問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~   作:shin-Ex-

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今回は虚野十六夜というのがどのような存在なのかがシナナの口から語られます

少々無理があるかもしれませんが・・・・・

それでは本編どうぞ


虚野十六夜

「おーおー、皆いいリアクションしてくれるね~」

 

十六夜達の驚愕に染まった顔を見て、シナナはくくっと笑みを浮かべる。

 

「シナナ・・・・・・いや、虚野十六夜って呼んだ方がいいか?」

 

十六夜はキッとシナナを睨みながら尋ねる。

 

「いや、その名前はとうに亡くしたものなんでな。シナナでいい」

 

(亡くした?)

 

シナナのこの一言に、飛鳥は引っかかるものを感じた。

 

「そうかよ。だったらシナナ、聞くが・・・・・・その亡くした名前が俺と同じ十六夜だっていうのはどういうことだ?」

 

「・・・・その聞き方からするに偶然だとは思っていないようだな」

 

「ああ・・・・・・・自分でも不思議なことにそう思えなくてな」

 

虚野十六夜・・・・・十六夜はその名になにか引っかかるものを感じるらしい。

 

「そうか・・・・・・ククククッ!」

 

「シナナくん?」

 

「クククッ・・・・・アハハハハハハッ!!」

 

飛鳥が声をかけるが、それを意に介さずに、シナナは大声で笑う。

 

「勘がいいな・・・・・その通りだよ!流石はオリジナルってところか」

 

「オリジナルだと?どう言う意味だ?答えろ」

 

十六夜が問いただすと、その場にいた一同がシナナを見つめる。皆気になるのであろう。

 

「・・・・・虚野十六夜と逆廻十六夜は無関係じゃない。虚野十六夜は・・・・・逆廻十六夜の残影、あるいは残火、あるいは残響と呼ぶべきものだ」

 

シナナはニヤリと、どこか不気味な笑顔を浮かべながら、皆に向かって言い放つ。

 

「俺の残影?残火?残響?言ってる意味がいまいちよくわからねえんだが?」

 

「文字通りの意味さ。虚野十六夜はな・・・・・逆廻十六夜という強大な存在が生まれた反動で生まれた存在。故に残影で、残火で、残響なんだよ」

 

「俺という・・・・・強大な存在が生まれた反動?」

 

「そうだ。お前自身わかっているだろ?自分の力の大きさ・・・・・ギフトの異常さを。そいつは人が持つにはあまりにも大きすぎる力だ。そんな人間が生まれた時、何らかの反動が生じてもおかしくはない。そしてその結果が・・・・・こいつなんだよ」

 

シナナはギフトカードの虚野十六夜の文字を指差しながら言う。

 

「・・・・・・」

 

「信じられないか逆廻十六夜?」

 

怪訝な表情を浮かべる十六夜に、シナナが尋ねる。

 

「まあそりゃあな。大抵のことなら受け入れられるぐらいには度量が深いと自負する俺でもこればかりはな。そもそもその話には具体的な根拠がねえ」

 

「そうね。シナナくんが今言ったことが本当だと判断する材料がないわ」

 

「・・・・・・そんな話を簡単には信じられない」

 

どうやら十六夜を始めとする問題児3人は、シナナの言うことをいまいち信じられないようだ。

 

「根拠か・・・・・まあ確かに今の話では本当かどうかを判断するのは無理だな。信じないのが普通だ。それに・・・・・残念ながら具体的根拠を提示することもできないからな」

 

「でしたらどうしてシナナさんは自身が十六夜さんの残影などと言い切ることができるのですか?」

 

「俺がじゃなくて虚野十六夜がだよ。そこは間違えないでくれないか黒ウサギ」

 

「す、すみません。でもなくしたとは言え、シナナさんがその虚野十六夜なのでは・・・・・」

 

まあ、シナナのギフトカードに虚野十六夜の名が刻まれている以上、黒ウサギがそう判断するのも無理はないであろう。

 

「・・・・・・それについてはまた後で話すとして、虚野十六夜が逆廻十六夜の残影だと言い切った理由は・・・・・虚野十六夜が物心ついた時からそうだと理解していたからだ」

 

「虚野十六夜がそう理解していたから・・・・だと?」

 

「そうだ。誰に教えてもらうまでもなく、自分がそういう存在なのだと虚野十六夜は理解していた。それ以上に説明のしようがない」

 

ただそういう存在なのだと・・・・・・虚野十六夜はそれを受け入れ、そうなのだと理解していた。信じて疑っていなかった。

 

それほどの・・・・・・確信であったのだ。

 

「・・・・・眉唾物だな。だがまあ・・・・お前が嘘をついてるとは思えねえ。とりあえず信じといてやるよ」

 

「ははっ、そいつはありがとな。なら信じるついでに今から言うことも覚えておいてくれないか?」

 

