問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~   作:shin-Ex-

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タイトルから分かるようにシナナさんがキレます

まあそこまで激しくじゃないけど・・・・・恐いと思います

それでは本編どうぞ


キレさせてはならない者

「ふむ、なるほど。中々面倒なことになってるようだな」

 

"ペルセウス"の兵達を全て拘束し終えたシナナは、十六夜から事情を聞いて納得したように頷いた。

 

「そういうことだ。本当ならこれからのことを考えて揉め事起こす気はなかったんだが・・・・・お前が先走りやがったから嫌々付き合う羽目になっちまったじゃねえか」

 

「何が嫌々だ。お前嬉々として協力してただろ」

 

「なっちまったものは仕方ねえからな。だったらいっそ楽しんじまった方がいいだろ」

 

「違いないな・・・・・くくくっ!」

 

「ヤハハッ!」

 

悪戯っぽい笑顔を浮かべるシナナと十六夜。

 

・・・・・・流石は問題児筆頭コンビである。

 

「あ、あの~・・・・・少しいいでしょうか?」

 

おずおずと訪ねてくる黒ウサギ。その体はなぜかワナワナと震えていた。

 

「あ?なんだよ黒ウサギ」

 

「いえ、その・・・・・彼等を拘束したのはいいんですけど・・・・」

 

「なんだ?」

 

「・・・・・・ここまでする必要はないですよね!?」

 

黒ウサギは涙目になりながら二人を怒鳴りつけた。

 

だがまあそれは無理もない話である。

 

ただ拘束するだけだというのに・・・・・・あまりにも派手に暴れすぎたせいで中庭の三分の一がボロボロに崩壊してしまったのだから。しかも拘束されている"ペルセウス"の兵達はあまりにもダメージが受けすぎて意識を失ってしまっている。

 

「ああ、そのことか。安心しろ黒ウサギ。これはわざとだ」

 

「それを聞いてなぜ安心しろと!?というかわざとなんですか!?」

 

「落ち着けよ。ここまでやったのにはちゃんとわけがあるんだからよ」

 

「十六夜の言う通りだ。考えがあって派手に暴れたんだよ」

 

「・・・・え?それって一体どういう・・・・」

 

どうやらシナナと十六夜には何らかの考えがあってわざと中庭を傷つけていたようだが、黒ウサギはその考えがなんなのかまでは理解できていないようだ。

 

「それは後でわかるさ。それはそうと・・・・・レティシア」

 

「ん?なんだ?」

 

「悪いが、お前も拘束させてもらう」

 

「なっ!?何を言っているのでございますか十六夜さん!!」

 

十六夜の突然の発言に、黒ウサギは動揺を顕にする。

 

「これも必要な事なんだよ。今後のことを考えるとレティシアにも加害者になってもらう必要がある」

 

「私も加害者・・・・・ふむ、なるほど。そういうことか」

 

十六夜の行っていることからレティシアは何かを察したようにふっと笑みを浮かべた。

 

「わかった。そういうことなら拘束するがいい」

 

「レティシア様!?」

 

「はいはい。黒ウサギは少し黙ってような」

 

シナナは抗議しようとする黒ウサギの手を引いて遠ざけた。

 

「話が早くて助かる」

 

十六夜はロープでレティシアを拘束する。できるだけ痛まないように緩くだ。

 

「すまねえな。まあ悪いようにはしないから少しだけ我慢してくれよ?」

 

「了解した」

 

「さて、それじゃあ早いとこ"ペルセウス"の親玉と話をつけよう。白夜叉のところに行けば橋渡ししてくれるだろ。俺は念のため飛鳥も呼んでくるから黒ウサギ達は先に門のところで待っててくれ」

 

「彼等はどうするのですか?」

 

黒ウサギは拘束された"ペルセウス"の兵達を指差しながら言う。

 

「ジンに見張っておくように頼んでおく。武装解除して拘束はこいつら程度じゃ解けないように頑丈にしてあるから大丈夫だろ。それじゃあまた後でな」

 

そう言いながらシナナは飛鳥を呼びに屋敷の中へと入っていった。

 

その後、合流したシナナ、十六夜、飛鳥、黒ウサギ、そして拘束されたレティシアの5人は"サウザンドアイズ"の商店を目指すのだった。

 

 

 

 

 

 

「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオス様がお待ちです」

 

"サウザンドアイズ"の商店に到着した5人を迎えたのは例の無愛想な女性店員だった。

 

「黒ウサギたちが来る事は承知の上ということですか?あれだけの無礼を働いておきながらよくも『お待ちしております』なんて言えたものデス」

 

「・・・・・事の詳細は聞き及んでおりません。中でルイオス様からお聞きください」

 

定例文にも似た言葉にまた憤慨しそうになる黒ウサギ。だが彼女に文句を言っても仕方がないことをわかっているので黒ウサギはぐっと堪えた。

 

シナナたちは店員に案内されて中庭を抜けて離れの家屋へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「うわお、ウサギじゃん!実物を初めて見たよ!まさか本当にこんな東の端っこに本ウサギがいるなんて思わなかった!つうかミニスカにガーターソックスってどんだけエロいんだよ!君うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付で毎晩可愛がってやるからよ」

 

中で迎えたいかにも趣味が悪くて軽薄そうなゲス野郎(決して言い過ぎではないと思う)・・・・ルイオスが盛大に歓声を上げた。いやらしく黒ウサギの全身を視姦してはしゃぎまくっている。

 

黒ウサギがあまりの嫌悪感でさっと足を両手で隠すと飛鳥が壁になるように前に出た。

 

「これはまたわかりやすい外道ね・・・・先に断っておくけれどこの美脚は私たちのものよ!」

 

