問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~   作:shin-Ex-

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今回はちょくちょく出ていた暗躍者が登場します

詳しいことは次回以降になりますが・・・・・

それでは本編どうぞ


暗躍者、その名は・・・・・

「来たね"名無し"。覚悟しなよ。・・・・二度と逆らう気がなくなるくらいに徹底的に潰してやるから」

 

ペルセウスの本拠地に赴いたシナナ、十六夜、飛鳥、耀、黒ウサギ、ジンの6人に向かって、ルイオスはいやらしい笑みを浮かべて宣言した。

 

「「「「敗北フラグ乙」」」」

 

それに対してシナナ、十六夜、飛鳥、耀の4人が清々しいほどの笑顔をルイオスに向けて言った。誰がどう見てもルイオスを小馬鹿にしているとわかる。

 

「・・・・・そうやって余裕振っていられるのも今のうちさ」

 

「?」

 

馬鹿にされているというのに余裕そうに・・・・そしてどこか同情のこもった目でシナナ達を見る。そんなルイオスの様子にシナナなにか引っかかるようなものを感じた。

 

「・・・・まあいい。僕に決闘をふっかけたこと後悔させてやる」

 

ルイオスはギフトカードを取り出す。すると周囲の空間が破れ、光に包まれた命達は白亜の宮殿の門前に足をつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギフトゲーム"FAIRYTALE in PERSEUS"

 

プレイヤー一覧

逆巻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

虚野 十六夜

 

"ノーネーム"ゲームマスター ジン・ラッセル

"ペルセウス"ゲームマスター ルイオス・ペルセウス

 

 

クリア条件

ホスト側のゲームマスターの打倒

 

敗北条件 

プレイヤー側のゲームマスターによる降伏

プレイヤー側のゲームマスターの失格

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

舞台詳細、ルール

ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない

 

プレイヤー達は本拠・白亜の宮殿の最奥に辿り着くまでにホスト側に姿を見られてはいけない

 

姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦権を失う

 

失格となったプレイヤーは挑戦権を失うだけでゲームを続行する事はできる

 

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します

 

"ペルセウス"印

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姿を見られれば失格・・・・か。まさにペルセウスの暗殺だな」

 

「伝説に倣うというのならルイオスは睡眠中ということになるが・・・・流石にそこまでは甘くないだろうな」

 

"契約書類(ギアスロール)"に一通り目を通した十六夜とシナナが呟いた。どうやらこの二人はペルセウスの伝説を知っているようだ。

 

「YES。シナナさんの言うとおりでしょう。ルイオスは奥で待ち構えているはずデス。それにはまず宮殿の攻略が先でございます」

 

「姿を見られないように・・・・・というのが厄介ね。兵を配置してるでしょうから姿を隠しながら進むっていうのも難しそうだわ」

 

「そうですね。まずは作戦を立てて・・・・」

 

「いや、作戦を立てる必要はない」

 

「「「「・・・・・え?」」」」

 

ニヤリと笑みを浮かべながら言うシナナに、一同は疑問の声を上げる。

 

「そいつはどういうことだシナナ?」

 

「このゲームの攻略には不可視のギフトが必須となる。"ペルセウス"の連中からそれを奪うことが前提条件だったんだろう。だが・・・・・・俺はその前提条件を覆すことができる」

 

「覆すことがって・・・・待てよ?お前があの時使った"アイギス"は・・・・・なるほど。そういうことか」

 

どうやら十六夜は何かを察したようで、一人口角を上げ笑みを浮かべた。

 

「何かわかったのですか十六夜さん?」

 

「ああ・・・・・まったく、お前はある意味規格外だな」

 

「規格外なのは俺というよりも作った奴だと思うんだが・・・・」

 

「えっと・・・・・結局どういうことなのかしら?私にはわからないのだけれど・・・・・」

 

「説明して欲しい」

 

「それはあとでのお楽しみだ」

 

説明を求める飛鳥と耀にシナナはいたずらっぽい笑顔を浮かべながらはぐらかした。

 

「意地悪ね」

 

「まあそう言うな。それよりも問題はルイオスの打倒だが・・・・」

 

「・・・・・残念ながら必ず勝てるとは限りませんね。非常に厳しい戦いになると思います」

 

