前回の「ハイスクールDxD 笑顔の英雄目録」は、オカルト研究部が全員悪魔・兵藤一誠も悪魔・しかも兵藤一誠には神器と呼ばれる力があったりなど1日で何度も驚く体験をした神道総護。彼は無事にオカルト研究部に入部し、裏の世界へと関わっていく。
どうも!無事にオカ研に入部できた神道総護です!っと言ってもオカ研は悪魔の仕事をする・・・要するに拠点としての仮の姿という事。だから悪魔じゃない俺が放課後の時間にここに居ても・・・
「暇だぁぁぁぁ・・・・」
・・・こうなるわけ・・・・
「どうしたの?総護。浮かない顔して・・」
「部長・・」
俺に気づいたリアス部長が俺の元へと歩いてくる。・・・そういやあの後部長に「貴方も悪魔になってみない?」って聞かれたんだっけ。あの時は時間が欲しいって言って待ってもらったんだけど未だに決まる気配がないんだよなぁ〜・・・っとこの話はまた今度。
「いやぁ・・・暇なんですよね〜」
「あら・・・それなら私とチェスでもしてみる?」
チェスか。悪魔の人ってやたらチェスのこと推してくるよね・・・何でだろ?・・・まあいいか。
「いいですけど・・・俺やったことありませんよ?・・」
「それならルールを教えながらやりましょうか」
「お願いします」
チェスについて一通り教えてもらった後は実戦形式で復習していた。最初は手加減していてくれた部長も、途中から本気で勝負していた。慣れると面白いゲームだなこりゃ!
そして約1時間後・・・
「ま・・・・負けた!?」
「やっと勝てた!」
ついに部長に勝ちました!いやぁ長かった長かった!
「そんな・・・たった一時間で・・・」
・・・部長・・・そんなにショックですか?
「リアスはチェスで勝負してあんまり負けたことがなかったのよ。だからショック受けてるんじゃないかしら」
「朱乃さん!?いつの間に!」
いつの間にか背後に朱乃さんがいた・・・っていうか朱乃さんプライベートの時は部長じゃなくてリアスって呼ぶんだね。結構びっくりしたんだけど。
「少し前にですわね。2人にお茶をお持ちしましたので・・・」
朱乃さんの手元には茶菓子とお茶が置かれたおぼんを持っていた。
「ありがとうございます!」
「朱乃・・・ありがとう・・・」
まじてショック受けてんな部長・・・そっとしておこう。
「そういえば、イッセーと木場・それに小猫ちゃんは?」
「イッセー君と祐斗君は悪魔稼業に。小猫ちゃんはさっき帰ってきて今は近くのコンビニにお菓子を買いに行ってますわ」
成る程。そういやイッセーの奴魔法陣で転移とやらを試したら魔力がなさすぎて依頼者のところに飛べずに自転車で行くことになったって言って泣いてたっけ・・・御愁傷様。
「悪魔稼業ってどんな事するんですか?」
「それは簡単なことよ。依頼者の願いを対価さえ支払って貰えば何でもする・・・まあその願いが大きけれは大きいほど対価も大きくなるのだけど・・・」
ほうほう・・・なかなか面白そうな事してんな。
「貴方も悪魔になったらやって貰うわよ?」
「そ、その話はまた今度で・・・っていうかイッセーの奴交渉とか出来るんですか?」
「・・・・・・今の所三回行って三回とも契約取れず・・・・だけど依頼者の評価は絶大に良いのよね」
「あらら・・・まあイッセーですからね・・・・」
あいつならありえそうだから怖い。このまま契約一個も取れなかったりして・・・
「・・・・もうこんな時間・・・総護!あなたもう帰っていいわよ」
「えっ?」
「だってもうすることないじゃない。私のチェスにも勝つし・・・」
あ・・・まだ引きずってら・・・。
「まあそうですわね。ここに居てもすることはありませんし・・・」
・・・ならお言葉に甘えて帰らせていただきますか・・クロが腹空かせてるだろうし・・・・
「んじゃ、失礼します」
そう言ってドアノブに手を掛けようとする。すると、
「・・・・・今戻りました」
げっ!小猫ちゃん!?俺は掴もうとしたドアノブがなくなったことに気づき慌ててしまう。そして、
「・・・・・・っ!」
「やばッ!?」
ドスンッ!
