「祐斗、沢田達と喧嘩してんのか?」
『何でそんなこと聞くの、花。』
「いや、お前いつも寝てるかあいつらと一緒なのに最近は私らと一緒だから。」
『・・・嫌?』
「そんな事ないよ!」
「私らは嬉しいけど、気になっただけ。本当にどうしたの。」
「ツナと獄寺が祐斗の事仲間ハズレにしちゃってな。」
『別に、ツナは謝ったから良いよ。』
俺の後ろからヒョコッと武が話に加わる。
雪合戦からもう数日経つ。ツナはあの後謝ってくれたから許したし、俺も家出を止めてボンゴレに戻った。俺が怒ってるのは、未だに謝らねぇ困った誰かさんだけだ。
「まだお前怒ってんのかよ。大人気ねぇな。」
「ちょっと、隼人君!」
少し向こうの机に座ってた隼人とツナも勝手に加わる。
『(ピクッ)・・・大人気ない?どうして俺はお前のワガママに毎回大人しく付いて行かなきゃいけねぇんだよ。』
「あぁ?」
『大体、お前は何も考えねぇで好き勝手に突っ込んでくからコッチは迷惑なんだよ。』
「じゃ、付いて来なければ良いだろうが!」
『えぇ、そうさせて貰いますよ獄寺君。』
「祐斗まで!」
フンッ、と獄寺から顔を背ける。もう、意地でも許してやるもんか!
*****
『・・・何で獄寺君がいるの。』
金曜日の放課後、珍しくリボーンに頼み事をされた。内容は「明日二時に並盛駅に来てくれ」で、しょうがなく俺は今日早起きした。そして、駅に行ってみるといたのは今一番会いたくない人。
「リボーンさんに頼まれて。」
『俺と同じか。』
「・・・行くぞ。」
『はぁ?』
「あ?リボーンさんから聞いたんだろ。」
『だから、何を。』
「動物園に行って、10代目に似合う動物を決めるって。ったく、何でお前と行動なんだよ。」
『聞いてねぇ。んで、激しく同意。』
動物園への道のりは、酷く静かだった。動物園に着いても、周りの楽しげな声は何処か遠く感じた。
『・・・ウサギ(ボソッ)』
「あぁ?10代目はライオンに決まってるだろ!」
ったく、何で一々突っかかってくんだ。俺の意見なんだから別に良いだろ。
ふと、少し前を思い出して急に寂しくなる。喧嘩する前なら、同じ様な言葉でも今の棘のあるイライラした声音じゃなかった。怒ってるように聞こえても、何方かと言うと呆れた様に言われた。そんでちょっとだけ、本当に探さないと判らない位ちょっとだけ笑うんだ。
どうしてこうなったんだろう。誰が悪かったんだろう。
戻りたいって、ワガママかな。
本当は、迷惑だと思ってなかった。
隼人が突っ走ってくのは、ツナを一番に思ってるからで他に目が行かないからだって知ってた。本当に嵐のように、他に見向きもせず進んでくんだ。だから、俺がその分考えて、隼人の暴走を止めようと思ってたんだけどな。
でも、忘れられるとは思わなかった。俺はツナを親友だと思ってるし、隼人も親友だと思ってた。けど、違ったのかな。
謝りたくても、それが引っかかって謝れない。
ドズッ。
考え事してたからか、周りを見ずに歩いてた。そして当然、人に当たる。ぶつかったことを気付くのに、少し時間がかかった。
「おいっ!!肩ぶつかっといて挨拶ねーのか!」
『は?』
「コラガキィ!!」
急に後ろに引っ張られ、振り返る。うわ、ガラ悪そう。明らかに、不良してますって感じの男が三人。隼人のような一匹狼系ではなく、ハイエナ系の。その内の一人に手首を掴まれてる。
「あ?男かと思ったが、良く見たら女じゃねぇか。」
こいつらに女って呼ばれると、虫酸が走る。切り刻みたい衝動に襲われるが、一般人の前では鎌を出せない。振りほどこうにも、女の力じゃ無理がある。
