問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~   作:shin-Ex-

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どうも、shin-Ex-でございます

この度新しい問題児の小説を投稿いたします

どうかお付き合いお願いいたします

それでは本編どうぞ


プロローグ かくして死物は箱庭へ

「ん~・・・・・暇だにゃ~」

 

とある世界の日本に限りなく近い国その国に・・・・・『彼』は居た。

 

『彼』は国のほぼ中心に位置する都市の地下1000mに存在する監獄に頑丈な手錠をつけられて幽閉されている。

 

決して罪を犯したわけではない、むしろ『彼』は国の為に力を遺憾なく発揮した。

 

にも関わらず『彼』が幽閉されているのは・・・・・・『彼』が歴史上最大にして最悪の『死物兵器』だからだ。

 

「相変わらず暇そうにしてるな」

 

そんな『彼』に来客があった。来客者は成人した女性であり、その身を軍服で固めている。

 

「ん?おお!これはこれは蘭々将軍ではあっりませんか~。このような『死物兵器』に何か御用でございますかな?かな?」

 

「何を馬鹿なことを言っている・・・・私はお前の監視役だぞ?用がなくともお前を見張る義務がある」

 

「相変わらずお堅いことで・・・・・そんなんじゃ肩こっちゃうよ?蘭々将軍胸大きいし~?」

 

「セクハラで訴えるぞ」

 

「人権なんてとうの昔に亡くなった俺を訴えるとか無理でしょうよ~。それはそうとせっかく来てくれたんだからお話してよ~。ほら座って座って」

 

『彼』が座るように促すと、蘭々は仕方なしにと言って様子でその場に腰を下ろした。

 

「それじゃあなんの話をする?恋バナとか恋バナとか恋バナとか?」

 

ニコニコと笑顔を浮かべながら提案する『彼』。その表情から明らかに蘭々をからかっているのだとわかる。

 

しかし・・・・・

 

「・・・・・そうだな。それじゃあ恋バナにしよう」

 

意義にも、蘭々はその提案に乗ってきた。

 

「およよ?まさか乗ってくれるとは思わなかったよ~。なに?自慢の恋バナとかあるの?」

 

「ああ。とびきりのがある・・・・・・お前に対する恋心と言うな」

 

蘭々は真っ直ぐに『彼』を見据えながら言う。すると『彼』の表情は先程までの締まりのないものから・・・・・張り詰めたものへと一変する。

 

「馬鹿言うなよ~。それ恋心は俺にじゃなくて・・・・・・『十六夜』にだろ~?」

 

「・・・・お前がその『十六夜』だ」

 

「違うね。『十六夜』は死んだ。君の知る『十六夜』はもうどこにも存在しない。影も形もないし、この体だって・・・・・既に『十六夜』とは程遠い」

 

吐き捨てるように言う『彼』。その目からは光が失われており、生気が欠片も感じられない。

 

・・・・・・もっとも、『彼』に生気などというものはそもそも存在しないのだが。

 

「そんなことない。お前は・・・・・・」

 

「しつこいな~・・・・・だから『十六夜』じゃないって言ってるだろ?そもそも・・・・・・・仮に俺が『十六夜』だとしても想いを寄せないほうがいい。あと5年しかないからね~」

 

「!?5年・・・・だと?」

 

5年・・・・・その年月を聞いて蘭々の表情は驚愕に染まる。

 

「それが・・・・タイムリミットなのか?」

 

「そうだよ~。最近は食事ができなくなったし嗅覚も消えたしね~。まあそれでもちょっち長すぎるかな?いっそ俺をまた戦場に突き出せばいい。そうすれば2年・・・・場合によっては1年でリミットを迎える。そうして晴れて最強最悪な死物兵器は終りを迎えるわけだ」

 

「・・・・・もうそんなにガタが来てるのか」

 

「俺に言わせりゃよくもまあここまで保つものだって感じだけどね~。自分の力のデカさに呆れかえるよ」

 

ハハハと笑みを浮かべる『彼』。その笑みからは狂気しか感じられない。

 

「・・・・・『十六夜』」

 

「だから『十六夜』じゃないって」

 

「便宜上の呼び名だ。そう呼ばせろ」

 

「・・・・まあ便宜上ならいいよ。それならただの記号でしかないからね~。それで何?」

 

「・・・・自由になりたくはないか?」

 

「・・・・・・」

 