「あらあら」
「ちょ!?二人とも大丈夫?」
朱乃さんと部長の声が聞こえる・・・痛え。どうやら転けたみたいだな・・・まさか小猫ちゃんが帰ってくるとは予想外やったわ〜。
「・・・・・先輩。そろそろ退いてもらえませんか」
小猫ちゃんに言われて自分の置かれている状況を確認する。今俺は小猫ちゃんを床ドンしている形で・・・床ドンだと!?
「ご、ごめん小猫ちゃん!今退くから!」
俺はそう言って小猫ちゃんの上から退こうと別の場所に手を伸ばす・・・だけどそこにはぶつかった時に散乱したお菓子の数々が・・・そしてまた・・・
ドシーンッ!
転けたぁぁあああ!!小猫ちゃんの上に!!しかも今度は小猫ちゃんの顔が俺の胸にッ!?やばい!殺される!!
俺は急いで小猫ちゃんの上から離れる。今度は何もないところに手を伸ばし立つことが出来た。
「ごめん!小猫ちゃん!」
俺はそう言って小猫ちゃんの顔を覗き込む。するとそこには、
「・・・・・・・っ!?」
驚いた顔をする小猫ちゃん。まるで久しぶりに友人に会うかのような顔をしていた。
「小猫ちゃん。大丈夫?」
「・・・・・・はい。すみません」
返事をする小猫ちゃんの顔は何処か遠くを見ているような顔・・・俺・・・嫌われちゃった?よし!こういう時は!
「んじゃ!部長!失礼します!」
「え、ええ・・・」
逃げるんだよぉぉぉぉぉぉん!!
「ふぃ〜・・・・疲れた〜」
急いで家に帰った俺はソファーでぐったりとする。いやしかし・・・・小猫ちゃんのあの顔は一体・・・・。
「にゃぁお!」
「お!クロ。ちゃんと飯食ったか?」
「にゃぁ!」
「おーよしよし!偉いな〜」
俺はクロを持ち上げ撫で回す。まあ考えても仕方ないか・・・今は忘れてクロで癒されよう!
そしてクロの喉を撫でようとした時、
ピンポーン
「ん?なんだ?こんな時間に」
今はもう11時半を過ぎている。普通誰もこないはずなのに・・・
「行ってみっか」
俺は不思議に思いつつもクロを抱き抱えたまま玄関へと足を運ぶ。
「はーい!どちら様ッ!?」
鍵を開きドアを開けた先には・・・・小猫ちゃんの姿が!?
「・・・・見つけましたよ!!姉様ッ!!」
「んにゃ!?」
突然叫び出した小猫ちゃん。そして慌てて逃げだすクロ。
「・・・・・・は?」
俺が呆然としているとクロは俺の腕をスルリと抜け出し部屋の奥へと走っていく。
「・・・・・・っ!逃がしません!」
そしてそれを追って家の中へと入っていく小猫ちゃん。
「・・・・・・・・・・・は?」
呆然としている俺・・・ってこうしちゃいられねぇ!!