隼人を呼ぼうかと振り返るが、そこに見慣れた長身はいなかった。千里眼で探そうにも、考え事してたから何処で逸れたかわからない。この園の広さと週末の来園者の数じゃ、特徴的な髪色でも探すのに時間がかかる。
それに、見つけたらなんだ。喧嘩中の相手に、助けを請うのは可笑しくないか。
『チッ、離せ。』
「あぁ?ぶつかったのに謝罪の一つもねぇのか。」
『・・・悪かった。ほら離せ。』
こいつらには、謝れるんだな。自分に嫌気がさす。
「いや、謝罪の気持ちが籠ってねぇな。俺らと周れば、許してやる。」
『気持ち悪い。誰がお前らと周るか。』
「威勢の良い女もいいが、大人しくしねぇとお仕置きだぞ。」
本格的に吐き気がしてきた。穏便に済ませようと思ったが、股間を蹴って逃げようと思った、ホントその時。
力強く、肩を後ろに引っ張られる。急な動きを予想しなかったのか、相手は俺の手首を離してしまう。俺もバランスを崩して、俺を引っ張った人にぶつかる。恩人の顔を見ようと見上げると、
『はやt・・・獄寺君!?』
苦い顔をされる。そんなに俺を助けるのが嫌だったのか。
「おい、行くぞ。」
『お、おう。』
「おい、誰だオメェ!邪魔すんじゃねぇよ!」
俺の肩を掴んだまま移動しようとしてた隼人が、ピタリと止まる。
「・・・何の邪魔だよ。」
うわ、隼人の声が怖ぇ。相当怒ってんな。
「謝罪として、そこの女は俺たちと回るんだ。」
俺を掴んでたハイエナ一号(今命名)が自信満々に言い切る。隼人の目が細まる。やべぇ、機嫌ますます悪くなってるよ。ハイエナ一号、お願いだから黙ってくれ。じゃねぇと俺の命が危ねぇ。何か、目で殺されそうな気がする。
「・・・謝ったのか。」
「はぁ?」
「こいつは謝ったのか。」
「あぁ、謝罪の念が籠って無かったけどな。」
「こいつはそうゆう奴だ。」
『は?』
えっ、何、俺貶されてるの?
「どうでも良い事、自分に非がある事は平気に謝る。それも、ムカつくほどヘラヘラしながら。けど、何か納得できねぇと中々謝らねぇ。ここぞとばかりに不満を言ってくる。その所為で、元々俺に非があっても謝る気になれねぇ。」
『おーい、獄寺君?』
「お陰で喧嘩がバカ長くなるし、どんどん謝り難くなるし。謝ろうと思ったら、馬鹿面に捕まってるし。バカなんだよ、こいつは。」
隼人の急な語りに俺もハイエナ団もポカンとしてる。
「誠意の無い謝罪を言われた?だったら、お前らはどうでも良い問題だったって事だ。とっとと消えろ。」
手首を掴まれ、そのまま引っ張られてく。後ろの方でハイエナ団の怒鳴り声がしたが、どうでも良い。
『・・・獄寺君?』
隼人は立ち止まり、俺の手首を離す。
「悪かった。置いてって。」
『いや、ただの雪合戦なのに俺も大人気なかった。ゴメン。』
「・・・名前。」
『え?』
「お前に苗字で呼ばれると気持ち悪い。」
『酷いな、おいw』
今までの気まずい空気が、嘘のように晴れる。
今度は俺が隼人の手首を掴み、引っ張る。
『ほら、ツナ探しに行くぞ!』
お互い照れ隠しで言った言葉は、ちゃんと通じてる。恥ずかしくて小声で言った言葉は、相手に拾われることはなかった。
後書き:
何回も言うが、素直な獄寺を想像できないw
あと、絶対くっつくなよ主人公!書きづらくするなよ!
えーっと、一応報告しときます。
書き置きが残り僅かになりました。あと五話くらいかな。
今夜は忙しいけど、多分明日の夜また書けるかな?
今夜と明日は授業の試験があります( ; ; )
応援してくれると嬉しいです><
今回もありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!