっぱり異変じゃないんじゃない? それに霖之助さんは不可抗力で巻き込まれる前に逃げるでしょうし。」
「うおっ、びっくりした! なんだ、戻ってきたのか。
そうかもしれないけど、万が一があったら大変じゃないか。私も霊夢も困るし。」
「む。」と、思わず唸ってしまった。
私の服やお祓い棒なんかは霖之助さんに作ってもらっている。作るの面倒だし。それに、やはり餅は餅屋よ。
……仕方ない、とりあえず無縁柄まで行ってみましょうかね。
────無縁塚・入口────
……と、言うことでとりあえず無縁塚まで来たのだけれど、このあたりには見当たらない。もっと奥なのかしら。
まあ無縁塚の入口前なんてたいしたものはないのだし、奥まで行けば霖之助さんも居るだろう。
因みに、入口などと言ったが、当然そんなものは存在しない。が、『ここから先が無縁塚である』と感じるのなら、やはりここが無縁塚の入口になるのだろう。
「よーし、待ってろよ香霖。見つけたらたっぷり説教だぜ。」
何か目的が変わってる気がするけど、私としては霖之助さんが見つかればそれでいい。ただ、ここにはいない気がする。ただの勘なんだけど、確信を持って言える。
……そうなると、どこにいるのか途端にわからなくなるのよねぇ。あの人も大概外に出ない人だからなぁ。
ともかく今は……
「うがーーー!! 香霖のやつどこいったんだよーーー!!! 出てこーい!!」
あそこで叫んでる白黒バカを連れて帰るとしますか。面倒くさい……。
────再び博麗神社────
さて、再び神社まで戻ってきたけど、宛がなくなってしまった。
因みに、無縁塚の奥まで行かなかったのはちゃんとした理由がある。無縁塚が危険な場所である理由でもあるのだけど。
無縁塚は、外の世界で忘れ去られたものが流れ着く。が、それは物質としての物や者だけでなく、想い等も流れ着く。そして、『その逆もまた有りうる』のだ。
人間が飛ばされればどうなるかわかったものではないし、妖怪に至っては消滅しかねないのだ。いかに危険な場所かわかろうというものだ。そんなところに好んで赴く霖之助さんは明らかに変人である。……うん、変人だ。
と、そんな益体もないことを考えていると、表の境内から騒がしい声が聞こえてきた。
「霊夢さーん。居ませんかー? れーいーむーさーん。」
「ああもう騒がしいわね。えーっと、韮子、だっけ?」
「菫子ですよ!? ちょっとひどくないですかその間違い!?」
来客は、この間起きた異変──便宜上『都市伝説異変』と呼ぶ。(まあ、あれは月の奴らが利用したために異変になっただけのようだが)──の首謀者であり、外来人(?)でもある「宇佐見菫子(うさみすみれこ)」。
今では夢の中でのみ、幻想郷にやって来ているらしい。
「で、その菫子が何の用よ。これでもそれなりに忙しいんだけど。」
「そう! 名前を間違えられて忘れそうになりましたが、店主さんがいないんですよ!
せっかく外のものを持ってきたのに、店主さんがいないんじゃ売ることも出来ないじゃない! 今まではあの店に行けば絶対にいたのになぁ。」
「なんだ、菫子も香霖を探してたのか。」
「え、『も』って事は、魔理沙さん達も探しているんですか?」
「ああ、もういなくなってから半月は経ってるな。」
「そうなんですか!? うーん、困ったなぁ。」
どうやら菫子は霖之助さんに外の世界のアイテムを売るために霖之助さんを探しているらしい。
「タイミングが悪かったな。そういうことだからまたしばらくしたら来てくれ。その頃には香霖を連れて戻ってるだろうからな。」
「うーん、待ってるのもいいんだけど、せっかくだし、私も探すの手伝ってもいいかな……?」
「アンタ正気? 霖之助さんがどこにいるのか手がかりすらないような状態で、どうやって探し出すってのよ。」
「えっ、それはぁ、そのぅ……。あ、アハハハハ」
まったく……。
さて、そろそろこの茶番も終わらせましょうか。さっきから、正確には霖之助さんの話が挙がってからずっとこっちを覗いてる変態ババア(すきまようかい)から事情聴取でもしようかしらね。
「居るんでしょ、紫。さっさと出てきなさい。」と、とりあえずあたりをつけて御札で作った針を投げてみる。
