問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~ 作:shin-Ex-
それでは本編どうぞ
「さて、気を取り直して・・・・・これより作戦会議が始める」
皆が風呂から上がり、ようやく明日の作戦会議が始まろうとするが・・・・・
「議題は黒ウサギの審判衣装をエロ可愛く・・・・」
「始めません!!」
スパァン!
悪ふざけを言う白夜叉に黒ウサギのツッコミ用ハリセンが鋭く炸裂した。
「すまんすまん。まあ冗談はさておいて実は明日から始まる決勝の審判を黒ウサギに依頼したいのだ」
「あや?それはまた唐突でございますね」
「まさか・・・・・昼間の俺と黒ウサギとのゲームが原因か?」
十六夜はもしやと思い白夜叉に聞いてみる。
「そうだ。あれで"月の兎"が来ていると知れ渡ってしまってな。滅多に見られないおんしを明日のギフトゲームえ見られるのではないかと期待が高まっておる。祭りを盛り上げるためにも出てはくれぬか?」
「うぅ・・・わかりました。ゲームの審判、進行は黒ウサギが承ります」
昼間の件で白夜叉には貸しがある為に黒ウサギは依頼を引き受けることにした。
「感謝するぞ・・・・・・・それで審判衣装だが例のスケスケビスチェスカートを」
「着ません!全くもう・・・・・」
またしても悪ふざけに走る白夜叉に黒ウサギは頭が痛むのを感じる。
「・・・・そういえば、明日私が戦う相手ってどんなコミュ二ティなの?」
耀が白夜叉に尋ねる。
「それはフェアではないから教えられん。"主催者(ホスト)"が教えてやれるのは」
そう言いながら白夜叉は明日のゲームの概要が書かれた紙を取り出して全員に渡した。
("ラッテンフェンガー"ですって・・・・!?)
(・・・・・・"ラッテンフェンガー")
その紙に記された"ラッテンフェンガー"というコミュ二ティの名に飛鳥は大きく反応を示し、シナナも表情を強ばらせた。
「どちらも一つ上の階層のコミュ二ティ・・・・詳しくは知らないですが手ごわい相手になると思います」
そんな二人の心境などいざ知らず、ジンは話を進めていく。
「そうか・・・・それにしても"ネズミ捕り道化(ラッテンフェンガー)"か・・・・明日の相手はさしずめハーメルンの笛吹き道化だったりするのか?」
「!?十六夜くんそれどういう・・・・」
「待て、どういうことだ小僧?」
十六夜の言った何気ない一言に興味を示し、飛鳥が話を聞こうとするがそれを阻むように動揺した様子で白夜叉が食い気味に十六夜に尋ねる。
「・・・・どうした白夜叉?」
「・・・・ああ、すまんの。最近召喚されたばかりのおんしらは知らんのだったな。"ハーメルンの笛吹き"というのは・・・・とある魔王の下部コミュニティだったものの名だ」
「「!?」」
「魔王の配下・・・・・だと?」
白夜叉の口から"ハーメルンの笛吹き"の正体を聞き、一同に緊張が走る。
「魔王のコミュニティの名は"幻想魔導書郡(グリムグリモワール)"。全200篇にも及ぶ魔書から悪魔を呼び出した驚異の召喚士の統べたコミュニティだ」
「ですがその魔王は既に敗北しこの世を去ったはず・・・・・」
「しかし十六夜さんは"ラッテンフェンガー"が"ハーメルンの笛吹き"だとおっしゃいました。それに例の"予言"のこともあります。滅んだ魔王の残党がラッテンフェンガーの名を騙ってこの祭りに忍び込んでいるかもしれません。もし何かご存知なら万が一に備えてご教授をお願いします」
黒ウサギは十六夜に説明を求める。
「・・・・事情は把握した。俺が・・・・いや、俺達が知ってるのは童話についてだけだがな」
「え?」
十六夜はジンに目配せをしながら笑みを浮かべて言う。
「勉強の成果を見せてやれよ御チビ」
「あ、はい。わかりました」
十六夜に促されてジンが説明を始めた。
「なるほどの。それが"ハーメルンの笛吹き笛吹き"か・・・・・」
ジンの説明を聞いてひとまず白夜叉は納得する。
「だがその隠語がなぜネズミ捕りの男なのだ?」
「はい。それはグリム童話の道化師がネズミを操る道化師だったとされるからです」
(ネズミを・・・・操る)
飛鳥はネズミに襲撃された時のことを思い返す。
「ネズミって言えば・・・・・・シナナとお嬢様を襲ったのもネズミだったんだよな?」
「ふむ、となると・・・・・・やはりラッテンフェンガーのコミュニティが魔王、あるいはその配下である可能性は高いの。まだ断定はできんが」
(そんな・・・・・・それじゃあこの子は一体?)
