問題児たちが異世界から来るそうですよ?~誰も知らぬ死物の物語~ 作:shin-Ex-
そしてシナナさんがなんと・・・・・・
どうなるかは本編にて!
それでは本編どうぞ。
「皆さん!見えてきましたよ!」
黒ウサギは目的の店を指差した。
そこには和風の商店があり、商店の旗には、蒼い生地に互いに向かい合う二人の女神像が記されている。おそらく"サウザンドアイズ"の旗なのだろう。
ただ店を見ると割烹着を着た女性店員が看板を下ろしているところであった。
「まっ「待ったなしですお客様。うちは営業時間を延長したりしませんので」
黒ウサギは滑り込んでストップをかけようとするが、女性定員にきっぱりと断られてしまった。流石は超大手の商業コミュニティ。断り方に一部の隙もない。
「随分と商売っ気のない店ね」
「全くです!閉店時間5分前に客を締め出すとは!」
「そんなんじゃお客に逃げられないか?」
「文句があるなら他所へどうぞ。その代わりあなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」
「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」
キャーキャー喚く黒ウサギ。しかし店員は冷めたような眼と侮蔑を込めた声で対応する。
「なるほど、"箱庭の貴族"であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。入店許可を伺いますので、コミュニティの名前を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
「・・・・・う」
一転して言葉に詰まる黒ウサギ。
「俺達は"ノーネーム"ってコミュニティなんだが」
しかし十六夜はなんの躊躇いもなく堂々たる態度で名乗った。
「ほほう。ではどこの"ノーネーム"様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
ぐっと黙りこむ黒うさぎ。
(これがノーネームであることの弊害か・・・・・この3年間黒ウサギ達はよほど肩身の狭い想いをしていたのだろうな)
シナナはこれまでの黒ウサギたちの苦労を思い、どこかやるせない気持ちになっていた。
(ま、まずいです。"サウザンドアイズ"の商店は"ノーネーム"御断りでした。このままだと本当に出禁にされるかも)
力がある店は客を選ぶ。信用できない客を扱うリスクを彼らが冒すはずもない。
全員の視線が黒ウサギがに集中する。
「その・・・・あの・・・・・私達に旗はありま」
「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」
心の底から悔しそうな顔をして小声で呟く黒ウサギに向かって着物風の服を着た白髪の少女・・・・・白夜叉がとてつもな勢いで抱きついて・・・・・いや、腹に突っ込んで行った。
「キャアーーーーー・・・・・!」
黒ウサギは悲鳴を上げながら少女と共にクルクルと回転して道の向こうにある浅い水路まで吹き飛んでいった。
突然の出来事にシナナ達4人は目を丸くし、店員はやれやれといった感じで頭を痛そうに抱えている。
「・・・・おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非頼む」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「それじゃあ俺は飛鳥からサービスを・・・・」
「どさくさに紛れて何を言ってるのよシナナくん!」
顔を赤くてしシナナにツッコミを入れる飛鳥。対してシナナはにこやかだ。
「じゃあ俺は春日部か?まあそれはそれで悪くは・・・・」
「やらないから!」
さらには十六夜まで便乗し、それに珍しく声を張り上げて突っ込みを入れる耀・・・・・もはやカオスである。
一方水路に落ちた二人はというと・・・・
「ゴホゴホッ!し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」
「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地からして違うのう!ほれここか?ここが良いか?ここが良いのか!ここなのか?」
「ちょ、白夜叉様やめてください~!!」
何とも不健全な空気を醸し出している。しかも黒ウサギをいじっているのは見た目幼い少女なのだから不健全さに拍車がかかる。近くに子供がいたら確実に目を塞いでいただろう。
「もう・・・・いい加減にしてください白夜叉様!」
いい加減黒ウサギも我慢の限界だったのだろう。白夜叉を思い切り突き飛ばす。
突き飛ばされた白夜叉は回転しながら吹き飛んでゆき、その先にいた十六夜が足で・・・・
「はい、いらっしゃい」
・・・・受け止める前にシナナが回収。白夜叉をお姫様抱っこの要領で抱き上げた。
「おいおい、割り込むなよシナナ」
「割り込むなって・・・・・お前足で受け止めようとしてただろ?淑女にその対応はどうかと思うぞ?」
「うむ、中々わかっておるではないか。おんし名はなんという?」
「シナナだよ。雅な美少女さん」
「はははっ!随分と達者な口だ」
ニコリと微笑みを浮かべながらシナナが言うと、白夜叉はご機嫌になった。
「・・・・・・・」
「どうしたの飛鳥?」
シナナと白夜叉の様子を面白くなさそうな表情で見ていた飛鳥に、耀が尋ねる。