俺はダッシュでクロと小猫ちゃんの後を追う!そしてリビングにたどり着いた時俺は絶句した。それは・・・
「・・・もう逃がしませんよ!姉様!」
「もう!白音!感動の再会が台無しにゃ!」
「あの夜!私を置いていって何が感動の再会ですか!理由を説明してください!」
「ちょっと落ち着くにゃ!?なんでソファーを持ち上げるにゃ!?もうあの頃の白音ではないにゃ!?」
・・・・・ソファーを片手で持ち上げている小猫ちゃんと黒髪で着物を大きくはだけさせたスタイル抜群の美女が・・・
「君・・・・誰?」
その光景を見た俺の・・・必死の言葉がこれだった。
「ええええええええええええええええ!?」
あの後事情を聞いた俺はずっと驚いてばっかりだった。だって、
「あのボロボロだった黒猫が君で猫又の最上位の
「・・・・・はい。私も猫魈です」
「そういうことにゃ。黙っててごめんにゃ♪」
なんじゃそりゃ・・・・まさかあの黒猫が・・・
「にしてもよくわかったわね〜。私がここにいるって」
「・・・総護先輩の服に姉様の匂いが付着していたのでまさかとは思ったのです」
「あちゃー・・・総護ちんが学校行く前に遊びすぎたかにゃー」
そう言いながらゴロゴロと過ごすクロ。クロの豊満な胸が地面に押し広げられてって何考えてんだ俺!?落ち着け落ち着け落ち着け俺!クロは猫クロは猫・・・あれ?俺結構クロと風呂に入ったりじゃれ合ったりしてたよな・・・それをあの姿に変えたらってまた!?なんでこんなこと考えてんだ俺!?・・・・ダメだ・・まだ落ち着けてないな。俺は深呼吸をして心を落ち着かせる。
「スゥー・・・ハァー・・・・・よし!」
さてと、状況を整理すると、先ずクロ・・黒歌は猫又の最上位の猫魈という存在で、とっても希少な種族らしい。そして黒歌の妹である小猫ちゃんも猫魈で本当の名は白音と言うらしい。
「そういやなんでボロボロだったんだ?あの時・・・」
「・・・・・・・・っ!?なんでって・・・追われてたからかにゃ」
「追われる?誰に?」
「・・・・・先輩。姉様はSS級はぐれ悪魔と呼ばれる存在なのです」
「SS級・・・はぐれ悪魔?なんだそれ?」
「・・・はぐれ悪魔と言うのは主人に逆らい、殺したり人間を騙して食らう悪魔のことを総称してそう呼びます。そして・・・姉様は手に負えない存在として最高ランクのSS級がついたのです」
「・・・・・クロ。お前は前者か・・・それとも・・・・」
「私は前者よ。もし後者ならあなたはもうこの世にはいないわね」
前者ということは自分の主人を殺したということ。
「・・・・・何でそんなことを・・」
「・・・あなたに教えることなんてないわ。赤の他人のあなたに・・・」
「・・・なら家族である私には話してくれますよね!姉様!」
「白音!?」
「・・・・・何で私を置いていったんですか!!何で主人を殺したんですか!!そのせいで・・どれだけ私が・・・」
「・・・白音・・・」
「教えてください!あの日の真実をッ!」
・・・・小猫ちゃんが声を荒げながら叫ぶ。この子はこんなに叫ばない子だと思ってたのに・・・2人にどんな事情があるんだよ。
「俺も聞かせてくれないか・・・俺ももう赤の他人じゃない。俺は小猫ちゃんの先輩で・・・お前は俺の家族なんだしよ・・・」
知りたい・・・どうしてこうなったのかを・・・
「それに・・・・・家族の問題は俺の問題だ!家族が苦しんでるんなら助けるのが男だッ!」
護りたい・・・二人の関係を・・・二人の想いを!
「「お願いだ(です)!!」」
俺と小猫ちゃんは声をそろえて叫ぶ。すると・・・
「・・・・・はぁ・・・わかったにゃ・・・」
クロは承諾してくれた。しかし、
「その代わり・・・総護ちんは兎も角・・白音・・・後悔しても知らないからね」
という条件付きで・・・・小猫ちゃんは?
「・・・・大丈夫です」
小猫ちゃんは覚悟を決めたような顔をする。うん!いい顔だ!
