〈祐斗ちゃん、明日放課後暇?〉
キッチンで軽く奮闘中に、京子ちゃんからメールが来た。明日の放課後?うーん、暇。俺、基本やる事ないし。
《めっちゃ暇。どうして?》
〈ハルちゃんと明日ツナくんの家でバレンタインパーティーするんだけど、一緒にやらない?〉
《面白そう、行くよ♪》
京子ちゃん相手には、面倒って言わないよ。可愛いし。
うーん、バレンタインイベントかぁ。じゃ、コレ、無駄になるか?まぁ、いっか、あげて。パパッと終わらせて、カバンに入れた。
*****
バレンタインデー到来!クラスの男子がソワソワしててちょっとウザい。
正月以来、幾つかイベントがあったけど、ほぼ無視の方向だ。だって、授業参観は俺家族いないし。フゥ太君は会ってみたい気もしたけど、あれ確か雨で全部ランキング外れるからパス。
まぁ、兎に角。バレンタインデーって案外見てて面白いかも。女子に囲まれても爽やかスマイルを絶やさない武。女子をウザそうに遠ざけるが黄色い悲鳴に追いかけられる隼人。誰にも渡されてないツナ。わぁ、結構見てて楽しい。まぁ、ちょっと邪魔するけど。
『隼人—。武—。ツナー。』
「あ?」
「何?」
「どうした?」
隼人は機嫌悪く返事する。俺にやつあたりすんなよ。武が置いてきた女子達に睨まれる。うっ、止めたくなる。で、ツナは至って普通。
『俺からもチョコ。』
鞄から、チョコクッキーの入った包みを三つ取り出す。
「わぁ、ありがとう祐斗。」
『どういたしまして。』
ツナに渡すと、嬉しそうに感謝される。うん、癒される。
「サンキュな。」
『おう。』
武はいつもの爽やかスマイルをで感謝。
「・・・・・・・・」
『・・・・・・・・いらないなら俺が食べるけど。』
隼人は未だ機嫌悪そうに俺を見る。いや、貰ってくれとは言わないよ。俺食べるから。
「・・・・・チッ。あんがと。」
『最初っから素直に貰えばいいのに。』
礼が言いたくなかったのか、包みを手にするまで時間が掛かった。まぁ、あんだけ追い回されてたらチョコなんて見たくも無いのかもしれないけど。
「祐斗ちゃん。」
『あ、京子ちゃん。もう行く?』
「うん!」
『じゃ、お前らまたな。』
途中のコンビニで少し買い物を済まし、京子ちゃんとツナの家に向かう。
『おっじゃまー。』
「おじゃまします。」
「はひ!祐斗ちゃんに、京子ちゃん!お久しぶりです!」
『おひさー。元気にしてた?』
「はい!」
女子だけって、初めてかも。ちょっと和む。
「お兄ちゃん、誰?」
『ん?俺?俺は白銀祐斗。祐斗って呼んで。君は?』
「僕はフウ太!よろしくね!」
フウ太の頭を撫でる。可愛いな、こいつ!
ハルちゃんと京子ちゃんとキッチンに向かうと、やっぱりいましたビアンキさん。何気に、話すのは初めてだ。
『白銀祐斗です。よろしく。』
「ビアンキよ。弟がお世話になってるわ。」
『えっ、弟?』
「聞いてなかったの?隼人は私の弟よ。」
『えええええええええええ!?』
知ってました。けど、俺聞いてないもん。
って調子で始まったビアンキの調理レッスン。わぁ、虫とかどこから湧いてきてるの?途中で、ツナがビアンキをおびき出したので、チョコは毒無しで出来上がった・・・チョコはね。
「クラッカーは私が作ったわ。」
ビアンキ、俺らが来る前にクラッカー作ってたからね。青ざめるツナと、泣きそうなフウ太。
『・・・俺、ビアンキさんがクラッカー作るって知らなくて来る途中買って来ちゃった。折角だから、これも食べよ。』
鞄からパッケージされたクラッカーを取り出す。凄く嬉しそうなフウ太とツナ。ツナなんか、グッジョブって親指立ててくれてるよ。
「祐斗兄って呼んでいい?」
フウ太よ、そんなに毒入りじゃないクラッカーが嬉しいか。フウ太、天使!
『良いけど、どっちかって言ったら祐斗姉かな。』
「えっ、ごめんね祐斗姉!」
『別に良いよ。んじゃ、皆揃ったし・・・』
『「「いただきます!」」』
俺も手伝ったチョコは、まぁ、普通にチョコの味がした。けど、皆で食べたからか、ちょっと特別な気がした。
後書き:
獄寺君にチョコをあげてみたかっただけです。
ダメだ、何故か主人公に素直に礼を言う獄寺君が想像できない orz
少し関係のない話ですが、作者はクトゥルフ神話trpgが大好きです。
最近はそっちに気合・気力を注いて出るので、書き置きは進んでません。
まだ少し残ってるので、問題にならないはず・・・
今回も読んでくれてありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!