蘭々の問いかけに、『彼』は一瞬目を見開いて黙り込んだ。

 

「・・・・自由を欲してるか欲していないかと問われれば答えはノーだ。欲してなんていないよ。そんなもの、こうなった時から棄てた」

 

「・・・・・ならばなぜそれを破り捨てない?」

 

蘭々は『彼』のすぐ傍に無造作に置かれた手紙を指差しながら言う。

 

「うおっ!?なにこれいつの間に?」

 

「白々しい・・・・・『十六夜』がそれに気がつかないなんてありえない。わかっているのだろう?それを読めばここから抜け出せるということが。だから破り捨てなかった」

 

「深読みしすぎだよ~。そもそも俺こんな手紙がなくてもここぐらい楽勝に抜け出せるんだよ~?」

 

「そうだな・・・・お前はここに投獄される道を選んだ。だがそれは自由を求めていないからではない。この世界では自由になれないことを知っているからであろう?」

 

「・・・・・・」

 

蘭々の発言に、『彼』は言葉を口を閉ざした。

 

「・・・・『十六夜』。お前は死物でありながら十分すぎるほどに戦い、私達を救ってくれた。だからもう・・・・・自由になってもいいのだ。自由になって・・・・・思うように過ごせばいい。たとえわずかな時間でもな」

 

「・・・・・意味わかって言ってるのそれ~?俺が消えたら蘭々罰を受けることになるんだよ?ヘタをすれば死罪・・・・・・それでいいの?」

 

「構わないさ。私はそもそもお前の投獄に反対だったのだからな。もし死罪になったとしても・・・・・本望だ」

 

おどけたように・・・・だがどこか心配そうに尋ねる『彼』に蘭々は笑顔で答えた。

 

「あっそ・・・・・わかったよ。蘭々将軍がそこまで言うならこの手紙読ませてもらうよ~」

 

『彼』は手紙を拾い上げてヒラヒラと手で振りながら言う。

 

「そうするといい」

 

「しか~し!勘違いしないで欲しいから言うけど俺は別に自由が欲しいんじゃないからね。俺はただ・・・・・・」

 

「ただ・・・・?」

 

「・・・・・最高の快楽とロマンを追い求めたいだけだ」

 

ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら『彼』は堂々と言い放った。

 

「・・・・・その言葉、やはりお前は『十六夜』だな」

 

「ちげえよ。ただ単にこの思想だけはもったいなかったから残しておいただけ」

 

「ふっ、そうか」

 

「うわ・・・・・その表情信じてないでしょ?まあいいけど。それじゃあ・・・・・お別れだ」

 

『彼』は憂いを帯びた表情で蘭々に言う。

 

「残りの余生・・・・良き人生を」

 

「死物にいうセリフじゃねえな~。まあ蘭々将軍らしいか。というわけで、ばいば~い」

 

軽い調子で別れを告げて、『彼』は手紙を開いた。

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの"箱庭"に来られたし』

 

 

その文を目にした瞬間・・・・・『彼』はその場から姿を消した。

 

「・・・・さらばだ『十六夜』。私の・・・・・最愛よ」

 

蘭々は涙を流し、牢獄をあとにするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて・・・・・どうしようかな?)

 

手紙を呼んだ『彼』は、空中に身を投げ出され、重力に従って落下していた。周りを見渡せば『彼』以外の人物が3人ほど居て、『彼』と同じようにしたに向かって落ちていっている。

 

普通なら動揺する展開であるが・・・・彼の頭は全く別の事を考えていた。

 

(とりあえずここでやっていくためには名前とそれに見合った人格がいるよな・・・・う~ん)

 

『彼』が考えていたのは自分の新しい名前、そして人格であった。

 

(名前なんて亡くなって長らく名無しだったもんな~・・・・・ナナシ?)

 

その時、『彼』は閃いた。

 

(よし、俺の名前は・・・・・今日から『シナナ』だ)

 

『シナナ』が自らの名前を決定したその瞬間、頭から湖に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

これはシナナの・・・・・死物兵器と呼ばれた者の歪な物語

 




あとがきでは本編での解説を行います

今回は『彼』の居た世界について

『彼』の居た世界は十六夜達の元いた世界とは大きく異なります

国同士の戦争が活発に行われ、その為の技術が大きく発展しており、超常の力さえも利用されています

それでも立体交差平行世界からはギリギリ外れてはいません


今回は以上でございます

それでは今後もよろしくお願いいたします
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