問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~   作:shin-Ex-

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サブタイトルが酷い・・・・・

けれどこれが一番しっくりきたのでこうなりました

それでは本編どうぞ


ウサ耳

「さて、呼び出されたはいいけど何で誰もいねえんだよ。この状況だと普通"箱庭"とかいうものの説明をする奴が現れるもんじゃねぇのか?」

 

十六夜はガシガシと頭を掻きながら言った。

 

「全くね。なんの説明もないままでは動きようがないわ」

 

「この状況に対して落ち着き過ぎるてるのもどうかと思うけど?」

 

「それは耀もだから。3人とも結構肝座ってるんだな」

 

「それはお前もだろ?」

 

「あんなことできる人間がこの程度で取り乱すとでも?」

 

「「「まあないか」」」

 

3人はシナナの言うことに納得した。そりゃ月を出すような人間がこの程度でうろたえるなどありえないに決まっている。

 

(4人ともなんでそこまで冷静なんですか!というかすごく出て行きにくい雰囲気なんですけど!)

 

ウサ耳の女性は困惑していた。目の前の4人のあまりの冷静さに。普通ならばもっと慌てふためいて混乱していてもおかしくないというのに・・・・・何とも肝の座った4人だ。まあ兎耳からしてみればある意味では願ってもない人材なのだが。

 

「仕方ねえ。こうなったらそこに隠れている奴にでも話を聞くか」

 

十六夜は兎耳が隠れている茂みの方を見ていった。

 

(き、気づかれてたー!?)

 

「あら?あなたも気がついていたの?」

 

「当然。俺はかくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの二人も気づいてたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

 

「気配を探れなければ戦場では致命的だ」

 

(((戦場って・・・・・本当にシナナ(くん)って何者)))

 

今のシナナの一言で、3人はより一層シナナに対する疑問を深める。

 

まあそれはともかくとして、どうやらこの4人はウサ耳のことには気がついているらしい。4人はウサ耳の隠れている茂みを、熊が逃げ出してしまいそうなほど鋭い眼光で見つめていた。

 

まああのような無茶苦茶なおもてなしを受けたのだから仕方がないであろう。

 

(これは・・・・出ざるを得ませんね)

 

流石にこの状況では出ざるを得ない。出なかったら・・・・・何をされるかわかったものじゃない。

 

ウサ耳は観念して茂みから出てきた。

 

「い、いや~・・・・流石はこの黒ウサギが召喚した方々ですね~。いえ、決して隠れていたわけではないんですヨ?出るタイミングを計れなかっただけで・・・・」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

黒ウサギは苦笑いを浮かべながら弁明したが、3人は変わらず黒兎を見つめ続ける。

 

「や、やだなぁ。そんな飢えた狼さんのように怖い顔で見られると私、黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ!古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な硝子のハートに免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「諦めて」

 

「あっは、取りつくシマもございませんね♪」

 

黒ウサギはお手上げといったふうにバンザイと手を上げた。しかしその目は4人を見定めている。

 

(肝っ玉は及第点、この状況でNOと言える勝ち気は買いです。ただまあ皆さん厄介そうでございますが・・・・・さて、どう切り出しましょう?)

 

どうしたものかと頭を悩ませる黒ウサギ。そんな黒ウサギに耀は背後から近づき・・・・

 

「えい」

 

「ニギャッ!?」

 

兎耳を鷲掴みにした。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとはどう言う了見ですか!?」

 

「好奇心のなせる業」

 

「フリーダムにも程がありますよ!?」

 

「おいおい・・・・これ本物のウサ耳なのか?」

 

「・・・・じゃあ私も」

 

十六夜と飛鳥も黒ウサギの耳を掴み引っ張った。特に飛鳥は目を輝かせてしまっおり止められそうにない。

 

「え、ちょっと待・・・・ニギャー!」

 

耳を引っ張られた黒ウサギの悲鳴が木霊する。よほど痛いのだろうか?よくあたり周辺に通る悲鳴だ。

 

「・・・・・・皆そんなにウサ耳気に入ったのか?」

 

ただ一人、黒ウサギのウサ耳に飛びつかなかったシナナが3人に尋ねる。

 

「あら?当然でしょ。こんなに珍しいもの」

 

「こんなん弄ってなんぼだろ」

 

「・・・・・好奇心には抗えない」

 

「私の素敵耳をなんだと思ってるんですか!?」

 

思い思いの返答をする問題児3人。対して黒ウサギはもはや涙目である。

 

「ふむ、そんなに気に入ったのか。そうか・・・・・・くくっ」

 

3人の返答を聞いたシナナはいやらしく、いたずらっぽい笑みを浮かべる。

 