「あら、気づいてた……あだぁ!?」
「うわっ、びっくりしたぁ! いきなり出てくるなよスキマ。驚くだろ。」
「ちょっと、畳に傷がついたらどうすんのよ。ちゃんと直してくれるのよね?」
どうやら当たっていたらしく上手いこと紫のやつに当たってくれた。
「私の心配はしてくれないのかしら……。」と半ば本気で凹んでいるスキマ妖怪。無駄しかないんだからするわけないでしょ。
「そんなことより霖之助さんはどこに行ったの。さっさと吐きなさい。」
「いてて、どうして私が犯人だと思ったのかしら。目立った証拠もなさそうなのに。」
「うわ、かなり奥まで刺さってるわ……。」などと言いながらもなんてことのないように針を抜いてる。どうでもいいけど菫子の前でやらない方がいいんじゃないかしら、あれ。かなりスプラッタに見えるから耐性ないとかなりしんどいでしょ。
……とか思ってたけど当の本人が「うわー、こんなに刺さっててもなんともないんだー。妖怪ってすごーい。」とか言ってるし、いいのかしらね。
と言うかあの針そのへんの妖怪くらいなら触っただけで即蒸発するくらいのヤツなんだけど。元は御札だしね。
「さ……て、と。さっきの続きだったわね。どうして私が犯人だと思ったのかしら?」
ふむ、そんなものは決まっている。因みに勘ではない。私は脳筋じゃないのよ!?
「『何も証拠がない』からあんたが犯人だと思ったのよ。あんた以外に証拠一つ残さずに人ひとりの行方を眩ませるなんて出来るやつは私は知らないわ。」
「ふうん。多少は頭を使うようになったじゃない。やるわね、霊夢。」
「うるさい。いいからさっさと霖之助さんの居場所を吐きなさい。」
「ぐえっ、ちょ、霊夢、くるじぃ……」
「霊夢。それ以上いけない。ていうか顔が真っ青になってるからやめてやれよ。」
と、魔理沙に言われて顔が真っ青になった紫に気がついた。紫が真っ青なんて笑い話にもなりゃしないわね。って……
「そう言えば菫子は? さっきまでそこにいたのに。」
「多分『向こう』で起きたんだろ。ここから面白いのに、勿体ないな。」
なるほど、それでさっきから静かだったのね。まぁいいや。
「それで? 霖之助さんは結局どこにいるのよ。さっさと吐かないともっとひどい目にあうわよ?」
「か、彼なら今ちょっと私の用事のために出かけてるから、しばらく戻ってこないわ。……もういいかしら?」
「いいわけないでしょ。結局はぐらかされてるじゃない。どこにいるのよ。」
「そ、それはぁ〜……。」
と、また煙にまこうとした紫が「げっ、この音は……。」と、珍しく苦虫をかみ潰してる顔をしたと思ったら、上の方から聞きなれない音が聞こえてきた。なにこの、耳障りな……音……は…………。
「お? ありゃあ『飛行機』ってやつだな! 香霖のやつが言ってたぜ。」
そう、魔理沙が言った通り、私たちの上を『飛行機』とやらが飛んでいるのだ。
……そのへんをぐるぐる回ってるって事は、私たちを見てる……?
と、上を飛んでいる飛行機を見ていると、賽銭箱の前からスキマが現れた。
「あ、紫さ〜ん。お昼出来ましたよ〜?」
「ちょ、あなたなんで来たのよ! 藍はどうしたの!?」と、珍しく紫が狼狽えている。
と言うかあの娘だれよ?
「あ、そちらのおふたりが紫さんが言ってた巫女さんと魔法使いさんですか? 巫女服はよく見てましたけど、魔法使いさんは初めて見ましたー。」
目の前の少女(?)が言葉を発する度に、紫が苦虫をかみ潰して今から飲み込みます、みたいな顔になってる。いや、だからあの娘は何なのさ。
「……はぁ、仕方が無い。この状況でのらりくらりかわすことも出来そうにないし、きっちり一から説明するわよ……。」
「いや、それは助かるんだけど、結局その娘誰よ?」
すると、少女(仮定)が思い出したかのように自己紹介を始めた。
「自己紹介が遅れましたー。私は祥鳳型軽空母2番艦『瑞鳳』って言います。よろしくお願いします♪」
これが私たちと『瑞鳳』、いや、『艦娘』とやらとの初めての出会いだった。
「…………ハッ!? なんかいい所で目が覚めた気がする!?」
「くぉらぁ、宇佐見ぃ! やかましいわ授業中に!!」
「あだぁ!?」