黒ウサギが神妙な面持ちで言うと5人の視線は彼女に集中する。

 

「あの腐れ外道はそんなに強いの?」

 

「いえ、ルイオス自身の力はさほど。ガルドよりは上ですが到底脅威になるものではありません」

 

中々に酷い言い草だ。どうやら黒ウサギもルイオスを非常に気に入らないご様子。

 

「問題なのは彼が所持するギフト。もし黒ウサギの推測が外れていなければ彼のギフトは・・・・」

 

「「隷属させた元・魔王」」

 

「そう、元・魔王の・・・・え?」

 

シナナと十六夜の補足に黒ウサギは一瞬言葉を失った。

 

「神話通りだとしたら神に献上されたゴーゴンの首がこの世界にあるはずはない。にも関わらずあいつらは石化のギフトを使っていた。大方あいつの首からぶら下がってるのは"アルゴルの悪魔"ってところだろう」

 

「アルゴルの悪魔?」

 

十六夜の話がわかっていない飛鳥、耀、ジンは小首を傾げていた。

 

「ルイオスの奴、首に趣味の悪い装飾つけてただろう?」

 

「そういえば・・・・」

 

シナナの問いに耀はそうだったと思い出しながら答えた。

 

「ペルセウス座でゴーゴンの首に位置する星といえば"アルゴル"だ・・・・それで推察したんだよ」

 

「ま、まさかそこまで・・・・」

 

黒ウサギは信じられないといった目でシナナと十六夜を見た。

 

まさか二人がその答えにたどり着くとは思っていなかったようだ。

 

「・・・・・もしかしてシナナさんと十六夜さんは意外と知能派だったりします?」

 

「何を今更、俺は生粋の知能派だぞ?」

 

「俺の場合は・・・・・・かつて虚野十六夜にそう言った伝承、特にペルセウスの伝承に詳しい知り合いがいてな。話を聞くうちに俺もって感じさ」

 

シナナがどこか懐かしむように・・・・・そしてどこか悲しげに言う。

 

どうやらその知人とやらに何か思うところがあるようだ。

 

「シナナくん・・・・?」

 

「・・・・・ごめん、ちょっとセンチメンタルになってた。とにかく相手の力もそれなりに強大だ。油断せずにいこう」

 

「まあ、俺としては楽しめればなんでもいいがな」

 

「「「「言うと思った」」」」

 

まさに予想通りだったのだろう。十六夜の物言いにシナナ達5人は呆れたように苦笑いを浮かべる。

 

だがそれは十六夜への頼もしさの現れから来るものであった。

 

「さて、話はここまでにして・・・・そろそろいくか」

 

ゲームの攻略を皆に促すシナナ。

 

その手には、銀色のアクセサリーが煌きを放っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ば、馬鹿な・・・・・どうなっている!?」

 

宮殿の最奥で待ち構えていたルイオスは、目の前の光景に度肝を抜かせていた。

 

なぜなら・・・・・そこには余裕な笑みを浮かべ、兜を手に持つシナナ、十六夜、飛鳥、耀、そしてジンの5人が居たからだ。

 

「皆さん!お待ちしておりましたよ!」

 

先に審判として最奥に訪れていた黒ウサギは皆の姿を確認して喜びを顕にする。

 

「ど、どうなっている・・・・?ここにたどり着くまではまだいい。だが・・・・・何で誰も失格になっていないんだ!?」

 

ルイオスの言うとおり、シナナ達は誰一人失格となっていない。だからこそ驚きを隠せずにいるのだ。

 

このゲームは"ペルセウス"側から不可視のギフトを奪うことを前提としている。そのためには不可視のギフトを持つものの前に最低でも一人は姿を晒さなければならないため、挑戦者が誰一人失格にならないという状況はありえない。事実このゲームで失格者を出さないことなどこれまでなかったのだ。

 

「くくくっ・・・・・残念だったなルイオス。このゲーム・・・・俺たちにとってここに到着するのは容易いことだったよ。なにせ・・・・・これがあるからな」

 

シナナは手にしたハデスの兜をルイオスに見せながら言う。

 

「そ、それは僕達のハデスの兜・・・・・それがなんだって言うんだ?」

 

「こいつはお前達のものじゃない。これは・・・・・俺のハデスの兜だ」

 

