死亡トリップした守護者はめんどくさがりでした   作:黒猫冬夜

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そのまま倒れる様に寝た

初めて夜神と会った時の様な、真っ白な空間。今までいた暗闇とは余りにも対照的で、目が一瞬眩んだ。

 

ここは、何処だろう。さっき通ったのは、出口じゃなかったのか?

 

「〜〜〜〜!」

『え?』

 

誰かの声?よく聞こえない!

 

「〜〜と、〜〜〜た〜!」

「お〜?」

「〜〜、〜や〜〜ざ〜〜!」

 

耳を澄ますと、複数人の声が聞こえる。何て言ってんだ?

 

「はや〜〜—とぶっとば〜〜!!」

「〜やとくん、だ〜〜〜!」

 

少しずつ、声がはっきりしてくる。同時に、白一色だった空間に色が滲み始める。ジワリと、背中が温かくなる。

 

「ゆうと、おきて!」

 

はっきりと聞こえた声。見えなくても知ってる、ツナだ!滲んでいた色が、急速に引締まり始める。ぼんやりとしていた景色はようやく写真の様に綺麗に写る。

 

「ショック治療だ、恨むなよ!」

 

今、隼人、凄く不穏な事言わなかった?いや、まさかだよね・・・!えっ、やめろ、何でダイナマイト構えてんだよ!

 

「ミニ2倍ボム!」

『クソ隼人!!』

 

乱れ月・・・って、武器持ってねぇ!

 

右に飛び、何とか爆発を逃れる。着地失敗で体を床にぶつけたが、アドレナリンの所為か痛みがない。

 

生きてる・・・死ぬかと思った!ミニサイズ使って無かったら爆発に巻き込まれてたよ、俺!

 

『俺を殺す気か!』

「祐斗!」

「ちっ、遅ぇんだよ!」

 

体を起き上がらせ、何とか膝をつく体制に直し、大鎌を探す。何処何処・・・って、雲雀さん!

 

『やっぱり、俺が・・・』

 

手を見下ろすと、悪夢と同じ朱色が滴っている。

 

近くで守るって言った。けど、ツナ達にはそれは苦痛になるだけだろう。かつて仲間を殺めかけた人を、そばに置くだろうか。それが彼の所為じゃなくても、思い出してしまうんじゃないか。

 

そうだ。月は見守るんだ。近くで敵をボコボコにしてたんじゃ、他の守護者の仕事を奪ってしまう。遠くから、守ろう。逃げるんじゃなくて、守ろう。

 

けどね。最後に一つ、お願いしたいんだ。

 

「祐斗の所為じゃ・・・」

『ボス、最後の頼み、聞いてくれますか。』

 

ツナは優しいから、許そうとするんだろうな。甘いなぁ。

 

「最後って!」

『安心して下さい、もう貴方の前には現れません。』

「てめぇ!」

 

隼人が胸倉を掴んでくる。あぁ、図々しくて怒ってるのか。

 

『負傷者達は、俺が責任持って安全な場所へ避難させる。だから、』

 

声が喉にひっかかる。驚いて口を閉じると、目が潤い始めた。ダメだ、俺が泣いちゃ。

 

隼人の手を払い、異様な存在感を放っている人に振り返る。まるで俺が抜け出せた事に驚いて無いように飄々と笑っている。

 

許せない。

 

『だから、此奴をボコボコにして下さい。』

 

全力で先輩の仇を睨んでも、鼻声で台無しになってしまう。格好つけなくて良い。けど、これが最後の姿だと情けないかな。

 

「ククク、はたして彼に出来るでしょうか。」

「祐斗、バカなこと言わないで!」

『出来ますよ。』

 

バカにする様な敵と、焦るツナを黙らせる。出来ないはずが無い、だって

 

『彼は、俺のボスなんですから。』

 

二人がまだ沈黙しているうちに、隣の親友に視線を戻す。

 

『獄寺殿、悪いですが皆さんを運び出すのを手伝って貰えるでしょうか。』

「お前、その呼び方・・・」

 

隼人を無視し、先輩を担ぐために移動し、しゃがむ。鎌を回収する為俯くと、我慢していた涙が溢れた。あーぁ、泣いちゃダメだったのに。

 

「祐斗!」

『大変・・・お世話になり、ました。』

 

一度落ちてしまった涙は、止まることなく流れ続ける。

 

「待って、祐斗!」

 

ツナを無視し、映画館を出る。途中ツナが追いかけてこなかったのは、リボーンが止めてくれたのだろうか。そう思うくらい、良いのだろうか。

 

「おい、どうしたんだよ!」

 

いつの間にか器用にフウ太とビアンキを抱えた隼人が追いかけてくる。

 

「消えるって、正気か!?」

 

正気だよ。償いもしないでゴメン。

 

「おい、聞いてんのか!」

 

武は・・・外で休んでるようだ。体中、傷だらけだ。

 

「おいって!」

 

非常梯子前で、いきなり服を引っ張られる。さすがに、もう無視出来ないか。

 

逃げない印として、一旦雲雀さんを床に下ろす。話したいとわかったのか、隼人も二人を下ろす。

 

良かった、単純で。

 

まるで秘密を明かすように、周りを見渡してから隼人を手招きする。心配そうに近寄る友は、何でまだ俺を信じるのか。

 

『ごめん。』

「は?」

 

無防備に近寄ってきた仲間の首に、手刀を容赦なく当てる。ガッ、と潰れた様な声を出し、床に転がる体が一体増える。

 

『ごめ、ん。』

 

何往復もして全員、一人一人ヘルシーランドの入口へ運び、タクシーで病院へ送る。血だらけのまま家に転がり込んだ頃には、ヘルシーランドに敵の姿はもう無かった。




後書き:

こんにちわ、最近寝不足を再発させた作者です。

黒曜編、遂に次で完結する予定です。
今まで立てた予定は悉く外れたので、約束はできませんが^^;
黒曜編、予定が狂いすぎて粗無計画に書きました。
本当、すいませんでした。

今回も読んでくれてありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!
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