「あ?なんだよ?」

 

「お前は・・・・・逆廻十六夜は宿命を背負っている。その強大なる力にふさわしい宿命を。その宿命にいずれ翻弄される時が来るだろうから・・・・・覚悟しておけよ?」

 

シナナは不敵な笑みを浮かべながら十六夜に言う。

 

「・・・・・はっ、望むところだ」

 

対する十六夜もまた、同じように不敵な笑みを浮かべてみせた。

 

「・・・・・ねえシナナくん。その話はもう終わりでいいかしら?」

 

飛鳥がいやに神妙な面持ちでシナナに尋ねる。

 

「ああ・・・・まあ虚野十六夜に関する話は大体し終わったからな」

 

「それなら・・・・・教えて欲しいことがあるのだけれど」

 

「・・・・・言ってみろ」

 

「さっきあなたは虚野十六夜はとうに亡くしたものだと言っていたけれど・・・・・それはどう言う意味かしら」

 

「・・・・・・ああ、やっぱりそのことか」

 

苦笑いを浮かべるシナナ。どうやら予測していたようだ。

 

「そのことを説明するなら・・・・・まずはこの二つのギフトのことを話す必要があるかな」

 

シナナはギフトカードの死霊魔術師(ネクロマンサー)、そして死物兵器(ネクロセイバー)の文字を指でなぞる。

 

「まずは・・・・・死霊魔術師(ネクロマンサー)っていうのがどんなものか知っている人は手を挙げてくれ」

 

シナナが言うと、十六夜、黒ウサギ、白夜叉の3人が手を上げた。死霊魔術師(ネクロマンサー)の実態を知っているからか、その表情は、酷く苦々しい。

 

「知らないのは飛鳥と耀か・・・・・ならそこから説明しないとな。死霊魔術師(ネクロマンサー)っていうのは死者を弄ぶ外道の魔術師・・・・死体に魂を入れ、いわゆるゾンビを作り出す魔術を扱う者のことを言うんだ」

 

「!?ゾンビを・・・・」

 

「作りだす・・・・・魔術?」

 

シナナの説明を聞いてその表情を驚愕に染める飛鳥と耀。無理もない。それはあまりにも人道に反した行いであり、さらにはシナナがその魔術の使い手だというのだから。

 

「・・・・シナナはそのギフトでゾンビを作ったことはあるの?」

 

「あるよ。ただまあ・・・・・俺が作ったゾンビは一体だけだがな」

 

「・・・・・シナナくん?」

 

耀の問いかけに、憂いを帯びた笑みを浮かべて答えるシナナ。

 

そんなシナナの笑みに、飛鳥はなにか違和感のようなものを感じ取る。

 

「作り出したゾンビは一体のみ・・・・・死物兵器・・・・・まさか!?」

 

そんな中、白夜叉は何かに気がついたようにハッとする。

 

「ははっ、その様子からして白夜叉は気がついたようだな」

 

「・・・・・ああ。どうりで気配も呼吸も感じ取れんはずだの」

 

「白夜叉様?それは一体どういうことでございますか?」

 

「・・・・・そいつは本人の口から話させたほうがいいぜ黒ウサギ」

 

白夜叉に尋ねる黒ウサギに対し、同じく気がついた十六夜がそう促す。

 

「どういうことなのシナナくん。教えて」

 

飛鳥はシナナを正面から見据えながら尋ねる。

 

「・・・・俺は死物兵器と呼ばれる存在だ。死物兵器とは死霊魔術師(ネクロマンサー)によってゾンビにされ、兵器となった物を意味する」

 

「・・・・え?」

 

「ちょ、ちょっと待ってください。それってもしかして・・・・・」

 

「嘘・・・・・でしょ?」

 

今の説明で飛鳥も耀も黒ウサギも、シナナが何を言わんとしているのかを察する。

 

「俺が死霊魔術師(ネクロマンサー)としてゾンビにした人間はただ一人。それは・・・・・」

 

自身の服をつかみ、ゆっくりと引き上げるシナナ。

 

そして・・・・・・・

 

「・・・・・・俺自身だよ」

 

服を捲り上げ、晒された胸部の中央・・・・・ちょうど心臓があるその部位に、大きな穴があいていた。

 

「・・・・・・」

 

一同の中でも一際大きく目を見開いていた飛鳥は言葉を発することなく、ただただその穴を見つめていた・・・・・・




虚野十六夜について

虚野十六夜とは、逆廻十六夜という強大な力を持った存在が生まれた際に反動で誕生した存在です

十六夜ほどの力をもつ存在がうまれたのだから何らかの反動があってもおかしくないと思ったため考えつきました

当然、逆廻十六夜のほうがオリジナルなので潜在能力で言えば虚野十六夜の方が劣っています


それでは今回はここまで

次回もまたお楽しみに
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