そういうとハデスの兜は、銀のアクセサリーへと姿を変えた。それと同時に十六夜達が持っていたハデスの兜も消えてしまう。

 

「これは・・・・!?どういうことだ!!」

 

「このハデスの兜は俺のギフト、"具現(リアライズ)"によって出したものだ。このギフトはアクセサリーで象った物を具現させる能力なんだが・・・・それでハデスの兜を具現させたんだよ」

 

「なんだと!?」

 

「このゲームは相手が不可視のギフトを持っていないことが前提となっている。それ故に難易度が高かったんだろうが・・・・・・相手が不可視のギフトを持っているというだけでここにたどり着くこと自体はあまりにも容易だ。せいぜい今後の教訓にすることだな」

 

「ぐぅ・・・・・」

 

シナナの説教じみた言葉を受け、苦虫を噛み潰したかのように表情を歪ませるルイオス。

 

「それにしてもまさかハデスの兜のアクセサリーまで持ってたなんて・・・・」

 

「よくそんなもの持ってたわね」

 

「まあ・・・・・さっき言ったペルセウスの伝承に詳しいってのがアクセサリーを作ってくれた彫金師でな。それで作ってくれたんだよ」

 

「・・・・・作ろうと思って作れるものなんでしょうか?」

 

ジンの疑問ももっともだ。ハデスの兜などシナナのいた世界においては伝承の中のみの存在。実物を見たことがないのにそれと同じ形のアクセサリーを作るなら本来なら不可能に近い。

 

にも関わらずこうしてアクセサリーがあるのはその彫金師のある能力に由来しているのだが・・・・それに関してはまたの機会に。

 

「さて、ルイオス。ここまで来たからには後はお前を倒すだけだが・・・・・覚悟は出来てるだろうな?」

 

十六夜の一言で、問題児4人は臨戦態勢に入る。

 

たとえ隷属させた魔王・アルゴールを要していたとしても・・・・・いや、アルゴールでさえもシナナ、もしくは十六夜にかかれば恐るるに足らない相手なのだ。ルイオスが圧倒的に不利な状況に立たされているのは明らかだ。

 

この勝負・・・・・・このままいけば間違いなくルイオスが敗北するだろう。

 

そう・・・・・・あくまでもここままいけば、だ。

 

「くくくっ・・・・・アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

 

「「「!?」」」

 

突如として、その場にいた者全員が下品で不気味な笑い声を耳にする。

 

皆が声のする方向、宮殿の大柱に視線を向けるとそこには・・・・・一人の男がいた。

 

その男はところどころ血で赤く染まった黒い衣装を身に付け、狂気に染まった表情で笑みを浮かべている。

 

「だぁから言っただろルイオスくんよぉ。こいつらのことちょっと侮り過ぎだってさぁ」

 

「・・・・・ちっ」

 

男の軽口に、ルイオスは忌々しげに舌打ちする。

 

「・・・・・・」

 

そんな光景を・・・・・いや、突然現れた男を、シナナは神妙な面持ち浮かべながら睨みつけていた。

 

「どうしたのシナナくん?」

 

「・・・・・そういうことか。まさかお前が箱庭にいるとはな克臥狂治(こくがきょうじ)

 

「シナナ・・・・くん?」

 

いやに重い声色、そして目に見えそうなほどドス黒い怒りのオーラを纏いながら男の名を呼ぶシナナを目にして、飛鳥は思わず恐怖を抱いてしまう。

 

「アヒャヒャヒャ!久しぶりだなぁ虚野十六夜ぃ。覚えててくれて嬉しいぜぇ」

 

真っ直ぐにシナナを見据える狂治。まるでおもちゃを見つけた子供のようにはしゃぐが・・・・・そこには無邪気さは一切ない。あるのは悪意と狂気のみ。

 

「俺はなぁ、本当にお前に会いたかったんだぁ。会ってお前をもう一度・・・・・・もう一度この手でぶっ殺したかったんだぁ!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『克臥狂治』

 

彼は昔・・・・・・虚野十六夜を殺した男だった




ハデスの兜について

シナナがアクセサリーから出したハデスの兜は"ペルセウス"の所有するオリジナルと遜色ない効力を持っています

シナナはそれを複数具現することができるため、全員神殿の最奥に到着することができたということです


それでは今回はここまで

次回もまたお楽しみに
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