「・・・・・別になんでもないわ」
「?そっか・・・・・」
(・・・・・なんで私こんなにイラついてるのかしら)
飛鳥は自分の中で芽生えた苛立ちの正体がわからずに、戸惑っていた。
「ところで君はこの店の人なのかな?」
シナナは白夜叉を下ろしながら尋ねた。
「おおそうだとも。この"サウザンドアイズ"の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年のわりに発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」
・・・・・先程の黒ウサギとのこともいいもはやただのセクハラおやじである。
(大手コミュニティの幹部・・・・・只者じゃないと思ったけどどうりで)
シナナはどこか納得した様子を見せる。
どうやらシナナは気がついているようだ・・・・・白夜叉の秘めたる強大なる力に。
「オーナー、それでは売上が伸びません。ボスが怒りますよ?」
そんな冷静な声で女性店員が釘を指す。
「ふふんなるほど。お前達が黒ウサギの新しい同志か。異世界の人間がここに来たということは・・・黒ウサギが私のペットになりに・・・・」
「なりません!」
しかし女性定員の言っていることなどお構いなしに白夜叉はニヤリと意地悪く笑いながら喋り始めた。彼女はどうやら黒ウサギを弄るのを楽しんでいるようだ・・・・いや、あるいは本気なのかもしれないが。
「さて、何か用があるんだったな。立ち話もなんだ、中に入って話すとするか」
「白夜叉様、彼らはノーネームです。ウチの規定では・・・・」
「構わん。ノーネームと分かっていながらも名を尋ねる性悪店員の詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任をとる。いいから入れてやる」
「全く白夜叉様は・・・・」
白夜叉の言葉に女性店員がムスッと不貞腐れてしまったのは言うまでもない。彼女からしたら規律を守ろうとしただけなのだからたまったものではない。
「では案内しよう」
白夜叉に案内され、一同は店の中へと入っていった。
シナナ達は枯山水の美しい庭が見える部屋に連れてこられた。どうやらここが白夜叉の部屋らしい。香が焚かれており、部屋をそよそよと吹き抜ける風と共にシナナを除く者達の鼻をほのかにくすぐる。
やや広い和室の上座に腰を降ろした白夜叉は、四人と黒ウサギに向き直った
「さて、もう一度自己紹介をしておこうかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」
「ふむ、確かに麗しいな」
「・・・・・・」
納得したように頷くシナナを、飛鳥はジト目で見つめた。
自覚はないであろうが・・・・・・完全にシナナのことを意識している。
「はいはい、お世話になっております本当に」
凄く投げ遣りな言葉で流す黒ウサギ。貴重なコネクションなのだからもう少し大切にすべきなのだろうが、この様子だと普段からよっぽど色々なセクハラをされているに違いない。
・・・・何とも哀れである。
「その外門って何?」
黒ウサギの隣に座っている耀が小首を傾げて聞いた。
「箱庭の階層を示す外壁にある門のことです。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。白夜叉様がおっしゃった三三四五外門などの四桁の外門ともなれば名のある修羅神仏が割拠する完全な人外魔境ですね」
黒ウサギは皆にわかりやすいように紙に上空から見た箱庭の略図を描いていく。図は七つの階層に分かれていた。
「・・・超巨大玉ねぎ?」
「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」
「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ」
「バームクーヘン・・・・・・今度作るか」
「そんな身も蓋もない・・・・・シナナさんはズレてらっしゃいますし」
黒ウサギの描いた図を見て十六夜達3人はそう喩え、シナナは完全にずれた発言をしている。
そんな様子を見た黒ウサギは肩を落とした。
「シナナくんバームクーヘン作れるの?」
「ああ。あれは道具があればそこまで難しいものでもないし。今度作ろうか?」
「ええ。お願いするわ」
さらには和やかにこんな会話をし始めるシナナと飛鳥・・・・・・何という神経をしているのだろうか。
「ふふ、バームクーヘンとはうまいこと例えるな。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたる。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は"世界の果て"と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、中々に強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ。例えばその水樹の持ち主の蛇神などがな」
白夜叉は薄く笑うと黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向けた。
「して誰がどのようなゲームであの蛇神に勝ったのだ?どうやって手に入れたのだ?知恵比べか?それとも勇気を示したか?」