「なら話し始めるにゃよ・・・・・この話は私たちがまだ小さい頃の出来事よ・・・・」
黒歌side
私たちがまだ小さい頃、猫又の暮らす一つの村があったの・・・その村は約8割が猫又で後の2割は結婚した夫の種族の違いだった。猫又って言うのは大概が自分と異種族の男や女と結婚するからね。みんなが家族のような存在でとても楽しかった。
「姉様〜!早く行きましょう!」
この頃の白音も明るく元気な子だった。私を慕ってくれて、一緒に過ごす事がとても幸せなほどに・・・・それに・・・
「あら白音・・・今日は何して遊ぶの?」
私たちの母様はとても優しかった。いつも忙しそうだけど私たちのことを常に気にかけてくれる優しい人。
「母様!今日はね〜姉様とお散歩しに行くの!」
「あらそうなの?それは楽しそうね」
「うん!絶対楽しいよ!」
「そう・・・黒歌。ごめんなさいね。あなたに迷惑ばかりかけて・・・」
「何言ってるの母様!全然迷惑じゃないよ!むしろ楽しいくらい!」
「それは良かった♪・・・二人共・・・最近は物騒だから気をつけて行ってらっしゃい」
「「はい!」」
私は思ったの・・・この幸せが一生続けばいいなって。でも・・・・神様はそんなことを許さなかった・・・そう確信したのはあの事件からだった。
「見て!姉様!変な形のキノコ!」
「もう。はしゃぎ過ぎよ白音」
私は白音を連れて少し離れた森のところを散歩していた。まだ無邪気な白音は見るもの全てが新しく見えるのだろう。・・・正直めっちゃ可愛い。
そう思いながら歩くこと数時間。外はもう真っ暗だった。
「白音!そろそろ帰るわよ!」
「はーい!」
満足したような顔をする白音。私も楽しかったし早く帰ってご飯を食べようかしら。そう思いながら帰ろうとした時、
ドーンッ!!
大きな破裂音。そして赤くなる夕焼けのように赤くなる空。そして、
「ねぇ・・・姉様。あの方向って・・・」
白音が聞いてくる。そう・・・あの方向は・・・
「・・・・・っ!?もしかして・・・村!?」
何が起こったのかは理解できなかった。村らの方向が赤くなり、鳥や動物たちが逃げ出していく。
「村の人達は・・・母様は?無事なのかな姉様・・」
「・・・・・行こう!白音!」
驚いている暇はない。今はみんなの安否と原因を見つけなきゃ!そう思いながら私は白音を連れて急いで村へと戻っていった。
「な・・・何にゃ・・・これ・・・」
村に着いた時、私は想像を絶する程の絶望を覚えた。
たった数時間前・・・あの幸せの満ちた村は、屋根や壁は壊れ、家は燃え、家の姿が辛うじて見えるほどとなっていた。まさに地獄絵図。
「・・・・どういう・・・・・こと!?」
私達がいなかった数時間の間に何があったのか理解ができなかった私達。どうしてこんなことに・・・・・。
「姉様・・・母様は無事かな?」
っ!?そうだ。まずはみんなの安否の確認をッ!
「白音・・・広場に行こう!そこなら皆がいるのかもしれない!」
そう言って白音の手を引っ張る。急がなければ。
私達の村には村の中心に大きな広場があって、そこでよく行事を行っている。そこに行けば何かわかるのかもしれない。そう信じて走り出すこと数分。
「この曲がり角を曲がれば広場に・・・ッ!?」
そう言って角を曲がる。そして私は
「そ・・・そんな・・・何でッ!」
・・・膝から崩れ落ちた。広場だった場所には皆の死体の山が・・・いや違う。広場だけじゃない。よく見ればそこら中に死体が転がっている。気が動転して気づかなかったッ!?
死体はどれも全てが無残に殺されていた。首・・・を切られている者、腹に大きな風穴を開けられているもの・木に貼り付けられそのまま燃やされたもの。誰かに暴行されたもの。それをみて気づいた。今この場には私達二人しか居ないんだと・・・・二人?・・・ッ!?白音!!
