嘘つきな国と旅人の話~the liers cuntry~ 作:秋ピザ
今回はハピナ様主催の小説コンテスト企画?である第二回ハーメルンコンテストに参加させて頂きました。えぇ。
ちなみにこのお話の題材は『悪意の無い嘘』。まぁ中途半端に終わってますけど…………細かいとこまで書こうとしたら設定に矛盾が出来たりなんだかんだだったんだ………
んじゃ、まえがきもほどほどに本編どーぞ。
ある日、旅人のキノとモトラド(二輪のバイク。空を飛ばない物だけを指す)のエルメスは明らかに道には見えない場所を走っていました。
ですが、キノはまるで舗装された道路を走っているかのようで心地良さそうに走っています。
それもそのはずです。
これは“嘘つきの国”と呼ばれる国へと続く道なのですから、見た目が嘘をついているんです。
すると、キノはこの走り心地の良い道にご機嫌なのか、エルメスにこんな質問を投げ掛けました。
「ねぇエルメス、“悪意のない嘘”と“悪意しかない嘘”、どっちの方が悪い嘘だと思う?」
「ありゃ、キノ、突然だね………まぁ世間一般的には悪意しかない嘘の方が悪い嘘だろうね」
キノはエルメスの『世間一般的には』という部分だけを強調した言い方に何かを感じたのか、続きがあるのかと尋ねました。
エルメスはこう言いました。
「うーん、なんと言ったら………じゃあ例を挙げて言うよ?」
エルメスの話はこうです。
Aという男が居たとする。
そのAと言う男には病症の姉が居た。
その姉の病気を治すためには危険な場所にある薬草が必要だが、姉は自分のために命を賭ける必要はないと言う。
しかも取りに行って命を賭けるのなら自宅のナイフで喉を突いて死ぬ。とまで言う。
だが、どうしても姉を治したい男は数日後、こんな嘘を言った。
『ちょっと遠くから来た商人の人が薬草を持っていたらしいんだ』と。
姉は、Aが人を騙すような性格でないと思っていたからそれを信じた。
そしてAは出掛けると、薬草が生えている場所に行ったのだが………
「それで?どうなったんだい?」
キノはエルメスの話が中途半端なのに対し質問しました。
ですがエルメスは続きではなく、ただ一言言葉を紡ぎました。
「いや、続きは無いよ?でもさ、このAって男がもし死んで、帰ってこなかったらお姉さんは絶望しちゃうよね?もしかしたら商人が殺したのかもしれないと思って殺しに行くかもしれない。だからさ、悪意のない嘘ってのも、悪いんじゃないかなぁ…ってボクは思うんだ」
キノはこの話を聞いて、僕の知らない誰かから聞いた話かな?と思いました。
よっぽどエルメスの記憶力(エルメスは特に起きる時間とことわざが記憶出来ないのです)を信用していないのでしょうね。
そのあと、キノたちは少しの間何も話さずに走っていましたが、遠くにある外壁のような物を視界に入れると少し口を開きました。
「ねぇエルメス?」
「なんだい?」
「思ったんだけどさ、今から行く国は嘘つきの国って呼ばれてるほどだしさ、僕が今見てるあの外壁も嘘だったりするんじゃないかなって」
すると、エルメスは苦笑しながら答えました。
『だとしたらよっぽどの馬鹿が住んでいるか地下にでも移住したんじゃないかな?』と。
まったくもってその通りだったので、キノはそれ以上何も言わずに嘘つきの国へと近付いて行きました。
やがて外壁に近付きましたが、そこであることに気付きます。
なんとこの外壁、偽物なのです。
まさに先ほどキノが冗談のように言った通りで、この国の国民たちはちょっとどころじゃなく抜けてるのかなぁ。と考えていましたが、偽物の外壁を抜けた先にあった光景でなるほど、と納得しました。
外壁in外壁。とでも言ったら良いのでしょうか。
外側の偽物の外壁に比べ少し小さいですが、なにやら不思議な作りですし、周りの景色とそっくりな塗装がしてあります。
どうやらこの国は意外としっかりした国のようです。
でも、キノはなんでこの国が嘘つきの国と呼ばれて居るのかが気になってきました。
なので本の少しだけスピードを上げ、外壁にあった門を潜り、手早く入国審査を受けることにしました。
