女神科高校の回帰生   作:Feldelt

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遂にこの日が来ました。
最終話です。

では、どうぞ。


88/全ての終わり、新たな始まり

戦闘が終わったというのに、いつまで経っても影が帰ってこない。

それは、何を示すのだろう、考えたくもない。

 

張り詰めた重い空気は、茜の言葉で瓦解した。

 

「...えー君...勝ったみたいだね...けどどうして帰ってこないのさ...」

「考えたくも無いけど...相討ちが自然よね...ちくしょう...」

 

追随するアイエフの一言が、私を貫く。

 

「......帰るよ、下界に。」

「待ってくださいまし。貴女はそれでいいんですの?」

「そーだよ、茜も影を待ってるんでしょ?それなのに...

 それなのに、帰っちゃ駄目だよ!」

 

「だって、えー君は...死ぬはず無いもん。先にこっそり帰って

 私たちを驚かそうって思ってるんだよ。そういう、悪戯を

 たまにやるような子だもん...そうでしょ、ブランちゃん。」

 

茜の問いは、私には本心が見えた。

『そう思っていないと心が保たない』と。

 

だから私は答えた。

 

「そうね、影の話よ、そうに決まってるわ。」

 

今にも泣きそうだが、悟られずに堪えている茜だっている。

それに...それではこの子達に示しもつかない。

 

「おねえちゃん、だいじょーぶ...?」

「おにいちゃんは、きっと帰ってくるわ!」

 

「ロムちゃん、ラムちゃん...そうだね、そうだよね。」

「そうよ、ネプギア。影さんだもん。」

「そうね...影は、殺しても死にそうに無いものね。」

 

「...だから、帰るよ。えー君のいる下界に。」

 

 

そうして、私達は下界に帰った。

だが、いくら探しても探しても、影が見つかる事はなかった。

気づけば、年単位で月日が経っていた。

イストワール記念学園をネプテューヌ達が卒業した日、

私達は天界に迎え入れられ、真の女神としての力を得た。

 

国を切り盛りするのは難しい。

それに信仰が力となるのだ。色々しないと国も、力も保たない。

 

だけどそんな中でも、影はずっと探していた。

そしてずっと見つかっていない。

その現実を見て、諦めかけている自分がいた。

 

だが、それに対する明確な解答を得る前に、

私達四人の女神は争う事となった。

 

原因は領土問題。そしてシェアの奪い合い。

結局、茜が言っていた虚夜の考えは、私達にも当てはまった。

人の業や性を否定しても、いずれ戻る。そして繰り返す。

...影が今の私達を見たら、どう思うだろうか。

 

きっと、こう言う。

 

『何やってんだよ、全く...』

 

と。そして時を同じくして、人の業と性を背負う者を名乗る、

審判の悪魔(ジャッジ·バエル)』という奴が現れた。

奴は女神を信仰しない者の完全粛清を謳って殺戮を始めた。

 

面倒な事が次々起こる。それでも、私は今目の前の戦いを止めるわけにはいかない。

 

結局、ロムとラム、そしてユニとネプギアが、審判の悪魔を止めに行った。

 

そこから先は、まだ分からない。

 

戦いの合間を縫い、私は影の残したあの子達を思う。

 

「恨むなら恨んでくれていいわ...黒、白...」

 

影に出会えるまで、私はまだ"親"としてあの子達に会うつもりは無い。

 

「今は、茜と一緒にいて。」

 

いずれ分かる。自身の出生も、何もかも。

 

 

--そして物語の世代は新しくなる。

  願わくは、新たな世代には、ハッピーエンドが訪れん事を。--

 

 

 

 

 




次回、無いです。最終話ですから。
えぇ、雑な終わりですね。完結なはずないですよ。

と、いうわけで。女神科高校の回帰生、続編出来ます。
タイトルは、「女神世界の新生世代」。

Re;Birth1の世界で、またひとつ動乱が生まれる。

では、どうぞお楽しみに!

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