「ダメ!!見ちゃダメ白音ッ!!」
気づいた時にはもう遅かった。白音の顔は完全に絶望したような顔をした顔だった
「姉様・・・これは夢だよね。何かの悪い夢なんだよね・・・」
「白音・・・」
「でもね?夢なのに・・・夢なのに・・・・ッ!」
白音は泣きながら自分の頬をつねる。
「・・・夢なのに・・・ヒグッ・・・・ほっぺをつねるとね・・・・・痛いんだよ・・・」
泣きながら笑顔を作る白音。幼い彼女の・・・・彼女なりの心配させまいという気持ちがひしひしと胸に伝わってくる。
「・・・・・・ッ!白音!!」
私は白音を自分の胸へと抱き寄せる。
「ごめんねッ!私がしっかりしてないから・・・私が・・・ッ!」
「・・・・黒歌・・・白音・・・」
私が叫ぼうとした時、微かに聞き覚えのある声が聞こえた。
「この声・・・母様!?」
いち早く気づいた白音は急いで声の方へと走り出す。
「待って!白音!」
私は白音を追いかけて走る。まだ希望はある。母様がいれば!そう思いながら白音を追いかけていると、ある家の前で立ち止まる。これは・・・私達の家?私は白音に近づき、辺りを見渡す。そして瓦礫に目をやった時、
「白音・・・黒歌・・・そこに居るの?」
瓦礫の下に母様がいた。
「いるよ!姉様も一緒だよ!」
白音が叫びなから瓦礫をどかそうと必死に動く。
「そう・・・そこに居るのね・・・」
「母様・・・もしかして目が!?」
私は気づいてしまった。母様の両目にかけて深い切り傷がある事に。
「・・・・ちょっと爆発に巻き込まれてね」
「待ってて!今助けるから!」
私も白音と一緒に瓦礫をどかし始める。しかし私達はどちらもまだ子供。どかせる瓦礫にも限度があり、一番でかい瓦礫は二人掛かりでもどかすことはできなかった。
「・・・・・もういいわ二人共」
「「でも!」」
「・・・いいの・・・もう私は長くないのよ。この目の傷も酷いから」
「そんな・・・嫌だよ母様!私は・・・私達はこれ以上何を失えばいいの!?」
「・・・・・・白音」
白音の悲痛な叫び。それを聞いた母様は一瞬悲しそうな顔をした後また笑顔に戻る。そして、
「二人共私の近くに来なさい」
母様のすごく低い声。絶対に逆らえないという存在。母の威厳というものを初めて見た私達は無意識に母様の前へと立っていた。
「白音・・・貴方は無邪気で明るい子です。その心を忘れずにこれから生きていきなさい。そうすれば必ず貴方を理解してくれる人がいるから」
「・・・・・・母様・・・」
「黒歌・・・・貴方はとても優しい子です。だから・・・恨んではいけません。これは運命なのですから」
「でもッ!」
「しかし・・・・真実は知りなさい。それが貴方のやるべきことです。」
「・・・・・・・母様!私は・・・ッ!」
何もできない!と言おうとしたけど止めた。母様の最後の願いなのだから・・・
「・・・最後に2人の姿を見れなくて残念ですが・・・」
そう言って笑顔を作る母様。
「笑いなさい。笑うことを信じなさい。心から貴方達に笑いかけてくれる人を信じなさい。そうすれば貴方達に幸せが訪れるはずです。そして強くなりなさい。弱者をいじめる強者じゃありません。・・・弱者を守る強者になるのです」
「母様ッ!」
白音が母様の手を握りながら叫ぶ。
「・・・約束・・・するよッ!姉様と一緒に!笑って過ごせるように!!」
「・・・・黒歌?貴方は?」
・・・・・・・これを約束すれば・・・母様はいなくなっちゃう・・・だけど・・・・ッ!