そして懐からアクセサリーを取り出し・・・・・・能力を発動させた。

 

具現(リアライズ)兎耳(ラビットイヤー)』」

 

アクセサリーは4つの光となって、問題児達の頭部に移る。

 

そして光が消えると・・・・・・

 

「・・・・・これでお揃いだな♪」

 

・・・・・・問題児達の頭部にウサギ耳がついていた。

 

「「「はあぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

「え、ええっ!?」

 

まさかの事態にシナナ以外の問題児は慌てふためき、黒ウサギも動揺している。その様子をシナナはウサ耳をピコピコと動かしながら楽しそうに眺めていた。

 

「待て待て待て待て!シナナ!お前何してくれてんだよ!?」

 

「なにって・・・・ウサ耳気に入ったんだろ?だからつけたやったんだ」

 

「つけてやったんだ・・・・じゃないわよ!なにをさも当然のように答えているの!?」

 

「え?あの流れならやるのが普通だろ?」

 

「ウサギ耳以外の耳はつけれるの!?」

 

「あ~・・・・残念。耳関係はこれしか持ってないんだよね」

 

取り乱す3人は物凄い勢いでシナナに詰め寄るが、暖簾に腕押しのようだ。シナナは平然としていた。

 

・・・・・・まあ耀に限って言えば十六夜、飛鳥とは若干の温度差があるが。

 

「別にいいだろ?これで弄りたければ自分の弄ればいいわけだし」

 

「よくねえよ!いいかシナナ!弄るのはあのウサ耳だ!出なけりゃリアクションを十分に楽しめねえだろ!」

 

「そうよシナナくん!彼女の兎耳を弄ってこそ楽しいのよ!」

 

「・・・・私も自分のよりもあの兎耳をいじったほうが楽しい」

 

「私は楽しくないでございますよ!?」

 

黒ウサギのウサ耳を指差しながら言う3人。3人は結構真剣に行っているのだが黒ウサギからしてみればたまったものではないであろう。

 

「まあ皆の言い分はさておくとして・・・・・」

 

「置かないで欲しいのだけれど・・・・・って、シナナくん?」

 

飛鳥は自分の方をじっと見つめているシナナに疑問を抱いた。

 

「あの・・・・なんで私をそんなにじっと見つめているのかしら?」

 

「ん?いや、まあなんというか・・・・・・萌えるなと思って」

 

「・・・・萌える?」

 

真顔でとんでもない発言をするシナナ。しかし飛鳥はシナナが何を言ってるのかを理解できずにいる。

 

まあ彼女は『萌える』という言葉があまり浸透していない時代から来たので仕方がないと言える。

 

「シナナくん?萌えるって一体どういうことなのかしら?」

 

「よく似合っていて可愛いってことだよ」

 

「か、可愛い!?」

 

可愛い・・・・・・その一言で飛鳥の顔は真っ赤に染まった。

 

「シ、シナナくん!からかわないでちょうだい!!」

 

「からかってなんていない。本気で言ってるんだ。今だって可愛い飛鳥の姿を脳内に焼き付けているんだからな。それにしても・・・・・頬を赤く染めた飛鳥も中々・・・・・」

 

「だ、だからからかわないでって言ってるでしょう!」

 

さらに顔を赤くさせる飛鳥。これまで、面と向かって可愛いと言われた事はそうなかったのだろう、飛鳥の取り乱し方は相当なものだ。

 

もっとも、シナナの本気のこの発言も彼女からしたらからかっているようにしか思えないようだが。

 

「・・・・・ねえ、なんか私達すごく空気になってる気がするんだけど?」

 

「気がするじゃなくて・・・・・間違いなく空気になってますね」

 

「見てる分には楽しいからいいが・・・・・・・・やるならこのウサ耳とってからにしろよマジで」

 

完全においてけぼりにされている十六夜、耀、黒ウサギは不満の声を漏らす。

 

結局、全員のウサ耳を取り除いて箱庭についての説明を始めるのに1時間もかかり、その間ずっとシナナと飛鳥のやりとりは途絶えることなく続けられるのであった。

 

 

 

 

 

 




ウサギの耳について

ウサギの耳には大きく二つの役割を持っています

一つは集音効果。つまりは音を聞きやすくするというものです

二つ目は体温調節。ウサギは汗をかかないので体温調節の役割を耳がになっているようです

ちなみにウサギの耳がどれだけの距離の音が聞こえるかは厳密にはわかっていないらしい

まあ、それでも黒ウサギレベルでないことは確かなのですが


それでは今回はここまで

次回もお楽しみに
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