「パースエイダー(銃のこと)は何丁所持していますか?」
「三丁です」
さて、これは嘘つきの国の入国審査ですが、これはどこでもやっているようなよくある入国審査でどこにも嘘つきらしい要素はありません。
キノは正直、ここが嘘つきの国だと言う情報が嘘なのかと疑い始めていました。
ですが、一応燃料や食料、弾薬の補給のために滞在しなければいけないので入国しようとしています。
そして、入国審査官はこれで審査は最後です。と言って質問をしました。
「あ、それでは最後にお聞きします………この国について何か知っている事はありますか?」
本当は知っているのですが、キノはここが嘘つきの国だと言われていると言ったら面倒事に発展しそうなので至って普通に、
「いえ」
と答えました。
すると入国審査官はキノにモトラドの制限速度が地域によって違ったりするだとかの細かい事を言ったあと、キノを国の中へと送り出しました。
まず入国したキノがやったのは道中手に入れた金目の物やいらなくなった物の売却です。
キノは今、あまりよろしくないことに持っている金が少ないのです。
その代わりちょっと沢山の金品を持っていたりするのですが、その理由は長くなるので割愛しましょう。
ちなみに金品を売却した店では買い叩かれそうになりましたが、他の国における相場やここで売れなきゃ他で売る、などの言葉で至って普通の値段での売却をしました。
キノは売却を終えると、次にレストランへと向かいます。
「いやぁ、レストランでの食事は3週間ぶりだね」
キノは誰に言うでもなくそう呟くと、メニューに乗っていた中で最も無難そうな普通のカレーを注文しました。
いつものキノであればこの国の特産品を使った料理でも頼みそうですが、今回は『もしかしたら料理の名前が嘘なのかもしれない』と思ったのか無難そうなものにしたようです。
ですが運ばれて来たのはいたって普通のカレーライス。確かに他の国と比べてもコクがあって美味しいですがそれだけ。ここにも嘘の要素は一切ありません。
でも美味しい物は美味しい事に違いはないため、キノは少し得をしたような気分で店を出ました。
「でも、やっぱり探してるような物は見付からないな………」
ですがキノは、いまだに嘘つきの国と呼ばれるこの国で嘘が見付からない事に不信感を覚えていました。
「情報がちょっと古かったんじゃない?」
エルメスはこう言っていますが、やはり気になったキノは、今日中にエルメスの整備や必要な物の購入を済ませて明日はこの国が嘘つきの国と呼ばれる理由を探ろうと決めました。
さて、時は流れて今は入国してから2日目の夕方です。
キノはこの日、この国が嘘つきの国と呼ばれるのはこの国にとんでもない嘘つきが居るのでは無いかと思って午前中はそれとなく道行く人に尋ねていましたが、それは違ったようでした。
ではみんなで嘘をつく日があるのでは…と思いましたが、どうやらそんなものは無いようです。その時キノが少し怪しまれましたが明日が自分の居た国ではみんなで軽い嘘をつき合うお祭りの日だと言って誤魔化しました。
そして、一日のほとんどを使って調べても何も出てこないのはちょっと不自然だと感じたキノは裏路地に入り、こういうことに詳しい人を探す事にしました。
大抵、大っぴらに出来ないような情報は裏路地などに居る人達が知っている事もあるのです。
ついでにいうとそう言った人達にはチップをあげれば自分がそれを聞いた事を黙っていてくれたりもするので情報を得るのには便利です。
「ねぇ、そこのおじさん」
そしてキノは裏路地に入るなり、入ってすぐの辺りに居た男に声を掛けました。
「なんだね…私は忙しいんだ」
すると男は不機嫌そうに答えましたが、キノがチップ(日本円にして200円ほど)を見せると途端に態度が少し軟化しました。
「まぁ、そんなことは言わないでよ」
キノは男に対して近づいて行き、2つの質問をしました。
この国は嘘つきの国だって言っていた人が居たが、それはどういうことか?
貴方より少しでも先の質問の答えに関して詳しい人は居るか?