「・・・・・・約束します。白音と一緒に!笑って過ごせるように!!」
私たちの宣言を聞いた母様は幸せそうな顔をすると、
「そう・・・よかった。これでようやく逝けるわね・・・」
「母様ッ!」
白音がよりいっそう強く手を握る。しかし母様はその手を振りほどき私を手招きした後私達はの小指に自分の小指を引っ掛ける。
「最後に・・・貴方達に会えて私は嬉しかった。どこかにいるお父さんもそう思っているはず・・・・私は・・・貴方達のことが・・」
そういう母様の目から一筋の雫が流れ落ちる。しかし母様はすぐに笑ってこう言った。
「それじゃあ・・・・行ってきます」
私達はそれを・・・・・
「「・・・行ってらっしゃい」」
今まで見せたことのない笑顔で言う。すると母様の手がストンと地面に落ちる。
「・・・・ぅ・・・うぁぁぁぁぁああああんん・・・嫌だよぉ・・うぁぁぁぁぁああああんん母様ぁぁぁ!」
こうして私達は最愛の人を・村を・家族を失った。
それからというもの、私達は生きるために必死になっていた。食べ物を盗んだり、動物を狩ったり、時には店の人に捕まって殴られたりしたけどみんな事情を話したら納得してくれた。そして私達は1日1回は笑うことにした。そうすれば母様との約束を守れるから。
そうしながら過ごしていき早10ヶ月・・・私たちに新たな出来事が起こった。それは、
「これが君たちの新しい家だ!」
「「わぁ〜!!」」
私たちの噂を聞きつけてダラスカ・オセと言う悪魔がある条件付きで私達を屋敷へと招待してくれた。
「こんな綺麗なところ使っていいの?」
「当たり前さ!もう君達は俺の家族も同然なんだからね!」
と、このように何かと優しい悪魔だった。
「姉様!いっつも笑っててよかったね!これも神様のおかげだね!」
「・・・ええ。そうね」
嬉しそうな白音を見ながら私はある条件によって自分の変わったことに嫌気と不気味を感じていた。
そのある条件とは・・・「ダラスカ・オセの眷属悪魔となる」という事。どこから聞いたかは知らないけど、私達が猫又だということを知っていたダラスカは衣食住の提供の代わりに自分の眷属悪魔になる事を条件に出してきた。ある意味ギブアンドテイクという事だ。
「・・・・・・・・・」
私は納得がいかなかった。納得がいかなかった・・・・けど白音が幸せに過ごせるためなら私はどんな存在になると心に決めていた。だから私は悪魔として過ごす。・・・白音が幸せになるのなら・・・
そうして私はダラスカの眷属悪魔となった。私は猫又の最上種である「猫魈」と呼ばれる存在で、仙術が使えるうえに魔術の才能があったようでピジョップの駒2つで転生することができた。そして悪魔になったことで、主人の命令が絶対になった今私は仙術・魔法の力の向上を目的としたトレーニングをやらされていた。
最初は普通のトレーニングだった。座線を組み無の境地に辿り着いたり、一定の魔力を放出し続け、魔力の器自体を底上げしたりと。だけど、1年を過ぎた頃、彼はだんだん変わっていった。トレーニング終わりには薬を飲まされて副作用で死にかけたり、魔力の器自体を改造しようとしたり、彼はだんだん狂気へと陥っていった。そんなある日、
「君の妹・・・白音ちゃんを改造して僕の眷属の一員にする
「んなッ!?それだけはやめてにゃ!!」
いきなりそんなことを言うダラスカを私は一生懸命説得した。しかし私が何度言ってもダラスカは止めようとしなかった。一度、真正面から向き合って説得してみた・・・だけどその時のダラスカの目は、
「何度言っても無駄だ」
目の焦点が私にあっていない・・・それどころか見ているものはさらに向こうの・・・狂気に満ちた世界を見ているかのよう・・・そう感じた時、私は恐怖で体が凍りつきそうだった。