「そうです!黒ウサギの脚は・・・・って違いますよ飛鳥さん!」

 

突然の所有宣言黒ウサギは慌ててツッコミを入れる。

 

そんな二人を見て十六夜は呆れながらため息をつく。

 

「そいつは違うぜお嬢様。この美脚は俺のもんだ」

 

「十六夜さんまで何を言ってるんですか!!」

 

「ふむ・・・・私も欲しいのだが?」

 

「レティシア様!?」

 

十六夜に引き続きレティシアまでも乗ってしまい、黒ウサギは動揺しまくる。

 

「よかろう!ならば言い値で私が・・・・」

 

「売・り・ま・せ・ん!」

 

そしてとうとう白夜叉まで名乗りを上げる。事態はもはやカオスである。

 

そんな状況を打開すべくシナナが口を開いた。

 

「お前らなにやってるんだよ・・・・・ここは飛鳥のしなやかな体は俺のものということで話を・・・・」

 

「どさくさに紛れて何を言ってるのシナナくん!!」

 

シナナの物言いに顔を真っ赤にして突っ込む飛鳥。

 

・・・・・さらに話は脱線してしまった。

 

「あっはははははは!何?"ノーネーム"っていう芸人コミュニティなの君らは?」

 

6人のやりとりを見たルイオスは、唐突に大声で笑い出した。

 

まあ確かにコントのようなやりとりなのだから無理はないであろう。

 

「お前らまとめて"ペルセウス"に来いってマジで。俺は道楽には好きなだけ金をかけるのが性分だからさ。生涯面倒見てやるよ?勿論その美脚は僕のベットで毎夜毎晩好きなだけ開かせてもらうけど」

 

「お断りでございます。黒ウサギは礼節を知らぬ殿方に肌を見せるつもりはありません」

 

黒ウサギはルイオスに嫌悪感を吐き捨てるように言い放つ。

 

「黒ウサギ・・・・・その格好じゃあ説得力ないわよ?」

 

「俺はてっきり見せつけるために着ているんだと思ったんだがな」

 

「黒ウサギって見られて興奮する質じゃないのか?」

 

黒ウサギを見つめながら言う飛鳥と十六夜、シナナの3人。

 

「ち、違いますよ!これは白夜叉様が開催するゲームの審判をさせてもらう時この格好を常備すれば賃金を三割増しにすると言われたので・・・・」

 

どうやら嫌々着ているらしい。

 

「嫌々そんな服着せさせられてたのかよ・・・・・超グッジョブ白夜叉」

 

「是非とも飛鳥にも服を分けてやってくれ」

 

「うむ」

 

ビシッ!と親指を立てて十六夜、シナナ、白夜叉の3人は意思疎通する。

 

「もう・・・・この変態様方!」

 

「だからなんでシナナくんは私を引き合いに出すの!」

 

黒ウサギは十六夜と白夜叉を、飛鳥はシナナをどこから取り出したハリセンで思い切りパシンと叩いた。

 

(ふむ・・・・・・何とも賑やかだな)

 

そんな光景を、微笑ましそうに眺めるレティシア。その目はまるで母のように温かい。

 

「ふうん・・・・・でもまあそこの男が言ってることもわからないでもないな」

 

ルイオスは舐めまわすような目で飛鳥を見ながら言う。

 

「な、なによ?」

 

飛鳥は不快な表情をあらわにする。

 

「いや?ガキには興味ないんだけどお前は中々僕好みでね。どうだ?金はいくらでも出してやるから一晩付き合わない?」

 

ニヤリといやらしい笑みを浮かべながら飛鳥を誘うルイオス。

 

その時・・・・・シナナからピシッと何かがひび割れるような音が聞こえてきた。

 

「お断りするわ。私はあなた如きに買われるほど安くはないのよ」

 

「そういう気が強いところもいいねぇ。なおさら気に・・・・・」

 

「ルイオス」

 

ルイオスの言葉を遮るように。シナナが名前を呼ぶ。

 

「あ?なんだよ?邪魔しないで欲し・・・・!?」

 

ルイオスの言葉が最後まで紡がれることはなかった。

 

なぜなら・・・・・ルイオスの目にドス黒いほどのオーラを纏い、清々しいほどの笑顔(邪悪)を浮かべたシナナの姿が映ったからだ。

 

「申し訳ないんだが・・・・・そういう話は今は遠慮してくれないか?俺達は真剣な話をしに来たんだからさぁ」

 

「い、いや・・・・先に脱線したのはそっち・・・」

 

「あ?(威圧)」

 

「なんでもないですごめんなさい」

 

シナナに威圧されてプライドの高いはずのルイオスはなんと0.2秒で土下座した。

 

・・・・・どうやら今のシナナはそれほどまでに恐ろしいようだ。

 

「よし、それじゃあ本題に入るけど・・・・・皆もいいな?」

 

「「「「・・・・・・はい。異論ございません」」」」

 

「いや、なんで敬語だよ・・・・・」

 

先程までの威圧を消したにもかかわらず、敬語で答える一同。理由は明白。先程のシナナがあの十六夜でさえトラウマになりかねないほどに恐ろしかったからだ。

 

((((二度と・・・・・・二度とシナナ(くん)(さん)を本気で怒らせてはならない))))

 

"ノーネーム"一同+白夜叉はそう心に深く刻み込むのであった。




キレたときのシナナについて

シナナはキレると非常に恐いです

万が一キレさせてしまったらトラウマになることはほぼ確定してしまうでしょう

まあ、ぶっちゃけルイオスはトラウマになったということです


それでは今回はここまで

次回もまたお楽しみに!
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