の2つです。
すると、男は明日の朝、出国するゲートの側で待っていると言い、そこで詳しい事を教えるとも言いました。
そして、2つ目の質問に対しては自分が一番だと答えました。
どうやらキノは、運良く一発でかなり詳しい人に辿り着けたようです。
二人はその後、お互いに名前を教えてから別れました。
キノは男が本当に詳しいのかどうか日本円換算で2000円分のチップを使って調べていたのですが。
そして翌日の朝。
キノはエルメスを押しながらゲートの近くまでやってきて、先日の男を探しました。
でも大して期待はしていませんでした。
まぁそれでも出費はそれほどでもなかったので問題は無いのですが。
二人は期待はしていない物のゲートの前で男を待ちました。
すると意外にも男は数分とせずやってきて、ここでは言えないと言い自然な形で路地裏へと誘い込みました。
キノは何かをする気かと思いましたが、キノのパースエイダーを分かりやすく見せてもまったく反応しないあたり、ただ本当に表では言えないだけのようです。
まぁよほど感情や反応を隠すのが上手いのかもしれませんが。
「さて、この国は外で嘘つきの国…なんて呼ばれてるんだけど、その詳細を教えてくれるんだよね?」
「あぁ、まぁちょいと長くなるが良いな?」
男の問い掛けにキノはうなずきます。
すると男はゆっくりと語り始めました。
「この国はな、実は100年以上前に一度天変地異だかなんだか…まぁ分からないけど何らかの原因で滅びてるらしいんだ。だけどどうしてかその次の日にはみんなが天変地異も何も無かったかのように少し記憶をなくして暮らしてたらしい。でも俺の爺さんだけはそれを記憶してたみたいなんだ。正確にはここがじきに滅ぶって書いた日記を読んでだけどな」
「?」
「あぁ、分からないか。まぁまだこれには続きがあるんだ。そのあと、爺さんはその日記を近所の知り合いに見せたらしいんだ。幸いにもそこには詳しい事が書いてあったからな。でも見せられた知り合いはどうなったと思う?」
男はもったいぶったように間を置いてから最後にこう付け加えました。
「ポン。と消えちまったんだってよ。あぁそうだ、ちなみに俺もそれを俺が金を借りてる業者に見せたら本当に消えちまったんだぜ?でも、この事は秘密だぞ」
キノはその一言を聞いて、この国が嘘つきの国と呼ばれている理由に気が付きました。
そして、キノは男に礼を言うとその場を立ち去って行ったのでした。
そのあとのこと。
キノとエルメスは草原を走っていました。
その後ろには来たときと同じく、はったりの城壁が見えています。
今日はほんのちょっとだけ、風が強いようでした。
「さて、ボクはなんとなくあの国が“嘘つき”な理由が分かった気がしたけど、エルメスはどう?」
キノがエルメスにそういうと、エルメスは返すようにこう言いました。
「ボクもさ。じゃあまずはキノからどーぞ」
するとキノは少し間を開けて1つの答えを言いました。
それは、まるで物語のような物でした。
「まず、これにはあの国が今回ボクが見たように中途半端な発展ではなくものすごい発展してるって前提が必要になるんだけどさ………もしかしたらあの国はそもそも国そのものが嘘をついてるんじゃないかなって思う。まずあのはったりの城壁だけど、あの中と外では生えている植物が違いすぎるんだ。見た目は良く似てるけど、中にあった方の植物は外にあった方の植物が来たらすぐに淘汰されちゃうような種なんだ。たとえ城壁があったとしてもね?あと、あの国がどんな国か教えてくれた人が要ってたでしょ?あの国は30年くらい前に天変地異が起きて滅びかけたけど、それでもすぐ立ち直ったって。そしてこれが最後で…あの男の人は日記を見せたら人が消えたっていってたでしょ?普通人は消えないよね。でも、今から言った事が事実に近いのだとすればそれも可能だ」
キノは深く息を吸ってから続けます。
「つまり、まとめるとあの国は実は質量を持った立体映像だとか、高性能な光学迷彩か幻覚を見せる技術がきっとあって、あの男の人のお爺さんとあの男の人はそれを見続けていたんじゃないかな」
「なるほど………ボクもキノと同じ事を考えてたよ」
「…そうかい、ならば君は明日から僕と同じように早起きを…」
「ごめん嘘」
キノは呆れたように軽く笑ったあと、草原を駆けて行きました。
そして、キノとエルメスの旅は続いて行くのです………きっとこれからずっと。
いや、どもども。小学校のとき好物をソフトさきいかと行って引かれた半ニートです。
今回の話、かなり中途半端な終わりだと思った方はたくさん居るでしょう。
まぁアレです。細かいところはご想像にお任せしますってやつです。
言っちゃ難ですが読者の皆さんの一人一人が思ったストーリーが正道ってことにもなるわけで…………
いや正直ただ細かいところを書くと矛盾やら何やらでキツい事に気づきましてね。こんな有り様ですのよ。
まぁ、とりあえずこんなところで。
出来れば半ニートのページから他の作品も読んで頂けると幸いですね(宣伝)