そして、白音を改造する日・・・私は早く起きてダラスカの部屋の前にいた。
「・・・・このまま白音が改造されるくらいなら・・・」
殺す・・・そして逃げる・・・白音と二人で・・・そう思いながらドアを開け中に入ると、
「な・・・・・・・何でッ!?」
其処には首から上を失ったダラスカだったものがあった。
「一体誰がッ!?」
後ろに気配を感じ振り向くとそこには、
「・・・・・あなた?」
ダラスカの嫁・・・リルシ・オセが立っていた。
「リルシ様!これは!」
「・・・あなたが私のダラスカを殺したの!?なんてこと!!衛兵このものを引っ捕らえなさい!」
リルシの叫びで魔法陣で部屋の中に飛んでくる衛兵達。
「違いますリルシ様!私じゃありません!」
誤解を解こうとする私。だけどリルシは聞く耳を持たず、
「はやくあの女を捕まえてちょうだい!」
衛兵に私の捕縛命令を伝える。そして衛兵たちが私を捕まえようとこちらにジリジリと近づいてくる。
「・・・・・・・っ!」
私は咄嗟に転移魔法陣を発動して、自室へと移動していた。
「・・・・部屋にマーキングしておいてよかったにゃ・・・」
安堵もつかの間・・・多分リルシは衛兵を使って、私を探してる・・・・・一刻も早くこの城を出なきゃ。
私は、まず寝ている白音を起こさないように、転移魔法陣を作動した。行き先はグレモリー領。あそこの人達は優しいことで有名だから・・・私は今までの出来事を書いた紙を白音の懐へと入れ込み、最後にぎゅっと抱き着いた。
「・・・・ごめんね白音・・・お姉ちゃん・・・ちょっと離れなきゃいけなくなっちゃった。でもいつか・・・いつか私たちが心から笑える日が来た時・・・・会えるかもしれないね・・・ぅ・・・いつか・・・必ず・・うぅ・・・」
涙を流しなから私は最後の言葉を口にした。
「・・・・白音・・・・不甲斐ないお姉ちゃんで・・・・ごめんね・・・」
「・・・・・・・え・・・が・・お・・・」
「・・・・・っ!?白音、起きて・・・」
不意に帰ってきた声に驚き白音が起きているという恐怖に一瞬焦りを感じたか、
「・・・・・・ただの寝言か・・・焦ったにゃ」
笑っている夢でも見ているのだろうか・・・白音の顔が笑顔で染まっている。
「笑顔・・・か・・・」
母様との約束・・・笑うこと。今から逃げ続ければ笑顔なんてできないかもしれない。でも、
「白音・・・約束するにゃ・・・私は絶対笑顔を忘れないって・・・だから・・・」
私は泣きそうな顔をグッと堪えて転移を開始する。そして転移が終わる直前に私は笑顔で、
「・・・ごめんね?」
と、口にしていた。
そして白音の転移が終わると同時に部屋に複数の衛兵が入ってくる。
「黒歌!大人しく投降しろ!」
「嫌にゃ・・・にゃんでやってもないことで捕まらにゃいといけにゃいのかにゃ?」
そう言うと私は近くにあった窓を魔法でこじ開け外へと飛び出した。しかしそこには
「黒歌だ!」
「あいつ・・・・逃げる気だぞ!」
無数の衛兵が・・・このまま降りても捕まるのは絶対。ならば・・・
「邪魔にゃぁぁぁぁぁぁあああッ!!」
衛兵たちの中心にどデカイのを一発叩き込む!
「「「「「わぁぁぁぁあ!?」」」」」
私の一撃で衛兵たちが吹っ飛ぶ。よし!今のうちに!
私は衛兵たちが混乱しているのに乗じてその場から逃げ出した。
次回の「ハイスクールDxD 笑顔の英雄目録」は、
「これが私の過去にゃ・・・」
「・・姉様・・・」
黒歌の過去を知った小猫ちゃんはどう思うのか?
「・・・・・・・・」
そしてその話を聞いていた神道総護は何を感じるのか。そして、三人に忍び寄る黒い影とは?
次回「姉妹の過去と乱入のオカ研です!(中編)」