「ふふふ・・・なんとこの十六夜さんが素手で叩きのめして勝利したのですよ!」
「なんと!?直接倒したとな!?」
まるで自分のことのように自慢気に黒ウサギが言うと、白夜叉は声をあげて驚いた。
「なんか驚かれてるがその蛇神ってのはそんなに凄かったのか?」
「いや。まあそれなりって感じだったな」
シナナの質問に答える十六夜。本当に彼にとってはそこまで大したものではなかったのだろう。
・・・・・・・哀れなり蛇神。
「ふむ・・・・そこの小僧はもしや神格持ちの神童かの?」
「黒ウサギはそうは思いません。神格持ちなら一目で分かるはずですし」
黒ウサギが首を横に振る。白夜叉も彼女の実力は認めているのでその言葉が真実だとわかると首を傾げる。
「確かにそうだな。しかし神格なしであやつを倒したとなると種族間のパワーバランスが大きく崩れている時だけのはず・・・・種族の力で言えば人と蛇はドングリの背比べなのだが・・・」
そんなことを呟きながら思案する白夜叉。
「ところでその神格ってなに?」
耀は興味深そうに白夜叉に尋ねた。
「神格とは生来の神そのものではなく種の最高のランクに体を変幻させるギフトのことだ。例えば蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。人に神格を与えれば現人神や神童に。鬼に神格を与えれば天地を揺るがす鬼神と化す」
「つまり・・・・生物を進化させるギフトっていうことか?」
「少し違うの。神格を持つことで他のギフトも強化されるからの。故に箱庭にあるコミュニティの多くは各々の目的のためまずは神格を手に入れることを第一目標とし、上層を目指して力を付けるのだ」
「なるほどな」
シナナは今の白夜叉の説明で理解したようだ。
「ところで白夜叉様。白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」
「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」
「へえ、それはつまりお前はあれより強いってことか?」
十六夜は好戦的な目を向けて白夜叉に尋ねた。
「ふふん、当然だ。なにせ私は東側の"階層支配者"だぞ?この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者などいない最強の主催者(ホスト)なのだからの」
"最強の主催者"。その言葉に、問題児四人は瞳を輝かせる。
「そう・・・・それはつまり貴方のゲームをクリア出来れば私達のコミュニティは東側で最強という事になるのかしら?」
「無論そうなるのう」
「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」
四人は闘争心剥き出しにして白夜叉に視線を向ける。そんな四人を見て白夜叉は高らかに笑い声をあげる。
「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら私に挑むと?」
「え?ちょっと!!本気ですか!?」
「よい黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えてのでな」
慌てる黒ウサギを白夜叉はは制した。
「しかし、先に確認しておく事がある」
「なんだ?」
白夜叉は十六夜達に向き直ると着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印の紋が入ったカードを取り出し・・・・
「おんしらが望むのは"挑戦"か?・・・・・もしくは"決闘"か?」
白夜叉は不敵な笑みを浮かべて言った。その瞬間・・・・
「「「「!?」」」」
周りの景色が揺らぎ破れた。あたり一面の情景が変わり、いつの間にか命達は白い雪原と凍る湖畔、そして水平に太陽が廻る世界に足をつけていた。
「今一度名乗りなおし、問おうかの。私は"白き夜の魔王"。太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは試練への挑戦か?それとも対等な決闘か?」
『魔王白夜叉』。その幼い外見からは想像出来ない凄みのある笑みを向けられた命達は息を呑む。
星霊・・・・それは惑星級以上の星に存在する精霊であり妖精や鬼・悪魔などの最上級に位置する種で、ギフトを与える側の存在である。
(これは・・・・・想像以上だな)
空間さえも変化させてしまう絶対的な白夜叉の実力を垣間見たシナナは苦笑いを浮かべた。
「水平に廻る太陽・・・・そうか、白夜と夜叉。あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことか」
十六夜は背中に心地のよい冷や汗を感じ取りながら、白夜叉を睨んで笑う。
「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤の一つだ」
白夜叉が両手を広げると、地平線の彼方の雲海が瞬く間に裂け、薄明の太陽が晒される。
「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤だって言うの・・・・!?なんてデタラメな・・・・」
そう、デタラメなのだ。理不尽とも言えるほどの力を持った存在。数多の修羅神仏が集うこの箱庭においても最強種と名高い"星霊"にして"神霊"。
『白夜叉』はその一角を担う強者にほかならない。