飛鳥は戸惑いの表情で小精霊に視線を向ける。飛鳥にはとてもこの小精霊が魔王の配下であるとは思えない・・・・・いや、信じることができなかった。
「それにしても驚きました。ジン坊ちゃんどこで"ハーメルンの笛吹き"を知ったのですか?」
黒ウサギは自分が知らないあいだに知識をつけていたジンに対して驚きを隠しきれずに賞賛した。
「十六夜さんと地下の書庫で未読の書籍を読み込んだ時にだよ」
「そういう知識は神話や伝承を備えた相手の対抗手段になる可能性があるからな」
「なるほど・・・・・」
「ともかく"ラッテンフェンガー"には監視をつけておくのが妥当であるだろうな。まあゲーム中に魔王が襲ってくるのは難しいのだが」
「・・・・・対策でもあるのか?」
「うむ。これを見よ」
白夜叉は火竜誕生祭における取り決めの書かれた書類をその場にいた全員にに見せた。
「"参加者以外は祭りに入れない"、"参加者は主催者権限(ホストマスター)を使用できない"・・・・・確かにこのルールなら魔王が襲ってきても"主催者権限(ホストマスター)"を使ってギフトゲームを強要することは不可能ですね!」
「だがこれはあくまでも最低限の対策に過ぎない?"予言"がある以上は魔王の出現は不可避・・・・・そうだろ白夜叉?」
「まあ十六夜の言うとおりだな。そこで万が一の時はおんしらの出番だ。頼んだぞ」
「おう。任せとけ」
笑みを浮かべながら頼んでくる白夜叉に、皆を代表して十六夜が力強く承諾した。
「というわけで作戦会議はここまでだの。皆明日に備えて休んでくれ」
作戦会議がお開きになり、白夜叉は休むように促した。
「と、その前に・・・・・・・ジン、黒ウサギ」
「はい?」
「なんですか?」
休むために用意された部屋に向かおうとするジンと黒ウサギをシナナが引き止める。
その理由は祭を隠していたことに対して説教をするため・・・・・・なのだが。
「・・・・・・いや、ごめん。やっぱ今度でいいや」
シナナは結局説教をしないまま、部屋を出て行ってしまった。
「シナナさん・・・・・一体どうしたんでしょう?」
「わかりません。でも・・・・・・先程から何か様子がおかしい気がします」
「・・・・・・私もそう思った。」
「話を聞いてはいたが何も喋らなかったしな。何かあるってのは間違いないだろ」
流石にシナナの様子がおかしいことには気がついていた一同は、シナナに何があったのかと思考を巡らせる。
「シナナくん・・・・・・・」
「・・・・・行ってきて飛鳥」
「春日部さん?」
「飛鳥になら・・・・・シナナなにか話すかもしれないから」
飛鳥はここに居る誰よりもシナナと親交が深い。そのため、耀は飛鳥にいくように促した。
「・・・・・わかったわ。それじゃあ行ってくる」
飛鳥はシナナを追って部屋を出て行った。
「・・・・・・春日部、お前はお嬢様にならシナナは話すと思ってるのか?」
「うん、そうだけど・・・・・・」
「・・・・・・その考えは甘いかもしれないぜ」
「え?」
「どういうことでございますか十六夜さん?」
嫌に神妙な面持ちの十六夜の発言に耀は首をかしげ、黒ウサギはどういうことなのかと尋ねる。
「たとえお嬢様であっても・・・・・いや、むしろお嬢様にだからこそ言えないこともあるってことだ。そうでなくてもシナナは色々抱え込むタイプだからな」
「同感だの。おそらく・・・・・・飛鳥相手でもシナナは何も言わん可能性が高いであろう」
「・・・・・じゃあ私余計なことしちゃったの?」
「それは・・・・・・まあ結果次第だとしか今は言えないな」
「・・・・・・」
飛鳥をシナナのもとに行かせてしまったのは間違いだったのかもしれない・・・・・・そう思ってしまった耀の表情は優れなかった。
今回は説明なしです
次回もまたお楽しみに!!