オラリオにてトマトを育てます   作:招き蕩う黄金劇場

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ネタです。
何かサーセン(-_-;)


一話 おれが最古のトマト農家だ

「おれはッ!全てを守れるくらいの最強のッ!――トマト農家になれる力を求めるッ!!!!」

 

 

真っ白な空間に、老人と少年がいた。

少年の体は、微かに透けており、霊魂だけの存在であることが窺える。

この少年の名は、ジョン・ピエーロ・ポルナンデス。決して、ジョジ◯のポルナ◯レフとは関係はない。

生前の少年は、URUKUにて原初のトマト農家として名を馳せていた。少年の育てていたトマトは、神をも唸らせる程のおいしさで、かの英雄王の宝物庫にも至高のトマトの原点として保管されているレベルである。

彼は戦闘に関しても一流で、(KUWA)を持たせれば一騎当千の兵であったという。

しかし、彼のトマトのおいしさに嫉妬した、武装チンゲン菜農家の闇討ちによって17年という短い人生を終えることとなった。死因は、オリハルコンによってコーティングされていたチンゲン菜に殴られたことによる脳の損傷である。

彼の死は、URUKUの民やAUOからも悼まれ、彼の誕生日である10月10日はトマトの日と名付けられ、URUKUが滅びるまで、その日では祝日として祝われたそうな。(クリスマスみたいな感じ)

そのため、ジョンは死後に英霊になる権利を与えられたのだが、彼はそれを拒否した。

もし、彼が英霊になっていて、聖杯戦争に召喚されたのなら、サーヴァント最強として君臨出来たであろう。

そうして、ジョンは成仏することになった。

しかし、ジョンのトマトファンになっていた神達は諦めなかった。神達はなんとか彼を生かす手立てを必死に考えた。

そうして生まれたのが『神様転生』なるシステム。

神は歓喜した。これでトマトをまた食べれると。

そうして、神達は早速、ジョンを転生の場に招待をして、冒頭に至る。

 

「こ、ここは一体……!?」

「ここは転生の場じゃよ。ジョン・ピエーロ・ポルナンデス君」

「転生の場だとッ!?」

 

狼狽えるジョンに、白い髭を床につくほど伸ばした老人が声を掛ける。

察しがいい人なら分かるだろう、この老人は神である。

 

「ホッホッホ、君のトマトのおいしさは世界一だそうじゃの」

「なにィ?貴様のような老いぼれに、おれのトメィトウの何が分かるッ?」

 

神が、ジョンのトマトを話題に出した瞬間、ジョンの体から殺気が溢れ出す。その殺気は濃すぎて、黒い障気のように目で見ることが出来るほどであった。

 

「オー、すまんかったの」

「分かればいい。しかぁし、次、おれのトマトを語ったら、おれの固有結界『闍嘛緘は俺の輿眼(とまとはおれのよめ)』が貴様を消し飛ばすことになる……」

 

ジョンの鋭い眼光が神を見据える。神でさえ冷や汗をかくほどの威圧感。並大抵の者であれば、ショック死していることであろう。それほどまで、ジョンがトマトにかける思いは強いのだ。神は思った、この男はそこらの神以上に器が大きいと。

 

「それでは、早速じゃが、本題に移ろうかのう。君が転生したい所に希望はあるかの?」

「ああ、トマトに適した気温で、土壌が良いところだ。贅沢を言うのなら、戦いなんかで金が稼げる場所にして欲しい」

「フムフム、それじゃあ、オラリオなんかはどうかのう?」

「オラリオ……?」

 

聞いたことのない地名に、ジョンの眉が上がる。

それもそのはず、ジョンはトマトのために最高の土を探そうと全世界を旅してまわったのだから。そして、世界中のどこにもオラリオという地名は存在しなかった。

 

「オラリオというのはの、この世界とは別に発展した世界にある都市じゃ。そして、そのオラリオには、地下迷宮――ダンジョンがあっての。そのダンジョンの異形を討伐することを職業とする冒険者というのが、金を稼ぐには丁度良いんじゃ」

「フ、実に過ごしやすそうじゃあないか……!」

「そうじゃろう。それでじゃがの、冒険者になるには神からの恩恵を刻んで、眷族にならねばならんのじゃ」

 

神の眷族にならないといけないと聞いた、ジョンの顔が不機嫌そうになる。

しかし、何故かジョンは神に対して低姿勢となった。

 

「恩恵を刻めば…… お前の眷族になれば……ほ、ほんとに……おれを『オラリオ』に… 転生させてくれるのか?」

「フム~ 約束するぞい~~~~~~~~~っ 君を『眷族』にしてののギブ アンド テイクじゃ。さあ、こっちへ来ると良いぞい」

「だが断るッ!このジョン・ピエーロ・ポルナンデスが最も好きな事のひとつは、自分の思い通りになると思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ……」

 

すると、先程までの温和だった神の雰囲気が変わり、氷棘で刺すような鋭く冷たく雰囲気となる。

 

「いつ気付いたのじゃ……?」

「割りと最初からだ……。お前のような考えを持つ低脳な輩とは今までたくさん出会ってきたからな。大方、おれを眷族にして、

 

――おれのトマトを独り占めにしようとか計画していたんだろう?」

「フム、そうじゃの。わしは君のトマトを他の神々が羨ましそうに見ているなかドヤ顔で食べてやろうとか考えておった」

「根性が腐ってやがるぜ……ッ」

 

計画がバレて少なからずショボーンとしている神を見て情が湧いたのだろうか、ジョンは懐から、真っ赤に熟したトマトを取り出した。

そのトマトからは、後光のようなものが出ておりとても神々しい。まさに至高のトマトなのだろう。

 

「そ、それは……まさか……ッ!」

「気付いたようだな。そう、これが伝説級のトマト『エンシェント・ウルク・トマト・皇』だッ!」

「これが……伝説のトマト……!最上位の神でさえ、食したことがないという伝説!大地母神でさえ育てることは出来ず、自然に出来たものを探すしかないというトマトを……君は……ッ」

「これが欲しいだろう。これは俺でさえ、たったの40個しか作れなかったトマトだからな」

 

ジョンに渡されたトマトを、神は繊細なガラス細工を扱うかのように受けとる。

そして、神はトマトをかじった。

その瞬間、神は人生最大の多幸感を味わった。生きていても得られることは無いだろう、最高級の至福。

神は涙した。このトマトを育てし世界に。

 

「こ……これが、根源であったのか……!わしは幸せを知らず生きておったんじゃ……!」

 

『エンシェント・ウルク・トマト・皇』を食し終えた神は、ジョンをオラリオに送る準備をし始めた。

真っ白な地面に赤色の液体で魔方陣をひいていく。

そして、暫く時間が経った頃、転生の準備が整った。

 

「ジョン・ピエーロ・ポルナンデスよ、わしは君に感謝せねばならぬ。君はわしに本当の幸福を教えてくれた……。ありがとう」

「気にしなくてもいいぜ……。トマトを愛す者にはそれ相応の幸福が与えられるのだからな」

「それでは、オラリオについたらロキファミリアという場所を訪ねるのじゃ。そこの主神に連絡をつけておいたからの。それと最後に君に質問じゃ。オラリオで何を求めるかの?」

「おれはッ!全てを守れるくらいの最強のッ!――トマト農家になれる力を求めるッ!!!!」

「良いセンスじゃ。ではまたの」

 

神の言葉を皮切りに、ジョンの立っていた魔方陣が発光し、そのままジョンを飲み込み消えていった。

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