「しておんしらの返答は?"挑戦"であるならば、手慰み程度に遊んでやる。だが"決闘"を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」
圧倒的な威圧を込めた笑みを浮かべながら白夜叉は言い放った。
「「「・・・・・・・・っ」」」
飛鳥と耀、そして自身の力に自信を持つ十六夜でさえも返答に躊躇っていた。
白夜叉がどのようなギフトを持つのかは定かではない。だが・・・・勝ち目がないことだけは3人にも即座に判断できた。
それでも喧嘩を売ったのは自分たちだ。こんな形で取り下げるのには彼らのプライドが邪魔してしまっていた。
「・・・・・参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」
しばしの静寂のあと、諦めたように笑う十六夜が挙手をし、自ら手を引いた。十六夜は勝てない戦いを無謀に仕掛けるほど愚かではなかった。
「ほう・・・・」
そんな十六夜に白夜叉は素直に賞賛を送った。自らの敗北を受け入れるというのは時として大層な勇気と覚悟がいる。十六夜のような自信家ならば尚更だ。故に白夜叉は十六夜の潔さは評価に値すると判断したのだ。
「それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」
「ああ。これだけのゲーム盤を用意出来るんだからな。アンタには資格がある。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」
ただまあ十六夜とてまだ子供だ。プライドが高いが故に意地の張り方はどこか可愛らしい。
「く、くくく・・・・・年相応に可愛らしい意地の張り方じゃ」
思わず白夜叉は腹を抱えて哄笑をあげた。
「して、他の童達も同じか?」
ひとしきり笑った白夜叉は笑いを噛み殺しながら他の三人にも問う。
「・・・・・ええ。私も試されてあげてもいいわ」
「右に同じ」
苦虫を噛み潰したような表情で飛鳥と耀は返事をした。しかし・・・・
「そうか。じゃあ決闘は俺と白夜叉の一騎打ちってことになるな」
「「「!?」」」
シナナは他の三人とは違った。どうやら彼は決闘を選ぶらしく、それを聞いた一応は表情を驚愕に染めた。
「・・・・・シナナよ。聞き間違いでなければおんしは私との決闘を望んでおるようだが?」
「聞き間違いじゃないから安心しな。いや~、まともな実戦なんて10年ぶりだからな~。訛ってなけりゃいいけど」
白夜叉の問いかけに、のんきにストレッチしながらシナナは答える。
「な、何を言っているんですかシナナさん!?ダメです!!今すぐ撤回してください!!」
慌てた様子でシナナを説得する黒ウサギであるが・・・・
「断る。もう決めたことなんだ。男に二言はないってね。それにこの箱庭における俺の格ってやつを知っておきたいしな」
シナナは聞く耳を持たず、ストレッチを続ける。
「シナナくん・・・・・本気なの?」
今度は飛鳥が尋ねる。その表情は心配の色を醸し出していた。
無理もない。挑む相手が相手であるのだから。
「本気も本気。ガチだよ。そうだ、この勝負に勝ったら飛鳥をデートに誘うからな」
にこやかな笑みを飛鳥に向けながら言うシナナ。
・・・・・・死亡フラグにしか聞こえないがそれはないであろう。なにせシナナは今更死ねないのだから。
「シナナくん・・・・・」
「そんな心配そうな顔するな。俺なら大丈夫だから」
シナナは飛鳥の頭を優しく撫でた。飛鳥はその心地よさに目を細め、シナナを心配する気持ちが・・・・・不安が和らいでいった。
「意思を曲げるつもりはなさそうだの・・・・・今一度問おう。この私と命と誇りを賭け戦う覚悟はあるか?」
「ないね」
「・・・・・は?」
シナナの返答に白夜叉は素っ頓狂な声を上げた。
ただ・・・・シナナの返答の意味は戦う覚悟がないというわけではない。
「残念ながら俺には賭けられるような命と誇りがないんでな。戦う覚悟しか持ち合わせていない」
「ほう・・・・・・つまりこの戦いで死なぬ自信があると?」
「まあ死ぬことはないな」
それは至極当然のことだ。シナナは既に死物であるのだから。
「・・・・・よかろう。ならば話はここまでにして・・・・・・始めるとしよう」
刹那にして、白夜叉の纏う空気が変わった。
先程までとは明らかに違う・・・・・並大抵のものならば精神が潰れてしまうほどのあおの威圧感はその場に居た一同を震え上がらせるに十分なものであった。
だが・・・・・
(この威圧感・・・・・間違いなく俺が今まで戦ってきた中で最強だな)
シナナだけは違った。この威圧感に対して一切取り乱すことなく、冷静に白夜叉の実力を図っていた。
(自力では劣るだろうなぁ・・・・・・まあいいけど。いざとなったら切り札を切ればどうとでもなるし。まずは・・・・・勘を戻すか)
「
シナナのギフトを用いてアクセサリーを巨大な斧に変える。
「それじゃあ・・・・・・いくぞ白夜叉!」
斧を振りかぶりながら、シナナは白夜叉に突撃していった。
さあ、戦いの始まりだ
最強の『死物兵器』の力・・・・・・
存分と知るがいい
今回は本編での補足を
シナナさんは白夜叉さんと決闘することになりましたが
というのも、シナナさんは敢えてそれが作成される前に攻撃を開始したからです
これにはシナナさんなりに考えがあってのことですが・・・・・それについてはいずれわかります
それでは補足はここまで
次回もまたお楽しみに